「真儒協会開設 5周年に想う」
                    真儒協会副会長 : 嬉納 禄子 〔きな さちこ〕

―――  照隅啓蒙/たかね研究所/「君子の儒」/「一〔いつ〕なるもの」(不変・変易)/
       「縁尋機妙」/「経の師は遇い易く、人の師は遇い難し」/“変化〔Change〕の学”/
       「時に中す」/「飛龍」  ―――


( ※ 本稿は、さるH.23.4.29 に催された“開設5周年 真儒の集い”で、参加者に配布いたしました 嬉納禄子 女史の随想です。)


《 はじめに 》

 真儒協会開設 5周年を皆さまと共に迎えられますことを、
心よりお慶び申し上げます。

 “真儒協会”は、平成19年 6月16日に、“発足の会を催しまして、
照隅啓蒙〔しょうぐうけいもう〕 ”の対外的活動を開始いたしました。

「光陰矢のごとし」と申しますが、あっという間に月日が流れ 
5周年目の“真儒の集い”を迎えることとなりました。

誠に、感慨深いものがあります。


 念願のインタ−ネットによる発信活動も、
平成21年春から本格的に開始いたしました。

○真儒協会ホームページ : http://jugaku.net/
  (文字検索 : 儒学に学ぶ

○盧会長のブログ : http://blog.livedoor.jp/jugaku_net/
  (文字検索 : 儒灯 〔じゅとう〕 】

内容も “定例講習レジュメ” ・ “儒学からの言霊” ・ “儒学随想” ・・・ など、
しっかりと充実してまいりました。

沢山の方がご覧になって、自学・自修に利用して頂きつつあります。

ネットによる発信内容に感銘を受けられて、
それをきっかけに、“真儒の集い”に参加されたり、
“定例講習”を受講されたりする方も増えてまいりました。


 『論語』の冒頭に、「朋〔とも〕遠方より来る有り。亦〔また〕楽しからずや。」 (学而第1)
[共に道を学ぼうとして、思いがけなく友人が遠くからはるばるやって来る。
何とまあ、楽しいことではないか。] とあります。 

このことが、近年は、私にとりまして大変身近に力強く感じられております。


 さて、敗戦後の日本は、“日本の善きこころ” を忘れ、
教育現場から(半世紀以上も)道徳・徳育が無くなっています。

これでは日本の未来は危ういと、
盧先生は“儒学”のルネサンス〔再生・復活〕を志されました。

『論語』にいう「温故知新」です。

新たに「真儒協会」を開設され、
“照隅啓蒙〔しょうぐうけいもう〕 ―― もっと光を ―― ”のスローガンのもとに、
今日まで着実な活動を重ねてきておられます。


 真儒協会の中心的活動である“定例講習”は、
「論語」 ・ 「老子」「孝経」 : H.22終了) ・ 「本学〔もとがく〕」 ・ 「易経」 の
4つの講座から構成されております。

全講座を、盧秀人年先生お1人で講義されておいでです。

私は、4科・4人の先生による講義と錯覚して、
いつも不思議を感じるところです。

漢文原書の現代語訳・解説をはじめ、
すべてオリジナルで講習教材を作成され、
またパソコンに入力してレジュメをネット上に発信されております。

http://blog.livedoor.jp/jugaku_net/archives/cat_10018468.html

いつもながらのこととはいえ、驚異的な多才〔マルチ〕と 
その精励ぶりに感心することしきりです。


 3年余をかけて「孝経」全文の講義が終了し、
昨年度から、「老子」の学習が開始されました。

東洋思想を学ぶ者にとって到達点、ある種の憧憬〔あこがれ〕ともいえる
『易経』『老子』
を、ふたつながら学べますことを
ほんとうにありがたく感じております。

《 師のこと 》
 
 私の師・盧先生は、多芸多才の器量人です。

多くの分野に才能を発揮されています。

学問においても、“ふところ” が深く、多くの専門分野を一身に修められ、
学識を蓄えられておいでです。

公的資格を 50 ほどもお持ちです。


 例えば、美術・デザインの分野では、
「カラー〔色彩〕」の第一人者として知られています。

ご自身、日本で最初の、第一回文科省認定・1級カラーコーディネーターです
(’92認定取得)。

大学で講義されたり民間のスクールや団体で講演を重ねられたり、
教本執筆や教材の開発を手掛けられたりと、
その才能をいかんなく発揮されてきました。


 私も、「たかね研究所」で “色彩研究科”に在籍して、
色彩検定対策講座、パーソナルカラー研修課程などを広く・長く学ばせて頂きました。

“色彩研究科”には、1級カラーコーディネーターやカラーアナリストの
全国レベルの先生方が、きら星のごとくいらっしゃいました。

それらの諸先生方の、個性あふれる優れた面に学ぶことが出来ました。

とても、恵まれたことと感謝いたしております。


 とりわけ、私は、盧先生の肝いりで、
カラー・メイク・アロマのスペシャリストである 汐満未佐子先生に、
パーソナルカラーとメイクの専門的個人指導をして頂きました。

たいへん光栄に思っております。

汐満先生は、真儒協会とのつながりでも、
カラーやメイク、風水の分野で“特別セミナー”をお手伝い頂き、
また毎・年度当初の “真儒の集い”では、司会・進行をお務めになっていらっしゃいます。


 そして、特に記しておきたいのが盧先生のご子息、盧未来さまについてです。

 盧未来さまは、幼少より父君〔ちちぎみ〕に、
『孝経』・『大学』・『論語』・『易経』などの薫陶を受けられました。

“11歳”で、易学の大きな団体で初めての講演 (テーマ : 「易と動物」 を
立派に果たされました。

その折、受講生の(年配)の方が感動なさいまして、
「今まで『易経』は難しいと敬遠していましたが、今日からその考えを改めて、
勉強していきたいと思います。」との感想を述べられたのを、
印象深く記憶しています。

翌年、12歳の時、真儒協会・“発足の会”で、
「教育勅語」 を格調高く朗誦〔ろうしょう〕
されました。


 盧未来さまは、その後、逞〔たくま〕しく成長されており
人望・徳望は衆を超え、強力なリーダーシップを育まれています。

中1で剣道部主将、高1で応援団団長に就かれました。

現在、高校生活を諸活動と勉学に、
「自強不息〔じきょうふそく〕」 (『易経』 乾・大象) で励んでいらっしゃいます。


 盧先生は、よく、「一〔いつ〕なるもの」(不変・変易)は、
一面で“受け継がれるもの”
 (DNA./【雷風恒〔らいふうこう〕】卦)でもある、
と持論を語っておられます。


志と思想は、受け継がれなければなりません。

『論語』に「後生畏るべし」とありますが、
まさに、未来さまのような青年のことをいうのでしょう。

将来、正しく志と思想を“受け継ぎ”、
日本を背負う 「君子の儒」・リ−ダー となり、
“世界の架け橋”となられることを楽しみに期待いたしております。



《 友のこと 》
 
 「たかね易学研究所」の学友で、
物故者となられた方々にも善い人がいました。 

 Rさんは、いつもご自身の波乱に満ちた深い人生体験を、
易学に基づいて語られていました。

それは、私にとって活〔い〕きた学問であり、とても勉強になりました。

難病をかかえており、医師から余命が告げられ、
「その(告げられた寿命の)歳から、すでに10年 生き続けています」
とおっしゃっていたのが、いまだに印象に残っています。

盧先生のもとで学ぶことができる機縁をとても喜ばれて、
熱心に学習されていました。

ご自身が、サロン風の“鑑定所”を開いて、
アドバイザーとして活躍する日を楽しみになさっていましたのに。

残念ながら、その日をまたずに逝〔い〕かれました。

 もうおひと方、Tさんは、真儒・定例講習では、
「(研究)発表」で朗読を務められました。

盧先生から、私といっしょに“書”もご指導していただき
2人して立派な軸装(半折)に仕上げ、美術展に出品したりしました。

彼女は、東洋源流思想を熱心に学ばれていました。

ご自身、「仁徳」が体からにじみでていて、“凛〔りん〕”とした雰囲気の方でした。


 この、類〔たぐい〕まれなるお二人は、私の半生最良の学友・道友でした。

お二人にご縁があったことを身の幸せと思い、
縁尋の機妙〔えんじん きみょう: 善い人から善い人へと縁がつながっていきます。
これは、まことに人知を超えた神秘なものであるということ〕」

想わずにはいられません。

 以上にみてまいりました私の師との、また友との巡り合いにつきましては、
今、この「縁尋機妙」ということばを、深くかみしめております。

人の運命は、人間や学問・モノ事などとの出合いによって、
大きく変わってまいります。

善い師・善い友に巡り合えば生きていく力が増し、
善い学問・モノ事は人生を豊かに輝かせます。

このあたりが、“人生(の成功)は運が大きい”といわれるゆえんなのでしょう。

“自分のことは自分で決めろ”と申しますが、
“変化”に良く即応し善き生活環境(場)に自分をおくには、
善い師・友の導きが重要です。

中国の古い言葉に、
「経〔けい〕の師は遇い易く、人の師は遇い難し」とあります。

講説の先生には出会えても、
人生を教えてくれる先生にはなかなか出会えないものです。


この歳になり、しみじみとこのことを実感しております。


《 私のこと ・・・ 》

 私は、故郷の沖縄から大阪に出てきて 40年ほどになります。

その大半の歳月を「たかね研究所」という“場”での学修活動で過ごしました。

盧先生の講演のアシスタント、政治活動のお手伝い、
歌唱などの芸術活動、などなど。

他所〔ほか〕では得られない、幅広く多彩な人生体験を重ねさせて頂きました。


 私は、師に恵まれているとつくづく思います。

盧先生に出合ったことで、『易経』を筆頭に東洋思想を学ぶことができました。

更に、盧先生とのご縁を通して(間接的に)東洋思想の泰斗〔たいと〕、
安岡正篤先生の教学を学ぶことができています。


 なかんずく、盧先生から東洋思想の源流 『易経』を学べたことは、
私の“人生の宝”・“財産”です。


この易学により、後半生の生き方が一変いたしました。

易は“変化〔Change〕の学”です。

「臨機応変」・“臨変応機”という語があります。

私は、盧先生から、その時々・変化に対して
適切に「敏〔びん〕」に対応すべきであることを教えて頂きました。

「時のよろしきを得る」・「時に随〔したが〕う」・「時に中す」・・・ ということです。

先生から易を学んだことで、窮することなく、
円通自在の易の世界で人生を賁〔かざ〕ることができております。


 ところで、真儒協会では、毎年4月の年度初めに
“真儒の集い”を開催
いたしております。

1部:特別講演 / 2部:式典 の構成内容です。


 私も、平成21年度“真儒の集い”・特別講演で講演させていただきました。

テーマは、「儒学と私 ―― 師と 『易経事始』 との出合い ―― 」です。
http://blog.livedoor.jp/jugaku_net/archives/50755067.html 

私にとって、過分の貴重な体験でした。

それまで、日本易学協会大阪府支部、関西師友協会・篤教講座などで
講演・発表
の機会を頂いておりました。

しかし、この時の特別講演は、私の人生にとって
一番の大決心・大奮闘で務めさせて頂きました。

私の人生で最大の“実績”です。

盧先生には、最初のあいさつの仕方に始まり、
いろいろと事細かにご指導を頂きました。

結びのあいさつの時には、先生に対する感謝の気持ちで、
胸にこみあげてくるものがありました。


《 おわりに 》

 いま“5周年”の貴重な節目にあたり、
“あなたが、一番大切にしているものは?” と聞かれましたら、
私は迷わず 「師」ですと応えます。

盧先生と、師弟の縁で出合ったという意味です。

それを契機〔けいき〕に学友・道友にも出合えました。

そして、儒学・易学を学ぶことも出来ました。


 現在、真儒協会副会長という過分の要職を頂き、
温かく育んで頂いておりますこと、
またこうして研究や発表の“場”を頂いておりますことに
心から感謝申し上げます。

お陰様をもちまして、浅学菲才な私の、
晩年の人生が “きらめいた” ものとなっております。 

――― これで“善かった”と思えております。


 『易経』 64卦、第一番目の卦【乾為天〔けんいてん〕】の 5爻辞〔こう じ〕に、
「飛龍〔ひりゅう〕 天に在り。  大人〔たいじん〕を見るに利〔よ〕ろし。」とあります。

5爻の陰陽変じて、之卦〔しか:近未来を現わします〕は、
【火天大有〔かてんたいゆう〕】[大いに有〔たも〕つ の意]です。


 真儒協会と盧先生父子が、“インターネットの雲”に乗り 
「飛龍」 となって天翔〔あまがけ〕る
日が来ることを、せつに希望して結びといたします。

                                               ( 以 上 )




「儒学に学ぶ」ホームページはこちら
※吹田市立博物館における、講演のご案内掲載しております。 (2011年6月)
http://jugaku.net/

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