●吹田市立博物館・講演 『 むかしの中国から学ぶ /【全6講】 』
【第2講】 §.「 易占 と 易学 」 (‘11.6.5 )
◆ 真儒協会/定例講習・「老子」の紹介 ── 抜粋
儒学と老荘(黄老・道家)思想は、東洋思想の二大潮流であり、
その二面性・二属性を形成する ものです。
国家・社会のレベルでも、個人のレベルでも、
儒学的人間像と老荘的人間像の2面性・2属性があります。
また、そうあらなければなりません。
東洋の学問を深め つきつめてゆきますと、
行きつくところのものが、 “易”と“老子” です。 ──
ある種の、憧憬〔あこがれ・しょうけい〕の学びの世界 です。
東洋思想の泰斗・安岡正篤先生も、次のように表現されておられます。
「東洋の学問を学んでだんだん深くなって参りますと、
どうしても易と老子を学びたくなる、と言うよりは
学ばぬものがない と言うのが本当のようであります。
又そういう専門的な問題を別にしても、
人生を自分から考えるようになった人々は、
読めると読めないにかかわらず、
易や老子に憧憬〔しょうけい〕を持つ のであります。」
( 安岡正篤・『活学としての東洋思想』所収「老子と現代」 p.88引用 )
このたび(2010)、真儒協会/定例講習・「孝経」の講座を修了し、
「老子」を開講することとなりました。
担当講師の私(高根)は、50代にして、
『論語』・『易経』に『老子』をあわせて講じることに、
教育者としての矜恃〔きょうじ〕を新たにしているところです。
── 『論語』の中に、孔子の 「温故而知新」
(故〔ふる/古〕きを温〔あたた/たず・ねて〕めて新しきを知れば、以て師となるべし)
の名言があります。
新たなる研究成果も踏まえながら、
20世紀初頭、「平成」の現代(日本)の“光”をあてながら、
“易学”と“対話”してまいりたいと思います。
故〔ふる〕くて新しい 『易学』 を活学してまいりたいと思います。

◆ 『易経』 64卦 奥義の序
☆ 乾・坤にはじまり 既済・未済に至る
☆ 龍〔ドラゴン〕にはじまり 小狐に終る
『易経』 〔“The Book of Changes”〕 は、
万物の変化とその対応の学。
東洋の源流思想であり、儒学経書(五経)の筆頭であり、
帝王(リーダー)の学です。
“東洋のバイブル”が 『論語』なら、
“東洋の奇(跡)書” と呼びたく思っております。
『易経』は、世界と人間(人生)の千変万化を、
“ 64卦(384爻)”のシチュエーション〔 situations 〕
(シーン〔 scenes 〕) にしたものです。
「書は言を尽くさず、言は意を尽くさず。」(繋辞上伝) ですので、
それ(64卦・384爻)を ものごとを象〔かたど〕る“象〔しょう〕”と、
解説する言葉 “辞”とによって深意・奥義を表示しています。
さらに「易経本文」に、孔子及びその門下の数多が(永年にわたって)著わした
「十翼」(10の解説・参考書)が合体します。
辞と象の、さらに易本文と十翼の融合合体が、
『易経』の真面目〔しんめんもく〕であり
“奇書”の“奇書”たるゆえんでありましょう。
『易経』の真義を修めることにより、
個々人から国家社会のレベルにいたるまで、
“兆し”・“幾”を読み取り、生々・円通自在に変化に対応できるのです。
21世紀を迎え、“未来に向かって足早に後ずさりしている” 現在こそ、
東洋3000〜2000年の英知のリナシメント〔再生・復活〕 が必要なときです。
( 高根 秀人年 2009 )
「上・下経 64卦によって理論的・実践的に、
我々が無限の進歩向上の原理原則を把握することができる。」
「この『易経』をみますと、前編つまり上経30卦は、
その創造・進化の主として原理を明らかにしたものということができる。
それに対する後編、下経34卦は、
これは前編の創造・進化の原理をやや人間的に、人間界に適用して ──
前編を天事を主とすれば、後編のほうはもっぱらこれを人事に応用したもので、
前編と後編とで天人統一、天人相関を明らかにしたものということができます。」
( 安岡正篤 『 易と健康(上) 易とはなにか 』)
(この続きは、次のブログ記事に掲載しております。)
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