(こちらは、前のブログ記事の続きです。)


《 3.易学/易のしくみ(理〔ことわり〕) 》


 A.八卦・八象  


 ( ※ 「先天八卦」 変 「後天八卦」 原理図 ── 略 ── )

 八卦〔はっか/はっけ〕・八象〔はっしょう〕

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★ 「八卦」・「八」 の言葉      
“あたるも八卦、あたらぬも八卦”/“ハッケヨイ!ハッケヨイ!”/
“八卦見”=易者/“八俣〔やまた〕のおろち”/“大八島国”(『古事記』)/
“口八丁、手八丁”/“八百万〔やおよろず〕”/“八百屋〔やおや〕” ・・・


1.乾  【けん/】 (六白金性/星) : 
    父、全陽、剛健〔ドラゴン〕・虎・駿馬。


2.兌  【だ/】  (七赤金性/星) : 
    少女、悦楽、角の長い動物・羊(象形から)

     ・ 流水「坎」の下をふさいでせき止めた象。
     ・ 陰が2陽の上に乗って悦んでいる象(肩車)。
     ・ 兌の字義 ・・・口を開いて顔にシワがある形から。
     ・ 口の意、口を開いて男心をそそる意。
                cf.「天沢履」=“女子裸身の象


3.離  【り/】  (九紫火性/星) : 
    中女、明智、蛍・雉・孔雀・かに・・・

     ・ 乾の中爻に1陰の太陽が麗〔つ〕く、
       南天に沖する太陽とも1陰を太陽の黒点ともとる。
     ・ 中虚(中爻の陰)からビン・鳥の巣、陰を柔として亀・かに・貝など
         cf.「風沢中孚」=大離で “まこと、タマゴ”


4.震  【しん/】 (三碧木性/星) : 
    長男、振動小龍・仔馬・音の出るもの(携帯電話・インターネット)・・・。

     ・ 1陽が2陰におさえられ怒気を発する(雷)、
       発奮の気・春雷、早春の2陰の冷たさを払い除こうと躍動する。


5.巽  【そん/】 (四緑木性/星) : 
    長(大)女、伏入、蛇・豚・蝶・トンボ・・・。
     ・ 乾の天に1陰が伏入(巽〔たつみ〕風)、寒気は陰で重いから下から入ってくる。
     ・ 画象は、座卓・和机・木製ベット・・・。


6.坎  【かん/】 (一白水性/星) : 
    中(次)男、陥険・鼠・魚・・・。
     ・ 字は「土を欠く」 。 
     ・ 坤地に1陽の水が流れている。
         cf.算木画象 → タテ「川」の字、「水」の字?(by 高根)
     ・ 土が欠けている象を穴、1陽が2陰に挟まれている象からも陥る。


7.艮  【ごん/】 (八白土性/星) : 
    少年(男)、停止(ストップ)、犬・鹿・昆虫。
     ・画象は、大地(坤地)にそびえる山脈の尾根の象。 山、カベ。
     ・股を開いた象。
         cf. 「地山謙」=“男子裸身の象


8.坤  【こん/】 (二黒土性/星) : 
    母、全陰、柔順(牝)牛・豹・猫・・・。


 B.易経 64 卦   (by たかね)

☆☆ 易の仕組み ☆☆
 「易に太極 (たいぎょく) あり。 これ両儀 (りょうぎ) を生ず。 
  両儀は四象 (ししょう) を生じ、四象は八卦 (はっか) を生ず。」
    (繋辞伝) 

 ( ※ 説明図 ── 略 ── )

 ( ※ 易占六十四卦・一覧 / 『易経』・【乾為天】本文 ── 略 ── )


 C.卦の解釈  

 ── 卦の考察・解釈・判断 ──

 ○ 「それで、町のいわゆる易占家というものは、
  易というものをまことに簡単に取り扱いますけれども、
  これは実は非常に難しいものである。
  というのは、人間というものは難しいものであり、
  したがって人生というものは難しいものですから、
  それに応じて、易というものはやはりちゃんと具体的・理論的に
  よくできておるものなんです。」         

 ○ 「ですから、すくなくとも本卦、互卦、綜卦、錯卦、之卦の
  この五つをみなければ、本当の易にならんというぐらい厄介な ── 
  厄介というよりも周到、到れり尽くせりの理法を含んでいるんです。」 
    (安岡正篤・『易とは何か』 p.128,pp.131〜132)


 ■ 爻(こう)の知識理解

  ・ 初爻/二爻/三爻/四爻/五爻/上爻〔初六(しょりく)・初九(しょきゅう)/
   六二(りくじ)・九二(きゅうじ)/六三(りくさん)・九三(きゅうさん)/
   六四(りくし)・九四(きゅうし)/六五(りくご)・九五(きゅうご)/
   上六(じょうりく)・上九(じょうきゅう)〕

    ※ 陰の数は6(六・りく)、2+4=6 。
       陽の数は9(九・きゅう)、1+3+5=9。

  ・ 貴賤の位/ 爻の定位〔正位・不正位〕/ 中〔中正・不中〕/ 
   応(爻)と比(爻)/ 承と乗 ・・・・・

    ex.── 63 「水火既済」 ☵☲ と 64 ☲☵ 「火水未済」


 ■ 時・時の流れ(卦・爻とも)

  ・ 時間─四次元的発想、変化=変易─無常

    ( ※ 以下、今回は 略 )



《 4.易占 ・ 立筮〔りつぜ〕 の実際 》


☆ 略筮  (三変)/中筮(六変)/元乃筮〔げんのぜい〕(四変)/本筮(十八変)

    cf.梅花心易(邵康節〔しょうこうせつ〕)

 ( ※ 略筮の実演披露 )


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《 §.むすびにかえて 》


・ 干支〔かんし/えと〕の易学的考察 
     *(詳しくは、高根ブログ 【儒灯】 「 謹賀辛卯年 」参照のこと)
       http://blog.livedoor.jp/jugaku_net/archives/51184930.html


  干支 = 十干 & 十二支
  今年の干支を易の64卦になおして(翻訳して)解釈・検討 :
  平成23年度干支 = 辛・卯〔かのと・う〕 → 【沢風大過】 (沢と風)


・ 【沢風大過】 : 
  【大過】 は、大(=陽)が過ぎるの意です。 
  「過」は“不及”の反対、過食・過飲・過労・過色 ・・・・ 。
  草木を養育すべき水沢が、大いに過ぎて滅失させます
  (水も多すぎると植物を腐らせます)。
  すなわち、本来良いものも 過ぎるとダメということ =「中庸です。
  互卦〔ごか=含まれているもの、可能性〕は、
  全陽の【乾為天】にて剛にして健の意です。
  『易経』に「棟撓〔むなぎたわ〕む」(卦辞)とあります。
  棟木は屋根を支える横木です。
  「顛〔くつが〕えるなり」(雑卦伝)ともあります。
  (国)家、まさに倒壊の危機です!

    cf.大(=陽)は、太陽 ・ 原子力(福島第一原子力発電所事故 ’11.3.11〜)

・ 先天卦 → 【水沢節】 (水と沢) : 【節】=節操・志節・節義
  現今〔いま〕、「節」は「恥」と共に地に堕〔お〕ちて忘れられた感があります。


( 以 上 )



(この続き、第3講 「 陰陽相対(待) 」 は次のブログ記事に掲載しております。)


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