さる‘12年6月17日(日)、関西師友協会(大阪・心斎橋)の “篤教講座”の中で、
私 盧が 《 安岡正篤先生に学ぶ 「老子」 》 と題して発表を行いました。
3回シリーズの初回です。
(*第2回目は、10月第三日曜日。/ 第3回目は、12月第三日曜日です。)
“篤教講座”は、東洋思想の泰斗〔たいと〕、故・安岡正篤先生の教学に学ぶもので
『易経』を中心とする講座です。
2ヶ月に一度、偶数月・第三日曜日に開催されています(8月は休み)。
私が、斯講座で発表を務めますのは、これで三度目になります。
前2回は、易学・『易経』の内容で発表いたしました。
今回は、テーマに「老子」を選びました。
儒学と老荘(黄老・道家)思想は、東洋思想の二大潮流であり、
その二面性・二属性を形成するものです。
国家・社会のレベルでも、個人のレベルでも、
儒学的人間像と老荘的人間像の2面性・2属性があります。
また、そうあらなければなりません。
東洋の学問を深めつきつめてゆきますと、
行きつくところのものが“易”と“老子”です。
―― ある種の憧憬〔あこがれ・しょうけい〕の学びの世界です。
安岡正篤先生も、易や黄老(老子)の学について次のように述べられています。
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○ 「東洋の学問を学んでだんだん深くなって参りますと、
どうしても易と老子を学びたくなる、と言うよりは
学ばぬものがないと言うのが本当のようであります。
又そういう専門的な問題を別にしても、
人生を自分から考えるようになった人々は、
読めると読めないにかかわらず、
易や老子に憧憬〔しょうけい〕を持つのであります。
大体易や老子というものは、若い人や初歩の人にはくいつき難いもので、
どうしても世の中の苦労をなめて、世の中というものが
そう簡単に割り切れるものではないということがしみじみと分かって、
つまり首をひねって人生を考えるような年輩になって、はじめて学びたくなる。
又学んで言いしれぬ楽しみを発見するのであります。」
(*安岡正篤・『活学としての東洋思想』所収「老子と現代」 p.88引用 )
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私は、浅学菲才〔せんがくひさい〕にもかかわらず、
善き機会と場を頂いて、「易学」と「老子」を二つながらに講じさせて頂けることを、
まことにありがたく感謝いたしております。
テキストは、私のオリジナルで、A4/65ページ(“PART 1”)を執筆・作成いたしました。
(次回以降に用います“PART 2”も、概ね同じ程度のページ数になる予定です。)
『老子』の原典・解説書を英文文献も交えて解かり易く書き下ろしました。
真儒協会定例講習・「老子」で、私が講じてきたものと今後講ずる予定の内容も含めて、
老子の総括的内容となっております。
(手前味噌ながら、)難解をもって知られる老子の思想を、
咀嚼〔そしゃく:よくよくかみ砕き味わうこと〕してポイントをまとめあげた、
そしてビジュアル化も図りました労作です。
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○ 「 ―― 『論語』の中に、孔子の「温故而知新」
(故〔ふる/古〕きを温〔あたた/たず・ねて〕めて新しきを知れば、以て師となるべし)
の名言があります。
“帛書老子”・“楚簡(竹簡)老子”の新発見による研究成果も踏まえながら、
20世紀初頭、平成の現代(日本)の“光”をあてながら、
「老子」と“対話”してまいりたいと思います。
故〔ふる〕くて新しい「老子」を活学してまいりたいと思います。」
(*テキストp.12: 黄老の学あらまし《 1.「老子」紹介 》 末文引用)
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なお、オリジナル・テキスト(“PART 1”)の内容項目のあらましは、
以下のとおりです。
『 安岡正篤先生に学ぶ 「老子」 (“PART 1”) 』
by.盧 秀人年
* カット: 横山大観・画
《 とびら 》 ―― 「老タン〔ろうたん〕 道を行く」(高村 光太郎・『道程』)
《 プロローグ: はじめに 》
§.機 圈^族正篤先生 と 老子(老荘思想) 》
§.供 圈 判子百家” の中の 儒家と道家(老荘) 》
[ 黄老の学 あらまし ]
§.機 圈 嶇兄辧廖‐匆陝 奸
§.供 圈]兄卻語り(伝説) ―― “龍のごとき人” (司馬遷・『史記』) 》
§.掘 圈ー学 と 黄老 ―― 安岡正篤・老荘本 抜粋 》
[ 『老子道徳経』 ※(本文各論)解説 ]
● 宇宙論 / 道=無
【 老子: 25章 / 4章 】
(象元・第25章) “元始〔もとはじまり〕”の理 ―― 「道」とは?
(無源・第4章) ナゾのような末句 「象帝之先」 ―― 「道」とは?
● 道=無
【 老子: 1章 】
(体道・第1章) 首章・冒頭 ―― 「道」とは?
【 42章 / 40章 】 《 【損益】の卦と「老子」 》 【 42/ 77/ 53/ 81章】
(道化・第42章) 老子の “万物生成論“
(去用・第40章) 「有生於無」 ―― 「道」の作用
【 老子: 41章 】 /関連70章 ○「被褐(而)懐玉」 ◎「衣錦尚絅」(『中庸』)
(同異・第41章) ―― 「道」のありかた/ 「大器晩成」 → 「大器免成」 注2)
※ オリジナル・テキストの具体的内容は、
当ブログ【儒灯】・定例講習カテゴリ記事の「老子」で逐次〔ちくじ〕ご覧になれます。
また、テキストの若干の残部につきましては、高値(?)にてお頒〔わ〕けできます。
参考 : 【 表 紙 】
参考 : 【 中表紙 】
参考 : 【 図 】
● 「儒学」 と 「黄老」 イメージスケール (by.たかね)
● POINT! 「明徳」 ・ 「玄徳」 / 「明明徳」 (by.たかね)
( 以 上 )
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