謹賀乙未年 〔謹んで乙未年を賀します〕 

───  乙・未・三碧木性/今年の漢字「税」/【震 ☳】=インターネット/
“美”・“義”・“善”・・・/「いけにえ」・「人身御供」・“スケープ・ゴート”/
「羊羹〔ようかん/ようこう〕・「羊頭狗肉」/「羊が人間を喰う」/
【風地観】・【沢風大過】卦/“心眼”・「観光」/“未来”/
【山水蒙】卦/“啓蒙照隅” 
 ───


《 はじめに ・・・ 干支について 》

明けて平成27年(2015)。新年を皆様と迎えますこと、大慶でございます。

私も“還暦”を経て、ふた回り目の暦となりました。

歳重ねの想いを新たに、例年のように干支〔えと/かんし〕から始めて、
いささか本年の観想といったものを述べてみたいと思います。


今年の干支〔えと/かんし〕は、(俗にいうヒツジではなく)
「乙・未〔きのと・ひつじ/おつ・いつ/び・み〕です。

干支は、十干〔じっかん〕(天干)と十二支(地支)です。

かつてはこの、10 と 12 の組み合わせで、
60干支〔かんし〕の暦を作っていました。


そして、本来十二支は、動物とは専門的には直接関係ありません。
が、動物のイメージ・連想は、人口に膾炙〔かいしゃ〕しています。

干支を「今年のエトは、ヒツジで ・・・ 」とメディアが薄々軽々と報じているところです。

また、干支は旧暦(太陰太陽暦:我国で明治維新期まで用いられました)ですから、
年始は 2月4日(立春)からで、2月3日(節分)までは、
まだ「甲・午〔きのえ・うま/こう・ご〕」です。

これらのことを確認しておきまして、
これから本年の干支「乙・未」年にまつわるお話をしてまいりましょう。


《 今年(‘14)の漢字 「税」 》

昨年・平成26(2014)年の世相をあらわす文字(「今年の漢字」)は「税」でした。
(一昨年は「輪」、その前は「金」。) 注) 

昨年4月から、消費税率が5%から8%に引き上げられました。

年末には、衆議院議員解散総選挙が行われ、その(一応の)大義名分が、
消費税率8%から10%への当初予定値上げの先送りの“信”を問う、
というものであったからでしょう。


“「悦」かと思ったら「税」だった。
税と悦をはかりにかければ片方が重く、
どこかで悦に化けてくれればいいのだが。」”
(12.13. 朝日新聞夕刊「素粒子」)

という新聞記事がありました。

大陸的(中国的)に、鷹揚〔おうよう〕に、文字を見れば
(“つくり”は)「兌〔だ〕」で同じです。

「兌〔だ〕」は、易の八卦【兌 ☱】で、
“悦〔よろこ〕ぶ”・“金〔かね〕”・“羊”などの象意〔しょうい〕です。

── 尤〔もっと〕も【兌 ☱】が象〔かたど〕る動物は、
来年(2015)の十二支ではありますが ・・・。


注)
“その年の世相を表す漢字を発表する「今年の漢字」
(日本漢字能力検定協会主催)が今年で20年目を迎える。

「今年の漢字」は1995年に始まり、毎年「漢字の日」の12月12日に
清水寺の森清範〔せいはん〕貫主〔かんす〕が揮毫し、
清水の舞台で発表されている。 ・・・ ”

◆ 歴代の「今年の漢字」
1995 「震」 (阪神・淡路大震災、オウム真理教事件)
1996 「食」 (O〔オー〕157集団食中毒)
1997 「倒」 (山一証券経営破綻〔はたん〕)
1998 「毒」 (カレー毒物混入事件)
1999 「末」 (世紀末)
2000 「金」 (シドニー五輪)
2001 「戦」 (米・同時多発テロ)
2002 「帰」 (拉致被害者の帰国)
2003 「虎」 (阪神タイガースのリーグ優勝)
2004 「災」 (相次ぐ台風上陸)
2005 「愛」 (紀宮さま成婚、「愛・地球博」)
2006 「命」 (悠仁さま誕生)
2007 「偽」 (食品偽装)
2008 「変」 (リーマン・ショック)
2009 「新」 (政権交代)
2010 「暑」 (猛暑日が連続)
2011 「絆」 (東日本大震災)
2012 「金」 (ロンドン五輪やノーベル賞)
2013 「輪」 (東京五輪開催決定)
2014 「税」 (消費税率8%に引き上げ)
                           (朝日新聞:2014.12.13 引用)


《 乙・未 & 三碧木性 の深意 》

さて、今年の干支「乙・未」には、どのような深意があり、
どのように方向づけるとよいのでしょうか。


昨年の“十干”「甲〔きのえ〕」は、(“十干”の最初で)
“はじまる”と読み、物事のはじめを表しました。

「甲」は、“よろい”・“かぶと”の意味で、“かいわれ(かいわり)〔甲拆〕”、
すなわち春になって草木の芽(=鱗芽)がその殻〔から〕を破って頭を出すという意味でした。

旧体制の殻を破って革新の動きがはじまるということ、
創造伸長することを教えていたわけです。


「乙〔きのと〕」は、「甲〔きのえ〕」が“陽干”であるのに対して“陰干”です。

春になって殻を破って頭を出した木の芽が、寒さや外界の抵抗が強いために、
強い生命力は持っているけれども、真っ直ぐ伸びられないで
曲がりくねっているという象形文字です。 

── つまり、改革・創造の歩みが、抵抗にあって苦労するけれども、
創造的に根気よく整えまとめてゆかなければならないということです。


“十二支”の「未〔み〕」について。

漢文の再読文字で、“いまだ”・“いまだ〜ず”・“いまだし/や”の意です。

“未来”の「未」で、“未来”は“いまだ来たらず”と読みます。


この「未」の本来の意味は、ご存じない方が多いように思います。

「未」の文字は、「木」の上に短い「一〔いち〕」が組み合わさり、
木の若い枝葉が伸び茂ることを表しています。

つまり、枝葉が繁茂〔はんも〕すると暗くなりますので、
これを“剪定〔せんてい: 切り整えること〕”して明るくすることを教えています
。 

── したがって、政治・経済活動では、時に合わなくなったものを片付け、
枝葉末節にとらわれずに、思い切って整理刷新する決断と努力が求められているということです。


以上のように「乙・未」年は、自信と英断をもって困難を切り拓〔ひら〕き、
創造的着実に事を進めてよろしきを得る年といえましょう

※(以上の干支の解説については、安岡正篤氏干支学によりました。 
『干支新話(安岡正篤先生講録)』・関西師友協会刊。pp.85─86、p.42、p.231 参照。)


また次に、九性(星)気学で今年は「三碧〔さんぺき〕木性」にあたります。

陰陽五行思想で“陰”の「四緑〔しろく〕木性」(=昨年)に対して“陽”の木性です。

従って木でも剛直な大木・大樹、「寄らば大樹の陰」といったイメージです。

易の八卦でいえば【震〔しん〕☳】が相当します。

【震】は、“雷”であり、“振であり動です。

【震〔しん〕☳】は人間でいえば、【乾〔けん〕☰】の“父”にたいして“長男”ですので、
さしずめ“小竜〔ジュニアドラゴン〕”・“小虎〔ジュニアタイガー〕”といったところです。


「三碧木性」には、伸び長ずる・烈しく動く・
音がする(=電磁波/TV./インターネットなど)・希望・青色(緑/青緑) ・・・ 
などの意味が考えられます。

とりわけ、“インターネット”は良きにつけ悪しきにつけ
大きな影響力を持つ時代となってまいりました。


そこで、今年の時勢を推し測ってみますと。

経済界は“アベノミクス”の善し悪しが取り沙汰されていますが、
今ひとつ振るわないようです。

政界は、昨年末の衆議院議員選挙につづき4月には統一地方選挙ですが、
与党・野党とも困難が予想され、議論噴出の年となりそうです。

国際的トラブルも(インターネットを介して)懸念されます。 注) 

── さはいえ、POWER〔パワー〕に満ちた年ですので、
従来まで積み上げてきた努力・苦労を活〔い〕かして、
社会情勢の変化にしなやかに対応することで
方途〔みち〕を切り拓〔ひら〕くことが出来ると思います


注)
新年早々、インンターネットを媒体にして、
中東・過激派集団(テロ勢力)“イスラム国”による
日本人を含む人質・殺害のシーンが世界中を飛び回りました。


《 歴史的に「乙・未」年を振り返る 》

歴史的に、前回の「乙・未」年つまり60年前は、昭和30年にあたります。

私の生まれた翌年なので、特に関心をもっておりました。

この年は、敗戦から10年を経て
「もはや戦後ではない」(経済白書、1955/s.30)といわれるほどに
戦後の復興が進みました。

経済界はこの年の前年末から“神武景気”
(神武天皇建国以来の好況期の意: s.29.11〜s.32.6)
といわれるほどの活況を示します。

政治面では“自由民主党”が成立し、
この保守合同と社会党統一による2大政党制となり、
いわゆる「55年体制」 注) ができました。


注)
自由民主党は衆議院の議席の3分の2を占め長期単独政権を続け、
社会党は憲法改正を阻止するために必要な3分の1の議席を維持して対抗し続けます。

この体制は‘93細川内閣成立まで継続されることとなります。


《 未 → 羊 あれこれ 》

十二支・「未年」は、一般に「未〔ひつじ〕年」と言われ、
動物の“羊〔Sheep〕”に擬〔なぞら〕えられます。

羊ににちなむ言葉や言い回しについてをあれこれ述べてみましょう・・・


※ この続きは、次の記事に掲載いたします。


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