(こちらは、前のブログ記事の続きです。)
《 1.易とは何か? 》
◆ 「易」の語の誤解・誤用
・命学 【九性気学/四柱推命 ・・・ 】
・相学 【家相/手相/姓名学 ・・・ 】
★卜〔ぼく〕学 【易学・周易】
・心理学 【心理鑑定】
◆ 「易」の字義
1. 日月(にちげつ)説 … 日と月、下の字(脚)は勿で月ではない
参考 ── 明、“冐” 〔ボウ、ボク、マイ、おか・す〕
2. 蜥易(せきえき)説 …「蜴」(とかげ)、トカゲ〔蜥蜴・石竜子〕は変化する
参考 ── カメレオン、ヒラメ、カレイ (蝪─トウ、つちぐも)
◆ 易〈占〉・易学・易経・周易
── 君子の学・帝王学/約3,500年程前の中国/儒学の経書(四書五経)/
変化の学(トカゲ)〔ザ・ブック・オブ・チェインジズ/ ドクトリン・オブ・チェインジズ、
クラッシック・オブ・チェインジズ〕/
東洋思想の源流/イメージ(右脳思考)/
“占” と “思想・哲学” の両面/超心理学/ユング心理学
・『易経』は ・・・千古不易の書、東洋の偉大な英知の集積、経書 ── 「温故知新」
・「易学」は ・・・行き詰まるということがない、クリエート、非常に難しい、楽しい、
適切な本が少ない、独学が困難で入門が大切、
中年以降から学ぶに良い (「五十易を学べば ・・・・ 」)
※ 参考
○ 「易は永遠の真理であり、人間の最も貴重な実践哲学といってもよろしい。
ところがたいへん難しい。手ほどきが大事であります。
その手ほどきも、変な手ほどきをされるとうかばれない。正しい手ほどきがいる。」
(安岡正篤)
○ 「神(シン)にしてこれを明にするは、其の人に存す。
黙してこれを成し、言わずして信なるは、徳行に存す。」 (『繋辞上傳』)
〔易の神秘にして明察な効用を十分に発揮させ得るかどうかは、
一にかかって利用者の人格如何に在る。
もし徳行の優れた人ならば、易が教えを垂れずとも、
おのずと卦の説く徳が心中に形を成すだろうし(=黙而成之)、
易の占いによるお告げを待たずして、
その人の直感はぴたりと易の理に符号するものである。
(清の王夫之) ──本田 斉 訳〕
→ 易が中(あ)たるためには、その人に徳が必要である
○ 「易の書たるや遠くすべからず。」 (『繋辞下傳』八)
〔易の書物としての本質は、人生日用から遠いものとしてはならない〕
◆ 「先天八卦」 と 「後天八卦」 : 易理・八卦の象意を示す図、易と五行の数理
─── 河図(かと)【竜馬】と洛書(らくしょ)【神亀】───
─── 伏羲(ふつぎ)八卦と文王八卦 ───
・ 「河図洛書」
○ 「河は図(と)を出(いだ)し、洛は書を出す、聖人これに則る。」
(繋辞上傳)
○ 「子曰、鳳鳥至らず、河、図を出さず。吾れ已(や)んぬるかな。」
(論語・子罕篇)
○ 「古者(いにしえ)包犠〔伏羲〕氏の天下に王たるや、
仰いでは象を天に観、俯しては法を地に観、鳥獣の文と地の宜(ぎ)とを観、
近くはこれを物に取り、是に於て始めて八卦を作り、
以て神明の徳を通じ、以て万物の情を類す。」
(繋辞下傳)
(龍馬/神亀 イラスト 略 )
【河図 略】 円=天 方=地
・ 「先天八卦図」
○ 「天地位を定め、山沢気を通じ、雷風相い薄(せま)り、
水火相い射(いと)わずして八卦相い錯(まじ)わる。」 (説卦傳)
・ 「後天八卦図」
○ 「万物は震に出ず。震は東方なり。巽に斉(ととの)う。
巽は東南なり。斉うとは万物の?斉するを言うなり。
離は明なり。万物皆相い見る。南方の卦なり。
聖人南面して天下に聴き、明に響(むか)いて治むるは、
蓋し、これをここに取れるなり。
坤とは地なり。万物皆養を致す。故に坤に致役すと曰う。
兌は正秋なり。万物の説(よろこ)ぶところなり。
故に兌に説言(えつげん)すに曰う。
乾に戦うとは、乾は西方の卦なり、陰陽相い薄(せま)るを言うなり。
坎とは水なり。正北方の卦なり。労卦なり。
万物の帰するところなり。故に坎に労すと曰う。
艮は東北の卦なり。万物の終りを成すところにして
始めを成すところなり。故に艮に成言すと曰う。」 (説卦傳)
◆ 『易経』 = 「易経本文」 & 「十翼」 → 『易経』 の二重性
“ What is the science of divination ? ”
〔易学:占の科学〕
“ What is The Book of Changes ?”
〔易経:変化の書〕
“ I・CHING ” ── 易(経)の二重性 を考える ( by.高根 )
「易」・「易占」といえば、本来、古代中国の英知として大成された
「易学(周易・易経)」のことです。
が、巷間〔ちまた〕では、運命学や占法全般を指す場合がほんどです。
「易(易学)をやっている」と言うと、
「観てちょうだい」と両の手を広げて差し出す・・・という場面は、
私も幾度となく体験したところです。
誤用のことばの使い方でも、それが多数を占め市民権を得れば、
本来の語と併用の語として(社会的・国語的に)認知されます。
(逆に、用いられない ことばの用法は、
辞書の中にのみある“死語”となってゆきます。)
私たちは、“易・易学”の語を、本来の用法である
『易経』・「周易」を指すものとして用います。
易(経)は、東洋の源流思想であり、儒学経書(五経)の筆頭、
帝王(リーダー)の学です。
私は、“東洋のバイブル”が 『論語』なら、
“東洋の奇(跡)書”と呼びたく思っております。
・ Pointo A (内容・本質)
── 易占 (易筮〔えきぜ〕) & 思想・哲学 (義理易)
「易道は深し、人は三聖を易〔か〕へ、世は三古を経たり。」
(『漢書』・芸文志)
※伏犠〔ふつぎ〕・文王─周公旦・孔子 ・・・ 4(3) 聖人
“ 伏犠が卦を画し、文王が彖〔たん〕を作り、
周公が爻の辞をかけ、孔子が十翼を著した。” ( 通説 )
古〔いにしえ〕の聖人が原型をつくり、
多くの(孔子門下の)賢人が肉付けし(「十翼」)、
多くの年月を経て『易経』として完成したと、(私には)思われます。
占筮書(ト・ぼく学)から「経書〔けいしょ〕」(思想・哲学 → 義理易)への
融合・止揚〔アウフヘーベン・中す〕がなされました。
“機にして妙なる”体系の書物の完成です。
cf. 全体医療 ・・・ 精神と肉体、分離は西洋流・統合は東洋流。
「泰」・「否」卦 ・・・“健全なる精神、健全なる肉体に宿る”・
“ ─── 宿らぬ”の象。
・ Pointo B (形式・方法)
── 辞〔じ〕 と 象〔しょう〕 :
「書は言を尽くさず、言は意を尽くさず。」(繋辞上伝) ですので、
それ(64卦・384爻)を ものごとを象〔かたど〕る“象〔しょう〕”と、
解説する言葉 “辞”とによって深意・奥義を表示しています。
・ 辞 ・・・ 「言霊」〔ことだま〕(文字・文章)の体系、左脳・右脳
※ 「数霊」〔かずたま〕、「色霊」〔いろたま〕
・ 象 ・・・ イマジネーション、右脳(的思考)
cf. 1)右脳と左脳(的思考)
2)象と辞の一体化 ・・・『易経』本文は、象と辞が一体化した“物語”
3)象占〔しょうせん:漢易〕 と 辞占〔じせん:宋易〕
【3易聖】 ・・・ 新井白蛾(象) 「古易館」・『古易断』 /
真勢中州(象) 「復古童」/ 高島呑象(辞) 『高島易断』
【現代易】 ・・・ 加藤大岳(辞占の中に象も観る)
・ Pointo C (構成内容)
─── 易経本文 と 十翼〔じゅうよく〕
・ 易経本文 ・・・易哲学の物語 ・十翼 ・・・易学思想
さらに「易経本文」に、孔子及びその門下の数多が(永年にわたって)著わした
「十翼」(10の解説・参考書)が合体します。
辞と象の、さらに易本文と十翼の融合合体が、
『易経』の真面目〔しんめんもく〕であり
“奇書”の“奇書”たるゆえんでありましょう。
『易経』の真義を修めることにより、個々人から国家社会のレベルにいたるまで、
“兆し” ・ “幾” を読み取り、生々・円通自在に変化に対応できるのです。
◆ 十翼 〔じゅうよく〕 とは
・ 古代中国の学者達の手による、儒家の易(「易経」本文)についての
10の解釈(解説・参考)書のこと。
儒学の経典・経書となります。( “四書五経” )
・ 「易経」本文と十翼を合わせて経書・『易経』となります。
( 五経の筆頭 )
占筮と思想・哲学の二面性を持つ“東洋の《奇書》”の誕生です。
・ 象辞を文王・周公の作とすることから、
十翼を孔子の作とするのは当然の妙案ではありますが、非学的です。
孔子及びその門下の数多が、永年にわったって著わしたと考えられます。
・ 「伝」とは衍義〔えんぎ〕・解説の意です。
(この続きは、次のブログ記事に掲載しております。)
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