前の記事(前編)の続きです。
■ 易経 ( by 『易経』事始 Vol.2 ) & ( by 「十翼」 )
§.易の思想的基盤・背景 (東洋源流思想) 【 ―(4) 】
C. 陰陽相対〔相待〕論(陰陽二元論) ・・・続き
◆ 陰陽の象意例 (左が陽、右が陰) *陰は凶で、陽は吉であるということではない
・天 ―― 地 ・日 ―― 月 ・昼 ―― 夜 ・東 ―― 西 ・南 ―― 北
・剛 ―― 柔 ・尊 ―― 卑 ・美 ―― 酬 ・賢 ―― 愚 ・盛 ―― 衰
・前 ―― 後 ・高 ―― 低 ・大 ―― 小 ・円 ―― 角 ・強 ―― 弱
・善 ―― 悪 ・広 ―― 狭 ・富 ―― 貧 ・夫 ―― 妻 ・心 ―― 体
・行動 ―― 思索 ・主人 ―― 家族 ・目上 ―― 目下 ・先生―― 生徒
(「現代易学講座・上級編 1」 参照)
人間
・ “徳” 性=【人間の本質的要素】〔 〕と “才能・技能”=【人間の属性的要素】( )
・ 君子タイプ〔 〕と 小人タイプ( )
cf. 西郷隆盛は、徳が才に勝っている君子タイプ ←→ 勝 海舟は、才が徳に勝っている
小人タイプとも言われている
・ 感情・情緒・情操〔 〕と 知識・知性・知能( )
・ 愛〔 〕と 敬【敬愛】( )
・ 金を使う( )と 金を蓄える〔 〕
・ 男女で “おしゃれ” するほう( )と “おしゃれ” でないほう〔 〕
身体
・ 【人体】の酸性( )と アルカリ性〔 〕 cf.PH 7より上
・ 心臓( )と 末端【末梢】血管
・ 動脈( )と 静脈〔 〕
cf. 酢は体をアルカリ性にする(利尿作用)、腎臓・肝臓のはたらきを助ける
(アルコール分解)
動物
・ ツメ〔爪〕の数と陰陽 ―― 馬【 】( ) ・ 牛【 】〔 〕 ・
鼠【 】〔 〕 ・ 人【 】( ) ・ パンダ【 】〔 〕
龍 ―― 中国【 】 ・ 朝鮮【 】 ・ 日本【 】
・ 亀※ [ ] 、 龍( )と 虎( )、 虎( )と 豹〔 〕
―― “大人虎変”(「革」卦五爻辞) と “君子豹変”(「革」卦上爻変)
・ 竜馬( )、ペガサス( )、「龍のごとき駿馬にまたがり ・・・」(『将門記』)
※ 参考 ―― 「登竜門」 “六・六〔ろくろく〕転じて九・九〔くく〕となる”
・ 龍のウロコ【9×9=81枚】( )と龍の逆鱗〔げきりん〕【1枚】( )
《1枚 ・・・“逆鱗〔げきりん〕に触れる” 「韓非子」》
・ 鯉〔こい〕のウロコ【6×6=36】〔 〕
※ 研究 : 雄をあらわす漢字と雌をあらわす漢字を組み合わせてつくった動物名
・麒麟 〔きりん〕 ・鳳凰 〔ほうおう〕 ・鴛鴦 〔えんおう〕
・翡翠 〔ひすい〕 ・鯨鯢 〔げいげい〕
(次回に続く)
§.「十翼」 : 雑 卦 伝 【 ― (1) 】
「雑卦伝」は、「十翼」の第10翼です。
64卦を“対卦”(爻の陰陽が対応=裏卦) & “反卦”(上下反対=賓卦)のペアにしています。
(※ 8つの卦は例外)
卦の性格や意義を一言で、漢詩のような平明な言葉で対照的に説いています。
(易)簡にして明、分かり易く、そしてリズム感にあふれ韻を含んでいます。
順序は、「序卦伝」と異なり錯綜・雑然としてバラバラです。 “雑卦”といわれるゆえんです。
それは、孔子が自分の考えで順序を錯雑させた(孔頴達・『周易正義』)とも言われています。
が、「雑卦伝」の成立は、儒学(=『易経』)が官学化された前漢以降と考えられます。
多分に、64卦を朗誦しておおよその性格を記憶するために作られたと思われます。
( あお字下線字が韻 )
《 乾は剛、坤は柔。/ 比は楽しみ、師は憂う。/ 臨・観の義は、或いは与え、或いは求む。/ 屯は見〔あら〕われて(而も)、その居を失わず。蒙は雑にして著わる。/ 震は起こるなり。艮は止まるなり。/ 損益は盛衰の始めなり。/
大畜は時なり。无妄は災いなり。/ 萃は聚〔あつ〕まりて、升は来らざるなり。/ 謙は軽くして、豫は怠るなり。/ 噬コウ〔ゼイコウ〕は食〔くら〕う。賁は色无〔な〕きなり。/ 兌は見われて、巽は伏〔ふく・ふ〕するなり。/ 随は故〔こと〕无きなり。蟲は則ち飭〔ととの〕うるなり。/
剥は爛〔らん・ただるる〕なり。復は反〔かえ・もど〕るなり。/ 晋は晝〔ひる〕なり。明夷は誅〔やぶ・そこな(わ)・ちゅう(する)〕るるなり。/ 井は通じて、困は相遇〔あいあ〕うなり。//
咸は速やかなるなり。恒は久しきなり。/ 渙は離るるなり。節は止まるなり。/ 解は緩なり。蹇は難〔むずかし〕きなり。/ ケイ〔ケイ〕は外なり。家人は内なり。/ 否・泰は其類を反するなり。/ 大壮は則ち止まり、遯は則ち退くなり。/
大有は衆〔おお〕きなり。同人は親しむなり。/ 革は故〔ふる〕きを去るなり。鼎は新しきを取るなり。/ 小過は過ぐるなり。中孚は信なり。/ 豊は故〔こ・こと・ふるき〕多きなり。親寡〔すくな〕きは旅なり。/ 離は上りて、坎は下るなり。/ 小畜は寡きなり。履は処〔お〕らざるなり。/ 需は進まざるなり。訟は親しまざるなり。/
(※ この章、錯簡と見て改める : 宋の蔡淵、元の呉澄、明の何楷 )
大過はクツガ〔くつが〕えるなり。頤は養うこと正しきなり。/ 既済は定まるなり。未済は男〔だん〕の窮まるなり。/ 帰妹は女〔じょ〕の終りなり。漸は女帰〔とつ〕ぐに男を待ちて行くなり。/ コウ〔コウ〕は遇〔あ〕うなり。柔、剛に遇うなり。/ 夬は決なり。剛、柔を決するなり。/ 君子の道長じ、小人の道憂うるなり。 》
( 次回に続く )
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