儒灯

【温故知新】儒学の普及に力を注いでおります真儒協会 会長、高根秀人年の個人ブログです。 『論語』、『易経』を中心に、経書の言葉を活学して紹介して参ります。 私個人の自由随筆、研究発表などのほか、真儒協会が毎月行っております定例講習についても掲載しております。

易占

第72回 定例講習 特別講義  その1

第72回 定例講習  特別講義 レジュメ  

《 あらまし 》

平成26年(2014)春、4月。

年度当初の真儒協会・定例講習(第72回)が、
例年どうり“特別講義”の形式で行われました。

本年、「甲・午〔きのえ・うま/こう・ご〕」年は、私(盧)にとりましては、
“還暦”を迎える“節目〔ふしめ〕”の年でもあります。

そのあらましをご報告いたします。


■1.易占例・解釈研究 ≪“大学入試の合否”≫

新年度の時節にふさわしく、
“大学入試の合否”の“易的〔えきてき〕”を廻〔めぐ〕る解釈を、
振り返って紹介・解説いたしました。

私と嬉納〔きな〕女史とが 【雷水解】 の2爻と5爻を得るという
非常に興味深い占例の解説です。

(※ 2卦とも同じ卦を得る確率は、4096分の1です!)


■2.3.特別講義 ≪ 「易と動物(Part1)」 / 「易と植物(Part1)」 ≫

“特別講義”は、会長の私(盧)が「易と動物(Part1)」
副会長の嬉納禄子〔きなさちこ〕女史が「易と植物(Part1)」のテーマで、
プロローグ〔序論〕的に講義をいたしました。

この“易と動・植物”という研究テーマは、
今までの永きにわたって誰もが手がけていないテーマであり、
『易経』への斬新〔ざんしん〕な“切り口”・視点といえます。

私にとりましても、「易経物語」執筆のためのベースになるものだろうと想っております。

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また、“ティーブレイク”を利用して、恒例の“「干支色紙」授与”を行いました。

今年の十二支(私の十二支ということでもあります)=「午」を「馬」の文字で
私が、藤原行成〔ゆきなり:「三蹟の一人」〕風で書いたものです。

受講生全員に好みの色紙を選んでもらい、その場で筆〔ふで〕記名し授与いたしました。

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―― 善き年度始めの講習でした。特別講義のレジュメは以下のとおり。



§1。 易占例・解釈研究レジュメ ≪“大学入試の合否”≫


春という時節柄、“大学入試の合否”の易的を廻る解釈を紹介したいと思います。    

 易占例・解釈研究   ――― 癸苅亜 斃訖絏髻曄。迦 & 5爻 

              (※ 2卦とも同じ卦を得る確率は 4096 分の 1 です)


◆立筮〔りつぜ〕&解釈 :  A.盧秀人年 B.嬉納禄子 / 略筮・(擲占〔てきせん〕法)

○易的: 「(大阪在住)○○君の、 W 大学(東京)合格の可否?」

○得卦: A.【雷水解 ☳☵】 5爻 にて【沢水困】に之〔ゆ〕く (先天卦【火地晋 ☲☷】)/ 
        H.26.1.3 (PM.5:30)
      B.【雷水解 ☳☵】 2爻 にて【雷地預】に之〔ゆ〕く (先天卦【火地晋 ☲☷】)/ 
        H.26.2.24 (PM.3:30)

○卦辞: 「解は西南に利ろし。行く所なければ、それ来り復〔かえ〕って吉。
      行くところあり(あれば)、夙〔はや〕くするときは吉なり。」

2爻辞: 「田〔かり〕して三狐〔さんこ〕を獲〔え〕、黄矢を得たり。貞しければ吉なり。」

5爻辞: 「君子維〔こ〕れ解くことあり(あれば)、吉なり。小人に孚〔まこと〕あり。」


● 卦辞の解釈 → 「西南」の方位の意味は太古の中国(黄河流域)からみて
西南の平坦な住み心地の良い所という意味です。

ですから、現代この場合は(大阪からみた四国ではなく)
「東京」(W大)をさすと考えられます。

行く所なければ ・・・」は、東京のW大を受験して不合格であれば、
もとの平穏な位置=大坂 に復〔かえ〕って落ちつく
(関西の“すべりどめ”の大学に籍をおき、再度上京W大を目指す)のがよろしいと解せるでしょう。

行くところあり(あれば)・・・」は、行く所=W大 に合格するでしょう(するならば)、
速〔すみ〕やかに(入学手続きなど)進んでいって目標を成就させれば、
善きこと・よろしきを得て吉ということです。

 象による解釈 → 【坎〔かん〕☵】は、“艱難” であり“冬”であり“寒”です。

【震☳】は、“活動”であり“春”であり“出発”です。

したがって、坎・冬の苦しさから脱して春の雪解け・春の到来の象、
下卦【坎☵】の“艱難”は消えてなくなったことを示しています。

また、【坎☵】の“艱難”を脱して新しい船出・出発するべき象でもあります。
(※引用資料参照のこと)

cf.包卦(坤中に離)は、【坤☷】=母のもとから【離☲】=「はな」れ
   「つ」く(=上京す)とも解せましょう。

 先天卦の解釈: 先天卦【火地晋 ☲☷】は、地上の太陽、進むの意(三吉卦)です。

cf.(父方の)祖母の守り
   (2爻「玆〔こ〕の介〔おお〕いなる福〔さいわい:介福〕をその王母に受く」)。/ 
   高杉作・安倍太郎・安倍三(現総理)の名前の「晋」

 2爻辞と象の解釈: (例えれば)狩りに出て三匹(多数)の狐を獲得し、
その上に狐を射た黄矢(黄銅の矢)をも失わずに取り戻したようなものです。

「狐」は【坎〔かん〕☵】の象。

「三」は下卦【坎☵】が【坤☷】の3陰を1陽が貫いた象であることから。

「黄矢」の「黄」は下卦中爻の陰爻の土の色、「矢」も【坎☵】の象。

そして、このような善き結果を得られるのは、この九二が中庸の徳をもっていて、
真面目にしっかりと堅実な行ない(=受験対策の学習)をしていたからなのです。

(本人は気学・九性学で“五黄土性”の人。
「矢」が【坎☵】の象なのは【坤☷】の3陰を1陽が貫いた象であることからですが、
この“貫くもの”・“一貫するもの”は志望がW大オンリーであったこと、
志望大学に対する“志・まこと”とも考えられます。) 

―― したがって、3つの学部に合格すると推測されます。
黄矢は多額のお祝金でしょうか? 

(黄=お金と解し、矢=貫き動く“陽なるもの”と解し)出費した多額の受験関連費用が、
応援してくれる人達のご祝儀で(出費が)みな戻って来るの意でしょうか。

   5爻辞と象の解釈: 六五は、柔徳の君〔きみ〕です。
自力では小人を排除し難いですが、よく九四・九二の陽剛なる応援者と相比し、
相応じ、小人達(初・三・上爻)を解き去らしめるのです。

小人達もその徳に信服し、柔順に孚〔まこと〕(誠意)をもって退いてゆくのです。

さて今回の場合は、親身な先生(九四)や先祖・親類・支援者(九二)の剛強な支援を得て
艱難(=小人=入試)を克服すると考えられます


―― してみると、(艱難=初・三・上爻の陰) 3つの学部に合格ということでしょうか?


解釈・判断のPoint.

Point.1 (得)卦の意  
A.問題が氷解(解決)する  B.流れる・白紙に戻る(解消) / 
(A.悩みが解ける・解決の意 と B.解約・解消の相反する二意があり、
解釈は難しいものがある卦です。が、もともと大きな課題をかかえている、
チャレンジしているのですから A の意と考えられます。)
※ 先天卦【火地晋 ☲☷】の意 (地上の太陽、進む、で吉の意)

Point.2 2爻の場合も 5爻の場合も“中庸・中徳”を得ています

Point.3 互卦〔ごか〕が【水火既済 ☵☲】
(互卦〔ごか〕は、含まれているもの、可能性です。
【既済】は、完成・調う の意。
「済」は“なス”・“なル”=成し遂げる、出来上がる の意です。)

Point.4 賓卦〔ひんか〕が【水山蹇 ☵☶】 = (【蹇 ☵☶】の賓卦が【解 ☳☵】)
(蹇難の時、善処努力し【蹇】を克服し、蹇難が解消され【解】になったとみます。
朱子の『本義』に「険に居りて能く動けば、即ち険の外に出ずるなり。
解の象〔しょう〕なり。」とあります。)

cf.《占例》 入学(学習開始)の是非を易的にして、
  【蹇】5爻 を得たことがあります。
  (5爻は「大いに蹇〔なや〕むも朋〔とも〕来る」とあり、
  助力を得て吉・善しの判断です。が、)
  “行き悩む”で蹇難を克服打開できない場合もあるということです。 

学習希望・検討者に対して、先生・学校からみれば
(=賓卦:180度回転させた卦)【解】になります。

つまり、“流れる・白紙に戻る”、解約・解消の凶の意の場合です。

結果は、学習希望・検討者が、入学を取り止められました。

Point.5 之卦〔しか/ゆくか〕の「2爻【雷地予 ☳☷】」&「5爻【沢水困 ☱☵】」の解釈
(之卦〔しか/ゆくか〕は近未来、つまりこの場合 
合格したその後は?ということです。

*2爻変の【預】卦には3義が考えられます。

1.あらかじめす 2.遊び楽しむ 3.怠ける です。

念願の志望大学に合格すると、余裕ができて楽しむ〔「預楽」〕ことができます。

がしかし、“手の舞い足の踏む所を知らず”(『礼記』)とばかり有頂天になり、
過度の遊びに享楽し、本来なすべきことを疎〔おろそか〕にしがちです。

目前の山・カベを超えたら見える景色=次のステップをよく観て、
いろいろな計画・準備をスタートせねばなりません。

*5爻変の【困】卦は、くるしむ・なやむ で“艱難辛苦〔かんなんしんく〕”の意です。

が、しかし、その【困】は“艱難汝〔なんじ〕を玉にす”
(=“Adversity make a man wise.”)です。

大きな人物になるための“こやし”にほかなりません。

具体的な【困】の内容としては、次の二つが考えられます。

1.合格すれば、同時に経済的困難がスタートすると考えられます。
  入学金・授業料などの大学納付金、
  上京に伴う交通旅費・新しい住まい・生活などへの
  (一般ピープルにとっては)莫大な費用への資金繰りが必要となってきます。

2.上京・入学すれば、事故・体調不良をはじめ
  諸トラブルに気をつけなければならないというものです。 補注)


★ ∴  判断: A ・・・ 合格 / B ・・・ 合格 


◇結果: (すべり止め受験)関西の某大の1学部と 
志望校の東京・W大 の2学部、計3学部に合格しました。 

最終的に入学することを決めた志望学部の受験では、
大問の解答欄を書き間違える(設問6つほどの解答をズラして書いてしまう)という
信じ難い大きなケアレスミスをおかしてしまいました。

が、それにもかかわらず幸運にも合格いたしました。 

―― 合格・入学祝い金は望外にたくさんいただきました。


補注) 
後日談: ○○君は、入学上京して1ヶ月経〔た〕たないうちに、
自転車でバイクと衝突するという大きな交通事故に遭いました。

が、ラッキーにも命に別状はありませんでした。


参考資料              ≪盧:「『易経』64卦奥義・要説版」 p.37引用≫

40. 解 【雷水かい】  は、とける・ちらす                包卦(坤中に離)

● 春の雪解け。
  (1)悩みが解ける・解決 と (2)解約・解消の二意があり解釈は難しい。
  「渙」も散らすの意。

■ 1)雷(震)と水(坎)で、雷雨の象。=巣籠りの虫が這〔は〕い出し、啓蟄〔けいちつ〕。
   2)下卦の坎は艱難・冬・寒、上卦の震は活動・春・スタートの意。 
   3)「蹇」の処置よく 「蹇」の外に出た象。 
   4)坎の冬の苦しさから脱し 春到来の象。 
   5)坎水の険難凌いで(解消して)、その外に動く(新たなスタート)の象。

○ 大象伝 ;「雷雨作〔おこ〕るは解なり。君子以て過を赫〔ゆる〕し罪を宥〔なだ〕む。」
        (雷雨起こり、天地の閉塞を解消して新たに生命が活動・生長する。
        このように、君子は時機をみて 過失をおかした者を赦〔ゆる〕し、
        罪をおかした者も寛大な処置をとり、
        人心を一新 のびのびとするようにはかるのです。)
    cf. 「稲妻〔イナズマ〕」: 古代人は、雷によって陰陽交流し、稲が実ると考えました





※ この続きは、次の記事に掲載いたします。


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むかしの中国から学ぶ 第2講 「易占と易学」 (その2)

(こちらは、前のブログ記事の続きです。)


《 1.易とは何か? 》

「易」の語の誤解・誤用

  ・命学     【九性気学/四柱推命 ・・・ 】
  ・相学     【家相/手相/姓名学 ・・・ 】 
  ★卜〔ぼく〕学 【易学・周易】 
  ・心理学    【心理鑑定】


「易」の字義

1. 日月(にちげつ)説 … 日と月、下の字(脚)は勿で月ではない
     参考 ── 明、“冐” 〔ボウ、ボク、マイ、おか・す〕

2. 蜥易(せきえき)説 …「蜴」(とかげ)、トカゲ〔蜥蜴・石竜子〕は変化する 
     参考 ── カメレオン、ヒラメ、カレイ (蝪─トウ、つちぐも)


易〈占〉・易学・易経・周易

── 君子の学・帝王学/約3,500年程前の中国/儒学の経書(四書五経)/
変化の学(トカゲ)〔ザ・ブック・オブ・チェインジズ/ ドクトリン・オブ・チェインジズ、 
クラッシック・オブ・チェインジズ〕/
東洋思想の源流/イメージ(右脳思考)/
“占” と “思想・哲学” の両面/超心理学/ユング心理学 

『易経』は ・・・千古不易の書、東洋の偉大な英知の集積、経書 ── 「温故知新」

「易学」は ・・・行き詰まるということがない、クリエート、非常に難しい、楽しい、
          適切な本が少ない、独学が困難で入門が大切
          中年以降から学ぶに良い (「五十易を学べば ・・・・ 」


 ※ 参考  

○ 「易は永遠の真理であり、人間の最も貴重な実践哲学といってもよろしい。
 ところがたいへん難しい。手ほどきが大事であります。
 その手ほどきも、変な手ほどきをされるとうかばれない。正しい手ほどきがいる。」
  (安岡正篤) 

 
○ 「神(シン)にしてこれを明にするは、其の人に存す。
 黙してこれを成し、言わずして信なるは、徳行に存す。」
 (『繋辞上傳』)

 〔易の神秘にして明察な効用を十分に発揮させ得るかどうかは、
 一にかかって利用者の人格如何に在る。
 もし徳行の優れた人ならば、易が教えを垂れずとも、
 おのずと卦の説く徳が心中に形を成すだろうし(=黙而成之)、
 易の占いによるお告げを待たずして、
 その人の直感はぴたりと易の理に符号するものである。
 (清の王夫之) ──本田 斉 訳〕 

 → 易が中(あ)たるためには、その人に徳が必要である


○ 「易の書たるや遠くすべからず。」  (『繋辞下傳』八)  
 〔易の書物としての本質は、人生日用から遠いものとしてはならない〕


◆ 「先天八卦」 と 「後天八卦」 : 易理・八卦の象意を示す図、易と五行の数理

  ─── 河図(かと)【竜馬】と洛書(らくしょ)【神亀】───
  ─── 伏羲(ふつぎ)八卦と文王八卦 ───


・ 「河図洛書」

 ○ 「河は図(と)を出(いだ)し、洛は書を出す、聖人これに則る。」
   (繋辞上傳) 

 ○ 「子曰、鳳鳥至らず、河、図を出さず。吾れ已(や)んぬるかな。」
   (論語・子罕篇)

 ○ 「古者(いにしえ)包犠〔伏羲氏の天下に王たるや、
  仰いでは象を天に観、俯しては法を地に観、鳥獣の文と地の宜(ぎ)とを観、
  近くはこれを物に取り、是に於て始めて八卦を作り、
  以て神明の徳を通じ、以て万物の情を類す。」 
   (繋辞下傳)


   (龍馬/神亀 イラスト 略 )


   河図 略】   円=天  方=地  


   洛書方陣・十五方陣 
           
         image_20110605_2


・ 「先天八卦図」

 ○ 「天地位を定め、山沢気を通じ、雷風相い薄(せま)り、
  水火相い射(いと)わずして八卦相い錯(まじ)わる。」 (説卦傳)


・ 「後天八卦図」

 ○ 「万物は震に出ず。震は東方なり。巽に斉(ととの)う。
  巽は東南なり。斉うとは万物の?斉するを言うなり。
  離は明なり。万物皆相い見る。南方の卦なり。
  聖人南面して天下に聴き、明に響(むか)いて治むるは、
  蓋し、これをここに取れるなり。
  坤とは地なり。万物皆養を致す。故に坤に致役すと曰う。
  兌は正秋なり。万物の説(よろこ)ぶところなり。
  故に兌に説言(えつげん)すに曰う。
  乾に戦うとは、乾は西方の卦なり、陰陽相い薄(せま)るを言うなり。
  坎とは水なり。正北方の卦なり。労卦なり。
  万物の帰するところなり。故に坎に労すと曰う。
  艮は東北の卦なり。万物の終りを成すところにして
  始めを成すところなり。故に艮に成言すと曰う。」 (説卦傳)


 『易経』  = 「易経本文」 & 「十翼」 → 『易経』 の二重性

“ What is the science of divination ? ”
 〔易学:占の科学〕


“ What is The Book of Changes ?”
 〔易経:変化の書〕


 I・CHING ” ── 易(経)の二重性 を考える  ( by.高根 )


 「易」・「易占」といえば、本来、古代中国の英知として大成された
「易学(周易・易経)」のことです。
が、巷間〔ちまた〕では、運命学や占法全般を指す場合がほんどです。

「易(易学)をやっている」と言うと、
「観てちょうだい」と両の手を広げて差し出す・・・という場面は、
私も幾度となく体験したところです。

 誤用のことばの使い方でも、それが多数を占め市民権を得れば、
本来の語と併用の語として(社会的・国語的に)認知されます。

(逆に、用いられない ことばの用法は、
辞書の中にのみある“死語”となってゆきます。)


 私たちは、“易・易学”の語を、本来の用法である
『易経』・「周易」を指すものとして用います。

易(経)は、東洋の源流思想であり、儒学経書(五経)の筆頭、
帝王(リーダー)の学です

私は、“東洋のバイブル”が 『論語』なら、
“東洋の奇(跡)書”と呼びたく思っております


・ Pointo  (内容・本質) 
     ──  易占 (易筮〔えきぜ〕) & 思想・哲学 (義理易)

「易道は深し、人は三聖を易〔か〕へ、世は三古を経たり。」
(『漢書』・芸文志)

※伏犠〔ふつぎ〕・文王─周公旦・孔子 ・・・ 4(3) 聖人

“ 伏犠が卦を画し、文王が彖〔たん〕を作り、
周公が爻の辞をかけ、孔子が十翼を著した。” ( 通説 )

古〔いにしえ〕の聖人が原型をつくり、
多くの(孔子門下の)賢人が肉付けし(「十翼」)、
多くの年月を経て『易経』として完成したと、(私には)思われます。 

占筮書(ト・ぼく学)から「経書〔けいしょ〕」(思想・哲学 → 義理易)への
融合・止揚〔アウフヘーベン・中す〕がなされました。 

“機にして妙なる”体系の書物の完成です。


  cf. 全体医療 ・・・ 精神と肉体、分離は西洋流・統合は東洋流。

         「泰」・「否」卦 ・・・“健全なる精神、健全なる肉体に宿る”・
                 “  ───  宿らぬ”の象。


・ Pointo  (形式・方法)
     ── 辞〔じ〕 と 象〔しょう〕 :

「書は言を尽くさず、言は意を尽くさず。」(繋辞上伝) ですので、
それ(64卦・384爻)を ものごとを象〔かたど〕る“〔しょう〕”と、
解説する言葉 “”とによって深意・奥義を表示しています

 ・ 辞 ・・・ 「言霊」〔ことだま〕(文字・文章)の体系、左脳・右脳
         ※ 「数霊」〔かずたま〕、「色霊」〔いろたま〕

 ・ 象 ・・・ イマジネーション、右脳(的思考)

 cf. 1)右脳と左脳(的思考)
    2)象と辞の一体化 ・・・『易経』本文は、象と辞が一体化した“物語”
    3)象占〔しょうせん:漢易〕 と 辞占〔じせん:宋易〕
    【3易聖】 ・・・ 新井白蛾(象) 「古易館」・『古易断』 /
              真勢中州(象) 「復古童」/ 高島呑象(辞) 『高島易断』
    【現代易】 ・・・ 加藤大岳(辞占の中に象も観る)


・ Pointo  (構成内容)
     ─── 易経本文 と 十翼〔じゅうよく〕

 ・ 易経本文 ・・・易哲学の物語    ・十翼 ・・・易学思想


さらに「易経本文」に、孔子及びその門下の数多が(永年にわたって)著わした
「十翼」(10の解説・参考書)が合体します。

辞と象の、さらに易本文と十翼の融合合体が、
『易経』の真面目〔しんめんもく〕であり 
“奇書”の“奇書”たるゆえん
でありましょう。

『易経』の真義を修めることにより、個々人から国家社会のレベルにいたるまで、
兆し” ・ “
” を読み取り、生々・円通自在に変化に対応できるのです。


 
十翼 〔じゅうよく〕 とは

・ 古代中国の学者達の手による、儒家の易(「易経」本文)についての
 10の解釈(解説・参考)書のこと。
 儒学の経典・経書となります。( “四書五経” )

・ 「易経」本文と十翼を合わせて経書・『易経』となります。
  ( 五経の筆頭 )
 占筮と思想・哲学の二面性を持つ“東洋の《奇書》”の誕生です。

・ 象辞を文王・周公の作とすることから、
 十翼を孔子の作とするのは当然の妙案ではありますが、非学的です。
 孔子及びその門下の数多が、永年にわったって著わしたと考えられます

・ 「伝」とは衍義〔えんぎ〕・解説の意です。 


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第二十回 定例講習 (2009年5月24日)

第二十回 定例講習 (2009年5月)














孝経    ( 五刑章 第11 )

  “ 子曰く、五刑の属三千、而〔しこう〕して罪 不孝より大なるは莫〔な〕。君を要〔よう〕する者は、上〔かみ〕を無〔な(なみ)〕みす。聖人を非〔そし〕る者は、法を無みす。孝を非る者は、親を無みす。これ大乱の道なり。”
 
《大意》 孔先生がおっしゃいました。「むかしから刑罰には、五刑といって5種類あって、その罪悪を細かく分けると数限りない〔三千〕ほどある。それらの数多〔あまた〕の中でも、親不孝以上の大罪はないのだよ。 主君に、不敬にも強要〔むりじい〕し、おびやかし自分に従わせようとする者は、長上を長上とも思わず、ないがし〔蔑〕ろにする非道の者だね。 聖人を非難する者は、聖人によって作り上げられた規範〔きはん=礼法〕を無視するわがまま者だね。 (もっとひどいのは、人倫の大本である)孝道を非難するような者は、親を親とも思わない人でなしの者だね。 このような(三悪の)人は、社会を大乱に導く原因となるのだよ。」

● 前10章の 「下と為りて而て乱すれば則ち刑せらる。」・「猶〔な〕お不孝たるなり。」を受けて、不孝と刑罰について説明しています。

・ 「五刑」 =墨(黥・げい)〔ぼく:いれずみ〕、劓〔ぎ:はなきり〕、剕〔ひ:足筋たち〕、宮〔きゅう:男女生殖器を使えなくする〕、大辟〔たいへき:死刑〕 ・・・古代の刑罰は身体を傷つける肉刑に特徴があります。

cf.  司馬 遷〔せん〕は、友人の李陵〔りりょう〕を弁護して(7代皇帝)武帝の怒りにふれ、「宮刑」により去勢されます。しかし彼は、その屈辱を乗り越えて、父のあとを継いで14年を費やし『史記』・全130巻、52万6千5百字余、を完成させました。(BC.96) 中国「24正史」の第一です。

なお、中国史上に登場する「宦官〔かんがん〕」は、刑罰によってではなく、自ら(幼年期に親が)宮廷(後宮)に仕えさせ出世させるために去勢するものです。

・ 「於」=ヨリ、比較を表す助字         ・ 「三千」=非常に多いの意

○ 「天地の性、人を貴しと為す。人の行〔おこない〕は、孝より大なるは莫し。」(聖治章 第9)

カラスでさえ ※“反哺〔はんぽ〕の”ありといいます。世に孝より尊い美徳はなく、不孝より重い罪悪・背徳はありません。(※ 「慈烏反哺以報親」 梁の武帝・孝思賦、哺は口中にある食物)

 “孝治主義”・・・孝道を教学の指針とし、孝をもって国を治める

論語   ( 孔子の弟子たち )

「 孔子は、詩・書・礼・楽を以て教う。 弟子は蓋〔けだ〕し ( 三千 )。身、六芸に通ずる者 ( 七十二人 )。 」  (『史記』・孔子世家)

「 徳行には 顔淵 ・ 閔子騫 ・ 冉伯牛 ・ 仲弓、 言語には 宰我 ・ 子貢、 政事には 冉有 ・ 季路、 文学には 子游 ・ 子夏。 」  (先進第 11 −3)
〔 がんえん ・ びんしけん ・ ぜんはくぎゅう ・ ちゅうきゅう、 さいが ・ しこう、 ぜんゆう ・ きろ、 しゆう ・ しか 〕

・ “四科十哲”(孔門の十哲、十大弟子)
孔子が昔、艱難をともにした門人を追憶し、それを聞いた弟子が4つのジャンルに分けて記したものです。

後世、「徳行(徳の高さと立派な実践)」 ・ 「言語(思想・言論)」 ・ 「政事(政治的手腕)」 ・ 「文学(学問・教養)」を孔門の四科といい、このメンバーを孔門の十哲といいます。

しかしこれは、当時 “陳蔡” に従ったものだけのことで、弟子の ベスト10 というわけではありません。例えば、孔子の後継となる 曾子は入っていません。(年が若かった、孔子と46歳差)

※ 『マンガ 孔子の思想』 (講談社 +アルファー文庫)のマンガキャラクターは、非常によく人物のイメージが捉えられていると感心しています。お薦めの本です。

・孔子(儒家) の後継
    A 忠恕〔ちゅうじょ〕派 (仁の重視)
       曾子 ―― ※ 子思 ―― 孟子      ※孔子の孫、『中庸』を著す
    B 礼学派 (礼の重視)
       子游・子夏 ―― 荀子 ・・・・ 法家 (李斯〔りし〕・韓非子)

    
cf. 尊称;  ・孔子 − 至聖    ・孟子 − 亜聖   ・顔子 − 復聖         
         ・曾子 − 宗聖     ・子思(子) − 述聖 
          ※ 「子」は男子の尊称

 

本学   ( 『中庸』 2 )

§ 易卦にみる中庸(中論)の例   ( by. 『易経』事始 Vol.2 )

● 卦象 ・・・ 中正(中徳)―― 2爻・5爻 を(まん中の意)、陽爻にとって陽の位・陰爻にとっての陰の位 を正位 (初爻から陽・陰・陽・陰・陽・陰、「水火既斉」)、中で正位つまり 2爻が陰・5爻が陽の場合

● 卦意 ・・・ 以下 例

【沢雷随 17】 
「随」は、つきしたがう(時・事・人)ということです。したがうことの真義は、天地自然の法則にしたがうことです。それは時々刻々の、時の変化・推移(=変易・無常)に適切にしたがうことです。動くことが、臨機応変、時のよろしきに適〔かな〕うことが中庸を得ることです。 これが、易(儒学思想)の真面目です。

【離為火 30】
「離」は、はな〔離〕れ、つ〔麗・附〕くということです。万事に中庸を得て、慎重に正しくついてこそ、物事は「化成」(生じ変化し成る)するのです。

【水沢節 60】
「節」は、竹のふし。すべてにほど(程・バランス)・ほどあいを保って、のり・きまり(=数度・規範)を守ることです。〔節度・節操〕。そして、行いが、時のよろしき(ころあい)に適うように適度の区切り・締めくくりがあることが大切です。〔節目〕
この「節」を守ることは、天地自然の法則に適うことであり、易(儒学思想)が最
も尊重している時中(時に中〔あた〕る)こと、即ち中庸に合致することです。竹のふしから芽がでるように、中庸から新たなものが生み出されるのです。
                                                                                                                                                                    
【風沢中孚 61】
「中孚」は、まこと・信にあたるということです。まこととは、限りない創造力。中〔あた〕るとは、道理に適う、一致することです。つまり、こころ根が偏らず中庸に適うことです。これが、易(儒学思想)の極致である中正の道のことです。


§ 考察 : 中庸の美と日本の美 

・ “日本的美”(国風文化=平安時代) ・・・・
派手さを半分に押さえた上品さこそ、さりげなく優美  ― 極端な個性美と対照
例 ― 古語「なまめかし」〔生めかし〕、「なまめく」は優雅だ・優美だとし、容姿
ばかりでなく人柄の上品さなども表す、男女共通の最高の誉め言葉
 *「なまめかしき尼」は“色っぽい”の意でははない!

・ “裏まさりの美学 ”
・ “侘〔ワ〕び・寂〔サ〕び ”
・ “ Contrast and Gradation ”〔対比と漸増〕
・ “美” の原理 ―― 変化〔バラエティー〕の要素 と 統一〔ユニティー〕の要素
                                                   etc.

易経    ( by. 『易経』事始 Vol.2 )

§ 易の思想的基盤・背景 (東洋源流思想)  【 ―(1) 】

A 大〔太〕極(たいきょく、=「皇極」)                       
――易の根本・創造的概念、宇宙の根源、万物の起源、神〈自然〉の摂理〔せつり〕

・ 陰陽以前の統体  ――  1)「無」(晋の韓康伯)、2)「陰陽変化の理」(朱子)、3)「陰陽分かれぬ混合体」(清の王夫之) 
参考 : 『荘子』北極星の意

ビッグバン(=特異点)、ヒモ宇宙、ブラックホール、道、無、分子―原子―陽子
ウルマテリー〔原物質・原子極〕(原子物理学、独・ハイゼンベルグ等)、
神ありき 「天(之)御中主神・〔あめのみなかぬしのかみ〕」(神道・〔しんとう〕)、  
易神 ・・・・ 造物主

大極マーク、韓国国旗

※ 参考――万物の根源          《 タマゴが先かニワトリが先か? 》

・ 科学――ビッグバン(宇宙物理学)、ウルマテリー(原子物理学)・・・極微の世界(ミクロコスミック)において大極が発見されようとしている。天文学的研究(マクロコスミック)においては未だ大極に至ってはいない。          
・ 宗教――神話、聖典 ・・・ etc.
・ 儒学=易 ・・・「太極」 / 道教(老荘) ・・・「無」 / 仏教 ・・・「空(くう)」

○ 「無極にして大極」 (近思録) ・・・ 朱子は 大極 = 有 と考える
○ 「是の故に易に太極あり。是れ両儀を生ず。両儀四象を生じ、四象八卦を生ず。八卦吉凶を定め、吉凶大業(たいぎょう)を生ず。」 (繋辞上傳)
○ 「太初(たいしょ)に言(ことば)あり、言は神と共にあり」 (旧約聖書)
○ 「天地(あめつち)初めて発(ひら)けし時、高天原(たかまのはら)に成れる神の名は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)、次に高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、次に、神産巣日神(かむむすひのかみ)。」 (古事記・冒頭)
○ 「道は一を生じ、一は二を生ず。」 (老子) ・・・ 道は無と考える

■ 易(の中に潜む)神 “シン”
 =天地の神、人格神的なものではなく神秘的な作用の意  
  ※参考―汎神論(はんしんろん)

○ 「陰陽測(はか)られざるをこれ神(しん)と謂う。」「故に神は方(ほう)なくして易は体(てい)なし。」(繋辞上伝)
○ 「※鬼神を敬して之を遠ざく。」(論語・雍也)  ※鬼神=死者の霊魂や人間離れした力
        
                                            (以 上)

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