儒灯

【温故知新】儒学の普及に力を注いでおります真儒協会 会長、高根秀人年の個人ブログです。 『論語』、『易経』を中心に、経書の言葉を活学して紹介して参ります。 私個人の自由随筆、研究発表などのほか、真儒協会が毎月行っております定例講習についても掲載しております。

本学

第十八回 定例講習 (2009年2月8日)


第十八回 定例講習 (2009年2月)



孝経   ( 紀孝行章 第10 ― 《1》 )

 “ 子曰く、孝子の親に事〔つか〕うるや、 〔きょ/おる〕には則ち其の敬を致し、 〔やしない〕には則ち其の楽〔たのしみ〕を致し、 〔やまい〕には則ち其の憂〔うれい〕を致し、 には則ち其の哀〔かなしみ〕を致し、 〔まつり〕には則ち其の厳〔げん〕を致す。  五者備わる。 然る後、能く親に事うるなり。”

 《大意》 孔先生がおっしゃいました。「孝行な子が親につかえるには、どのようにすべきだろうね。ふだん(親が)家に居〔い〕るときには心から敬意を尽くし、(衣食日常)養うときには心から楽しんで(うれしそうな顔つきで)するようにし、病気のときには心から心配し、(もし)亡くなったときには心から哀〔かな〕しみ、御霊〔みたま〕を祭るときには心からおごそかにする、ということが大切だね。この 5つの善い事ができてはじめて、子として親へのつとめを果たしたということができるのだよ。」

 ● ・ 「紀」=記 に通じて、記録するの意。孝行についてのことを紀〔しる〕す章。
     孔子が具体的なアドバイスとして、5つの善事の奨励、3つの不善の戒めを述べられました。
    ・ 「居・養」=親が元気であるときの、現実生活の基本として《敬》と《愛》のことを述べています。

 ○  「子曰く、生けるにはこれに事〔つか〕うるに礼を以てし、
     死すればこれを葬〔ほうむ〕るに礼を以てし、これを祭るに礼をもってす。」 (『論語』・為政第2)

論語

 「 過ぎたるは 猶〔なお〕及ばざるが如し 」 (先進第 11 −16)

 “”は、代表的な再読文字で“なお 〜 ごと シ”と、二度読みます。再読文字の学習の意味からも、漢文でよく出てくる おなじみの一節です。

 《大意》 やり過ぎるのは、やり足りないのと同じようなものだ(どちらもよくない)の意です。過不足のない、中庸〔ちゅうよう〕 を得ていることが大切であることを述べた章です。 孔子に問うた 子貢は、やり過ぎた(師〔子張〕という弟子)のほうが、及ばぬ(商〔子夏〕という弟子)よりもよい(マシ)と思ったようですね。それに対する孔子の答えがこれです。

私は、以上の一般的説明の後で、学生に“皆さんはどう思いますか?” “孔子の真意はどうなのでしょう?”と問いかけることにしています。(例えば、言い過ぎて人を傷つける場合と 言うべきことが言い足りない場合との比較です)
学生達の答えはさまざまですが、私は“孔子は及ばないほうが優れていると考えている”と思います。徳川家康も同じ捉え方のようで、「東照君遺訓」の中に
「人の一生は 重き荷を負うて遠き道を行くがごとし。 ―― 及ばざるは 過ぎたるに勝れり。」とあります。
 
 

本学    《 中庸 入門 》    ( by 『易経』事始 )

‘ (I am the sun god, Apollo. )
Think of the responsibility I have !  The skies and the earth must receive their share of heat.  If the chariot goes too high, the heavenly homes will burn.  If it goes too low, the earth will be set on fire.
I can not take either of these roads.  There must be some balance.
This is true of life, itself.  The middle course is the safest and best. ’

〔 Phaёthon “ Popular Greek Myths” 〕

《大意》 「(私は、太陽の神・アポロである。) 私が担っている責任の重さを想ってもみよ! 天と地には、それぞれ相応の熱を与え得ねばならぬのだ。もし、(太陽の2輪)馬車の運行する道筋があまり高すぎれば、天の御殿が燃えてしまうだろう。低きにすぎれば地上は火事となるだろう。
私は、そういう(2つの極端な)道をとるわけにはいかぬのだ。 それなりのバランスというものをはからねばならぬのだ。 このことは、人生そのものにも当てはまる。 中庸の道こそが最も安全で、また善き道なのだ。

〔 パエトン・『ギリシア神話』 〕


§.「中(ちゅう)」の思想 (『中庸』・中道・中徳・中の説…中の学問・弁証法

○ 「そこで、この陰陽相対性理法によってものごとの進化というものが行われるのですが、
  この無限の進化を『中』という。だから易は陰、陽、中の理法であり学問である。」
   (『易とはなにか』、安岡正篤)
○ 「中行にして咎无(とがな)し」 (『易経』・夬九五)
○ 「子日く、中庸の徳たる、其れ至れるかな。民鮮(すく)なきこと久し。」 (『論語』・雍也第6)

(中庸ということの道徳としての価値は、最高のものであるなあ。しかしながら世が末世になって、中庸の徳の鮮ないことはもう久しいことだなあ。)
    
・ 易は、「 中=むすび 」である。 
  易の最も重視するものが “時中(時に中す)” = 中道に合致すること。 ※時中=中節
・ 東洋の儒教、仏教、老荘―(道教) ・・・は、すべて中論   
・ 西洋の弁証法(論理学の正・反・合) ―― ヘーゲル弁証法、アウフヘーベン(止揚・揚棄)

● 中=「むすび(産霊)」・天地万物を生成すること   

  ○ 「天地因縕〔いんうん〕として、万物化醇す。男女精を構(あ)わせて〔構=媾精〕,万物化生す。
    易に曰く、三人いけば一人を損す。一人行けば其の友を得、と。致一なるを言うなり。」 
    (繋辞下伝)
    (天地も男女も二つ〔ペアー〕であればこそ一つにまとまり得るとの意)
  ※ 参考 ・・・ 日本の「国学」、神道(しんとう)、随神(かんながら)の道
     ―― 天御中主神 〔あめのみなかぬしのかみ〕;天の中心的存在の主宰神
   
● 中=なか・あたる、「ホド(程)」、ホドホド…あんばい(塩梅・按配)する、良いあんばい、調整、
   いい加減=良い加減=中道・中庸、 中庸は天秤〔てんびん〕=バランス=状況によって動く
   ♪“ホドの良いのにほだされて…”(「お座敷小唄」) “千と千尋の神隠し”の「中道」行き電車、
   “ヴントの中庸説”、 入浴の温度、 飲み物(茶・酒)の湯加減、 
   スポーツ競技での複数審査員の合算評点法 ・・・ etc.

  1)静的(スタティック・真ん中)なものではなく、動的(カイネティック、ダイナミック)
  2)両方の矛盾を統一して、一段高いところへ進む過程、無限の進化
     例 ―「中国」、「中華」、「黄中」、「心中〔しんじゅう、心・中す、=情死〕、「折中」
   ※ 参考 ―“中(なか、あたり)” さん〔人名〕、大学・中学・小学、「中学」は違う!


 ◎ 中庸参考図 (棒ばかり)

棒ばかり
 


 

 

易経      ―― 《 象による 64 卦解説 》 (其の3)

下経

※ 上経は乾&坤、下経の冒頭は咸&恒。(上経の「屯」にあたる)
 「乾坤2卦が 天地万物を創るのと同じく、咸恒2卦から人生万般の問題が生まれる。」
  (『易と健康(上) 易とはなにか』)


《 31 & 32 のペア 》

31.咸 【沢山かん】  は“”。

愛情4(5)卦〔咸・恒・漸・帰妹・(姤)〕、 包卦(坤中に乾)

● 感じて応〔こた〕える、 恋愛の卦、“咸臨丸”スタート、「女を取〔めと〕るは吉なり」(卦辞)

■ 恋愛=男女(艮と兌)の相思・相愛。陰陽が互いに引き合い感じ合う象(艮と兌が表裏をなす)。男性(艮の少年)が 下にあって女性(兌の少女)に想〔おもい〕をよせる象。山と沢は 相互に感じあって相補うもの(艮山の気は下がり、兌沢の気は上がり交わる自然の咸の象)。

○ 大象伝;「山上に沢あるは、咸なり。君子以て虚にして人を受く。」
(自然界で、兌沢の水は 下って艮山の土を潤し受容されます。人間界では、山の高きをもって沢の卑〔ひく〕きに下るのです。このように君子も、おのれの心を空しくして、先入観なく 素直に人の言葉・誠意を受け入れるのです。)

32.恒 【雷風こう】 は恒常・久しい。

愛情4(5)卦、 包卦(坤中に乾)

● 幾久しく変わらぬ愛情、結婚・夫婦の卦

※「亘」(わた・る)の字義 :下の「一」は地平線・日は太陽・太陽が地平線から出て昇って沈む(その動きが上の「一」)を表している

cf. 孟子の“恒産〔こうさん〕”(安定した収入)

「曰く 恒産無くして恒心有る者は 惟〔これ〕士のみ能くすと為す。民の如きは則ち 恒産無ければ因りて恒心無し。苟〔いやしく〕も恒心無ければ放・辟・邪・侈・無さざる無し。」  (『孟子』 梁恵王下)

■ 結婚・夫婦 = 成男と成女(震と巽)との相愛。若者(艮)は夫(震)となり 少女(兌)も婦(巽)となり、位置も夫が外・上(卦)になり 婦が内・下(卦)と変わっています。 夫は外に向かってよく働き 婦は内でよく随〔したが〕っています。 各爻の陰陽が正しく応じています。

○ 大象伝;「雷風は、恒なり。君子以て立ちて方を易〔か〕えず。」
(自然界で、雷と風が上下あるべくあって 助けあって万物を化成してゆきます。このように、君子も 自らの立つべき所に自立し、自分の進むべき進路、方向・方針を変えないのです。)

cf.“ Hic Rodhos, Hic Salta!〔ここがロドスだ ここで跳べ!〕” (ヘーゲル)


《 33 & 34 のペア 》

33. 遯 【天山とん】 は逃れ退く

精神性3卦 (観・无妄・遯)、大卦(大巽)、消長12卦 (7月)

● 解脱〔げだつ〕達観、「時と與〔とも〕に 行うなり」(彖伝)、孤高、天国、“壺中〔こちゅう〕の天

cf.朱晦庵〔しゅかいあん〕 = 朱子(朱熹)が自ら 「遯翁」と号す 

※ 明夷は地中に追いやられ、遯は 高地にいる 

■ 山の上に天。
1)乾の君子が高地(艮山)に 隠遯 している象。
2) また 二陰の小人(初爻と2爻)が勢いを増して陽の君子が押されていく、が 「天地否」には至らぬ)象。

・ 2爻と5爻が正応。

○ 大象伝;「天の下に山あるは、遯なり。君子以て小人を遠ざけ、悪〔にく〕まずして厳しくす。」
(山は天に迫ってそびえていますが、山高くとも天にとどかずです。この象にのっとって、君子は、小人を遠ざけるのに、憎しみをもってではなく 自然に近づくことが出来ないように、自分を厳正にすることが大切です。)

34. 大壮 【雷天たいそう】 は、陽(大)気壮〔さか〕ん

大卦(大兌)、12消長卦 (3月)

● 青信号・進めの卦、牡羊登場(3爻)突進・上爻身動き出来ない、猪突猛進

■ 上卦(震)・下卦(乾)ともに陽であり、雷が天上に鳴り 剛健にして動き 陽気壮んの象。初爻から4爻まで陽で、君子の道が長じている形。 地天泰の一段進んだ形。

○ 大象伝;「雷の天上に在るは、大壮なり。君子以て礼にあらざれば 履〔ふ〕まず。」
(震雷が乾の天上に鳴っています。万物を生成するとともに、パワー〔威力〕を示しているのです。この象のように、君子は、克己し 礼に外れた行動をするものではありません。)

※ 乾天 = 礼儀(公明正大)、  震雷 = 履む

cf.「礼は 天の経なり、地の義なり、民の行いなり」 (『春秋左氏伝』)

《 35 & 36 のペア 》

35.晋 【火地しん】 は、すすむ

三吉卦、遊魂八卦、高根流 日の4(5)卦 〔升・晋・賁・明夷・(大有)〕

● 地上(真上)の太陽、中年壮年、昼、晋(すすむ)・進め(5爻)、 
4爻 大ネズミ登場(鼫鼠;〔せきそ〕、 384爻のうち最悪人の意)

cf. 人名 ・・・ 安倍 晋三 元総理、 高杉 晋作

■ 地(坤)上の太陽(離)にて、太陽が地を照らしている象。臣下が、大明・明徳の天子(君主)に 付き従う象意。

○ 大象伝;「明 地上に出づるは晋なり。君子以て自ら明徳を昭〔あきら〕かにす。」
(離明の太陽が、昇り進んで 地上を照らしています。この象のように、君子は、自らが持っている明徳を輝かせるよう努めるのです。)

cf.「大学の道は 明徳らかにするにあり」 (『大学』)

36.明夷 【地火めいい】 は、明るいもののやぶれること

遊魂八卦、高根流日の4(5)卦

● 地中の太陽、“君子の道 閉ざされ、小人はびこる”、夕暮れ、夜の卦

cf.“天の盤戸〔いわと〕開き”、ヨーロッパ中世の“暗黒時代” ―― ルネサンスで復活、「地雷復」の卦

※ 今の時代 = 徳のない時代、蒙〔くら〕い時代

■ 地(坤)中の太陽(離)にて、正しきものが 傷つけられ やぶられる。夜の象。正論の通らぬ時代。“暗黒時代” 。

○ 大象伝;「明の地中に入るは明夷なり。君子以て衆に莅〔のぞ〕み、晦〔くら〕きを用いて(しかも)明らかなり。」
(離明が地中に入っています。この象にのっとって、君子は 衆民に臨むにあたり、あまり細かいことに立ち入らず、聡明さを隠しておき 衆民を親しませます。それでいて、内には 明徳・明察を失わないようにするのです。)

※ 晦〔くら〕い処にいて、明るい方をみれば、すべてが はっきり見えます。自分自身は、目だたぬようにしましょう。

cf.馬鹿殿 (馬鹿になれる殿 = 名君)、班超(―― 細かいことは言わぬ。“虎穴にいらずんば虎子を得ず”)


《 37 & 38 のペア 》

37.家人 【風火かじん】 は、家庭の人・家族 

包卦(乾中に坎)

● 家庭の平和・調和、家を斉〔ととの〕える道(家庭の平和は女が貞正に婦道を守って実現)、男の発展・女の縁談

4爻・・・女性しっかりして大吉(陰爻)    5爻・・・男性しっかりして大吉(陽爻)

※ 火は物事を進めるエネルギー、文明のみなもとは 「」と「石のカケラ

■ 1)風(巽)が火(離)を燃やす。  2)長女(巽)と次女(離)並ぶ象。 
 3)下卦の離女が、巽女の下位で柔順に随〔したが〕っていて、長幼の序 正しき象。

・ 離の主爻 2爻は(陰爻を以て陰位にいて) 中正を得、巽の主爻  4爻も陰爻で陰位に 正位している。 5爻も、陽爻陽位にて 正位。

○ 大象伝 ;「風の火より出づるは家人なり。君子以て言には物あり。行いには恒〔つね〕あり。」
(巽風・離火は、火が燃えて風が生ずる象。このように君子は、言〔ことば〕には、それ相応の法(理由・実体)があるべきで、行ないには徳にのっとった一定の方針を持ち、不変性・恒久性を持たなければなりません。)

cf. 現在、本来の意味での家庭・家族が崩壊して、ただ同居生活しているだけになりつつあると思います。(高根)

38. 睽 【火沢けい】 は、そむく・異なる。

包卦(乾中に坎)

● 嫁と姑、二女反目。女性同士の背反 (先天卦「訟」は 男性同士の背反)。
   「小事に吉なり」(卦辞)

■ 1)二女反目 :姑〔しゅうとめ〕と嫁 (離女と兌女)、下卦(内卦)の兌女は内に留まって悦び、上卦(外卦)の離女は うとんざれて外に行こうとしている象。
2)火と水で背反 :上卦の離火は 燃えて上へ昇り、下卦の兌沢は流れて降り、乖〔そむ〕き離れる象。

・ 中庸の徳をもって、2爻、5爻の中爻は 相応じている。兌の和悦をもって、離の明徳に付き従ってゆく、と捉えられます。

cf. 「睽」のへんは「目」で離・陽の火、右側は「癸」で陰の水。

注) 五行思想では、水と火は 相剋〔ライバル関係〕です。 が、易では水と火の相対立するものを止揚 〔中、アウフヘーベン〕して、価値の高い 新しいものがうみだされると考えます。(元来 天地万物、皆 矛盾するところがあります。)相反し、剋し合っておわるものではありません。 例えば、水と火でお湯が沸き生米から 美味しいごはんを炊くことができます。

○ 大象伝 ;「上に火、下に沢あるは睽なり。君子以て同じくして異なる。」
(上卦に離火、火卦に兌沢があり そむきあっている。この象のように、君子は その志すところは一〔いつ〕ですが、水火・陰陽のように表面的なものは同じではありません。大同の中の異なるもの、を知っておかねばなりません。)


《 39 & 40 のペア 》

39. 蹇 【水山けん】 は、足の不自由・行き悩む

3(4)難卦、包卦(坤中に離)

● 寒さに足が凍えて進めない、足止めストップ、「西南に利ろし」(卦辞)、「難〔むずかし〕きなり」(序卦伝)

cf. 『蹇蹇録〔けんけんろく〕』 (陸奥宗光〔むつむねみつ〕) ―― “蹇蹇匪躬〔けんけんひきゅう〕”(みのことにあらず : 自分の名誉や富貴のためではなの意)。

「四面楚歌」( 『史記』 ・“時利あらずして騅〔すい〕ゆかず” 〕。
“艱難〔かんなん〕、汝を玉にす”

■ 自然界では、手前に艮の山、向こうに水の険難、2・3・4爻も坎を形づくり険   難が重なっている形。前途の坎険に対して、艮の足止めストップするのがよい。
「険(上卦の坎)を見て能く止まる(下卦の艮山)、知なるかな。」(彖伝〔たんでん〕) また、坎を冬とし 艮を山とするので、冬山で行き悩むの象。

○ 大象伝 ;「山上に水あるは蹇なり。君子以て身に反〔かえ〕りて徳を修む。」
(艮山の困難の上に 更に坎水で、上下共に行き悩む。このような時に、君子は、ただわが身に反〔かえ〕って 省みて、ますます徳を修めることで解決をはかるのです。)

cf.「行なひて得ざるものあれば、皆反りこれを己にもとむ」 (『孟子』・離婁上)

40. 解 【雷水かい】 は、とける・ちらす

包卦(坤中に離)

● 春の雪解け。(1)悩みが解ける・解決 と (2)解約・解消の二意があり解釈は難しい。「渙」も散らすの意。

■ 1)雷(震)と水(坎)で、雷雨の象。=巣籠りの虫が這〔は〕い出し、啓蟄〔けいちつ〕。
2)下卦の坎は艱難・冬・寒、上卦の震は活動・春・スタートの意。 
3)「蹇」の処置よく 「蹇」の外に出た象。 
4)坎の冬の苦しさから脱し 春到来の象。 
5)坎水の険難凌いで(解消して)、その外に動く(新たなスタート)の象。

○ 大象伝 ;「雷雨作〔おこ〕るは解なり。君子以て過を赫〔ゆる〕し罪を宥〔なだ〕む。」
(雷雨起こり、天地の閉塞を解消して新たに生命が活動・生長する。このように、君子は時機をみて 過失をおかした者を赦〔ゆる〕し、罪をおかした者も寛大な処置をとり、人心を一新 のびのびとするようにはかるのです。)

cf. 「稲妻〔イナズマ〕」: 古代人は、雷によって陰陽交流し、稲が実ると考えました。


《 41 & 42 のペア 》

41. 損 【山沢そん】 は、へらす 

包卦(乾中に坤)。

● “損益の卦”、上経の“泰否の卦”と好一対、賓卦 「益」、 「遜」にも通じへりくだり奉仕する、“損して得とれ”、“ Give and Take ”―― まず与える 易は損が先、 正しい投資

5爻 「十朋〔じっぽう〕の亀〔き〕」(神占をするための高価な霊亀)登場、元吉

cf. 貝原 益軒・・・ 84歳で死ぬ1・2年前に 「益軒」を名のる、それまでは「損軒」

■ 沢は地表面が減損したものですから、沢が深いほど山は高い。
1)地天泰であったものが、3爻の一陽を減らして上爻に益した象。即ち、内を損して外を益した象。 
2)外、私の心を去って動ぜず(艮山)、内、悦んで(兌沢)修養努力する象。

○ 大象伝 ;「山下に沢あるは損なり。君子以て忿〔いか〕りを懲〔こ〕らし欲を〔ふさ〕ぐ。」
(沢は地表面が減損して、それが山となっている、自然の理です。そこから君子は、損することの道理を悟り、自分を抑え怒らぬように節制し、私欲・欲望を抑え 塞ぎ止めるようにするのです。)


42. 益 【風雷えき】 は、ます・ふやす

包卦(乾中に坤)

● 益する道、損(正しい投資)があって益あり、  賓卦 「損」
「損して已〔や〕まざれば必ず益す」(序卦伝)、 2爻 「十朋の亀」、永貞吉

■ 1)動いて(震雷)従う(巽風)象。   2)上より下にくだる。 「否」の4爻と初爻が入れかわったもので、上を損じて下を益すの象。 
3)雷(震)の裏卦が風(巽)で、陽陰共存の象。

○ 大象伝 ;「風雷は益なり。君子以て善を見ればすなわち遷〔うつ〕り、過ちあればすなわち改む。」
(風と雷は、互いに助け益します。そのように 君子は、自分の徳義が益するように、善いと見れば就〔つ〕き従って動き、自分に過失があれば勇気をもって改めるのです。)

cf. 『論語』より ; 「利に放〔よ〕りて行へば怨み多し。」 (里仁第4)
「君子は義に喩〔さと〕る。小人は利に喩る。」 (里仁第4)
「過〔あやま〕っては則ち改むるに憚〔はばか〕ること勿〔なか〕れ。」(学而第1、子罕第9)
 


《 43 & 44 のペア 》

43. 夬 【沢天かい】 は、決なり

準四難卦、 12消長卦 (4月)

● よほどの決心・決定(勇断果決)、堤防決壊(ぶちこわし)、 君子夬夬(決めるべきをきめる) ―― “真の知とは決断すること”
初爻 “ならぬ堪忍するが堪忍”
5爻 「莧陸〔けんりく〕、夬夬。中行にして咎なし」 (「山ごぼう」引き抜いて吉、中行 = 中庸)

■ 五陽進み 上爻に迫る、一陰の小人を五陽の君子が消し去ろうとしている象。
健(乾)にして悦ぶ(兌)。 上爻の陰(小人)は、5爻の天子に親しくして高位にあってよからぬ策を弄している。弁舌はたくみ。 決して和する象。

○ 大象伝 ;「沢の天に上るは夬なり。君子以て禄を施して下に及ぼし、徳に居ることはすなわち忌む。」
(沢の気である水が、天に上り 必ずまたあふれて雨となって下り万物を潤わせます。この象にのっとって、君子は、俸禄を施し恵みを万民に及ぼすのです。ただ、自分が沢徳を積み それを蓄え止めておくことを 戒め・忌み嫌う〔分かち合う〕のです。)


44. 姤 【天風こう】 は、遇う、出会うこと 

愛情5卦、 12消長卦 (6月)

● 思わぬめぐり会い、邂逅〔かいこう〕、「女壮〔さかん〕なり」(卦辞)、女性は玉の輿(シンデレラ?)、女性との出会いで発展(男女とも)
5爻辞 ;「章〔あや〕を含めば、天より隕〔お〕つることあり。」 天恵あり、幸福がふってくる。 章 = 知識・才能・徳、寵愛 

■ 夬の上爻の陰が下に回った五陽一陰卦。 「地雷復」の錯卦( = 裏卦、復の陰陽逆の卦)、 12消長卦にて陰がやがて勢いを増す ―― 陰気上昇、「女壮なり」

○ 大象伝 ;「天の下に風あるは姤なり。后〔きみ〕以て命を施して四方〔しほう〕に誥〔つ〕ぐ」
(上卦乾天の下に、下卦巽の風が吹いています。風は、天の下を吹き渡ってあまねく触れ風靡〔ふうび〕していきます。このように、君子は、命令を発布してあまねく 四方の民に告げ教化するのです。)


《 45 & 46 のペア 》 

45. 萃 【沢地すい】 は、あつまる。

● 人やモノがあつまる、 冠婚葬祭、 祭祀の卦(先祖を祭る)、 万民・人心あつまる、 選挙吉

cf. 「抜萃」=エリート :雑然とあるものの中から抜いて萃める。人材登用、抜擢

■ 坤地の上に兌沢。  1)地に秋の収穫の潤沢あり、悦び・豊作の象。 
2)兌を巫女 坤を衆民とし、天子が祭祀をして万民・人心これに従い集る象。  
3)兌を悦び 坤を柔順とし、悦びもって万民 萃〔あつ〕まる象。「順〔したが〕って悦ぶ」(彖伝)
4)沢水が地上にあつまって万物を潤します。 ※ 沢水 地にあつまる象を、占家は 洪水あるも豊作と判断するといいます。 ―― “エジプトはナイルの賜物”(ヘロドトス)《 by.高根 》

・2爻と5爻、正位正応

○ 大象伝 ;「沢の地に上るは、萃なり。君子以て 戎器〔じゅうき〕を除〔おさ〕め、不虞〔ふぐ〕を戒〔いまし〕む。」
(沢が地の上にある。すなわち 人・モノがたくさん集った象であり、また 水高きにあって決壊・氾濫するかも知れない象です。この象にのっとって、君子は、平素から武器を修理整備して不測の事態に備えるのです。)

※ 除〔おさ〕め=治める、修理・整備する。3・4・5爻の巽、整えるの意。
※ 「治に居て乱を忘れず」 (易経・繋辞伝)

46. 升 【地風しょう】 は、のぼる 

3吉卦 (晋・昇・漸)、 高根流 日の卦

● 順を追って昇り進む、昇天、先祖を祭って開運、「南征して吉」(卦辞)
5爻辞 「貞しければ吉なり。階〔きざはし〕に昇る。」(女性 “玉の輿”)

■ 下卦 巽風で、上卦 坤地 
1)巽風はまた木、木が地中から生長・大きくなる象。向上発展。
2)また、地中の巽木は 木の根であり芽です。3・4・5爻に震があり、その芽が 震の伸長発展の気をもって 上に昇り進む〔生長していく〕象。
3)卦徳、下卦巽は謙遜、上卦坤は柔順。謙遜に柔和して正道に従って高位に昇る(出世する)ことが出来ます。

・2爻と3爻、中庸の徳あり、正位正応

○ 大象伝 ;「地中に木を生ずるは升なり。君子以て徳に順〔したが〕い、小を積みて以て高大なり。」
(坤地の中に巽木が生じて生長発展して大きく上昇していく象。このように、君子は、〔木が時に従い、天に従って生長することを悟り〕自ら慎んで、徳を修め徳に従うことに心がけ、小さな善事・小さな才徳を積み重ねて高大なものに到達するように努めるのです。)


《 47 & 48 のペア 》

47. 困 【沢水こん】 は、くるしむ、なやむ 

三難卦。

● 困難、“艱難辛苦”、“粒粒辛苦”、“四面楚歌”、「大人は吉にして咎なし」(卦辞)
“精神一到 何事か成らざらん”
※「困」の字義は、囲いの中の木。行き詰まって困り、苦しく悩むこと
5爻 “艱難〔かんなん〕汝を玉にす”・‘Adversity make a man wise.’(逆境は、人を賢くする。) 祭祀することで開運 
※神はその人(の能力)にみあった試練(苦労)を与えるものです!(高根)

■ 沢の止水が下に漏れ枯れている象。“漏水枯渇の象。 2爻の陽が初爻と3爻の陰に、4爻と5爻の陽が3爻・上爻の陰におおわれている象。(君子が小人におおわれて困窮している形)

2爻は陰位に剛健(陽)にして中徳,5爻は中正にて中徳を持っている。

○ 大象伝 ;「沢に水なきは困なり。君子以て命を致し志を遂〔と〕ぐ。」
(沢の水が下に漏れて枯れ窮まるのが困の卦象です。これにのっとって、君子は、困難な時に臨んでは、どんなことにも 一命を投げ打って初志を貫いて、志・目的を遂行達成するのです。)

48. 井 【水風せい】 は、井戸

● 恵みの井戸、 「丼」は井戸とつるべ(「丼」は井戸の古字、「、」は釣瓶)、 男性と女性(色情問題・性行為)

※ 難問題に行き詰まり、反省・内省して自己を深めることを、井戸掘りになぞらえて物語っています

上爻 :万人に分かち合う(人のために尽くすことでうまくゆく) ―― ※ 64卦の中で陰爻で卦極にあって“元吉”と書かれているものはこの卦だけ

cf. “オピニオン・リーダー”、“ポンプの呼び水”/ 「寒泉精舎」、岡田寒泉の雅号

■ 下卦に巽木・上卦に坎水。巽は 木・伏入・往来、坎の水の中に巽木が伏入して水を汲み上げる象。険難を前に自ら修める象。

瓶〔つるべ〕=釣瓶は、巽の象。2・3・4爻の兌で水の容器とし、また3.4.5爻の離で中虚・容器とする。

井戸とつるべ=男女の象 :(1)水の陽と風の陰、(2)深層心理学的解釈による (by. 高根)

cf. 易道(占)家の良卦 (坎水は宗教性、巽風は神職・インスピレーシヨン、井戸のまわりに人が集るごとく人が相談に集るからか?)

○ 大象伝 ;「木の上に水あるは井なり。君子以て民を労〔ねぎら〕い 勧め相〔たす〕く。」
(水火風木で、井戸に釣瓶を入れ水を上に汲み出す象。この象にのっとって、君子は、善政を行って民を労い いたわると共に、民を励ましお互いに協力することを勧め、助け合うようにするのです。)


                                     (以 上)


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第十七回 定例講習 (2009年1月25日)


第十七回 定例講習 (2009年1月)

 

孝経

 聖治章 第九 の群読 : この章は孝経18章中最も長く、内容的にも核心部分です。読み味わうにつけても、著者が力をいれて説いていることが感じられます。くり返し熟読したいものです。

 例話 2つ :

1) 直江 兼続 (なおえかねつぐ、上杉家家老)

‘09年のNHK大河ドラマ 「天地人」の主人公として周知と思います。豊臣秀吉からは信頼され可愛がられた上杉家・直江兼続でしたので、「関が原の戦い」では西軍につきます。

敗戦降伏後、徳川家康の命令により領地(当時は会津領)が 120万石から 30万石に減じ移されることになります。経営的には、家臣も4分の1にしなければならない計算です。しかし、兼続は家臣のリストラはしませんでした。謙信公以来の忠臣を皆引き連れて米沢に移ります。

米沢では、家臣の俸給は3分の1に減らしました。(4分の1と3分の1との差額不足分は兼続の私財で工面したといわれています) その耐乏生活の中で上杉家は一致団結して力を蓄えます。

やがて、この領地の狭さに似合わぬ大軍団(1万弱くらい)は、「大阪の役」で家康側(東軍)で大活躍し、その功により、徳川の時代にあって名門としての不動の地位を築くことになります。

ちなみに、兼続の兜〔かぶと〕正面の瓩諒源飾りは、仁愛・敬愛の愛なのでしょう。愛は儒学の“瓩汎韻犬任后


2) 松下 幸之助 (狆床偲鉄錙魅淵轡腑淵襦有畫篭伴圈

「経営の神様」 と呼ばれた、昭和財界を代表する立志伝中の人です。
5坪の町工場であった狆床偲鉄鎰瓩鮟抄醗1万人、売り上げ1千億円の大企業へと発展させます。

その経営は 「日本的経営」 の代表ともいわれ、「企業一家」 の考え方です。
つまり、松下夫妻が父母であり、従業員たちが子供ということです。

幸之助氏は、儒学を書物で学んだわけではありませんが、その考え方は儒学的 瓩龍気┐頬棔未發函佑鼎ものにほかなりません。

かつて、不況の時に臨んで、幸之助氏はリストラしませんでした。
労働(生産)時間は半分にしましたが、給料は減額しませんでした。

家族瓩世らです。

すると、従業員たちは奮起して、その休みの半日を使って在庫の商品を自主的にセールスして回ったそうです。在庫の山は、みるみる減ってなくなったそうです。

今、狆床偲鉄鎰瓩蓮 “Panasonic ・パナソニック” に社名が変わっています。
現在の不況に際して、1万5千人の人員削減(半分は国内)を打ち出しています。(‘09.2.4) 
アメリカ化して変わったのは、社名ばかりではないように私は思います。


論語

 「 子曰わく、 歳〔とし〕寒くして 然る後に松柏〔しょうはく〕の 彫〔しぼ〕むに後るることを知る。 」 (子罕第九 −29)

 時候が寒くなって初めて、(他の樹木は枯れしぼんでいるのに) 松や柏〔かや・ひのき ※ 常緑樹〕 がしぼまずに残っていることがわかります。

 (人の真価・節操というものも大事乱時にわかるものです。)

 ‘09 年 1月 “ We can change. ” 〔変革〕をとなえた オバマ氏が新アメリカ大統領に就任いたしました。

自然も人生も大いなる変化・無常・「変易〔へんえき〕」です。
 
しかし、変化の根柢〔こんてい〕にある、変わらないもの・変わってはいけないもの・ 「不易」なものの価値を大切にしなければなりません。

それは、人間界では狷銑瓩任后

易卦 「雷風恒〔らいふうこう〕」 は、幾久しく変わらぬ道を説き、 「水沢節〔すいたくせつ〕」 は志節・節操を説いています。

孔子も 「 ―― 難いかな恒〔つね〕 有ること」 (述而第七 −25)と嘆じていますが、今の我国も心は すさみ、蒙〔くら〕く、瓠Ν瓩六犖譴砲覆蠅弔弔△蠅泙后 

狆召妨添の色なし瓩魏めて考えてみなければなりません。

 「松柏千年青」 (『広燈録』など)

「国乱れて忠臣あらわれ、 家貧しくして孝子出づ」


本学

1) 干支〔かんし・えと〕 = 十干〔じゅっかん〕(天干) と 十二支(地支)

 十干 ・・・ 甲〔こう〕 ・ 乙〔おつ〕 ・ 丙〔へい〕 ・ 丁〔てい〕 ・ 戊〔ぼ〕 ・ 己〔き〕 ・ 庚〔こう〕 ・ 辛〔しん〕 ・ 壬〔じん〕 ・ 癸〔き〕

十二支 ・・・ 子〔ね〕 ・ 丑〔うし〕 ・ 寅〔とら〕 ・ 卯〔う〕 ・ 辰〔たつ〕 ・ 巳〔み〕 ・ 午〔うま〕 ・ 未〔ひつじ〕 ・ 申〔さる〕 ・ 酉〔とり〕 ・ 戌〔いぬ〕 ・ 亥〔い〕

 十干と十二支の組み合わせで暦(旧暦)をつくりました。
甲子〔こうし・きのえね〕に始まり61年でもとの甲子にもどります(還暦)。 
「甲子園球場」 は甲子の年に出来て還暦を過ぎました。

 今年は犖福Ρ〔き・ちゅう、つちのと・うし〕瓩任后
この旧暦は、明治時代に太陽暦が取り入れられるまで我国で用いられました。


2) 九性(星)気学

 易の八卦の象意〔しょうい〕をダイジェストに取り入れ、それに 「五黄土性〔ごおうどせい〕」を加えました。

一白〔いっぱく〕水性  = 坎 、   二黒〔じこく〕土性   = 坤
三碧〔さんぺき〕木性 = 震 、   四緑〔しろく〕木性   = 巽
六白〔ろっぱく〕金性  = 乾 、   七赤〔しちせき〕金性 = 兌
八白〔はっぱく〕土性  = 艮 、   九紫〔きゅうし〕火性  = 離 

 この九性(星)を、下図のような 魔方陣〔マジックスクウェアー〕 に配列しました。 

タテ・ヨコ・ナナメのどれでも、3つの数字をたすと 「15」 になります。
そして、この位置が一定の規則性で動き(変化)ます。

※ 古代中国で、禹王〔うおう〕が洪水を治めた時、河(洛水)から浮かび上がった カメ(神亀)の甲羅〔こうら〕にこの配列が示され、禹王また悟るところがあって 「洛書〔らくしょ〕」 を書いたと伝えられています。これは後、易学の 「後天〔こうてん〕の図」 のもととなります。

( 「洛書方陣 ・ 十五方陣」 )

 今年は、「九紫火性」にあたります。八卦の象意では、「 離・火 」 にあたります。


易経

1) 本年、「平成21年」の干支〔えと〕(己・丑)と九性気学(九紫火性)の易学的解釈・解説

(※ブログ “平成21年度のごあいさつ”の、今年の干支・九性気学の深意をご参照下さい)

 十干・十二支を易学八卦(小成卦)になおすと次のようになります。

甲=寅 ―― 震(雷)、           乙=卯 ―― 巽(風)、

丙=午 & 丁=巳 ―― 離(火)、   戊=辰・戌 ―― 艮(山)、

己=丑・未 ―― 坤(地)、         庚=申 ―― 乾(天)、

辛=酉 ―― 兌(沢)、           壬=子 & 癸=亥 ―― 坎(水)


 己 と 丑 ―― 坤(上卦) と 坤(下卦)で  「坤為地〔こんいち〕」です。 ‘純陰、母なる大地、柔順の貞〔てい〕 ・・・ ’ の意。 「君子以て徳を厚くし以て物を載〔の〕す。」(大象伝)

 九紫火性は、 火=離 ―― 離 の象意(小成卦)、離の重卦で 「離為火〔りいか〕」(大成卦)。‘つき離れる、聡明・美・文化文明 ・・・ ’ の意、「大人以て明を継ぎ、四方を照らす。」(大象伝)


2) 高根による、 筮竹〔ぜいちく〕 を用いた立筮(略筮法)の実演・披露と易占用具についての説明。

3) 各自の倏筮〔ねんぜ :‘09年1月〜12月〕 瓠腹┌卸遑監から翌年2月3日までではありません) の発表と解説
 ――― 以下に 4つの例とその解釈のポイントを示しておきましょう!


その1. 受講生の年筮 (8面サイによる中筮)

【 Aさん 】

 8面体ダイスが 「(上爻)4 ・ 5 ・ 4 ・ 4 ・ 1 ・ 7(初爻)」の数なので、「(上) 震〔しん〕 ・ 巽〔そん〕 ・ 震 ・ 震 ・ 〔けん〕 ・ 艮〔ごん〕(初)」。

  これを 陰陽(女男)に直すと「 陽 ・ 陰 ・ 陽 ・ 陽 ・ 陽 ・ 陽 」。従って、得卦は、
  「 火天大有〔かてんたいゆう〕」 ‘大いに有〔たも〕つ、中天の太陽’の意。

 2爻 が動爻の「乾」なので、陽陰変じて「」となり、変卦(=之卦)は、「 離為火〔りいか〕」 ‘つき離れる、聡明・美・学術文化’の意。

 6(つの)爻 の中味をみると、主爻 は定卦主・成卦主とも5爻にて「巽」。‘風のように従って吉’の意。 「震」が3つもあるのが特徴的。 「震」は‘動き・起の兆し・音や電波による連絡’などの意。

 時期の見方の一例。 1・2月(初爻)=「艮」‘足止めストップ’、3・4月(2爻)=「乾」 ‘剛健・陽の兆し’、5・6月(3爻)=「震」‘驚き・動く’、7・8月(4爻)=「震」、9・10月(5爻)=「巽」‘従って吉’、11・12月(上爻)=「震」。


【 Bさん 】

 「(上) 〔こん〕 ・ 巽〔そん〕 ・ 艮〔ごん〕 ・ 離〔り〕 ・ 〔けん〕 ・ (初)」 にて、得卦は、「 雷水解〔らいすいかい〕」‘春の雪解け、解決と解消の2意あり’。

 初爻 、2爻 、上爻 の3つが動爻 (変爻)で、大いに変動ありと考えられます。変卦(之卦)は、「 火雷噬嗑〔からいぜいこう〕」 ‘口の中に挟まっている障害物 〔4爻〕’で、良いものなら飲み込むし、悪いものなら吐き出すの2途があります。


中筮法による年筮解釈のPointo ; 動爻の数と2つ以上ある小成卦(八卦)の象意、  
主爻の象意、1年間を2ヶ月ごとに6分割する(6 爻に相当させる)


その2. 講師の年筮 (筮竹による略筮と中筮)

【 高根 (略筮法) 】

『 水雷屯〔すいらいちゅん〕上爻にて、風雷益〔ふらいえき〕に之〔ゆ〕く 』
(※ 屯は四難卦の1つ)

 得卦 「」は、‘創造・万物生成の始まりと生みの苦しみ’ の意。

 之卦 「益」は、‘益する道、善事とみれば従い動く’ の意。

 互卦 「山地剥〔さんちはく〕は、‘身心のはがれ、依って立つ処を注意!’ の意。

 上爻 辞は、「悲運の極みにて 行きつ戻りつして進退窮まる」。 しかし、(上爻なので)奮起・新局面打開に努力して、時至ればおおいに通じさせられると考えられましょう。

 時期については、今年の前半(下卦)は 「 震」にて、‘動き・起の兆し・連絡・進展あり。’後半(上卦)は 「 坎」にて、(悩み・困難・病気ばかりではなく) 自分自身〔高根〕が一白水性・水の人でもあり、 ‘学問(易学・儒学)や 移動の吉’と捉えたいと思います。


【 嬉納 〔きな〕(中筮法) 】

「(上) 坎・  ・ 坎 ・ 震 ・ 離 ・ 艮 (初)」 にて、得卦 「 離為火〔りいか〕」、動爻は 5爻にて 変卦(之卦)は 「 天火同人〔てんかどうじん〕」。

 主爻は 2爻(成卦主)で 「 離」、 5爻(定卦主)の 「 」 は動爻にて陰の極から陽の極 「 」へと大変化する。

 「離火」・「離」・「九紫火性」の象意にて、‘学術・発展・発表・カラー ・・・’などの意。 内容的に 「離 = 火」 と 「坎 = 水」 の相対するものがあります。 ※(注)

 変卦は 「同人」にて、‘志を同じくし、多くの人が集まる’の意。

 時期については、今年の前半(下卦)・後半(上卦)とも 「離」にて同様。 3・4月(2爻)は 「離」にて‘学術・発表’ (4月に狄深瑤僚犬き疇段鵡岷蕕鮹甘いたします)、 1・2月の「艮」のカベ・障壁は 4月講演に向けての労力や苦難かと思います。 後半(7・8月、11・12月)の「坎」は、自分自身〔嬉納〕が一白水性でもあり、易学・儒学の学業と捉えたいと思います。

※(注) 五行思想では 「 水」 と 「 火」 は、一般に相克〔そうこく;ライバル関係〕として捉えます。 が、「 ―― 水火 相〔あ〕い射〔いと〕わずして 八卦 相い錯〔まじ〕わる 」(説卦伝 3章) とあるように、深意は狠耋性瓩如 峪瀝函Α魅▲Ε侫悄璽戰鵝諭廚箸眤えられます。例えば、火と水(が協力して)で美味しい料理が創り生み出される と考えると良いでしょう。

( 以上 )

真儒協会 会長  高根 秀人年



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第十六回 定例講習 (2008年12月)


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■本学

  法家(韓非子) の思想 (法治と徳治)

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  中筮 [ぜ] の解釈演習、

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第十五回 定例講習 (2008年11月) vol.1

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第十三回 定例講習 (2008年9月)

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