2008年03月24日
凶悪犯罪
捕まえてごらん!と警察を挑発していた殺人事件容疑者の男が、両手に刃物を持ち駅構内を駆け抜けた。5分足らずの凶行で一人が死亡し7人が重軽傷を負った。
24歳のこの犯人は一人部屋に閉じこもりゲームに興じていたと言う。「人を殺してみたかった」と犯行の動機を明かしている。ゲームの中でのバトルに満足できず、本物で試したくなったのだろう。日常生活での世間との係わりで言うと、無口ではあるが特に問題がある人物ではなかったと、元の職場の人間、近所の人の証言がある。
最近報道される凶悪犯罪には今回と同様の共通点がある。前科も反社会性も見られない極普通の人間が犯罪者に転移する。彼等の多くは孤独な生活を送っている。家族と同居しているにも拘わらず孤独な存在。大勢の人々に囲まれながら尚孤独だという現実は救いがたい。
自分を内に埋没させることによって、自己の存在を確認するしかなくなってしまう。彼の場合も初期段階では恐らく自分を理解しようとしない「周り」が存在していたはずだ。周囲との距離感が広がるにつけて、殻というシェルターで自分を守るようになっていった。そんな時、ゲームの中で思う存分、自由自在に行動出来る自分を発見した。世間に、自分にありったけの憎悪をぶつけることも可能な世界に夢中になっていった。
バルチャーではあるが無敵になった自分。解き放たれた自分が襲ったのは悲しいかな、72歳の老人だった。しかし血まみれになって死んでいった姿はゲームでは味わった事のない正しく現実であった。この強くなった自分の存在を誰かに知らせたいという欲求は孤独の殻からの脱出を意味していた。
「捕まえてごらん」と警察に電話をした行動は彼が犯罪を犯したという自覚があったからに他ならない。このことは他人から見ると想像できない犯行ではあるが、決して心神喪失などではなかたことを窺わせる。反社会性の対極にある警察に挑戦する事は後戻りを許されない崖っぷちに自身を追い込んだことになった。
彼は変装をし居場所を変えた。挑発を受けた警察は各駅に人員を配置する一斉検問を布いた。しかし犯人はこの警戒態勢の中を悠々と抜けたのである。警察は形は整えはしたが、まさか次なるかくも重大な犯罪に移行するなどとは想像していなかったのだろう。
警察を欺く事に成功した犯人は自分がパワーアップしたと確信した。後はその力を試すだけだった。
恐怖で逃げ惑う人々の姿は自分の強大な力の証だ。駅構内を全力で走りながら両手の刃物で切りつける。自分の行く手を遮る奴は容赦しない。ゲームでは感じる事がなかった鈍い衝撃に興奮した。しかし普段運動などしたことがない体にはこれが限界だった。疲労で走れなくなった時、あの爽快感は惨めな孤独感に変わってしまっていた。
交番に自首してきた男は元のおとなしい普通の人間に戻っていた。
24歳のこの犯人は一人部屋に閉じこもりゲームに興じていたと言う。「人を殺してみたかった」と犯行の動機を明かしている。ゲームの中でのバトルに満足できず、本物で試したくなったのだろう。日常生活での世間との係わりで言うと、無口ではあるが特に問題がある人物ではなかったと、元の職場の人間、近所の人の証言がある。
最近報道される凶悪犯罪には今回と同様の共通点がある。前科も反社会性も見られない極普通の人間が犯罪者に転移する。彼等の多くは孤独な生活を送っている。家族と同居しているにも拘わらず孤独な存在。大勢の人々に囲まれながら尚孤独だという現実は救いがたい。
自分を内に埋没させることによって、自己の存在を確認するしかなくなってしまう。彼の場合も初期段階では恐らく自分を理解しようとしない「周り」が存在していたはずだ。周囲との距離感が広がるにつけて、殻というシェルターで自分を守るようになっていった。そんな時、ゲームの中で思う存分、自由自在に行動出来る自分を発見した。世間に、自分にありったけの憎悪をぶつけることも可能な世界に夢中になっていった。
バルチャーではあるが無敵になった自分。解き放たれた自分が襲ったのは悲しいかな、72歳の老人だった。しかし血まみれになって死んでいった姿はゲームでは味わった事のない正しく現実であった。この強くなった自分の存在を誰かに知らせたいという欲求は孤独の殻からの脱出を意味していた。
「捕まえてごらん」と警察に電話をした行動は彼が犯罪を犯したという自覚があったからに他ならない。このことは他人から見ると想像できない犯行ではあるが、決して心神喪失などではなかたことを窺わせる。反社会性の対極にある警察に挑戦する事は後戻りを許されない崖っぷちに自身を追い込んだことになった。
彼は変装をし居場所を変えた。挑発を受けた警察は各駅に人員を配置する一斉検問を布いた。しかし犯人はこの警戒態勢の中を悠々と抜けたのである。警察は形は整えはしたが、まさか次なるかくも重大な犯罪に移行するなどとは想像していなかったのだろう。
警察を欺く事に成功した犯人は自分がパワーアップしたと確信した。後はその力を試すだけだった。
恐怖で逃げ惑う人々の姿は自分の強大な力の証だ。駅構内を全力で走りながら両手の刃物で切りつける。自分の行く手を遮る奴は容赦しない。ゲームでは感じる事がなかった鈍い衝撃に興奮した。しかし普段運動などしたことがない体にはこれが限界だった。疲労で走れなくなった時、あの爽快感は惨めな孤独感に変わってしまっていた。
交番に自首してきた男は元のおとなしい普通の人間に戻っていた。

