juliusrecordのblog

青森在住、1979年生、俳句書きの佐々木貴子です。 2013年11月第一句集「ユリウス」刊行(現代俳句協会刊)。 2016年まで俳句誌「陸」同人。現在は同会を休会中にて 2017年よりLOTUS誌同人。 有季にとらわれない俳句をいろいろ試してみたくなったので。

昨年(2016年)の現俳新人賞に応募した作。
最終選考まで残ったが。

これの創作時は、作品の質感を揃えることと「キズのない」状態に整えることに執心した。
でも、弱いだろうと思った。

30句としてはまとまっているだろうと思ったので
何かに使いまわそうか?という魂胆で今までとっといたのだが、もう。

過去作は自分のなかでどんどん、古くなる。

えい、だしちゃえ。


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「星の草」  作・佐々木貴子

 

 

夕時雨重たき星の草を食む
 

白き湖落葉とろりと浮いており
 

枯草や彗星のくる門の前
 

枯木星赤き川よりのぼりくる
 

白鳥のかすれる空のうすべによ
 

雪うすき地に月面の香あり
 

うすべにの雪わなわなと鈍の空
 

 雪ふるや寂しき星のまんなかに
 

白鳥の海の白紙の大いなる
 

海光のあちこち爆ぜて落下の兎
 

産声のかたちに春の海しなる
 

陽にすこし泪を足して春茜
 

ぜんまいや陽にはかなさの指の痕
 

古草の光を抱きうごかざる
 

暗い目の奥に花咲く星まわす
 

連翹や未明の星に雨のふる
 

糸一本もつれていたり囀れり
 

てのひらに陽の垂直やきんぽうげ
 

ふつふつと星うかびこよ大夏野
 

弓なりの山鈴なりの青時雨
 

夏の草砥ぐ太陽の哀しみを
 

少年の膝ののこりし青岬
 

耳なしの山の夕立においたつ
 

夕焼をとおる童子の白髪よ
 

蜩や琥珀にうつす杜の影
 

ちちふさや海やわらかき星月夜
 

月煌々人家に穀のどよめくを
 

白樺は仆れて小人らが焔
 

黄身ひとつ滑り落ちたる夕花野
 

うつつうつろなる芒よまひるの陽




真面目に俳句を作ったのはこの時が最後かも・・・と思う。

じゃ、いまは?

 

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確か、俳句四季新人賞に応募した作。
ちょっと、明らかにまずい・・・という箇所を、
5箇所くらい直した。
もっと真面目に作ったつもりでいたのだが、
久しぶりに見たら意外と崩れてた。

いろんな既発表作からひっぱって、
不揃いのままに放ったのがみてとれるかと思う・・・

ま、いっか。





DSC_0223 - コピー






「大なる陽」 作・佐々木貴子
 

 

蜩や琥珀にうつす杜の影
 

黄身ひとつぬるりぬめりぬ夕花野
 

月煌々人家に穀のどよめくを
 

海鳴の夢をみていし蓑虫よ
 

ぎゃーていと姫りんご割る昼のいろ
 

茫々と白太陽や芒原
 

鳥落ちてきし惑星の枯れゆける
 

いきものの反りをとどめし落葉かな
 

枯野はや陽の空洞に指を入れ
 

夕空を腹いっぱいに山眠る
 

赤き魚ほぐし地吹雪腹で聞く
 

四肢に酔い氷湖に熱き空のあり
 

赤ん坊ずしりと熱き地吹雪に
 

死に変る白鳥やああ赤き花

金色に少女ぬれおり雪野原
 

QooQoo恋白鳥のかえりゆく
 

春雪にぬれ煌々と夜の枝
 

陽と水の喃語うれしや雪解の田
 

春の宵湖底の町の浮かびくる
 

永日や鳥は楕円を描き散る
 

春の星いずこの穴も水を出し
 

かおり良き男行き交う桜の夜
 

ちょっとだけ丸い地球よ花むしろ
 

夏の朝みずいろの月溶けのこる
 

夏の帯ほどいて海をあふれさす
 

国境を蟻の三歩が踏み越えし
 

ほの白き炎くずれて踊子よ
 

蕗の雨青き光の鳥の声
 

七色に光りて猛き蜘蛛の糸
 

夏暁や湾に佇む乳房二基



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「草食む句会」


私が主体となって運営している句会です。

それに投句した作品をまとめてみました。




H27.10~


紅葉ああああああ風の通り道
 

海鳴の夢をみていし蓑虫よ
 

夕空を腹いっぱいに山眠る
 

どこまでもレシートついてくる凩
 

かたき星やわらかき星冬銀河
 

いとおしき本より汚したる師走
 

初風や街はくるくる回りたる
 

赤ん坊ずしりと熱き地吹雪の
 

人にがし絞りて菠薐草やわし
  

雪女ふわりふわりと海またぎ
 

春泥の抉れに瑠璃の鏡あり
 

陽と水の喃語うれしや雪解の田
 

()のなかの猫の子あたたかし地球
 

かおり良き男行き交う桜の夜


 

夏の帯ほどいて海をあふれさす
 

夏の朝みずいろの月溶けのこる
 

ふえてゆく空をみつめて金魚玉
 

みずをはく遊びみずいろになる陽に
 

国境を蟻の三歩が踏み越えし
 

虹色に光りて猛き蜘蛛の糸
 

ほの白き炎くずれて踊子よ
 

卵プリンに百の前世や天の川
 

ほのぼのと月禿げており真綿なり
 

ちちふさや海やわらかき星月夜
 

ぱんぷきんすうぷの凪を指で突く
 

林檎むく光ゆるりと錆びてゆく
 

一条の光る梯子や冬の子ら
 

しゃっこいじゃ枯葉のなかの迷路だじゃ
 

しばれおり名のある星もない星も
 

落雪のどどおどどおと夢ん中
 

冴返る星より()さき体にて
 

えんぶりの夜の煌々と土の声
 

春嶺の猛きうねりをのぼりゆく
 

産声のかたちに春の海しなる


~H29.5



正直ね、ためしに過去作を出してみたり

いやいやと、初心を思い起こし、ふるい起すつもりで有体に書いてみたり

いやいや、えいやとまだ試していないことをやってみたり

意図はいろいろでした。

しかし、いずれも楽しんでやりました。

句会があるということはいいことです。

思い出があるということは、良いことです。



               ねえ  貴子





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