2018年7月17日(火)

 大分県を含む九州北部地方が梅雨明けしたのは7/9ですが、「梅雨明け十日」のことわざ通り、安定した晴天と厳しい暑さが続いています。日中に登山にする場合、市街地近くから登り始める低山はもちろん、標高差が大きかったり日陰がなかったりすれば標高1000mを超える山でも熱中症の心配があります。
 そんな夏の日にうってつけなのが、由布岳近くにある倉木山(標高約1160m)でしょう。登山口から山頂までの標高差が330mほどで、登山道の7割方は北向きの広葉樹林の中。歩行時間は往復で2時間ほど(こればかりは個人差があります)なので、夏場でも体力的負担が少なそうです。

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倉木山登山口(雨乞牧場)の場所はこちら



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10:37 雨乞牧場内の倉木山登山口の標高は約830m。この時刻はさすがに日射しがきついです。

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地理院地図

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10:38 雨乞岳(本)林道から右折してコンクリート舗装の牧野道に入ると、倉木山の山頂(左奥)が見えてきます。左手の牧草地は花の多い場所ですが、ちょうど採草作業が行われていてめぼしい花は見られませんでした。この先に期待しましょう。

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10:44 登山口の駐車スペースから7分で牧野道の終点。ここから樹林帯の中の登山道に入ります。

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地理院地図

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10:47 登山道に入って3分で直登コースと山麓コースの分岐点。直登コースは距離的には近いのですが、尾根に上がってから背丈を超えるようなササ漕ぎが続くので、お勧めできません。いつものように山腹まわりのコースを進みます。

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山腹コースは倉木山の北西斜面をトラバースしながら登ります。この時期の沿道にはヤマアジサイが多く、さまざまな色の花を楽しみながら歩くことができます。

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10:55 分岐点から8分で由布岳眺望ポイントを通過。背後の雲が夏らしさを演出してくれます。

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由布岳眺望ポイントからは由布院の町も見えます。この先は再び樹林帯に入るため、町を望むことができるのはここだけです。

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10:58 比較的歩きやすい登山道ですが、由布岳眺望ポイントの前後は急斜面のトラバースがあるため落石に十分注意してください。

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11:03 逆Z型の区間の先に「倉木山 1.5km」の標識があります。

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11:14 2回目の逆Z型区間を過ぎると「倉木山 1km」の標識があります。

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11:22 山腹をトラバースする道は登るほどに歩きやすくなります。

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11:24 分岐点から37分で山腹トラバース区間が終わり、倉木山から西に延びる尾根に出ます。ここに「倉木山頂 10分」の標識があり、登山道は大きく向きを変えます。

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11:30 右手にヒノキ林を見ながら5分も登ると展望の開けたカヤ野に上がります。右手にはスラリとした姿の城ヶ岳(標高1168m)が控えており、その奥にはくじゅう連山も見えています。

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11:31 前方に倉木山の最高点ピークが見えてきましたが、胸まで埋まるカヤやササを分けて進まねばなりません。距離は短いものの、朝露で濡れていたりすると難儀する区間です。

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11:35 急坂をひと登りで直登コースと合流。このコースは山腹コースの最後の登り以上にササが深く、とても歩く気にはなりませんでした。

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11:36 合流点から1分で倉木山の山頂に到着。登山口からの所要時間は59分でした。

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本来なら由布岳の双耳峰が見えるはずですが、いつのまにか夏雲に覆われていました。

11:38 倉木山の山頂は日影がないので、写真を撮って水を飲んだら早々に退散。往路を戻ります。

12:21  山頂から43分で雨乞牧場の駐車場に帰着。

本日 見た花たち
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ヤマアジサイ(山紫陽花) アジサイ科・アジサイ属

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アソノコギリソウ(阿蘇鋸草) キク科・ノコギリソウ属

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ノアザミ(野薊) キク科・アザミ属

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キバナカワラマツバ(黄花河原松葉) アカネ科・ヤエムグラ属

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ヤマホトトギス(山杜鵑草) ユリ科・ホトトギス属

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ツチアケビ ラン科・ツチアケビ属

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ハナビラタケ ハナビラタケ科・ハナビラタケ属

 この日の湯布院(アメダス観測点)の気温は11時の時点で31度台に達しており、もはや避暑地とはいいがたい暑さとなっていたようですが、緑に包まれた倉木山の登山道(山腹のトラバース区間)は期待通りの心地よさでした。樹林帯なので多少の蒸し暑さは否めませんでしたが、広葉樹の葉の色やヤマアジサイの花の色が視覚的な涼しさを感じさせてくれたのでしょう。山頂に立った時は夏雲が多くて展望は今ひとつでしたが、沿道の花たちのおかげで今回も充実した登山となりました。