大分市では7月8日以降、最高気温が30度を超える真夏日が途切れることなく続いており、体感的には間違いなく「暑い夏」となっています。ところが、山登りの視点でとらえると今年の夏はどうもピリッとしない夏なのです。
太平洋高気圧の勢力が弱く、南海上の台風の影響もあって、湿った空気の流れ込みが続いています。海に近い大分市周辺では、山々が雲や霞に覆われており、視程が10kmもありません。特に梅雨明け宣言の出された7月20日以降は夏空から照りつける太陽も、夜空に輝く星も見ることができていません。放射冷却がないため夜も気温が下がらず、朝から不快な蒸し暑さに包まれています。
7/20から7/30までの大分市の気温と湿度のデータを去年と今年で比較してみました。
※出典は気象庁 過去の気象データ検索
最高気温(11日間平均) 2016年:32.5℃ 2017年:33.7℃
最低気温(11日間平均) 2016年:24.6℃ 2017年:26.7℃
最小湿度(11日間平均) 2016年:55.1% 2017年:59.4%
このデータによると、今年の7月下旬の最低気温の高さと最小湿度の高さが際立っていることがわかりますね。今年の夏は例年以上に低山に登るのがハードになりそうです。
さて、ここからが本題です。低山は蒸し暑いので くじゅう連山や由布岳に登りたいところですが、この日は午後から大規模な雷雨になるとの予報が出されていました。雷は大の苦手なので、近場の霊山で花を楽しむことにしましょう。今回も無理をせずに南登山口から登ります。
南登山口~霊山山頂の詳細はこちら→霊山 霊山寺から南登山口経由で山頂へ (改訂版 2017.2)
霊山南登山口の場所はこちら
夏場は雑草の目立つ南登山口周辺ですが、最近除草作業が行われたようで、気持ちよくスタートすることができました。
南登山口から9合目付近まではほとんどがヒノキの人工林の中。今日は風が吹かないので、体がオーバーヒートしそうです。
霊山寺からのメインコースが合わさる9合目から山頂までは花の多い道です。
霊山の各コース紹介ページへのリンクはこちら→霊山 登山コース一覧
カワラナデシコ ナデシコ科・ナデシコ属
シモツケ バラ科・シモツケ属
コガンピ(小雁皮) ジンチョウゲ科・ガンピ属
一見すると草のようですが落葉性の低木とのこと。関東地方以西の本州・四国・九州で見られるそうです。
オミナエシ オミナエシ科・オミナエシ属
この花が咲くようになると立秋が近いです。
例年なら、他にコオニユリやホソバシュロソウも見られる時期ですが、今年はまだ咲いていません。梅雨の時期の少雨が影響しているのでしょうか。
南登山口から20分ほどで霊山の山頂に到着。視界の悪さは相変わらずで、隣りの障子岳がようやく見える程度です。
山頂から北西に5分ほど歩くと第二展望台です。普段なら大分市街地や別府湾、視界の良い日には国東半島や佐田岬半島まで見えるのですが、今日はご覧の通り。いつになったら夏空がやってくるのやら。
訪問時の第二展望台の気温は27度。風がまったくないので涼しさを感じません。
この日の霊山はどんよりとした曇り空だったせいか、セミの鳴き声も控えめでした。早くスカッとした夏空の下で山を歩きたいですね。