やまやま再発見

大分市周辺の山を歩いた記録です。みんなが集まるメジャーな山からヤブコギチックな低山まで、その魅力を再発見します。

7月

霊山 盛夏いまだ来たらず

2017年7月31日(月)

 大分市では7月8日以降、最高気温が30度を超える真夏日が途切れることなく続いており、体感的には間違いなく「暑い夏」となっています。ところが、山登りの視点でとらえると今年の夏はどうもピリッとしない夏なのです。

 太平洋高気圧の勢力が弱く、南海上の台風の影響もあって、湿った空気の流れ込みが続いています。海に近い大分市周辺では、山々が雲や霞に覆われており、視程が10kmもありません。特に梅雨明け宣言の出された7月20日以降は夏空から照りつける太陽も、夜空に輝く星も見ることができていません。放射冷却がないため夜も気温が下がらず、朝から不快な蒸し暑さに包まれています。

 7/20から7/30までの大分市の気温湿度のデータを去年今年で比較してみました。
 ※出典は気象庁 過去の気象データ検索 

  最高気温(11日間平均)  2016年:32.5℃  2017年:33.7℃
  最低気温(11日間平均)  2016年:24.6℃  2017年:26.7℃
  最小湿度(11日間平均)  2016年:55.1%  2017年:59.4%

 このデータによると、今年の7月下旬の最低気温の高さと最小湿度の高さが際立っていることがわかりますね。今年の夏は例年以上に低山に登るのがハードになりそうです。

 さて、ここからが本題です。低山は蒸し暑いので くじゅう連山や由布岳に登りたいところですが、この日は午後から大規模な雷雨になるとの予報が出されていました。雷は大の苦手なので、近場の霊山で花を楽しむことにしましょう。今回も無理をせずに南登山口から登ります。

南登山口~霊山山頂の詳細はこちら→霊山 霊山寺から南登山口経由で山頂へ (改訂版 2017.2)

霊山南登山口の場所はこちら


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夏場は雑草の目立つ南登山口周辺ですが、最近除草作業が行われたようで、気持ちよくスタートすることができました。

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南登山口から9合目付近まではほとんどがヒノキの人工林の中。今日は風が吹かないので、体がオーバーヒートしそうです。

霊山寺からのメインコースが合わさる9合目から山頂までは花の多い道です。

霊山の各コース紹介ページへのリンクはこちら→霊山 登山コース一覧


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カワラナデシコ  ナデシコ科・ナデシコ属

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シモツケ バラ科・シモツケ属

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コガンピ(小雁皮)  ジンチョウゲ科・ガンピ属
一見すると草のようですが落葉性の低木とのこと。関東地方以西の本州・四国・九州で見られるそうです。

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オミナエシ オミナエシ科・オミナエシ属
この花が咲くようになると立秋が近いです。

 例年なら、他にコオニユリホソバシュロソウも見られる時期ですが、今年はまだ咲いていません。梅雨の時期の少雨が影響しているのでしょうか。

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南登山口から20分ほどで霊山の山頂に到着。視界の悪さは相変わらずで、隣りの障子岳がようやく見える程度です。

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山頂から北西に5分ほど歩くと第二展望台です。普段なら大分市街地や別府湾、視界の良い日には国東半島や佐田岬半島まで見えるのですが、今日はご覧の通り。いつになったら夏空がやってくるのやら。

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訪問時の第二展望台の気温は27度。風がまったくないので涼しさを感じません。

 この日の霊山はどんよりとした曇り空だったせいか、セミの鳴き声も控えめでした。早くスカッとした夏空の下で山を歩きたいですね。

青少年の森で夕涼み

2017年7月30日(日)

 連日うだるような暑さが続いていますが、太平洋高気圧の勢力は例年に比べて今ひとつ。豊後水道や別府湾から湿った空気が流れこんでいるため、大分市近郊の山々にはガスがかかりやすく、視程は10kmにも及びません。暑い中、頑張って登っても展望が得られないとなれば、山に出かけるのが億劫になりがちです。それでも山の空気には触れてみたかったので、夕方になって車で青少年の森へ出かけてきました。

青少年の森の場所はこちら


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青少年の森は大分県 県民の森のうち、霊山・本宮山・障子岳に囲まれたエリアで、人造湖を中心にソメイヨシノやモミジなどが植えられた森が広がっています。

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南岸の駐車場(現在地と記された場所)からスタート。今回は反時計回りで人造湖を一周してみます。

前回のようすはこちら→青少年の森 盛夏の足音

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コウホネ(河骨)    スイレン科・コウホネ属
岸辺の草が刈られたため、花の写真を撮りやすくなりました。

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このモミジは春ごろには紅かったのですが、初夏に黄緑色になりかけたあと、盛夏に再び紅葉しました。ノムラモミジという品種でしょうか。

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おしどり渓谷に向かって下るサイクリングロード。利用者がいないのか、苔のカーペットが敷かれていました。

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人造湖の堰堤の下で園田川を渡ります。このあたりは木の階段や河原歩きがあるので、サンダルやハイヒールは避けたほうが無難です。

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コオニユリ(小鬼百合) ユリ科・ユリ属
東屋前の岸辺に咲いていました。

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ルドベキア  キク科・ルドベキア属(オオハンゴンソウ属)
東屋の周辺に点々と咲いています。周辺に花壇などはないので、斜面の上の市道を通る車が種を運んできたのかもしれません。

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ハナツクバネウツギ(花衝羽根空木)  スイカズラ科・ツクバネウツギ属  
森林学習展示館の生垣として植えられた花です。ガクウツギに似た強い匂いを放っていました。

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森林学習展示館前の百葉箱。とても懐かしいアイテムです。今の小学校にも設置されているのでしょうか?

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森林学習展示館前の吊橋。古くてシンプルな形なので、けっこう揺れて楽しいです。

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泳いだあとの航跡(?)が綺麗なV字ですね。

 画像ではお伝え出来ませんが、青少年の森では市街地と違ったセミの声を楽しむことができます。大分市街地ではクマゼミ(朝)やニイニイゼミ(日中~夕方)が主体ですが、夕刻の青少年の森ではミンミンゼミやヒグラシの声が際立っていました。

 人造湖の標高が約330mなので牧ノ戸峠や久住高原のような爽やかさはありませんが、ヒグラシの声を聴きながら水辺で夕涼みをしていると市街地の暑さを忘れることができますよ。

平成森林公園 夏の夕暮れ

2017年7月29日(土)

 ここ一週間ほどの大分市内は真夏の暑さが続いているものの、終日どんよりとした雲に覆われています。風が弱くて夕立も来ないため、PM2.5の値がコンスタントに高く、霊山から障子岳に続く山なみもぼんやりと霞んでいます。夏空はどこへ消えてしまったのでしょう。
 
 蒸し暑いうえに展望もまったく期待できないとあって、山に登る気力も失せがちですが、このまま山に行かないで一日が終わるのも悔しいので、夕刻に平成森林公園・香りの広場へ立ち寄ってみました。

平成森林公園・香りの広場の場所はこちら


「香りの広場」の地形図上の位置はこちら

地理院地図

前回(7/20)のようすはこちら→梅雨明け当日の平成森林公園・香りの広場

 時刻は17時を回ったあたり。ニイニイゼミの合唱は続いていましたが、ヒグラシの鳴き声も混じり始めました。「香りの広場」の駐車場に車を置き、いつものようにラベンダーの丘から吊橋方向に下っていきます。

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オシロイバナ オシロイバナ科・オシロイバナ属
トイレの前の花壇ではオシロイバナが咲き始めました。
 
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メランポジウム  キク科・メランポジウム属
メランポジウムは花期が長く、これから秋にかけて咲き続けることでしょう。

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画像奥に見えるはずの由布岳・鶴見岳はPM2.5の中。今週の竹田市・豊後大野市は連日のように夕立に見舞われていましたが、山脈を越えた大分市側は雨雲の通り道から外れているようです。
マリーゴールド キク科・コウオウソウ属(マンジュギク属)

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桜の葉の紅葉でしょうか?

「香りの広場」名前の通りラベンダーの丘の中段の遊歩道沿いには各種のハーブが植えられています。

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オレガノ(和名:ハナハッカ) シソ科・ハナハッカ属
前回、吊橋下の「香りの植物見本園」で見た花ですが、遊歩道沿いにも植えられていたのですね。

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ユーコミス(パイナップルリリー)   ユリ科・ユーコミス属
こちらも吊橋下の「香りの植物見本園」で見た花です。パイナップルのような帽子がチャーミングですね。

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アガパンサス(和名:ムラサキクンシラン) ヒガンバナ科・アガパンサス属
ミツバチが一つひとつの花を訪ねて回っていました。

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サルビア・インフォルクラータ(インボルクラタ)  シソ科・サルビア属
サルビアにしては大きな花です。

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「香りの広場」と「香りの森」を結ぶ吊橋。少年自然の家の野外活動で子どもたちが利用することを考えてなのか、あまり揺れない造りになっています。よく観察してみると橋の下に耐風索が張られていますね。

 「香りの広場」をひと回りしてみましたが、盛夏を迎えて花たちもお疲れ気味。新しく咲き始めたハーブはありませんでした。これでは少々物足りないので、平成パークラインを大峠まで走ってみました。

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コオニユリ ユリ科・ユリ属

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シモツケ バラ科・シモツケ属

 パークライン沿いにもけっこう花が咲いています。霊山の山頂と同じぐらいの標高なので不思議ではありませんね。今日は通りませんでしたが、四辻峠近くの県道26号にはカワラナデシコも咲いており、ドライブがてらに夏の山野草を楽しむことができます。

高崎山 海風の贈り物

 ライブドアブログの管理ページにはブログ内でアクセスの多かった記事を自動的に集計してくれる機能があり、月ごとの上位30記事が一覧に表示されます。参考までに過去3か月の上位5記事を紹介します。

5月
1.2016-10-16本宮山 西寒多神社から山頂へ152
2.2017-03-14本宮山 登山コース一覧129
3.2017-05-07立中山のミヤマキリシマ (2016)109
4.2016-11-25高崎山 南登山口から山頂へ89
5.2017-05-01傾山 杉ヶ越からアケボノツツジの咲く岩尾根を登る (前編)78

6月
1.2017-06-09三俣山のミヤマキリシマ (2017)276
2.2017-06-24鳴子山のオオヤマレンゲ (2017)183
3.2017-05-07立中山のミヤマキリシマ (2016)183
4.2017-06-03猟師岳のオオヤマレンゲ (2016)163
5.2017-06-21猟師岳のオオヤマレンゲ (2017)145
15.2016-11-25高崎山 南登山口から山頂へ47

7月(28日まで)
1.2017-03-14本宮山 登山コース一覧155
2.2017-06-24鳴子山のオオヤマレンゲ (2017)90
3.2016-11-25高崎山 南登山口から山頂へ86
4.2016-10-16本宮山 西寒多神社から山頂へ59
5.2017-01-29霊山 登山コース一覧56

 昨年10月に当ブログを始めてこれまで300以上の記事を書いてきましたが、その中でコンスタントにアクセスをいただいているのが、本宮山と高崎山関連の記事です。

※本宮山は愛知県東部に同名の山(標高789.3m)があり、愛知・静岡の皆様を中心に親しまれているので、そちらについて調べようと「本宮山・やまやま再発見」をクリックしたら、なぜか大分市の山だったというパターンも多いと思います。

 多くの方に高崎山の記事を読んでいただいているにもかかわらず、私が最後に高崎山に登ったのは昨年の12月。我が家からのアクセスは決して悪くないのですが、訪問回数が少ないのは、初めての高崎山登山でサルの落とし物を踏んで往生したトラウマが原因でしょう。そろそろ新しいレポートをあげなくてはと思いつつ、登山には不適な盛夏を迎えてしまいました。

2017年7月28日(金)
 今日こそ高崎山に登るぞと決意したものの、所用を片付けて南登山口にやってきたのが12時過ぎ。大分市内では既に33度近くまで気温が上昇していたので、傍から見ればかなりの変わり者でしょう。

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先客の車のない南登山口。暑さを覚悟しましたが、風があって意外と爽やかです。登山口の標高420mは伊達じゃない !?

 麦わら帽に防虫ネット、足元は長靴といったルックスで出発。長靴ならサルの落とし物を踏んでも水洗いが簡単です(水は車に積んでいます)。

山頂までのコース詳細はこちら→高崎山 南登山口から山頂へ

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南登山口から山頂までの標高差は約210m。登山道はWの字を左に90度傾けたかたちをしており、傾斜が緩いのでとても歩きやすいです。沿道にはモミジ・クヌギなどの自然林が多く、滴る緑が心地よいです。

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自然林が多いということはブヨも多いこと。防虫ネットを着けていて正解でした。

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高崎山の南斜面につけられた登山道ですが、この時期は木陰が多くて意外と快適です。道幅が広いので風を感じることもできます。

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この日  気になったのはロケット花火の残骸。登山口から山頂近くまで、10本前後が落ちていました。やんちゃな人たちが日没後に離合困難な林道を走って登山口まで乗り付け、さらに夜道を登山して花火をするというシチュエーションは考えにくいので、別の目的で使われたものでしょうか?

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南登山口から30分強で山頂に到着。登山道沿いには花がまったく咲いていなかったので、山頂周辺の草地に咲く花を期待したのですが・・・

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ダイコンソウ バラ科・ダイコンソウ属

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ウツボグサ シソ科・ウツボグサ属

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ナツノタムラソウ シソ科・アキギリ属

山頂付近に咲いていた花は上の3つとヒメジョオンぐらい。ちょっと寂しかったです。

花がなければ展望を・・・

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晴れていれば別府湾の向こうに国東半島が見渡せるのですが、海から上がってきた霧のせいでご覧の通り。

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昔、カメラにフィルムを充填する際に光が漏れ、現像した画像が白っぽくなったことを思い出しますが、この画像で白く見えるのは海から上がってきた霧です。

 真夏の日中は照り付ける日差しのため、山間部(内陸部)で上昇気流が発生し、海から陸へ向かって風が吹きます。ただでさえ太平洋からの湿った空気の流れ込みが続いている時期に、別府湾からの海風が高崎山や鶴見岳にぶつかって上昇すると、急激に冷やされて霧(市街地から見れば雲)になります。

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晴れていれば真下に田ノ浦ビーチや水族館「うみたまご」が見下ろせる絶景の地ですが、今日は轟々と音を立てて霧が上がってきます。大分・別府の市街地は酷暑が続いているのに、高崎山の山頂ではひんやりとしたミストを浴び放題です。これは海風の贈り物に違いありません。

 ひとしきり涼んだ後で下山。今日はサルに遭遇しなかったな、と思いながら車で銭瓶峠に下っていると、目の前を3匹のサルが横切っていきました。

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高崎山と言えばやはりサルでしょう。車の中から失礼します。

初めての由布川峡谷

2017年7月26日(木)

 この日は倉木山に登ろうかと車を走らせていたのですが、午前中の早い時間から灰色の雲に覆われてしまい、展望を期待できないどころか雨の心配もしなくてはなりません。それに とにかく蒸し暑い。  
 「そうだ、由布川峡谷に行ってみよう」と思いつき、県道52号別府庄内線に入りました。

由布川峡谷(猿渡)の場所はこちら
地理院地図

以下、Wikipediaより引用です

由布川峡谷
 由布川峡谷(ゆふがわきょうこく)または由布川渓谷は、大分県別府市から由布市挟間町にかけての大分川水系由布川の上流にある峡谷。

 約60万年前に噴出・堆積した大規模火砕流の由布川火砕流が侵食されたことによって形成された渓谷で、約12kmにわたって約15mから60mの高さの切り立った断崖の下を渓流が流れる。苔の生した岩肌を40条以上あるといわれる細い滝筋が流れ落ち、幻想的な景観が広がる。

 峡谷には上流から順に、椿猿渡谷ヶ淵の3か所の入口から降りることができる。猿渡付近には吊橋が架かっており、ここからも峡谷を眺めることができる。椿の上流側には、峡谷両岸の断崖の間に大きな岩が挟まったチョックストーンが見られる。夏には涼を求めて、また秋には紅葉の名所として観光客でにぎわう。

美しい峡谷で知られるオーストリアのチロル地方になぞらえて「東洋のチロル」とも呼ばれる。大分県の名勝に指定されるとともに、大分百景のひとつに選定されている。


谷ヶ淵入口は災害で崩壊したため数年前より閉鎖されています。一部に「谷ヶ淵入口」の表記が残っていますが、一般の方は立ち入らないでください。


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 このあたりは由布岳・鶴見岳への行き帰りに、それこそ何十回と通っている場所なのですが、由布川峡谷の場所がイマイチよくわかりません。長年大分県に住んでいるのに、恥ずかしながら由布川峡谷へは一度も下り立ったことがなかったのです。下調べもしていませんが「行けば何とかなるだろう」と案内板に従って走っていたら、無事に猿渡入口に到着しました。

 由布川峡谷は狭い断崖が12kmの長さに渡って続いていますが、一般の観光客が峡谷美を鑑賞できるのは 椿入口・猿渡入口・由布川峡谷自然公園の吊橋 の3か所のみです。このうち、峡谷の底に下り立つことができるのは椿入口と猿渡入口の2か所ですが、両地点を結ぶ遊歩道はありません。椿入口~猿渡入口間は水の流れる狭い廊下状の谷間を歩くことになるので、沢歩きの装備と技術が必要です。したがって一般的には椿入口・猿渡入口それぞれの周辺で峡谷の風景を楽しむことになると思います。

猿渡入口
 由布川峡谷の観光でメインとなるのが猿渡入口です。県道52号別府庄内線と県道601号小挾間大分線が接する堺バス停から入るとわかりやすいです。なお、バスは平日のみの運行(別府駅西口発の便が午前と午後に1便ずつ)なので、車での訪問が現実的でしょう。

場所はこちら


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10:36 猿渡駐車場には「猿渡り売店 おふくろの店」と物販テントがあります。観光シーズンの週末には地域の方々が農産物や軽食の販売を行うようです。また、由布川峡谷観光協会の事務所と飲料水の自販機があります。なお、一段上にもマイクロバスに対応した駐車場があります。

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10:36 猿渡駐車場の一角には2階が展望台・休憩所になった男女別の水洗トイレがあります。やや古いトイレですが、清掃が行き届いており(ペーパー完備)、手洗場には生花の一輪挿しが飾られていました。

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10:37 売店の奥が「由布川渓谷入口」です。清掃協力金(一人100円)を料金箱に入れてスタートします。なお、登山届箱は設置されていません。

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10:37 まずは 照葉樹の中を遊歩道を下ります。

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10:38 やがて市道の猿渡橋の真下を小さな橋で渡ります。

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10:38 橋の上から見下ろした由布川渓谷(上流側)。これから画像右奥に見える階段を下って川底に下ります。

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10:39 小さな橋を渡った先はミニ公園のようになっており、「由布川渓谷マップ」とベンチと四角い池(金魚が泳いでいました)が設置されています。

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10:39 「由布川峡谷マップ」 椿入口・猿渡入口・吊橋の位置関係がよくわかります。
  ※クリックで拡大します

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10:40 ミニ公園に設置された「猿渡橋建設記念碑」

 実は先ほど渡った小さな橋は昭和3年に建設された(旧)猿渡橋です。両岸の木々が茂って確認しづらいのですが、「猿渡」の名の通り10mほどに狭まった谷を一気に越える石造アーチ橋です。

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10:40 (旧)猿渡橋を越えるといよいよ谷底へ向けての下りが始まります。廊下状の谷底は増水すると逃げ場がありません。上流の城島高原・由布岳・鶴見岳方面から雷鳴が聞こえたり、雨が降っている様子があれば、たとえここで雨が降っていなくても峡谷に入ることを控えてください。

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10:40 この先、急な鉄階段が始まります。

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10:41 遊歩道沿いの崖にはイワタバコの花が咲いていました。

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10:41 思わず足がすくむような鉄階段。ステップの幅が狭いのがクセモノです。足を滑らせればサスペンスドラマの階段シーンのようになってしまうので、手すりを掴んで慎重に下りました。

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10:41 よくぞこんな場所に階段を架けたものです。

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10:41 滑らないように階段の縁に六角ボルトが打ち込まれていました。これは良いアイデアです。

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10:42 階段を下っていくと駅のポスターや観光サイトで見覚えのある光景が見えてきました。

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10:43 新旧の猿渡橋を見上げて。旧橋がアーチ橋であることがわかります。

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10:44 下ってきた鉄階段を振り返って。

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10:44 2015年シーズンは土砂崩れにより、また2016年シーズンは熊本・大分地震による崩壊で、猿渡入口から峡谷の底に下りることができませんでしたが、関係者の尽力で今年の春に復旧したそうです。階段横には真新しい擁壁が見えました。

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10:45 飛び石伝いに上流側へ少し進んでみましたが、長靴で歩けるのはここまで。水量が少なくなり、にわか雨の心配のない時期に椿入口まで歩いてみたいものですが、一人では心細いですね。

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10:47 鉄階段基部から眺めた下流側。手前の飛び石の先は胸までの深さの淵になっており、それ以上進むには沢歩きの装備が必要です。

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10:48 その名もズバリ「橋の下の滝」  ボートを浮かべれば高千穂峡のようです。

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10:48 鉄階段と反対側は大規模な崩壊地です。

 これはいつ落ちてきたのでしょう。谷底の河原で遊んでいるときにこんな崩壊が起きればひとたまりもありません。背筋が寒くなりました。この7月だけでも九州地方を震源とする最大震度5弱の地震が3回(佐伯・阿蘇・鹿児島)発生しています。「頼むから今地震が来ないで」と願って鉄階段で脱出しました。

 熊本・大分地震を経験する前なら、峡谷の底に下って「ああ、美しいね」「神秘的!」「涼しい~」といった感想を持っていたことでしょうが、この日は何とも言えない不安を感じました。一般的には真夏に涼をとるイメージの峡谷ですが、冷たい汗の出るような不気味さも持ち合わせているようです。一人で谷底にいたことも影響しているのでしょう。

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11:02 駐車場に戻ってトイレの上に展望台から眺めた由布川峡谷。手前の木の下、50mほどの場所に由布川の水が流れているのですが、にわかに信じられないような田園風景です。

由布川峡谷自然公園・吊橋
 猿渡入口から猿渡橋を越えて700mほど下流側に進んだエリアです。ここは吊橋がメインで、峡谷の底に下りることはできません。

場所はこちら

※猿渡と時間が前後していますがご了承ください

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9:33 自然公園の手前の田園風景。中央の林の中が由布川峡谷ですが、そう教わらないとわからないような長閑な眺めです。

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9:35 由布川峡谷自然公園の駐車場です。一角には真新しいトイレが設置されていました。男女別の水洗式は当然として、バリアフリー対応、個室にはベビーホルダー。もちろんペーパーも備わっています。

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9:37 駐車場の奥、小平茶屋「あじさい」の前が吊橋へのエントランスです。

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9:38 こちらも清掃協力金(一人100円)を納めるシステムです。猿渡と至近距離なので「また払うの?」といった感じですが、吊橋通行料・トイレ使用料と考えれば、むしろ安いかもしれません。

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9:38 小平茶屋から急なスロープを下ります。コンクリートが濡れていて滑りやすかったので要注意です。

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9:39 坂を下って平坦な道に出るとガクアジサイが目を楽しませくれます。

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9:40 「由布川峡谷自然公園案内図」で位置関係を把握できます。

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9:41 メインの吊橋に出ました。

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9:41 吊橋の諸元表です。土木の専門的な用語や単位を噛み砕かずに書いているので、かえって面白いです。ただし、水面からの高さについては記されていません。いや、高所恐怖症の人には知らせないほうがいいのかも。

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9:43 吊橋はまったく揺れません。「なんだ、たいしたことないじゃん」と思って下を見たら背筋が凍ります。何十メートルか下はゴルジュになっていて、すごい勢いで水が流れ下っているではありませんか。

 ゴルジュはフランス語で、日本語に直訳すると「のど(喉)」。両側の岩壁が迫って狭くなったところを意味しています。もう、これは人間の立ち入る領域ではないようです。こんなすごい場所が人知れず何kmも続いているのが由布川峡谷なのでしょう。

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9:44 吊橋を渡って対岸にやってきました。そういえば、この吊橋の周囲には橋の名前を記したものが見当たりません。気の利いた愛称をつけてあげたい気もします。

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9:44 吊橋の南側には「ほおのき休憩舎」があります。この先も道が続いていますが、駐車場に車をとめているので吊橋を戻ります。

9:54  駐車場に戻ってきました。

椿入口
場所はこちら


 県道52号別府庄内線にある亀の井バス(別府駅西口~堺 線)の「渓谷入口」バス停から農道を550mほど下った場所です。比較的わかりやすい場所ですが、駐車場の他には古いトイレしかありません。

 2017年1月中旬に発生した落石(崩落)の影響で峡谷に下る階段が通行止となっていました。

 県道から分岐する地点に峡谷に下りられない旨の標識を出してほしかったです。市役所や観光協会のホームページでは告知されていますが、下調べせずドライブ途中に立ち寄ってみる人や、「昨年訪問したから今年も行ってみよう」という人もいると思います。駐車場まで下ってから「通行止・立入禁止」の表示を見るとかなりショックなので、改善を望みます。

※8/10追記

 県道52号別府庄内線から椿入口に下る分岐点(「渓谷入口」バス停)に 椿入口通行止め の看板が設置されていました。7/26は庄内側(画像右手側)から入ったので気づかなかったのかもしれません。

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別府側からアクセスするとこのような看板が見えます。

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8/10の時点でも庄内側からアクセスすると 椿入口通行止め の看板が見えません。ご注意ください。
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11:07  堺バス停から猿渡入口に向かう途中の花壇。地域の人々の愛情が伝わってきますね。

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11:07 由布川峡谷の周囲は長閑な田園風景です。

 一般に、〇〇峡谷というと人里離れた険しい山の中に存在するものですが、由布川峡谷は農家や田んぼの点在する田園地帯に存在します。のどかな風景と狭くて深い峡谷のギャップが由布川峡谷の魅力の一つでしょう。今回は峡谷の入口に立ち、その片鱗に触れただけですが、次回は装備を整えてもう少し奥まで踏み込んでみたいと思います。




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