ハッサム
今回はハッサムです。

概要:タイプは虫・鋼。
アニメでは初代最終盤の
ライバル対決でリザードン
引きずり出す囮として活躍。
ここからベストバウトと
言われるカメックスと
リザードンのバトルに
つながっていきます。また
緑色のストライクから
赤色に進化し色違いは
金色
であることから
「赤い彗星」ネタでも
知られ一致先制技により
「通常の3倍の速さ」も
再現可能。この名前で
挟むを覚えないことは
よくネタにされ、
2022年には公式の
Twitterでもネタに
されています。一方で
リョウが登場するまで
長らくゲームでは
使用トレーナーに恵まれず
ツクシもリメイクまで
使用しなかったため
一般的な知名度は低いと
言われています。BW2の
PWTではツクシが相方に
設定。初手で剣の舞を
積むかなり実戦的な型。
有効打がないと交代際に
積まれて、3匹まとめて
持っていかれてしまうため
PWTは初手にハッサムを
対策した技が必須と
なっています。

特性:
①テクニシャン……
威力60以下の技の威力が1.5倍にアップ。
バレットパンチ、
虫食い、追討ち、
燕返し、電光石火、
アクロバット、
ダブルアタックが
対象技。蜻蛉返りを
除き主要な技はほぼ
強化されます。
基本的に確定。
ちなみにBW以前は
この特性補正込みの
バレットパンチは
テクバレ」と
呼ばれていましたが
BWでは「バレパン」と
呼べば特性補正込みを
指すように。恐るべし。

②虫の知らせ……
HPが3分の1以下の時、虫タイプ技の威力が1.5倍になる。
他の虫ポケモンでは
候補に上がる特性ですが
ハッサムの場合は別。
特性テクニシャンで
あらかたの技は威力が
上がるためほぼ不要。
ただし拘りスカーフを
持たせる場合は
バレットパンチ等を
使わない技構成に
なることがあり、
例外的に選択となります。

③ライトメタル(隠れ特性)……
体重が半分になる。
そもそもハッサムは
体重がそこまで
重くないうえに
けたぐりが抜群では
ありません。
ハズレ特性です。

種族値:HP70
    攻撃130
    防御100
    特攻55
    特防80
    素早65

主に使われる技:
メインウェポン……
虫食い(虫、使用後相手の木の実を奪う)、
蜻蛉返り(虫、使用後自分が控えポケモンと交代)、
アイアンヘッド(鋼)
サブウェポン……
燕返し(飛行)、
アクロバット(飛行、道具がない場合威力2倍)、
追討ち(悪、交代する相手に高火力)、
馬鹿力(格闘、使用後攻撃と防御が1段階ダウン)、
ダブルアタック(ノーマル、低威力だが2回連続技)
先制技……
バレットパンチ(鋼)、
電光石火(ノーマル)
補助技……
羽休め、毒々、
バトンタッチ、追い風
積み技……
剣の舞(攻撃が2段階アップ)
※高速移動も覚えるがあまり使われない
その他……
寝言(不定)

戦術:
意外にも合計種族値は進化前の
ストライクと変わらない
ものの、
耐久・攻撃共に高水準であるうえに
一致先制技かつ特性補正も
乗るバレットパンチで素早さも
補うことができます。また元の
鈍足さもむしろカバルドン
ウォッシュロトムを下回り
蜻蛉返りを決められる
ため、
後続にダメージを与えることなく
交代が可能というメリットに
繋がっています。耐性も優秀、
逆鱗や竜星群ほか多数の技を
半減でき弱点も炎タイプしか
ないことから交代性能も高め。
BW2で流行したマンムー
強いのも評価点。さらに
似たような戦法を得意と
するウォッシュロトムと
異なり、剣の舞を積むことで
エースの役割も担える
うえ
最後の1匹になっても
バレットパンチによる勝ち筋が
あることからBW時代全期を
通して最も使用されたポケモン

言われています。ただ難点もあり、
特に炎タイプ技4倍が手痛いところ。
炎タイプの交代は蜻蛉返りで
なんとかできますが鉢合わせると
手負いでもない限り電光石火で
確定1発を取れないため何も
できず、交代するしかありません。
ウルガモスと鉢合わせた場合は
最悪で、蝶の舞を積まれるか
一致技でやられるか不利な
2拓を逆に強いられます。また
当時はハッサム以外にも
エアームドナットレイとの
遭遇率が高かったことから
サブウェポンに炎タイプ技の
採用率が高く、耐久調整しないと
思わぬ相手から蜻蛉返りを行う前に
先制で倒されてしまいます。
特に目覚めるパワーに関しては
かなり読み辛く、本来有利な相手に
交代したと思ったら目覚めるパワーで
弱点を突かれて倒されたというのは
日常茶飯事。このため当初は
雨パーティとの組み合わせで
使用されましたが、そうなると
本来勝ち筋があるはずの水タイプの
ハイドロポンプやラティオス
波乗りの確定数が変動すると
いう難点に悩まされることと
なります。蜻蛉返りで交代しながら
所謂「サイクル戦」をかけていたは
いいものの最後の1匹になった際に
炎タイプもしくは炎タイプ技を
採用した相手と鉢合わせる羽目に
なり倒されてしまう、と
いうのも当時よくある負け筋。
こうしたマークの厳しさから
BW以前強力だった羽休めは
交代際に受けたダメージを
回復する用途以外では使用を
されなくなり、バトンタッチも
採用率を減らしていくという技の
変遷を見せています。また初期こそ
オッカの実が未解禁ということも
ありラムの実持ちが多かったものの
BW2ではラムの実を持たせることが
減り、キノガッサと鉢合わせた際に
キノコの胞子で後続も含めて圧力を
かけられたり、鬼火で機能停止に
させられたりするという場面も
増えていきます。相手の技構成や
行動を読み誤ると意外と簡単に
落とされてしまうため知識と
アドリブ力が問われ、圧倒的な
使用率を誇りながら
嫌われていたわけでもない
絶妙な
塩梅のポケモンだったと言えます。

当時の主な型:
①バレットパンチ/虫食い/剣の舞/燕返し

エースとしての役割を主軸に
した剣の舞型。命の珠を
持たせたものは「珠ッサム」と
呼ばれて区別されました。
性格は意地っ張りで努力値を
攻撃とHPに振るのが基本ですが
性格慎重で特防に厚く振った亜種、
HDハッサム」をはじめ仮想敵に
合わせた耐久調整のパターンが
環境に応じて多数開発されました。
持ち物はラムの実が基本で
BW2の解禁後はオッカの実が
増えたものの命の珠、オボンの実、
ゴツゴツメット、各種ジュエル等
候補は多め。技候補としては
燕返しと虫食いが自由枠。
飛行のジュエルと相性良好な
アクロバット、悪のジュエルと
相性の良い追討ちや身代わりを
潰せるダブルアタック、
炎タイプに一定の打点を
持てる電光石火や交代時の
ダメージを軽減する羽休め、
耐久型に撃てる毒々が候補。
一見アンチシナジーな
蜻蛉返りも候補。剣の舞を
見せた後にダメージを
与えつつ交代することで
相手の計算を崩して後続を
サポートできるからです。
威力面では剣の舞1回で
バレットパンチの威力が
ガブリアスの逆鱗を上回るため
決まれば耐久調整を崩して
相手を一掃可能。特に
命の珠持ちであれば(攻撃に
努力値を振った場合)苦手な
ウルガモスも剣の舞込みの
電光石火で確定1発
となります。
先制技の全てが半減でこちらの
先制技は無効がないため
積むことに成功さえすれば
非常に強力。BW初期の主要な
型でありながら蜻蛉返りを
すると読んで積み技を積む相手に
強いというメリットから
BW2以降も使われ、この時期に
なると解禁されたオッカの実を
利用して不一致炎タイプ技を
耐えて無理矢理剣の舞を積む型が
主流となっています。このため
従来は強かった草タイプや
ゴーストタイプ相手に剣の舞を
積むのは安定しづらくなっています。
ちなみにラムの実を持たせたこの型は
バトルサブウェイでかなり安定して
勝率を稼げるうえに持ち物にBPを
必要としないことからBW初期に
対戦初心者の間で流行。
BW2までは虫食いが過去作必須で
あることから泣く泣く
シザークロスを採用する

いうトレーナーもしばしば
見られました。馬鹿力が
戦術上アンチシナジーな点や
サイクル戦に繋ぎにくい点が
難点となります。

②バレットパンチ/虫食い/電光石化/蜻蛉返り

BW末期からBW2にかけて
流行し、最後まで主流で
あった拘り鉢巻型。
性格や努力値は剣の舞型と
変わりませんが、後攻での
蜻蛉返りを重視するため
性格を勇敢にして素早さを
落とした「最遅ハッサム」と
呼ばれた型が存在することが
異なります。基本的に先発で
使用されますが逆鱗や
竜星群を交代で受けて
蜻蛉返りで後続に繋ぐと
いう役割を担うことも。
ラスト1匹で残っても
バレットパンチで
手負いのポケモンを
落とすことができるため
動きに無駄がありません。
組むポケモンとしては
ラティオスと
ウォッシュロトム。
前者は「ラティッサム」、
後者は「蜻蛉ルチェン」と
一括りにされることも。
積み技を使わないので
後続には積み技持ちを
持たせることが多く
前者ならパルシェン
ウルガモス、後者なら
ガブリアスやオノノクス
カイリューが主な候補。
1匹で体力満タンの相手を
落とすことはまずないので、
仕事した後は後続が
どれだけ相手を落とせるかに
全てがかかっています。
また最も読まれやすい型で
あり特に相手の積み技には
炎タイプ技以上に注意を
払う必要があります。

③蜻蛉返り/燕返し/アイアンヘッド/馬鹿力

拘りスカーフ型。
性格は陽気で努力値を
攻撃と素早さに振ることで
実質素早さ種族値は
120相当まで上がりますが
実際は拘りスカーフ持ちの
バンギラスや道具なしの
ラティオスを抜ける程度に
とどめ、素早さを落とした分
耐久に回すのが定番でした。
ウォッシュロトムの
拘りスカーフ型と用途は
同じで後攻の蜻蛉返りを
読んで行動した相手に
先制で蜻蛉返りを決め、
計算を狂わせるのが目的。
数少ない特性虫の知らせの
採用余地がある型でも
あります。先制で怯み状態を
狙うアイアンヘッドが
メインウェポンになることが
あり、バレットパンチの
採用が絶対でないことや
相手の拘りスカーフ持ちの
技をギリギリで耐えて
蜻蛉返りを撃つことに
なるからです。このように
拘りスカーフ持ちで
あるにもかかわらず、
同じ道具持ちに一定の
強さを持つのは強み。
仮に思わぬ相手に
落とされても道具が
拘りスカーフと判別を
できた時点で一定の
仕事はしたと言えます
(勿論苦しい展開では
ありますが)。先述の
アイアンヘッドにより
キノガッサをギリギリ
抜けるアタッカーを
怯み状態にして
落とせる可能性も
あります。後続には
より交代性能の
高いポケモンが必要に
なるためトリトドンや
シャンデラボーマンダ等が
組ませる候補。ただし
龍の舞をはじめ素早さと
火力を両方上げるような
積み技には注意が必要。
またバンギラスを除くと
相手がこちらが後攻だと
思い込んで深読みする前提で
動くことが多く、素直に
行動されたり剣の舞型と
読まれたりすると思うように
動けないことも。