気に入った服は、他の、そうでもない服と比べて、
着る機会が、自然と多くなるものでしょう。


服だけでなく、靴やカバンもそう。


ところが。


ものすごく本当に気に入った大切なものって、
『気に入った』程度のお気に入り加減のものと比べて、
利用頻度が落ちてしまうこと、ありませんか?


例えば僕の場合。


若い頃、すごく気に入って購入したコートは、
高価であることもあって、大切にするあまり、
そう何度も着ることはありません。


汚したり、傷つけたりするのが嫌なので。


それに対し、先日、気に入って安売り店で購入した、
3,000円のコートは、毎日のように着過ぎて、
もはや部屋着(ハンテンのようなもの)となりつつあります。


お気に入り具合も、価格も、自分の身の丈に合っているので、
生活にも仕事にも馴染みやすいのだと思います。


ギターも同じです。若かりし頃、


『これで免許を取りなさい』


と、両親に準備してもらったお金を全部つぎ込んで、
さらにそれだけでは足りず、人生初のローンを組んでまで購入した、
ギブソンレスポールカスタム『ブラックビューティー』というやつは、
今でも好きだし、大切にしているけれど、去年は一度も触りませんでした。
ハードケースにしまって倉庫に入りっぱなし。


だけど、2011年3月に吉方位にて購入した、
12,000円のアコースティックギターは、毎日のように爪弾いています。


日常的に使うことで、傷ついたり、倒してネックが折れたり、
汚れたり湿気や乾燥で劣化したりというリスクも大きいのですが、
何しろ、身の丈に合っているちょうど良いギターなので、
より親しみやすく、カジュアルに接することができます。


上記に挙げたのは、あくまで僕の場合の具体例であり、
コート3,000円が高いかどうか、
12,000円のギターが僕にとって分相応かどうか、
その金額や種類に関しては、大目に見てもらうとして。


ここで重要なのは。


一番大切なものは、大切にし過ぎて持て余してしまうこともある。
でも、二番目や三番目のものとは、より親密に、より適度な距離感で、
接することができる気がするのですが、みなさんの場合はどうでしょう。


一番より二番、三番の方が、リアルライフで活かされやすい。
これが本当だと仮定したら。


身近なところで気軽に親しみやすく接することを目的とするならば、
本当に完璧な『好き』よりも、一部の不足を抱えた2番目、3番目の選択肢の方が、
結果として、ベターというよりベストに近いと考えることができます。


『唯一無二の完璧な非の打ち所のない好き』


を探そうとすると、そういうのって滅多に出会えないので、
いつまで経っても見つからないし、
見つかったとしても、手に入れるのが難しい場合が多いし、
運良く手に入ったとしても、完璧であるがゆえに、上手く活かせない。


けれど、


『お気に入り』
『そこそこ好み』
『まあまあ好き』


をヒントに、モノを選び、場所を選び、運を選んでいくと、
そこにはベストは少ないかもしれませんが、
その分、案外気楽に、フットワーク軽く、最適な選択をしていけると思います。


その基準点の高低は、人に寄ってケースバイケース。
十人十色の線引きになるでしょうが、
あんまり無理をしないでも可能な範囲内で設定すれば、
それがいわゆる分相応というやつ。


自分の運を洗練させるために必要な目標は、
非の打ち所のない完璧な理想ではなく、
若干の非を残したままの2番目、3番目当たりから目指して吉。


それでは☆