古代における日本人と動物

地球上に生息する動物のうち、学名がつけられたものだけで150万種以上とされるが、実際に人間が直接関わってきた動物はかなり少ない。その中でも日本人にとって近しい存在は、犬、猫、ウシ、ウマだろう。

日本最古の犬の骨は、約9500年前と推定される横須賀市の夏島貝塚から出土している。犬は狩猟のパートナーであり、食用でもあった。

日本書紀や風土記には、犬が狩猟犬としてよく登場する。


仏教文化と動物表現

仏教文化の伝来によって、動物表現はさまざまな展開を見せる。動物園も写真も図鑑もなかった時代には、涅槃図などの仏教画が、動物イメージの形成に大きな影響を与えた。


平安王朝文化におけるペットとしての猫と半野良の犬

犬は銅鐸や埴輪に表現され、日本食にも登場するが、猫が記録に登場するのはかなり遅く、平安前期の仏教説話集「日本霊異記(りょういき)」である。

伝説以外で明らかに猫が飼われていた記述が登場するのは889年、宇多(うだ)天皇の日記「寛平御記」で、天皇が中国から渡来した猫を大切に飼育していることが丹念につづられている。

平安時代、王朝文化が花開くとともに、宮廷では貴族の間でペットとして、猫を紐でつないで飼う習慣が定着した。当時の猫は中国から渡来した外来種がほとんどで、文学にも高貴で優雅な象徴としてしばしば登場するが、逆に犬は無粋な存在として登場する。

平安時代、犬は飼われることはまれだった。この時代ほとんどの犬は特定の個人に飼われることなく、半野良のまま、市街はもちろん御所内をも事由に徘徊していたらしい。


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