高齢者の実態と心情の齟齬が、高齢者にペットを求めさせる


内閣府「高齢社会白書」
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2011/gaiyou/23pdf_indexg.html


80年代には、祖父母・父母・子供の3世代同居が半数ほどで一般的な家族構成だった。しかしその割合は急速に減少し、2006年には20%になっている。

一方、高齢者夫婦のみの世帯と高齢者単独の世帯は増加し、現在はこの夫婦と単独をあわせた高齢者の居住形態が過半数を占め、一般的になりつつある。

高齢者の実態として、子供や孫と暮らす人は減ってきているが、高齢者が頼りとして愛着を感じているのは子供や孫であることがわかる。

こうした現実の中にある齟齬(そご)が、高齢者にペットを求めさせ、ペットとの共存に向かわせている一つの要因ではないだろうか。


高齢化の進展で、ペットは老後の重要なパートナーに

内閣府 動物愛護に関する世論調査(2011年版)
http://www8.cao.go.jp/survey/h22/h22-doubutu/index.html

生活に潤いや安らぎが生まれる」を挙げた者の割合が61.4%と最も高く、以下、「家庭がなごやかになる」(55.3%)、「子どもたちが心豊かに育つ」(47.2%)、「育てることが楽しい」(31.6%)などの順となっている。(複数回答,上位4項目)

 前回の調査結果と比較して見ると、「生活に潤いや安らぎが生まれる」(54.6%→61.4%)、「家庭がなごやかになる」 (45.2%→55.3%)、「子どもたちが心豊かに育つ」(41.2%→47.2%)、「育てることが楽しい」(27.2%→31.6%)を挙げた者の 割合が上昇している。

※公式テキストのデータは2003年版
http://www8.cao.go.jp/survey/h15/h15-doubutu/index.html


2000年の調査では「少子高齢化や核家族化が進む中で、人とペットの関係はどのようになっていくと思うか」という問いに対し、「家族の一員同様に共に生活する世帯が増える」を挙げた者の割合が43.3%と最も高く、以下、「老後のパートナーとしてのペットの重要性が増す」(39.8%)である。しかし「高齢者が病気などにより飼育できなくなるペットが増える」(31.8%)など課題を感じていることもわかる

内閣府 動物愛護に関する世論調査(2000年版)
http://www8.cao.go.jp/survey/h12/aigo/index.html


→ それ以前のデータはこちらへ
  http://blog.livedoor.jp/jupiter006/archives/294055.html



高齢者の地域社会への参加を促すペット

少子高齢社会におけるペットの意義として、そのひとつには、定年後にリタイヤした高齢男性の地域社会への参加の足がかりとして果たす役割が挙げられる。今後この重要性は増していくと考えられる。


少子化・核家族化でペットの役割は、家庭のかすがいに

少子化社会白書2008年版
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2008/20webgaiyoh/indexg.html

少子化・核家族化は、家族形態を変えるとともに、ペットのあり方にも大きく影響してくる。

少子化・核家族化の進展は、夫婦での子供を介したコミュニケーションの機会を減らしていくことである。そこで、夫婦をつなぐ「子はかすがい」としての役割を、犬や猫などのペットがになう場合が多くなる

また、一人っ子の子供から見た場合はペットは子供の兄弟姉妹に似た役割も付加される。

一人っ子家庭では、犬や猫が子供に対して果たす役割は大きいと考えられる。



少子高齢化の中で、ペットはともに老いる存在へ


ペットの高齢化もまた、見過ごせないテーマとなっている。

少子高齢化の進行の中で、子供に代わるかけがえのない家族の一員としてペットは飼われるが、人間よりも早く老いるため、飼い主の老いを通り越して高齢化していくということである。

高齢ペットとの関係は、看取る・看取られる関係としても深まり、ますます切実なものとなってくる。

こうした濃密な関係が成立するのは、日本の現代社会に特徴的なものである。