ちけん和尚のブログ

ちけん和尚の出来事などを思うまま書き綴って行きます。また、時間に余裕があれば仏教的な観点から仏事や世相を書き綴りますので、是非ご覧ください。また、意見や感想など頂ければ嬉しく思います。  合掌 知憲

2008年12月

未曾有の年

今年は世界的な金融恐慌に見舞われ、未曽有の企業倒産や失業者で最悪の年になった。この「未曽有」という言葉は麻生総理大臣のおかげで一躍脚光を浴びた。

普段何気なしに使っている「未曽有」という言葉は仏教経典からきている。インドのサンスクリット語の「アドブタ」という言葉を訳したものである。

ところが漢訳する過程で意味を考えすぎて別の意味になってしまい、原語とは違う意味になってしまったようである。

私たちが使っている「これまでになかったこと」の意味として仏典の中でも用いられており、そのまま一般に使う言葉として普及したようだ。ちなみに原語の意味は「びっくりした」という意味になる。

来年こそ未曾有の良い年になることを願うばかりである。







諸行無常・・・1

気がつけばもう十二月の半ばになろうとしている。11月の終わりから檀務に雑務が重なり、パソコンの調子も悪くて散々な日々が続いた。ようやく平静に戻りつつある。

昨晩、二逮夜のお参りに出かけた。車で一時間余りかかるので少し早めに自宅を出たが、途中から大雨になって思ったよりかなり時間がかかってしまった。午後七時の約束にギリギリ間に合った。

このお宅は四年前におじぃさんを亡くされた時からの付き合いで、檀家さんの分家になる。11月の29日に訃報の電話を頂いた時、思わず「エッ・・・」と絶句してしまった。

お盆にお参りした時、おばぁさんの具合が悪いと聞いていたので、てっきりその電話と思ったのである。ところが、元気であった頭首が亡くなったというのである。

あわてて枕経にかけつけた。聞いてみると「膠原病(こうげんびょう)」という病気で九月の初めに皮膚病かと思って通院していたのであるが、余り良くならないので大きな病院へ行ったそうである。

十月には入院治療に専念していたが薬石医術効果なく、わずか46才という若さで逝ってしまったという。まだ三人の娘さんは中、高、大とそれぞれ学生である。おばぁさんもおられ、これから先が大変だ。

「無常が来るは、時を選ばす、人を選ばす」と言うが、せめて下の娘さんが学校を卒業するまで待ってほしかった・・・何んと無常なことか。

通夜、葬儀、初七日とねんごろに弔いをさせていただき、昨晩の二逮夜のお参りとなった。「諸行無常、是生滅法・・・」生ある限りいつかは滅するが、私よりはるかに若い方の死は本当に辛い。拝んでいると遺影からその無念さが伝わってくる。

葬儀以降の逮夜のお参りで亡者が少しずつ浄化されて仏様の方へ近づいて行くが、それと並行して家族の心に仏性が宿り故人の菩提への大きな助けとなる。だから私はこの逮夜参りは何よりも大切にしてそのお手伝いをさせて頂くようにしている。

お勤めが終わり帰り際、三人の娘さんと奥さんが玄関まで涙を拭きながら見送ってくれた。来るときに降っていた雨は止んでおり、高速を飛ばして家に着いたら午後九時半になっていた。
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