「おくりびと」がアカデミー賞を受賞した。納棺師という特殊な職業を持つ主人公を描いたものだ。死が見えにくい現代社会にあって、この映画の受賞はほんとうに嬉しい。
私は職業柄、亡くなった方を拝み顔を拝見する。しかしながら、納棺に立ち会ったのは二回しかない。父親が亡くなった時と叔母が亡くなった時である。
父親の時は田舎ということもあり、そんな特殊な職業の方がいないので葬儀社の方と家族で行った。ある程度の知識があったのでそれなりにできたと思う。
驚いたのは、叔母の葬儀に行った時のことである。死に化粧などきれいに病院でしてもらっていたのでそのまま納棺するものと思っていた。ところが若くして亡くなったせいもあって、二人の娘さんの希望で衣装や装飾品を用意して別に納棺師を手配していたのである。
そして納棺する二時間前から「ゆかん」や「化粧」など一連の仕事を淡々としていく姿を初めて見ることとなった。遺族の心情を汲み取りなが粛々と進めていく姿に思わず感動したのを思い出す。
現代は核家族化の影響もあってか、死に対して余りにも希薄になっている感がある。生者(家族)と死者の絆を確認できるのはこの送る瞬間ではないだろうか。
この受賞は、宗教や人種の違いを超えて死の崇高さを再認識させられた。そしてやがて来るであろうその時の為に自分と向かい合って考えることのできるすばらしいものとなった。
私は職業柄、亡くなった方を拝み顔を拝見する。しかしながら、納棺に立ち会ったのは二回しかない。父親が亡くなった時と叔母が亡くなった時である。
父親の時は田舎ということもあり、そんな特殊な職業の方がいないので葬儀社の方と家族で行った。ある程度の知識があったのでそれなりにできたと思う。
驚いたのは、叔母の葬儀に行った時のことである。死に化粧などきれいに病院でしてもらっていたのでそのまま納棺するものと思っていた。ところが若くして亡くなったせいもあって、二人の娘さんの希望で衣装や装飾品を用意して別に納棺師を手配していたのである。
そして納棺する二時間前から「ゆかん」や「化粧」など一連の仕事を淡々としていく姿を初めて見ることとなった。遺族の心情を汲み取りなが粛々と進めていく姿に思わず感動したのを思い出す。
現代は核家族化の影響もあってか、死に対して余りにも希薄になっている感がある。生者(家族)と死者の絆を確認できるのはこの送る瞬間ではないだろうか。
この受賞は、宗教や人種の違いを超えて死の崇高さを再認識させられた。そしてやがて来るであろうその時の為に自分と向かい合って考えることのできるすばらしいものとなった。