赤ちゃんの離乳食といえば、自宅で作るか市販の瓶詰のものが主流だった。しかし、最近は新たなサービスが広がっている。カフェで素材にこだわった離乳食メニューを提供したり、百貨店が離乳食の宅配サービスを始めたり。赤ちゃんとともに日々の暮らしを楽しみたいお母さんに人気だ。

 大阪市浪速区の複合商業施設「なんばパークス」。子供の衣料品や玩具が並ぶフロアに赤ちゃんの声がにぎやかに響く。同じフロアに店を構える「アウラ」が提供する15席あまりのカフェスペースでは、赤ちゃん連れのママ友グループなどが昼食を楽しんでいた。赤ちゃんが食べているのは「離乳食セット」。玄米の粉とフランスのオーガニックベビーフードを合わせたスープ、マッシュしたサツマイモ。それに、イチゴなどがピューレ状になったデザートがつく。材料は産地にこだわり、食の安全に気を使う。「赤ちゃんは大人以上に味覚が敏感なので味付けにも気をつけています」と調理担当の木村達郎さん(28)は話す。

 「子供と一緒にご飯を楽しめる場所は少ない。以前は瓶詰のものを持ち歩いていましたが、ここでは温かいものを食べさせてあげられるし、荷物が減るのもうれしい」と話すのは、生後8カ月の男児を連れてやってきた堺市の母親(34)。現在は年齢を3段階に分けたメニューがそれぞれ一通りしかないが、木村さんは「定期的に顔を出してくださるお客さまもいるので、来月からメニューのバリエーションを増やします」と意気込む。

 外出したときも忙しいときでも、いつでも手作り感のあるおいしい食事を食べさせたいという母親のニーズを受け、百貨店も動き出した。阪急・阪神百貨店グループ(大阪市北区)は昨年12月、宅配サービス「離乳食クラブ」を開始。「ブロッコリーときのこの胡麻和(ごまあ)え」「ビーフトマトシチュー」といった、大人でも食べたくなるような献立が冷凍の状態で自宅に届く。調理は、湯せんにかけるだけ。

 ベビーフード市場は、品質管理や安全性の基準が成人の食品より厳しく、新規参入が難しいといわれてきた。同社は約3年前、構想をスタート。「離乳食クラブ」担当の橋本政人さんは200人以上の母親にヒアリングし、試作品を食べてもらいながら商品化を模索、満を持して市場に乗り込んだ。商品は九州の工場で製造し、素材は全て放射能検査を実施。「機械による異物検査のほか、魚の小骨やトマトの皮の除去などは数人がかりで徹底して行います」(橋本さん)

 離乳食の完了期向け(生後12~18カ月)は1食500円弱と値は張るが、サービス開始から約半年で登録者数は約2千人、延べ2万食を販売した。母親の育児休業が終わるタイミングで注文する共働きの家庭が多いという。橋本さんは「離乳食の時期は短いですが、人の味覚が形成される大切な時期。外出先や忙しくて離乳食が作れないときも、できるだけおいしくて安全なものを食べてもらえるよう、味や価格の見直しなどを進めていきたい」と話している。

 東京・銀座のフレンチレストラン「ル・ジャルダン・デ・サヴール」のシェフ、中澤敬二さんは昨年6月、息子の離乳食を作った際のレシピをまとめた『野菜から始めるやさしいフレンチ離乳食』(彩流社、1800円)を出版した。「牛フィレ肉と小松菜のポタージュ」「若鶏モモ肉のバスケーズ」などしゃれたメニューが並ぶが、いずれも丁寧にあく抜きした野菜を使うなど、随所に工夫がみられる。濃いめの味付けにすれば大人も楽しめるという。

(2012.6.12 産経新聞から転載)

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