ポリオ(急性灰白髄炎)と日本脳炎の予防接種を受けた乳幼児が死亡する事例が相次いで報告された。ポリオの予防接種は9月から、安全性が高い不活化ワクチンに切り替えられたばかり。11月からはジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオの4種を1度に受けられる4種混合ワクチンも導入されたが、安全性に不安を持つ親は多いだろう。予防接種はなぜ必要なのだろうか。

 予防接種とは、感染症への抗体をつけるため、病原体などから作るワクチンを体内に入れること。ワクチンには毒性を弱めた病原体そのものからつくる生ワクチンと、病原体を殺して必要な成分を取りだす不活化ワクチンの2種類がある。生ワクチンはまれに病原体に感染してしまう危険があり、不活化ワクチンの方が安全性が高いとされる。

 予防接種法によると、現在8種の感染症に対するワクチンが、子供の定期接種として接種を勧められている。このうち風疹(ふうしん)やBCG(結核)などが生ワクチン、日本脳炎や百日せきなどが不活化ワクチンだ。

 不活化ワクチンの安全性が高いといっても、副作用がないわけではない。厚生労働省は「アナフィラキシー(強いアレルギー)」「脳症・脳炎」「39度以上の発熱」などを報告すべき主な副作用として医療機関に提示。平成22年度に約436万回接種された日本脳炎の予防接種では発熱やけいれんなど148件の副作用が報告された。約2万9400回に1件の割合だ。

 今年7~10月には、日本脳炎の予防接種で2件、ポリオの予防接種で1件の死亡事例も報告された。厚生労働省は、日本脳炎の1件について、男児(10)が併用禁止の薬を飲んでいたのが死亡につながった可能性を指摘。もう1件では予防接種と死亡の因果関係を調査中だ。ポリオについては、女児が嘔吐(おうと)などの症状を訴えたのが接種18日後だったことなどから、因果関係はないと結論づけた。

 定期接種になっている予防接種は、決められた期間内ならほとんどの市区町村で無料。それでも、副作用の危険があると聞けば接種を控える保護者が出ることも考えられる。また、予防接種の対象となっている感染症のうち、ポリオは昭和56年以降、自然に感染した患者は報告されていない。

 ただ、ポリオは海外では根絶されておらず、ウイルスが国内に持ち込まれた場合、免疫を持っている人の割合が80%を切っていると流行する恐れがあるといわれている。

 日赤医療センター小児科顧問の薗部友良医師は「自身がその病気にかからないためだけでなく、集団に蔓延(まんえん)させないためにも、予防接種は必要」と強調する。また、感染の恐れがある生ワクチンを接種できない難病の子供を持つ親からは、「周りが予防接種を受けることで、感染症をブロックしてほしい」との声もあるという。

 重い副作用が起きる危険はまれにあるが、自身と周囲を感染症から守るため、予防接種は必要といえる。


 ■専門家会議が安全性検証

 定期接種ワクチンの副作用報告は一般的に、因果関係を問わず医療機関から市町村に報告され、都道府県を経て厚労省に届けられる仕組みとなっている。集められた報告は年1回程度開かれる専門家会議で安全性を検証、評価されている。

 一方で、ポリオの不活化ワクチン、任意接種の小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンなど比較的新しいワクチンについては、年3回程度、専門家会議を実施している。死亡事例が2件続いた日本脳炎ワクチンについては、10月末に同様の措置を講じることが決定。

 また、これまでは死亡事例や脳症など重篤な報告があった場合、月ごとにメーカーなどに依頼されてきた調査についても、副作用が疑われる報告があった時点ですぐに行うよう10月末から改められた。専門家は、定期接種のワクチン全般に同様の措置を広げるよう求めている。

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(2012.11.22 産経ニュースから転載)


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