眠っている赤ちゃんを主役に、周囲を飾って一枚の絵のような写真を作る「寝相アート」が人気だ。かわいらしい寝姿を生かした作品に「癒やされる」という声も多い。

 ◆静かなブームに

 東京都に住む漫画家、小出真朱(まみ)さん(41)は昨年から、現在2歳の長女の寝相アートを撮り始めた。フィンランドのアーティストの作品がきっかけ。仕事で帰宅が遅く、娘とすれ違いの生活になりがちな夫(32)に娘の寝顔を見せたいと思った。「歩き始める前の赤ちゃんは動きが限られているので、いつも同じような写真になる。ちょっと面白くしようとしたいたずら写真なんです」

 昨年9月、1歳の誕生日記念に作品を夫がツイッターにアップ。翌日、2千人以上が閲覧した。「かわいい」「癒やされる」と人気が広がり、今年7月、『ねぞうアートの本 寝ている間にHAPPY赤ちゃん写真』(ぶんか社、1200円)を出版、3万部のベストセラーになった。

 ネット上には小出さん以外にも寝相アートがあふれ、タレントのほしのあきさん(35)らも自作を公開。海外の通信社も紹介し、人気は世界に広がっている。

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◆安眠は最優先

 寝相アートを作るときは眠っているポーズを基本に別の場面を考える。背景やモチーフは、家にある洋服やタオル、靴下、調理器具など。「将来、家族で笑い合えたらいい。ネタにされた娘は怒るかもしれないけど」と小出さんは笑う。

 コツは地面を作ること。「子供が描く絵のように、地面と太陽などを入れるとバランスが取れる」(小出さん)。好きなぬいぐるみを置いた、クリスマスや正月のモチーフでのカードや年賀状もおすすめ。小出さんは「来年のえとのヘビはストールで体、洗濯ばさみで舌、輪ゴムやテープで目を作ると簡単」と話す。

 広角で撮影するため、例えば、物を持っている絵にしたい場合も手に添えるだけでいい。赤ちゃんから遠いものから置くと、眠りを妨げることも少ない。

 安眠はもちろん最優先。赤ちゃんの睡眠サイクルから起きやすい時間帯は避け、寝返りを打ったら諦めることが大切だ。

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 ■イベントも続々

 寝相アートのイベントも活況だ。木の玩具を製造・販売するKukkia(クキア)=大阪市西区=は11月上旬、同市で寝具店と連携したワークショップを開催。パナソニック(大阪府門真市)も今月、都内でプロの写真家らによる撮影教室を開いた。ぶんか社では12月7日まで、寝相アート作品をホームページ(http://nezoart.com/)で募集。来年刊行予定の書籍への掲載も検討しているという。

(2012.11.27 産経ニュースから転載)