保育所に入所できない「待機児童」の解消に向けた取り組みで、自治体によって差が出ている。神奈川県横浜市では最大で1500人を超えていたが、2年間で200人を切るまでに減少させ、2013年4月までに「ゼロ」を達成する勢いだ。

 これに対して大阪市は、待機児童が1年間で268人増え、解決から遠ざかってしまった。東京都でも全体では減少傾向だが、場所によっては逆に数が増えている。

■世田谷区や大阪市ではマンション増加で子育て世代流入

 厚生労働省がまとめた2012年4月1日時点の全国の待機児童の状況をみると、都道府県別では東京都が7257人で断トツの「ワーストワン」だ。一方、数が増加した市区町村では、首位の大阪市が前年比268人増で2位の福岡市を100人超上回った。

 東京都の場合、待機児童数は2010年の8435人をピークに2年連続で減少している。都では、国の設置基準にのっとった「認可保育所」や都独自の制度に基づく「認証保育所」を年々増設している。過去2年間の減少について都福祉保健局に聞くと、施設が増えただけでなく受け入れ人数の拡充を図ったことが大きいと話した。「東京都保育計画」では、保育所をはじめとするサービスを利用できる児童数を、2009年4月の18万5475人から2015年4月には22万8500人にまで増やす予定だという。

 だが都内を細かく見ると、世田谷区のように1年間で待機児童数が98人増えたところもあった。その理由を聞くため区保育課に取材すると、「公式に調査したわけではありませんが」と前置きして、「価格的に手頃な分譲マンションが増え、住宅地として人気なこともあって子育て世代の転入が年々増加している」点を挙げた。20~30代の共働き家庭が多く、保育所の利用申請が急増。区側は毎年新たな施設をつくってはいるが「土地が高額なうえ場所自体が少なくなり、限界に近づきつつあります」。それでも認可、認証の保育所の整備を進めて今年度中に定員800人分確保したいと話した。

 大阪市も状況は似ている。市保育企画課はJ-CASTニュースの取材に、「北区や中央区、天王寺区あたりでここ4、5年マンション建設が進み、0~2歳児をもつ住民が増えているようです」と説明する。市では保育施設における入所枠の拡大を進め、2009年度には2301人分を確保して待機児童数を減らした。一段落したように見えたが、保育所入所のニーズは途切れていなかった。その後も入所申請は減ることなく、待機児童がまたもあふれてしまった格好だ。


「定員割れ」起こした保育所も「有効活用」


 大阪市の橋下徹市長は、2011年12月の就任以来「待機児童ゼロ」を掲げている。市保育企画課は、市独自の試みのひとつとして「個人実施型の保育ママ事業」を取り上げた。市の研修を受けて認定された「保育従事者(保育ママ)」が自分の居宅などで、保育所に入れない0~3歳未満を5~10人程度集めて保育を行うものだ。また、東京都のように市が無認可保育所を助成する「認証保育所」制度も検討していると明かした。

 一方、問題の解消に向けて大きな成果を上げている自治体もある。横浜市だ。市のウェブサイトを見ると、相当きめ細かい対策を講じているのが分かる。

 例えば保育所整備を特に進めたい地域を「緊急整備地域」に指定して、補助額を1.5倍に拡充。認可外の保育所を市が認定、助成する「横浜保育室」の制度では、利用者が支払う保育料を軽減するため2012年度に月額の補助を最大4万円から5万円にアップした。

 0~3歳児は保育所のニーズが高い半面、4、5歳児は「定員割れ」を起こしているところもあるという。駅から離れてアクセス面でやや不便な保育所でも、同様の問題がみられる。これらの施設を「有効活用」するために、駅の近くに子どもの「送迎保育ステーション」を設置し、預かった子どもをバスで「定員割れ」している保育所に送る仕組みも整えた。

 市側の手厚い支援、既存の施設やサービスを巧みに組み合わせることで、待機児童数は2010年の1552人から2012年には179人にまで激減した。市は2013年4月に待機児童解消を掲げており、目標達成が視野に入ってきた。

 大阪市では、横浜市の事例を参考にしているそうだ。市の財政でどこまで負担が可能かをにらみながら、待機児童ゼロを実現したいと市保育企画課の担当者は話す。

(J-CASTニュース 2013.1.14)


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