2019年09月09日
「保育園児より幼稚園児の方が上」は本当か
■「保育園児と幼稚園児は違うのか」問題
“わが子をどこに預ける(通わせる)か? ”は、親にとって大きな課題です。特に、就学前の子供をもつ働く母は、「子供と一緒に過ごす時間の長さよりも中身が大事」と考え、子供を長時間預けながら日々奮闘しています。
しかし、信念を持って働く母の道を選んでいても、「(病気の時など特に)長時間ちいさな子供を預けるのはかわいそうなのだろうか? 」と自ら感じることもあれば、周りからこれに近いことを言われ心を痛めた経験を持つ人も少なくないはずです。
実際には、「子供も楽しそうに保育園等に通っているし、仕事も(なんとか)できる」ために、上述のような強い風当たりに心を痛めてもかろうじて乗りきっているわけですが、子供が3歳を超え「小さい時から子供を預けるのはかわいそう」という風当たりが落ち着いてきたあたりから、新たな悩みに遭遇します。今度は「保育園児と幼稚園児ってやっぱり違うのよね」という見方が登場してくるためです。今は保育園とひと言に言ってもさまざまな形態があるにもかかわらず、この見方は根強く存在し続けています。
■3歳児神話という虚構
保育園と幼稚園は、管轄している省庁が違いますし、その目的も違います(保育園は、厚生労働省管轄であり、保育をするための児童福祉施設なのに対し、幼稚園は、文部科学省が管轄をする教育施設)。0~2、3歳までの子供を保育園などに預けている母親にむけられる「そんなに小さい時から子供を預けて……」というネガティブな見方の背景には、「3歳になるまでは母親が子育てをしないとその子供に悪い影響が出る」という虚構(3歳児神話といわれ学術的・科学的な根拠がない)があると考えられます。
では、「保育園児と幼稚園児ってやっぱり違うのよね」は果たして真実なのでしょうか? 通う園の特徴、子供を預ける時間の長さ、家庭環境……などの要素の中で、どのようなことが実際の子供の発達に大きく影響するのでしょうか?
■70年代は保育園児を否定的に捉える研究も
日本でも、早期に母子分離を経験した子供は情緒的不安を示す、として、保育園児を否定的に捉える研究が多数報告されていました。ただしこれは、1970年代までがほとんどです。そして、これらの研究は、実験的環境に限定された結果であり、日常生活における子供の適応などを正しく反映したものではないという意見も多く述べられていました。
その後、1980年代に入り日本の公立・私立幼稚園児、公立保育園児211人を対象に行った実験では、自立・自主性、と神経質傾向に、幼稚園児と保育園児で差があることが報告されています。保育園児は自立・自主性(自分の身の回りのことを自分でやる)が幼稚園児より低く、神経症傾向は、保育園児より幼稚園児のほうが高かったのというのです。
■自主性や神経質傾向の違いが出る本当の理由
ただし、論文上にも記載されている、この研究結果について理解する上で最も重要なことは以下の通りです。
「保育園児は、長時間におよぶ集団生活の中で自立を促され、自分のことは自分でやるように促されています。そのため、園生活においては、自分のことをきちんと自分で行います。ところが、母親と同席する場面(実験下や家庭内等)では、その反動で母親に甘え、依存的になる傾向が出てくるのです」
つまり、その後の小学校生活や、お友達のお家に行った時などに、きちんと自分の身の回りのことを自身でできるかどうかは、幼稚園児でも保育園児でも違いはないのです。
一方、幼稚園児の方が保育園児よりも精神反応過敏性を有していた(神経質な傾向があった)、というのは、母子密着の度合いが高いと、親も子も新しい経験に緊張したり過敏になったり、周囲の物事を気にする傾向が強くなるためです。そのほかの、自制力、攻撃性、園への適応、体質的不安定などの項目には、幼稚園児と保育園児で差は認められていません。幼稚園児や保育園児というカテゴリーで比較してみえているように感じている違いは、実はあくまで家庭環境による「個人差」なのでしょう。
■子供を預ける時間の長さは、発達に影響するか
保育園児だからといって幼稚園児に比べて自主性が低い、攻撃性が高い、ということが真実ではないことにホッとしたところですが、幼稚園と保育園で最も違うことの一つは、預ける時間の長さでしょう。この時間の長さは、子供の発達に影響するのでしょうか?
アメリカの国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)が子供の発達と保育との関係を明らかにするために、全米から1300人ほどの新生児を選んで、追跡調査を行い、出生から4歳半までの研究成果をまとめ発表しています。その中で、4歳半になるまでに母親以外に保育されている(保育園、幼稚園、祖父母、シッターなど)時間が長い子供は、その時間が短い子に比べて問題行動が少し多めに見られることを報告しています。
このアメリカの大規模な調査結果を見ると、子供を長時間預けることに対して不安になりますが、日本で認可保育園児232人を対象に長時間保育が子供の発達に及ぼす影響について追跡調査を行った結果では、保育時間の長さと5年後の子供たちの発達や問題行動に関連が見られませんでした。つまり、日本の質の保たれた保育環境では、長時間子供を預けても、その子供の発達に悪影響がでたり、問題行動が増えることにはつながらないことが明らかにされているのです。
■通わせる園の質よりも家庭の質
国内外の研究を問わず、養育の質と子供の発達には大きな関係があることが示されています。この「質」とは、その子供が預けられている施設(保育園、幼稚園)の特徴(質)より、親や家庭の特徴(質)の影響が強いことがわかっています。
具体的には、「両親の教育レベルが高いこと」「家庭の収入が高いこと」「情緒的に多くのサポートがあること」「家庭が知的に刺激的な環境であること」「母親が精神的に健康であること」などがあり、これら家庭の特徴は、子供の「言語発達」「知的発達」「社会的行動の発達」「親との良い関係」「実行機能」などと関連があります。
家庭内でどんな養育をしているかは、家庭で大半を過ごす子供と同様に、家庭外で保育を受ける時間が長い子供の発達にとっても、とても重要なのです。
■将来の成功のカギは、やり抜く力
親にとって、子供が将来成功し幸せになってくれることは喜びですし、そのために幼少期からたくさんのことを学んでいってほしいと願っています。どこに通わせるか、どんなことを学ばせるか(お稽古)で思い悩むのは、そのような思いがあるからこそです。
ところが、子供たちの将来を決めるのは、子供の頃から知能レベル(IQ)が高いとか、英語やプログラミングができるというような認知能力といわれるものの高さではなく、「やり抜く力」の有無であることが研究から明らかになっています。この「やり抜く力」とは、研究上、実行機能(非認知能力)などという言葉を使って説明されるものですが、「目標に向かって行動し目標を達成する力」のことを指します。
■経済格差が子供の脳の発達に与える影響は?
家庭の経済状態が子供のどのような側面の発達に影響を及ぼすかを調べたアメリカの研究では、経済状態が、実行機能と言語能力に強く影響するとの結果を示しています。この実行機能(やり抜く力)は、脳の中の前頭前野と密接な関係があります。前頭前野は、ストレスの影響を強く受けることや、ほかの脳の場所にくらべて成熟するのが遅い(10代にかけてまでゆっくり発達していく)ことも明らかになっています。そして、つい最近、日本の研究で、子供(3~6歳)が実行機能課題を行っている時の前頭前野の働きは、家庭の経済格差の影響を受ける(低所得者の子供は高所得者の子供に比べ前頭前野の働きが悪い)と発表されました。
ただ、低所得家庭の子供全員が前頭前野の活動が低かったわけでもなければ、中・高所得家庭でも、前頭前野の活動が低い子供もいたはずです。経済格差が意味することを深堀りする必要があり、一概に、経済力が脳の発達に影響することを気にしすぎる必要はないと考えます。
2019.9.9
プレジデント オンライン
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2019年08月30日
経済格差が、子どもの「脳の発達」に影響を与えるという厳しい現実
この十数年、経済格差の拡大が日本を覆う巨大な問題として注目されることが増えた。経済格差の問題点はいろいろ指摘できるだろうが、とりわけ子どもにとっての影響が大きい。たまたま生まれ育った環境が不利であると、子どもたちの発達は著しくネガティブな影響を受けてしまうからだ。その結果、彼ら・彼女らの未来が閉ざされることもある。
筆者は子どもの心の発達(発達心理学)の専門家として、子どものときに発達させる様々なスキルが、彼ら・彼女らの未来にどのようにつながるかに関心を持ってきた。
ここではそうした研究のなかから、筆者らが今年発表した研究の成果を紹介しよう。そこでの結論は、経済格差が子どもの「脳の発達」に影響を及ぼすというものである。以下では、なぜ経済格差が脳にまで影響を及ぼすのか、脳の発達への影響はその後の人生にどんなインパクトを持つのか、それを改善する方法はあるのか、といった点について考えてみたい。
さて、子どもの心の発達と聞いて、どのような学者が思いつくだろうか。スイスの心理学者、ジャン・ピアジェを思い出した人は多いかもしれない。
ピアジェおよびその後継者たちは、主に子どもの知的発達を調べてきた。子どもがいかにして知識を獲得するか、どのくらい記憶できるのか、いかにして推論するかといった問題である(なお、ピアジェの考えは現在多くの部分で誤りであることが明らかになっている)。これらの能力は、現代風に表現すれば「認知的スキル」と呼べるだろう。
一方、近年、教育経済学や教育社会学などで注目を集めるのが、認知的スキルと異なる「非認知スキル」だ。
非認知スキルは、経済学者ジェームズ・ヘックマンら一連の研究で脚光を浴びた。彼らの研究は、低所得家庭で育った子どもが幼児教育を受けることによって、幼児教育を受けなった子どもよりも、その後の年収や持ち家等の経済的な面で優れた結果を出すことを示した。この際、幼児教育は知能(IQ)などの認知的スキルにはあまり影響を与えなかったが、忍耐力や学業への真摯さなどの側面に影響を与えたと考えられ、これらが「非認知スキル」と呼ばれるようになった。
非認知という言葉があまりに漠然としているため、筆者も含めて心理学者は「社会情緒的スキル」という言葉のほうを好む。要は、自分や他人とうまく折り合いをつけるためのスキルだ。
ところが最近になって、認知的スキルでも非認知スキルでもない、あるスキルが世界中で注目を集めるようになった。それが「実行機能」というスキルである。非認知スキルの一つとされることもあったが、最近は独立したものとして扱われている。
実行機能。字面だけ見てもどのような能力かはわかりづらいが、簡単に言えば、目標に向かって自分をコントロールする力のことを指す。ダイエットという目標のために食べたいものをがまんする力や、夕食を作るという目標のためにある具材を切ったり別の具材を煮たりと柔軟に頭を切り替える力である。大事なのは、「目標を達成する」ために必要なスキルだということだ。
たとえば、実行機能を測る代表的なテストは以下のようなものだ。カードに色と形の2つの属性があり、子どもはあるときは一方のルール(たとえば色)、別のときは異なるルール(たとえば形)でカードを分類しなければならない。このテストは、物事を実行する際のルールを柔軟に切り替える能力を測定する。
このテストの結果、3歳の子どもはルールを柔軟に切り替えることができないが、5~6歳頃からルールを切り替えることができるようになる。つまり実行機能は、3歳から6歳頃にかけて大きく成長するのだ。
近年、子どもの実行機能が注目を集めているのは、子どものときの実行機能が、後の学力や友人関係、問題行動、および大人になったときの収入、社会的地位、健康、犯罪歴などと関連するためである。この点を世間に知らしめた「マシュマロテスト」の研究成果は現在では疑問視されているものの、その後ニュージーランドやイギリスなどの研究で信頼できる成果が出されている。実行機能の影響力はIQ以上だという研究結果もあるし、非認知スキルと比べて確実に測定できるという特徴もある。
実行機能は、子どもの未来の可能性を広げる能力といえるだろう。
このように人生にとって極めて重要な意味を持つ実行機能だが、良くも悪くも、子どもが育つ環境によって、その発達に影響が生じやすい。すなわち、家庭の経済格差が直撃するのがこのスキルなのだ。
あるアメリカの研究では、家庭の経済状態が子どものどのような側面での発達に影響を及ぼすかを調べた。その時に調べられたのが、子どもの視覚認知、空間認知、記憶力、言語能力、そしてくだんの実行機能である。
この研究の結果、視覚認知、空間認知、記憶力などの認知的スキルは、経済格差の影響をあまり受けなかった。一方で経済格差の影響を強く受けたのが、実行機能(と言語能力)であった。
なぜそれぞれのスキルごとに発達の差が出るのか。この点を考える上で重要なのが、認知的スキル/非認知スキルという区別の視点ではなく、「子どもの脳発達」という視点である。
脳と心の間に対応関係があることは、ここ数十年の神経科学が示してきた成果である。大雑把にいうと、視覚認知は「後頭葉」の一部が、空間認知は「頭頂葉」の一部が、記憶力は「側頭葉」の一部が関連する。そして、実行機能に関連するのは「前頭前野」である。
経済格差が実行機能を直撃する理由は、この前頭前野にある。動物実験などから、前頭前野の発達はストレスに対して極めて弱いことが示されている。生まれる前に母親が強いストレスを与えられたラットや、生まれてから強いストレスを与えられたラットは、前頭前野の発達が正常でない。
ストレスにも様々な種類があるが、ヒトの場合は、精神的なストレスを受けることが多いだろう。とりわけ貧困の家庭においては、そうではない家庭と比べて、子どもは生後半年頃から慢性的な精神的ストレスを抱えやすいことが知られている。虐待やネグレクトはもちろんのこと、夫婦喧嘩や、子どもに体罰を与えることも、子どもにとっては強いストレスになる。
だが、ヒトの子どもの脳を直接調べる研究は十分に進んでいなかった。そこで筆者らは、3歳から6歳の幼児を対象に、経済格差が前頭前野の発達に及ぼす影響を調べた。これが冒頭に述べた研究である。
具体的には、3歳から6歳の幼児に上記の実行機能のカードを使ったテストをやってもらい、その際の脳活動を近赤外分光法という手法で計測した。この手法は、脳活動に伴う脳内の酸化ヘモグロビン(酸素と結合したヘモグロビン)と脱酸化ヘモグロビン(酸素と結合していないヘモグロビン)の変化量を計測することで、脳の働きを推定することができる。
さらに経済協力開発機構(OECD)の指標に基づき、子どもを低所得家庭と中・高所得家庭とに分類し、子どもの前頭前野の働きに家庭間で違いがみられるかを調べた。
その結果、低所得家庭の子どもは、実行機能のテスト中に前頭前野を活動させていなかったのに対して、中・高所得家庭では前頭前野の活動が認められた。つまり、前頭前野の発達に経済格差が影響していることが明らかになったのである。
これらの結果は、経済格差が子どもの脳発達に重要な影響を与えることを示している。しかも、その影響は就学前という早い時期から既にみられるようだ。
このような研究結果を突きつけられれば、子どものために何かできることはないかと考えずにはいられない。経済格差の是正が喫緊の課題であることはもちろんだが、そう簡単に解決する問題でもない。発達心理学の立場から何が提言できることはあるか。
実は、低所得家庭の子ども全員が前頭前野を活動させていなかったわけではない。裏を返せば、中・高所得家庭でも、前頭前野を活動させていなかった子どもだっている。
発達の格差を是正するために一つ重要なのは、子どもが強いストレスを感じない家庭環境を作るということだ。
その基本は、安心できる親子関係である。発達心理学では、親子の情緒的な結びつきを「アタッチメント」と呼ぶ。経済的に問題を抱えていても、親子関係がしっかり安定していて、子どもが安心感・安全感を感じることができれば、実行機能の発達には問題が起こりにくい。
こういう話をすると、わが国の場合は母親に責任を帰すことが多いが、それは間違いだ。母親であろうと、父親であろうと、さらには祖父母であろうと、信頼できる大人としっかりとした関係を築くことができればいい。
安心できる関係を築くことが難しいのは、親のほうにも心の余裕がなくなっているケースが多い。ワンオペ育児という言葉があるとおり、子育てにおいて孤立している状況で、余裕をもって子育てすることは容易ではない。子どもの発達を支えるためには、国や自治体が親も支える必要がある。
筆者らは、自治体と連携して、子どもと同時に、家庭をいかに支援できるかを探っている。それほど簡単なことではないが、地道にやっていくしかない。社会全体でこの問題をもっと深刻に考える必要があるだろう。
子どもたちの未来が希望に満ちてほしい。心の底からそう思う。
2019.8.30
現代ビジネス から転載
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2019年06月28日
【小学校受験】準備は幼稚園入園前から、スケジュールと志望校選び
東京都内では、少子化の波と逆行するように、小学校受験を目指す家庭が増加傾向にある。従来は、私立幼稚園に通う専業主婦家庭のお子さんが小学校受験するケースが目立ったが、保育園に通う共働き家庭のお子さんが私立または国立小学校を受験するケースも増えてきた。
ここでは、一つの参考として、受験生が多い都内有名私立幼稚園に通っている家庭の小学校受験までのスケジュールを紹介する。
小学校受験の準備の現実
私立の小学校受験の準備は、幼稚園入園時の年少からスタートしているといっても過言ではない。というのも、大手幼児教室の受け入れ人数が限られているために、小学校受験をする気があるならば、席取りのために受験校を決める前に、まずはどこかしらの幼児教室に通わせる判断をする親が大半なのだ。
人気のある大手幼児教室は、年中、年長から1クラスの募集人数をある程度増やすが、応募が殺到するため、多くの場合は席が空き次第の連絡待ち(=ウェイティング)になる。一部の大手人気幼児教室では、ウェイティングリストにすら載せられないと断られるケースもある。熾烈を極める大手幼児教室の席を確保するために、妊娠中に見学に行き、出産と同時に0歳からのベビークラスに入会する(子どもの名前が決定しないと入会申請ができないため)という驚愕するような話まである。
小学校受験を少しでも考えている家庭では、遅くとも幼稚園入園とともに教室選びをスタートし、入会を検討しなければならない。
志望校の決定時期
晴れて希望の幼児教室に入会できた子どもたちは、年少時は緩やかながら、はじめてのお勉強という時間を体験することになる。まずは席に座って先生のお話を聞けるようになることから始まる。子どもが年中になるころまでには、子どもの性格や得意分野(ペーパーが得意、絵画工作が得意、体操が得意など)が親や担当講師にも見えてくる。通塾する中で、担当講師から、男子校・女子校・共学校向き、またはペーパー校・ノンペーパー校向きであるというアドバイスがもらえるはずだ。
年少時の子どものようすと親の意向をベースに、年中の春から秋口あたりにかけて各小学校で開催される説明会や学校見学会へ行き、具体的な志望校を決める保護者が大半だ。なぜなら、幼児教室の年長クラスは学校別対策クラスが設けられており、年長クラスが始まる前にはどのコースを選択すべきなのかを決めておく必要があるからだ。
多くの保護者は、年少時には総合的な学習クラスを選択し、ペーパーも絵画工作も体操もまんべんなく学習させ、子どもの得意分野を見極めてから具体的な志望校を絞り込む傾向にある。または親の出身小学校など、すでに行かせたい小学校が決まっている場合は、学校ありきで授業を選択し、子どもに学習させるケースもある。
受験校数は、試験当日に体調や機嫌がすぐれないという不測の事態を想定して、本命校と併願校を合わせて、3校から多くて10校ほどを検討する家庭が多い。
年長時は志望校対策がメイン
年長クラスが始まると、志望校別の試験対策が本格化する。試験内容から、小学校は大きく分けてペーパー校とノンペーパー校の2種類に大別される。ペーパー校とは、入学試験でペーパー試験を課す学校のことだ。共学校では慶應義塾横浜初等部、早稲田実業学校初等部、男子校では暁星小学校、女子校はペーパー校が多く雙葉小学校、白百合学園小学校などペがある。ノンペーパー校は、小学校受験の最難関校として知られる慶應義塾幼稚舎や学習院初等科などの共学校、立教小学校(男子校)、立教女学院小学校(女子校)などで、ペーパー問題の実施はなく、集団作業や体操科目による行動観察や絵画工作、口頭質問などで子どもの特性を評価し、保護者との面接(慶應義塾幼稚舎は面接の実施はない)や願書の内容など総合的に子どもと家庭像を把握したうえで合否を決定する。
そのほか、学校により試験内容にはカラーがあり、試験で重視される指標やカテゴリーの比重が変わってくるため、年長時はそれぞれ志望校の考査内容を踏まえた学習内容に絞り込んで学習させるのが一般的となっている。
年長のおおまかな年間スケジュール
都内の有名私立小学校の試験は11月に実施される。秋の本番から逆算し、1年前の11月から各幼児教室の年長クラスはスタートする。つまり実際には年中時の秋から新年長としての受験学習が本格化する。
下記はスタートの目安。学校により異なるので志望校の公式情報を参考にしていただきたい。
私立小学校
春:学校説明会・学校見学
夏:願書作成準備
8月:願書受付開始(神奈川)
9月:願書受付開始(東京)
10月:考査開始(神奈川)
11月:考査開始(東京)
国立小学校
9月:学校説明会・学校見学
10月:願書受付開始
11月:第一次選考開始
12月:第二次選考開始
学校説明会・学校訪問の春、願書作成・面接対策の夏
春先から秋口まで各学校で学校説明会、入試説明会が開催されるため、保護者は春から志望校へ何度も足を運び、学校研究や願書作成のための準備を進める。年中時に一度見た学校でも、年により学校の方針が変わることがあるため、年長時にも説明会に行くことが望ましい。夏の初め頃から徐々に、各幼児教室で願書添削指導がスタート、同時に個別面接指導も行われる。このときの願書は、前年の情報をもとに各幼児教室で用意していることが多い。本番の願書は秋口より各学校から配布されるため、夏までには願書配布期間をホームぺージなどでチェックしておく必要がある。10月になると願書受付日が待っているため、夏から秋にかけて、提出用の願書作成が保護者のメインの仕事となる。願書は各学校にて指定の期間に配布され、無料もしくは有料(1部500円~2,000円程度)で入手できる。
一方の子どもたちは、年長の夏休みには、夏期講習や集中特訓、各幼児教室の模擬試験などをこなしていき、入試日まで毎日勉強漬け、お稽古漬けといっても過言ではないほど、過酷な数か月を過ごすことになる。
受験用の洋服の準備と写真撮影
学校説明会から入試本番までの洋服
受験時に着用する洋服は、春の学校説明会や学校見学シーズンが始まる前に、親も子も一着用意する家庭が多い。春と秋では子どもが着用するサイズにも変化があるため、学校見学など子ども同伴で見学に行く場合には、学校訪問用の夏の洋服を秋口の本番用とは別に用意する家庭もある。学校見学用に用意した洋服はサイズ直しをして、本番当日の予備の着替えとすることもできる。大手百貨店やお受験専門ショップでも春から夏にかけて品数を増やしているので早めに確認しておくのがお勧めだ。オーダーメイドで仕立てる場合は、1、2か月は余裕をもって採寸に行くべきだろう。
一般的なお受験服は紺色が基本である。母親は紺のジャケットとワンピースのセットアップが必須。百貨店などで7~10万円前後、オーダーメイドで仕立てるなら20万円程度が相場だ。学校によってはグレーでも可能な場合もあるが、もっとも無難なものはやはり紺色だ。父親は仕事で着用する紺・黒系のスーツに、落ち着いた雰囲気のネクタイを合わせれば問題ない。
子どもは、男子は白ポロシャツに紺ズボンとデザインや柄にはそれほど悩む必要はない。女子の場合は紺色をベースに刺繍やチェック柄でアクセントをつけたワンピースが無難ではあるが、紺色以外でも茶色、グレー、ブルー系、グリーン系など本人が魅力的に見えるものなら、カラーについては割合に選択肢は広い。お受験用ワンピースの相場は、3万円前後だ。
男女ともデザインと併せてチェックが必要なのは、ハンカチやティッシュを入れるポケットがついているもの、また試験で力が発揮できるよう、動きやすく、長時間着ていても疲れにくいものであることが大切だ。洋服のほか、黒革靴、上履き、また試験科目に体操がある場合は、体操着の用意も必要だ。
写真撮影の時期と髪型
洋服の準備と関連して確認が必要なのは、願書とともに提出する写真のことだ。受験者本人の写真撮影は必須であるが、学校によっては家族写真を用意するケースもあり、各学校でサイズの指定があるので、これも年中時に願書を入手し、写真が必要な時期とサイズ、本人写真のみか、家族写真が必要かを知っておく必要がある。願書には「3か月以内に撮影したもの」と指定されることが多いため、夏ごろから写真撮影のために写真館に予約を取る。願書受付直前になると写真館が混むため、早め早めに予約を確保しておきたい。
写真撮影当日までには、服装、髪型も整えておく。女子の髪型に関しては、写真撮影や試験時に、きちんと感を出すために髪の毛を結べる長さにしておくか、または前髪はアップするか下ろすかで印象が異なるため、年中時から髪の長さを計画的に調整する家庭もある。願書写真と試験本番の印象がかけ離れたものにならないようにすることも大切だ。
秋からのラストスパートは体調管理も重要
夏休みが終わる9月中旬以降は、11月の試験本番に向けて体調管理にも注意が必要だ。10月にはインフルエンザの予防接種など感染症対策も行い、身体的な負担やメンタル的な安定にも気配りが必要だ。私立の幼稚園では、受験する園児が大多数なため、兄弟が感染症にかかった家庭では“遠慮休み”といって、周囲に病気を移さないよう配慮することが暗黙のルールとなっている。ぴりぴりした空気が張り詰めた園では、咳をするだけで、露骨に嫌な顔をされることもしばしばというほど。
都内私立小学校は11月がいよいよ入試本番
入試の実施時期は都内と他県でばらつきがあり、神奈川県内の学校は都内よりも早めの10月頃に入試をスタートさせる学校が多い。都内在住でも、11月の本番までに神奈川県の学校をまずは1校合格をしておこうと考える家庭も少なくない。都内の私立小学校の入試はほとんどが11月1日から10日までの間のいずれかで試験を実施する。考査料は1校20,000円~30,000円が相場だ。
面接と考査日を分ける学校もあり、その試験時間によっては、出願した併願校のなかにも、受験できない学校が出てくる。学校側から指定されたスケジュールに合わせて、実際に受験する学校を決めていかなければならないため、多めに併願校を決めて出願しておくケースも多い。試験日が重なって、午前・午後にハードなスケジュールを組む家庭がある一方で、子どもが本命校で力を発揮できるように考えて、あえなく併願校をあきらめる家庭もある。実際に受験する学校は受験直前にならないとわからないケースが多いため、保護者はあらゆる事態を想定して事前に願書を提出することが大切なのだ。
国立小学校の考査は12月に本格化
私立小学校の最難関といわれる慶應義塾幼稚舎と慶應義塾横浜初等部の考査と合格発表が終わると、補欠合格の動きもあらかた落ち着き、11月中には私立小学校の進学先が決定することになる。12月に入ると今度は国立小学校の考査が本格化する。私立と国立の両方を志望する家庭もあるが、国立は受験申込時や考査後などに抽選が行われるため、合否は運に左右されることもある。国立小学校の検定料(考査料)は1,000円~3,000円程度。
進学先の小学校が決まってから卒業までの園生活
進学先が決まると、幼稚園内では同じ小学校に進学する親同士、子ども同士は自然と仲良くなるものだ。受験までは、お互いにライバルという家庭も、受験後はそうしたぴりぴりとした空気も氷解し、お互いに健闘し合ったと仲を取り戻すケースも多々あるようだ。どんな結果がでようとも、残りの幼稚園生活を楽しく、思い出深いものにしたいという気持ちは同じだ。
今回紹介した小学校受験のスケジュールは、あくまで有名私立幼稚園に通う家庭の一般的な例であり、もちろん年長になってから受験を目指す家庭もある。だが、年長クラスになるまで、年少、年中時をコツコツと積み重ねてきた子どもたちに交じって、受験勉強をスタートするとなると、子どもの負担は大きなものになる。メンタルや健康面の両方で体力のある子どもなら乗り越えられるはずだが、遅くとも年中時には受験対策をはじめると、子どもの負担を少しは軽減できるのではないだろうか。
※記事内の入試時期、願書・考査料などのデータは2018年度時点の情報にもとづく。 《編集部》
2019.6.28
リセマム から転載
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2019年06月25日
幼稚園ママ友は怖い?幼稚園と保育園ママ友の違いとトラブルエピソード
子育て中に自然と耳にする、「ママ友」という言葉。「どんどんママ友を増やしていきたい」と考えている人もいれば、「あまり積極的に関わりたくない」と消極的になっている人もいるのではないでしょうか。
とくに最近では、「ママ友とトラブルに遭った」「ママ友に嫌な思いをさせられた」という声も耳にします。そこで今回は、ママ友に関するさまざまな経験談をお伝えします!
・「あるママ友から聞いた話を、『みんなも知っている内容だろう』と思って周囲に話してしまったんです。それが災いして、彼女とは疎遠になってしまいました。その場にいない人の話は、悪口のもとなのですね」
・「ママ友たちとのLINEグループに新しい方を招待したら、みんな一気に離れていったことがあります。私にとって、すごく大切なママ友たちだったのに…」
ちょっとした行動がきっかけで、周囲のママから反感を買ってしまう可能性もあるようです。最近ではSNSやLINEでのやりとりも増えてきているため、なにかと気を遣う場面が増えているのでしょう。
先ほどのような体験談を聞くと、「ママ友は怖い存在だ」と感じてしまいますよね。しかし、ママ友のおかげで救われた経験をしたママもいるようです。一体どのような場面で、そう感じたのでしょうか。
・「独身の友達には相談しにくい、育児の悩みごとを聞いてもらえました」
・「2人目が生まれる直前、私の母が入院してしまいました。上の子の保育園のお迎えができずに困っていたところ、近くに住むママ友が私の子を迎えに行き、病室まで送り届けてくれたんです。毎日欠かさずしてくれたので、本当に感謝しています」
・「多忙な夫とは会話する時間がなく、育児のストレスが溜まる一方。そんなとき、ママ友たちとの会話でストレスを発散することができました」
いざというときに頼りになる、悩みをわかってもらえるなど、ママ友の存在が支えになったケースもあるようです。そのほか、「子育ての情報を得られる」「一緒にいて楽しい」というメリットも。「ママ友はなにかと厄介だ」と決めつける必要はないのかもしれません。
一概に「ママ友」といっても、幼稚園や保育園、男の子、女の子でママ友の質や関係性も異なることが多いでしょう。
保育園ママは共働きのため、ママ友との関係は希薄になりがちです。ですが、送り迎えや行事などを経験していくうちに、父母同士の交流が活発になる傾向にあります。運動会や保護者会後の打ち上げなど、交流する際は小さなグループというよりは、クラス全員に声掛けをするなど、1人1人適度な距離感があるのが特徴かもしれません。また「パパ会」があるクラスも多く、パパの存在感が大きいのも特徴でしょう。
一方幼稚園ママは、幼稚園が短いということもあり、ママ友の関係性も深いものになる傾向にあります。やはり子ども同士の仲が良いと、親同士の交流も増えやすいでしょう。またママの育児時間が長いため、育児で苦労することも多く、ママ友同士で相談などをする機会も増えます。大きなグループというよりは、子ども同士が仲の良い小さなグループに分かれるのも特徴といえるでしょう。
この他にも、習い事やご近所など、さまざまな場所でママ友を作ることができます。1つの場所でうまくいかなくても、分かり合えるママ友と出会えるはずです。
マナーは守りながら、程よい距離感でママ友と付き合ってみると良いでしょう。
ママ友たちと一緒に過ごしていると、つい他の人の悪口を言ってしまいそうになる瞬間もありますよね。しかし、軽い気持ちで放ったひとことが思わぬトラブルに発展するケースも。悪口によるデメリットを、いま一度確認しておきましょう。
ママ友から距離を置かれる
悪口を言っているママを見ると、「この人の本音が分からない」と距離を置かれてしまう可能性も。せっかく仲が良くなった人とも、疎遠になってしまうでしょう。
トラブルのもとになる
噂話というのは、どんどん大きくなって広がっていくもの。ちょっとした発言が次第に拡大し、相手から訴えられるリスクも発生します。
反対に悪口を言われることも
周囲を否定するような発言を繰り返していると、「あの人は悪口ばかりだ」とマイナスのイメージをもたれてしまいます。たとえ笑顔で接してもらっていたとしても、それは表向きの顔というだけなのかもしれません。
子どもの友達関係にも影響が
たとえ親同士の悪口であっても、「あのママは厄介だから、その子とは遊ばせないでおこう」と対策を練られることもあります。とくにPTAや子ども会が絡んだ関係だと、親の評判が子どもにも影響しやすくなるでしょう。
ママ友同士に限らず、良好な人間関係を築くには「他人の悪口は控える」というのが基本。とくにママ友の世界は狭いため、噂話はすぐに広がってしまいます。たとえ本当のことでも、その場にいないママのことを悪く言うのは避けておきましょう。
LIMO編集部
ヤフーニュースから転載
2019.6.25
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2019年05月21日
自分の子どもを「あえて」公立に?芸能界の夫婦に見る背景
ジャガー横田(57才)と医師の木下博勝さん(51才)夫妻の長男・大維志くん(12才)の“進路”に注目が集まっている。
大維志くんといえば、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)が150日間にわたって中学受験に密着。放送回を重ねるごとに注目を集め、大人気企画となった。希望する私立中学には不合格だったが、“滑り止め”の私立中学に合格した。
しかし、5月15日配信のNEWSポストセブンの記事「私立合格のジャガー横田の長男、公立中へ越境進学の理由」によれば、最終的には都内にある公立中学校への進学を決めた。合格した私立中学の保護者から“テレビでさんざん滑り止めと言われ、他の生徒がやる気をなくしてしまう”というクレームがあったことなどが原因という。
ネット上では「確かに滑り止めの第3希望の中学校なんて言われたら、通ってる子はたまったもんじゃないな」などさまざまな声が上がった。子供の受験を番組化することへの批判の声も多かった。
公立中を選択したジャガー一家には、「確かに偏差値の低い私立なら偏差値高く受験対策できる公立に行ったほうがいいかも」、「越境で通ってる公立中は魅力的ですね!勉強にスイッチ入ったようですから環境がそろえば受験のプレッシャーがあった方が絶対に彼は伸びるでしょう」と支持する声もあった。
実は大維志くんのケースのように、芸能人が自分の子供を公立の小学校、中学校に進学させるケースが増えている。
かつては、芸能人の子供は私立の一貫校に進学させるケースが多かった。最近でも、小倉優子、井川遥、石田純一・東尾理子夫妻、寺島しのぶらの子供が私立の有名小学校に進学させたことが報じられたばかり。今も私立校が人気であるのは間違いないが、“あえて公立”という芸能人も増えているのだ。
これまで報じられた中では、辻希美・杉浦太陽夫妻、庄司智春・藤本美貴夫妻、谷原章介、瑛太・木村カエラ夫妻らが子供を公立小に通わせているという。経済力のある芸能人なら有名幼稚園に通わせて、お受験して有名小学校に進学という道もあったはず。彼らはなぜ子供を公立に通わせるのか?
「大維志くんの場合は、進学先の親からのクレームという特殊なケースといえますが、芸能人が子供を公立に通わせることのメリットもあるんです。私立なら、バザーなど学校行事への参加や学校への送り迎えが必須だったり、給食のない学校ではお弁当作りをしなければいけなかったりして、時間的に不規則な芸能活動をしながら両立させるのは簡単じゃないんです。公立ならそうした負担が少ないので、芸能活動への影響を軽減できるんです。それに最近では、中学受験への対策をしている人気の公立校もありますし、そうした地域に引っ越して通わせるという選択肢だってありますからね」(芸能関係者)
今やどの学校に“芸能人の子供”がいても珍しくないのだ。
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2019年04月19日
気軽にモンテッソーリ教育を体験するカード「モンテッソーリBox」4種発売
学研ステイフルは、世界の著名人が受けたといわれるモンテッソーリ教育を気軽に体験できる、カードタイプの教具「モンテッソーリBox」4種を2019年3月15日より発売した。価格は各3,500円(税別)。
モンテッソーリ教育では、子どもには生まれながらにして学ぼうとする力があるとし、子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもがやってみたい・触ってみたいと思う環境を適切に用意し、自発的活動を促すことが大切と考えている。
「モンテッソーリBox」は、子どもの自立を促すモンテッソーリ教育で使われる教具のメソッドが詰まっている商品で、持ち運びしやすく気軽に取り組めるカードタイプが特長。「もじ」「とり」「どうぶつ」「はじめての天文学」の4種類を同時に発売した。日本語訳するにあたり、すべて日本モンテッソーリ教育綜合研究所の監修を受けている。
「もじ」は、文字がざらざらとした質感の加工を施した「砂文字カード」を見て触ることで、文字を書く前段階の学びとして自分の感覚で文字の形を感じ取る。冊子では「砂文字カード」を使ったもじ・ことばを学ぶための活動を紹介している。
「とり」はカードを並べることで空間認識力を高め、鳥や鳥の特長について学ぶ。鳥についての冊子、鳥のスケッチ、特長が描きこめる観察ノートの付いたセットとなっている。
「どうぶつ」には大陸の形がざらざらとした触感の「大陸カード」と「動物カード」の2種類のカードがあり、ペアリング作業をすることで、知識を整理しながら空間認識力・数学的能力を高める。
「はじめての天文学」は、天体の「絵カード」と「名称カード」でペアリングをしたり、天体の説明が書かれた「定義カード」を使ってクイズを出したりしながら、子どもの天体に対する好奇心をかきたてる。天体について知るための冊子や、星空を描くページがある「星空手帳」、星座を探すための「星座早見盤」が付いている。
対象年齢は「もじ」が2歳以上、「とり」「どうぶつ」「はじめての天文学」の3種は3歳以上。価格は各3,500円(税別)。学研ステイフルの公式通販サイトのほか、全国の百貨店のおもちゃ売り場や玩具店、雑貨店などで購入できる。

2019年04月18日
小学校に教科担任、高校普通科を改革…文科相
柴山文部科学相は17日、小学校から高校までの指導体制の改革について検討するよう、中央教育審議会(中教審)に諮問した。小学校高学年に、教科ごとに専門の教員が教える「教科担任制」を導入することや、高校の普通科を専門性の高い学科に転換することなどを想定。社会の変化に対応した教育方法を議論し、提案するよう求めた。
小学校では一般的に、クラス担任がほぼ全教科を教える「学級担任制」がとられている。諮問では、小中学校の9年間を一体的にとらえ、「児童生徒の発達の段階に応じた」担任の制度を検討するよう求めた。
小学校教育を巡っては、2020年度から5年生で英語が教科化されるなど、専門知識を持った教員が求められている。ただ、教科担任制では、これまでより多くの教員数が必要になると指摘されており、中教審で導入の可能性を探る。
このほか諮問には「生徒の能力を伸ばすための高校普通科の改革」も盛り込まれた。文系、理系の枠組みにとらわれない学習や、地域の課題解決に取り組むことなど、専門分野を明確にする方向で検討する。
中教審は夏にも「新しい時代の学校の在り方特別部会」を設置し、約1年で中間報告を公表、20年末にも答申をまとめる。
◆中教審への諮問のポイント◆
▽小学校高学年への教科担任制度の導入
▽高校普通科の専門性を高める改革の推進
▽外国人児童生徒に対する日本語指導体制の確保
▽外部人材の活用を促進する教員免許制度や採用の見直し
▽教員を助け、教育の質を高めるICT(情報通信技術)環境の整備
読売オンライン から転載
2019.4.18
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2019年03月29日
タワマン高層階に住むと子どもの学力が低下する?問題は住環境と“PDCAパパ”
都心の一等地にそびえるタワーマンション最上層での生活、憧れている人も多いのでは?
「しかし、子どもの学びにとっては決していい環境とはいえないように思いますね」
こう懸念を示すのは、プロ家庭教師集団『名門指導会』代表の西村則康さんだ。
タワマンの、それも高層階ともなれば億単位の物件も少なくない。それだけに購入したオーナーは、社会的地位が高く、裕福で、高学歴かつ人一倍、教育熱心な人が多く見受けられる。
それなのに、タワマン高層階に住む子どもたちは「なぜか学力不振になりがち」と西村さん。原因は、お父さん、そしてタワマン高層階という住環境にあるという。
「まず、こうしたお子さんのお父さんは、子どもの成績について、経営やマネジメントする感覚で考えがち。ともすればPDCAサイクルで成績を上げようとするのです」(西村さん)
『PDCAサイクル』とは、ビジネスの現場で行われている手法のことだ。業務改善や成績向上にはPlan(計画)・Do(実行)・Check(チェック)・Action(改善)が大切と考え、この4段階を随時繰り返すことで底上げを図る。
タワマン高層階に住む学力不振児のお父さんは、子どもの成績向上も業務改善と同じようにとらえ、“PDCAサイクルを繰り返せば必ず向上する”と考える人が多いというのだ。
「ところが子どもの成績向上というものは、業務改善よりもずっと複雑です。
例えば、子どもの知識をチェックして、なければ教える。すると成績が改善されるかというと、そうはならない。その知識をもとに考えようとする意欲がないと、正解することはできないのです。
そして意欲を持つには、生活で知り得たさまざまなことを“面白い!”と思う気持ちがないとダメ。面白いと思う気持ちはどこからくるかというと、知的好奇心と、“わかった!”という感動や快感経験の蓄積。これがなければ生まれてきません」(西村さん)
ところがタワマン高層階居住のお父さんは、実行力と経済的余裕があるだけに、子どもに先回りして準備してしまう人が多い。
「例えば、小学校で運動会があるとしましょう。そうすると、速く走れるように家庭教師を雇うのです。
こうした子は運動会でビリになることもありませんが、ビリから1等になった感動や快感もない。さらには常に準備されていて失敗しないから、そのうち変な万能感を持って、“小さな王子さま”になってしまうのです」(西村さん)
こうした小さな王子さまの中には、平然と“東京に大地震が来てもかまわない”と答えた子どももいるそうだ。
“地震があっても自分の家にはお金があるので北海道にでも逃げればよい。そうすれば大好きなウニ丼を毎日食べることができる”などと、そんな感覚でいるのだという。
こうした子どもに、タワマンの住環境がボディブローのように影響を与える。
「タワマンの住環境は、室温は一定で常に快適な状態を保っていますよね。すると季節の変化を感じない。真冬の身が縮むようなつらさも、春や秋の心地よさも感じない。さらには高層階であることから窓が開かない部屋も多く、風のそよぎや木の葉のこすれる音などに耳を傾ける機会も限られます」(西村さん)
自然と切り離された環境は、特に小学生には想像以上の影響を与えるという。
「季節の移ろいや自然の音は、五感を刺激して、子どもの心情を豊かにし、知識を収納する基盤になっています。こうした基盤がない子どもは状況を想像することができません。これは理科を教えるとてきめんに表れます。
大事なのは外遊びで培われる「身体感覚」
例えば『道ばたの植物』という学習計画があったとして、“道ばたには背の高い植物が多い? 少ない?”と聞いても、見たことがないからわからない。道ばたの植物は踏まれることが多いから、背の高い植物は成長を続けることができません。
こうしたことは勉強しなくてもわかっていなければいけないのに、経験が少ないから知識として覚えさせなければならない。何から何まで覚えさせなければならないため、結局、受験には間に合わなくなります」(西村さん)
小学生時代に自然とのふれあいが大切なのは、たとえ中学受験をしなくても、あるいはタワマン居住でなくても同じだという。なぜならば、幼児期から小学生時代に得た身体感覚と生活知識が、それ以降の学習と人生の基礎となるからだ。
では、わが子を“小さな王子さま”や“人の痛みのわからない子”“常識的なこともわからない子”にすることなく、成績が伸びる子に育てるにはどうすればいいのか?
「お母さんの役割が重要です。学力が伸びるときの子どもは、一様に快活で楽しげです。
その楽しさは何から来ているかというと、自分が努力しているとお母さんが笑顔で喜んでくれるから。お母さんが喜んでいる顔がうれしい。もっと喜ばせてうれしくなりたい。そうした“感動と快感”で学力が伸びるのです。これが持てた子どもは、王子さまにならないし、人の痛みもわかる。お母さんは決して“ミニお父さん”になってはいけないのです」(西村さん)
住環境の改善についても、手の施しようは十分あるという。
「タワマン高層階居住では日照も問題です。特に西向きの部屋はよくない。朝日が入りにくいことから体内時計が狂って、朝、起きられなくなるからです。こうしたご家庭は、調光器のついた照明、特に色温度が調節できて、昼光色とか電球色など、自然の日差しの移ろいをなぞれるものにしてください」(西村さん)
だが、こうしたこと以上に大切なことがある。
「それは安全な公園を探し、お子さんを自由に遊ばせることです。遊びの指導は決してせずに、そこで日を浴び、風を感じて、ときには転んで足をすりむいたり、汚いものを触ってみたり。それがいちばん大切なのです」(西村さん)
タワマン高層階に住む懸念点を挙げてきたが、わが子の成績を向上させたいのは誰しも同じ。では、成績のよい子に育てる方法って、あるのだろうか?
「まずは“成績がいい子”を目的にしないこと。成績がよくなればそこで終わってしまうからです。ですから、“成績がよくなる子”“必要なときに必要な成績をとることができる子”にすることを目標にしてください」(西村さん)
学力とは「ピラミッドのようなものだ」と西村さん。底辺には身体能力ともいうべき『見る・聞く・感じる』があり、そのうえに読み書き計算などの基礎能力、そしてそのうえにこれらを利用して問題を解く応用力があるという。
「応用力も身体感覚の土台の上にあるものですから、幼児期はまずこれを養成することが大切です。幼児期から学習教室に入れるより、野原で遊ばせるほうがずっといい。
そして、お子さんをいろいろなところに連れていって、一緒に感動をしてください。例えば、動物園で白クマが水に飛び込んだとします。“水しぶきがすごいね!”と言えば子どもは水しぶきという言葉を自然に覚えます。要は“勉強させる”ではなく、一緒に感動すること。感動や豊かな経験は身体感覚そのもの。成績がよくなる子をつくる、もっとも大切な基礎です」(西村さん)
子育てにぜひ活用したい。
2019.3.29 転載
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2019年03月28日
川崎市内の認可外“幼稚園“が破産と閉園を通告 A.L.C.貝塚学院。「この先どうすれば…」保護者に動揺広がる
川崎市川崎区にある認可外”幼稚園”「A.L.C.貝塚学院」が3月26日、倒産と閉園を保護者に突然通告し、動揺が広がっている。ハフポストの取材に対し、ある保護者は「娘の居場所がなくなること、私の仕事が続けられないかもしれないこと、本当に困っています」と窮状を訴えている。
川崎市や保護者によると、園から突然の通告があったのは3月26日夜。前日に卒園式を終えたばかりで、既に来年度の授業料も振り込まれた後だった。また、職員にも同日まで知らされていなかったという。
「A.L.C.貝塚学院」は、学校教育法に定められた「幼稚園」の定義に当てはまらないため、行政では「幼稚園類似施設」あるいは「幼児園」の名前で位置づけられている。
園から保護者に送られたメールでは「認可幼稚園無償化の影響を受けた」ことも、事業が継続できなくなった原因と記されている。
また、関係者に送られた別の通知によると、「少子高齢化による入園児数の減少で運営は厳しい状況になっていた」ところに、無償化が追い打ちをかけたと説明されている。また、今後倒産の手続きをするとしている。
運営しているのは有限会社アメリカン・ラングエイジ・センター。同園は1976年創業という老舗の施設だ。英語や幼児教育に力を入れている大規模な園で、この保護者によると、現在300人近くが通っている。
延長保育で子どもを午後6時まで預かっていることから、待機児童問題によって保育園に入れず、やむなく通わせている親も多いという。
突然の閉園について、同市こどもみらい局子育て推進部の担当者は「保護者の問い合わせで事実は把握しているが学校教育法上の『幼稚園』ではないため、園についての情報はまだ得られていない」という。
ハフポストの取材に応じた保護者は、現在4歳の娘を園に通わせており、突然の閉園通告を受けて戸惑っている。来年度の授業料も支払い済みで「このタイミングでの通知はおかしいのではないか」とも。
現在の仕事を続けるために、27日朝から近隣の幼稚園にも問い合わせをしているが、どこも空きがなく、現在まで行き場は見つかっていないという。
ハフポスト日本版/泉谷由梨子
2019.3.28 転載
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2019年02月20日
「英語は小さい頃に始めた方がいい」という誤解
「5歳で1年間学べば英語がペラペラに!」「たった2カ月で英語がペラペラになれる」「小学校英語の準備は十分ですか」「お子さんをバイリンガルに育てる方法」――。
子どもの英語学習に関しては、いろいろな宣伝を目にします。「2カ月でペラペラに」とうたっている英語とは、いったいどのような英語なのだろうかと不思議に思います。これまで私は、「英語を習わせたいけど、何歳から始めさせたらいいのか?」という質問を、多くの親から受けてきました。今回はその質問に答えながら、どのような英語の学びが子どもにとっていいのか考えていきたいと思います。
■英語を始めるのは早いほうがいい?
「英語を身につけるには早ければ早いほどいい」ということをよく聞きます。早期英語教育を推奨する人たちの常套句です。はたして本当にそうなのでしょうか。
この論理の根拠となっているのは、例えば海外移住によって現地の幼稚園や学校に通い始めた子どもは、大人よりも早く、あっという間に英語を話せるようになる。さらにとてもいい発音を身につけることができる、といった事実でしょう。
英語を学ぶ環境には「第二言語環境」と「外国語環境」の2種類があります。
●第二言語環境……生後のある時点からふれることによって自然に身につく環境のこと(例)海外に移住した場合
●外国語環境……母語とは異なる外国語として英語を学ぶ環境のこと(例)日本で英語を学ぶ場合
海外移住をした場合、幼稚園や学校に通うなど子どもの生活環境に英語があれば、圧倒的な量の英語を毎日耳にしインプットすることになり、さらには自己表現としてアウトプットせざるをえない状況となります。アメリカの幼稚園に入園した子が、ひと言目に発した英語が、「It’s not fair! (それは不公平だよ! )」だったという話を聞いたことがあります。
こうした環境で生活する場合、発音に関しては早期に始めたほうが有利のようです。しかし、習熟度には移住した年齢が大きく影響し、幼児よりも年長者(例えば小学校高学年や中学生)のほうが速く習得できるという調査結果があります。それは年長者のほうが母語をベースに育んだ認知能力を駆使して、文法や語彙を理解できるからです。
一方、「外国語環境」で学ぶ場合、小学生と中学生を比べてみても、小学生が有利という調査結果は聞いたことはありません。ヨーロッパでの調査によると、8歳の小学生グループと11歳、14歳、18歳から始めたグループとで長期にわたって比較調査した結果、第二言語環境と同じように、年長者のほうが速いという結果が出ます。
言葉の数についても、先に学び始めた小学生にすぐに追いついてしまうそうです。第二言語環境と異なり、小学生が有利でないのは、外国語環境では圧倒的にインプットの量が少ないからだといえます。
日本で子どもが英語を学ぶ場合、外国語環境になりますから、早ければ早いほどいいという論理は正しくないと考えていいでしょう。ほかに早くに始めたほうがいいといわれている例も考えてみましょう。
■英語学習の「臨界期」はあるのか
「臨界期があるから英語は早くから習ったほうがいい」ということもよく聞きます。「臨界期」とは、生後のある一定の期間に身につけたほうが効果的で、それ以降だと身につかない、といった考えです。この考えはあくまでも仮説で、言語習得には個人差がありますから、近頃では「言語獲得の敏感期」と呼ぶ研究者も増えています。
海外で活躍する野球選手やサッカー選手、日本に来日する相撲の力士などの例をみてみると、外国語は年齢に関係なく成人になってからでも身につけられることがわかります。どのような環境で、どのような目的や動機をもって身につけるのかによって、外国語の習熟度は変わってくるといえるでしょう。
「小学校英語が始まるから早くから準備しなくては」と、入学前から心配されている親もいらっしゃいます。大人も経験したことのない英語科は、どのような教科なのかほぼ知られていないのが現状です。
先日、都内の公立小学校で5、6年生の英語授業を見学しました。その小学校では英語専科の男性教諭がとても熱心で、さまざまな手法を取り入れて授業は進んでいき、子どもたちの発語は活発で、45分間の授業はあっというまでした。先生の熱意は子どもたちに確実に伝わり、「(英語の授業は)楽しい~!」と子どもたちは笑顔で答えていました。
2020年からの小学校英語は、実際の教科書や指導方法、評価(成績のつけ方)など、未確定なことが多い段階です。文部科学省が掲げるように「基礎」を養い、少なくとも子どもたちが「英語でコミュニケーションすることは楽しい」「英語を学ぶ意味がある」と思ってくれる教科であってほしいと思います。早くから対策しようとあせって学ばせてしまったら、小学生で英語嫌いをつくってしまうことにもなりかねません。
「バイリンガル教育をするなら早いうちから」などとよく言われ、「バイリンガル」がどういったものかもわからず、英語の幼稚園・保育園やインターナショナルスクールなどを選ぶ親も見受けられます。
■母語を使いこなせないという問題も
ある家庭は親たちが、英語ができないからと娘を小学校から東京にあるインターナショナルスクールに入学させました。そしてアメリカの大学に進学して帰国し、日本の企業に就職しましたが、通訳としての仕事しかさせてもらえず、自分のやりたい仕事はさせてもらえないと退職してしまいました。
また総合商社勤務の人から聞いた話ですが、海外事業を展開する部署では「帰国子女の新入社員が配置される」と聞くと、心配で身構えるそうです。なぜなら、英語は話せるものの、バイリンガルとして海外で育ったので母語がきちんと使えない人が少なくないからだそうです。
もちろん立派に英語と日本語を駆使して、企業で活躍している人や、海外で働いている人が多くいるのも事実ですし、バイリンガル人材の活用に積極的な企業もあります。ですが中途半端に英語と母語の日本語を身につけるように育つと、本人も苦労することになります。英語ができれば社会で通用するのではなく、英語を自分の武器として仕事をすることが重要です。
ここまででわかるのは、「英語は早くから学んだほうがいい」というのは、発音やリスニングについてはある程度はいえても、それ以外の根拠はないということです。
実は外国語環境で子どもが英語を学ぶ場合、スタートする年齢よりも重要な3つのポイントがあります。それは「量(どれだけ)」「質(どのように)」「主体性(主体的に学ぶ)」です。
「量(どれだけ)」
幼い子どもの場合、多くの英語を耳からインプットするのは効果的だということです。生活のすべてを英語環境にする必要はありませんが、できるだけ多くの英語を耳にする工夫はできます。英語の音楽や映画、絵本の読み聞かせなどを生活に取り入れるのは、比較的無理なくできるのではないでしょうか。
子どもが多くの英語を耳にする際に、大人が付き添って一緒に音楽や映画を楽しみ、その後それらを話題にすると効果的で、親子の対話もすすむことでしょう。親子で話題にするときはもちろん日本語で話します。
「楽しかった」「面白かった」という印象が残れば、さらにそれらを耳にしようとすることでしょう。特に絵本はとっておきの英語学習ツールになります。絵本は子どもの心を豊かにすることができ、さらには楽しみながら自然に英語を耳にすることができます。
東洋経済オンライン から転載
2019.2.20
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