2020年06月25日

小学校受験ってどんなもの?近年の受験動向


「お受験」などと呼ばれ、以前は経済的に余裕のある特別な家庭がするものというイメージがあった小学校受験ですが、近年は受験者が増える傾向にあります。
そもそも小学校受験とはどのようなものなのでしょうか。
近年の小学校受験事情に詳しい、1979年発足の幼児教室「富士チャイルドアカデミー」校長の前宏美氏に伺いました。 


どこが違う? 私立小学校・国立小学校の教育

とある私立小学校の校長先生が「公立小学校の教育をデパートだとすれば、私立小学校の教育は専門店」とおっしゃっていたのが印象に残っています。

建学の精神に基づき、教育理念を明確に打ち出しているので、それに賛同して「同じ方向を見て子どもの教育ができるご家庭に来ていただきたい」という言葉もよく聞きます。公立に比べて、各校のカラーがはっきりしているんですね。

一方、国立小学校(国立大学附属小学校)は、教育理論と実践に関する研究校としての位置付けが強く、研究された先進的な授業が受けられるという特徴があります。国立付属各校の校風は私立ほど明確ではありません。



私立小学校と国立小学校に通う小学生を合わせると全国の小学生の2%未満(平成30年度現在)ですが、小学校受験をされるご家庭は、近年増加傾向にあります。その背景には「小学校6年間の間に、より豊かな学習環境を与えたい」と望む保護者のかたが増えていること、大学入試改革や私立大学の定員厳格化に伴う大学付属校人気、それと、大変せちがらいお話ですが、経済状況が若干上向いていることに関係があると思います。



サラリーマン家庭の小学校受験が増加

私立小学校の場合、卒業生のほとんどが系列の附属中高に進学、または全員が中学受験をしますから、最低でも6年間、長ければ16年間の学費を払うだけの経済的余裕のあるご家庭でないと、進学は難しくなります。ただし、私立小学校の中でも、初年度納付金が約60万円~186万円と、教育費にはかなり幅があります。

国立小学校の場合、授業料がかからないので私立よりはずっと安い教育費ですみますが、制服代や通学の交通費のほか、保護者の会の会費や後援会の費用等を求められる場合もあり、公立よりはかかります。



以前は一部の経済的に豊かなご家庭のかたが私立小学校を受験するケースが多かったのですが、近年はサラリーマン層で共働きのご家庭の受験も増えています。受験家庭の増加に伴い、そのニーズも多様化していますが、その代表的なものとして「大学附属校に行かせたい」「中学受験をさせたい」「英語教育の充実」「アフタースクールの充実」などがあります。 



中学受験との関係は?

前述のニーズのうち、大学附属校を希望されるかたが数としてはいちばん多いと思います。ただし、慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部といった有名私立大学附属の私立小学校は難易度が高く、学費も高額であることがほとんどです。そういった現実を反映して、中学受験での実績を上げている小学校にも人気があります。

首都圏でいえば、たとえば洗足学園、東京都市大学付属、宝仙学園などが挙げられます。また、男の子の場合、目黒星美学園、聖ドミニコ学園など、女子中高一貫校の付属小学校に入れて中学受験をさせるというご家庭も増えています。



中学受験のための小学校受験なんて……と思われるかもしれませんが、「中学受験をするのが当たり前」の環境だから私立小学校を選ぶ、というかたも多いのではないかと思います。生徒のほぼ全員が私立か国立の中高一貫校を志望しているため、お子さまが「なぜわたしだけ塾に行かなくちゃならないの?」と不満に思うことも少ないし、保護者のかたは周囲の目を気にしなくてすむわけです。

中学受験に対する考え方は学校によって異なりますが、進路サポートがしっかりしているところは多いですね。小学校のカリキュラムは5年生までに終えてしまい、6年生では問題演習の時間を取っているところもありますし、授業ではあくまでも基礎基本を重視し、志望校の受験対策は各自塾などで行ってくださいというスタンスの学校もあります。




英語などの独自教育やアフタースクールへの期待も

英語教育に力を入れている私立小学校は多いですが、理科や算数など英語以外の授業も英語のみで行うなど、徹底したバイリンガル教育を取り入れている学校、世界の環境問題や食糧問題といったテーマを取り上げ、グローバル教育を英語で行う学校など、そのカリキュラムはさまざまです。

また、共働きのご家庭のニーズを反映し、学校内に学習スペースがあり、宿題などを見てくれるスタッフが常駐していたり、スポーツや芸術、英会話などのアフタースクールを充実させている学校も人気がありますね。




前宏美


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2020.06.25  転載


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jyukennews02 at 14:26|Permalink 小学校受験 

私立・国立小学校の試験とは?どんな準備が必要?【小学校受験】


試験では「文字や数字を書かせない」のが原則

小学校受験では、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察、面接などが行われます。
ペーパーテストでは、言葉に関するものや身の回りの知識を問うもの、数や図形に関するものなど、学校によってさまざまな問題が出題されますが、子どもたちに「文字や数字を書かせない」のが原則です。

お話を耳で聞いて、その内容に合っている絵を選んだり、まるを描いて数を答えたり。指示をしっかり理解したうえで、その答えを紙の上に鉛筆や色鉛筆で表現したり、口頭で答えたり……という形式が多いですね。



制作や運動でもまず「聞く」ことが大切

実は制作課題や運動も、まず課題について「耳で聞く」、そして「目で見る」ところから始まります。制作はお絵描きや工作などですが、先生の指示をちゃんと聞き取れているか、はさみなどの道具がきちんと使えるか、ていねいに作業しているか……といったことが評価されます。

運動は模倣体操やお手本を見て連続運動、そしてゲームなどですが、身体能力が優れているかどうかというより、指示が聞き取れているか、各種行事や宿泊行事を伴う小学校生活を円滑に過せるだけの体力が備わっているかを見られています。ふだんから体を使って遊んでいるか、健康的な生活を送っているかどうかといったことが大切です。



多くの学校が取り入れている「行動観察」とは?

ゲームや共同作業を通じて、個性や協調性を見る「行動観察」は、多くの学校で取り入れられています。
近年の傾向としては、チームワークやコミュニケーション力を問う課題が増えていると感じます。

たとえば2018年、首都圏のある小学校では、4人のチームでこんがらがったロープを制限時間内にほどくという課題が出されたのですが、どうすればうまくいくか、チーム内で相談する時間が設けられていたことが印象的でした。チーム内で意見を出し合い、決めたことをきちんと守れるかが問われているのです。

小学校に入ってから、お友達とうまくコミュニケーションが取れないと、揉め事になってしまいますね。「相談させる」課題がよく出されるということは、学校現場でそういった現実が増えているのかもしれないと感じます。

相手を思いやり、自分で考えながら行動できるか……。ご家庭での日常生活そのものが問われるのが「行動観察」です。行動観察を通じて、親子関係や家庭環境も見られているといえますね。




多くの私立小学校で行われる「両親面接」

ほとんどの私立小学校は「両親面接」を行っています。私立小学校は、それぞれ教育理念やカラーがはっきりしています。ですから、各校の面接官は、建学の精神や教育理念に賛同し、信頼してお子さまを預けてくれるご家庭かどうかを見極めたいのです。保護者のかたがお子さまと日々どのようにかかわり、お子さまをどのように育ててきたかということも重視されます。




国立小学校は「抽選」を行うところがほとんど

国立小学校の入試(入学検定)でも、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察などが行われます。私立との大きな違いは、ほとんどの場合、検定の前または後に抽選があることです。筑波大学附属、学芸大学附属竹早などは抽選が2回あります。

国立は抽選もあるので、私立を併願されるご家庭が多いですが、家計の状況から国立のみ受験というかたもかなりいらっしゃいます。その場合も、抽選に外れた時はその時と割り切って、幼児教室に通ったり模試を受けたりと、しっかり対策をされるご家庭が多いようです。




小学校受験の準備にはどのくらい必要?

前述のとおり、難しい文字や計算を覚えるといったことは必要ありませんが、先生のお話を聞き取って問題に答える、お絵描きや工作、運動などの課題に取り組むといった訓練は必要となります。1年間で準備されるご家庭が多いですね。熱心なご家庭は1年半~2年間、年少~年中さんから幼児教室に通われます。

幼児教室のカリキュラムはさまざまですが、弊社では週に1回90分、4人一組の少人数制で、ペーパー対策やお絵描き・工作、運動系のゲームなどいろいろなことをやっています。週に90分間だけなのは、教室でやったゲームや遊びを、ご家庭で発展させていただきたいからです。

たとえば教室で「しりとり」「反対ことば」などの言葉遊びをやったら、それをたっぷりご家族で楽しんでいただきたいですし、工作やお絵描きも、ぜひ工夫してお父さま、お母さまといろいろな作品をつくっていただきたいのです。
小学校受験には、教室での勉強以上に、ご家族で過ごすふだんの生活がいちばん大切だと考えています。




前宏美


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jyukennews02 at 14:22|Permalink 小学校受験 

小学校受験のために必要な力とは?


近年、増加傾向にある小学校受験。小学校受験を考えた場合、どんな力が必要となるのでしょうか。近年の小学校受験事情に詳しい、1979年発足の幼児教室「富士チャイルドアカデミー」校長の前宏美氏に伺いました。


「聞く」「話す」力の重要性


小学校受験では、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察、面接などが行われますが、いずれの課題でも必要となるのが、相手の話を「聞く」力です。

ペーパーテストでは、文字や数字を書くことは求められませんが、先生のお話を耳で聞いて自分で理解し、その答えを線や印で表現するものが多いのです。お絵描きや工作、運動でも、まず指示を聞き取り、それを理解したうえで、作品や自分の体で自分なりに表現することが求められます。「聞く」「話す」といった基本的な言語能力は非常に大切です。

図形や数の問題を直感的に解く力や、画像を記憶する力は素晴らしいのに、言葉を使うのが苦手というお子さまは、特に男の子に多いですね。これは個性ではありますが、受験では総合力が問われますので、言語の力をある程度までは伸ばす必要があると思います。


子どもたちが「言葉」を使う機会が減っている?

ところが、近年子どもたちと接していて「昔より言語能力が落ちているのでは」と感じることが増えてきました。おそらく、携帯メールなどの普及により、家庭の中でさまざまな言葉を聞く機会が減っているためではないかと思います。

保護者のかたが、お友達やご近所のかたとおしゃべりしたり、電話で話したりするのをよく聞いていれば、子どもの語彙(ごい)は自然に増えます。どんな言葉を使えば相手に伝わるか、感覚でつかめるようになるんですね。でも、言葉を耳で聞かなければ語彙は増えません。

先日、年長さんの子どもたちに「お食事の時のごあいさつは?」と質問したら、そもそも「食事」という言葉の意味を知らない子がいてびっくりしました。「家族旅行に行ったことがありますか」と尋ねたら「旅行」の意味がわからない。これは、大人がコミュニケーションをメールなどで済ませていて、家で言葉を使っていないことに原因があると思います。

また、お友達のおもちゃを奪い取ってから「貸して」というなど、言葉の基本的な使い方がわかっていないお子さまも増えています。

お子さまの顔を見てしっかりお話ししてください、ご家族の中で会話を増やしてくださいと折に触れてお話ししているのですが、そうすると子どもたちはすぐに変わってきます。語彙が増え、表現力も思考力も上がってくるんですね。ご家族の「会話」は、本当に大切です。



無理はさせず、「一歩ずつ」前へ

子どもたちの思考力や表現力は、遊びに夢中になり、集中している時に伸びていきます。まだハイハイしている子に「跳べ!」というのは「無理」であり、無理を強いることはやってはいけないことです。しかし、歩くのを楽しみ始めた子に「あと一歩」がんばってみよう、次の曲がり角まで歩くと良い景色が見えるよ、と声をかけるのはとてもよいこと。「あと一歩先に進めた」「できなかったことができた」という実感は、子どもの自信につながり、遊びをさらに発展させていくのです。幼児教育では特に、どこがその「あと一歩」なのか、見極めることが非常に大事です。


「わが子をどう育てたいか」保護者の判断が問われる場

一昔前は、小学校受験といえばお母さまのほうが熱心なケースがほとんどだったのですが、近年はお父さまが積極的に関わり、むしろ主導されるご家庭が増えています。「合格実績」や「対費用効果」といった数値で語ることに慣れていらっしゃる方が多いので、説明会などには目安となる数値はある程度用意していきます。しかし、教育は数値だけでは決して語れません。

小学校受験を決断すること、志望校を決定することは、お子さまの年齢が低い分、保護者の判断が重い意味をもつといえます。ある意味、お子さまの「生き方を選ぶ」ような行為となるからです。

小学校受験のよさは、この時期に子どもの育て方、わが家の教育方針についてご家族で真剣に考える機会が得られるところにあります。「小学校受験をしなければ、きっとこんなに子どもの将来について真剣に考えることはなかった。やってよかったと思います。」と多くの保護者のかたが言ってくださいます。

お子さまの可能性を伸ばすひとつの選択肢として、小学校受験を考えてみていただければと思います。

前 宏美


ベネッセ教育情報サイト から転載
2020.6.25


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jyukennews02 at 14:17|Permalink 小学校受験 

2020年06月12日

9月入学で危うく「保育が完全崩壊」するところだったという衝撃


「9月入学」見送られたが…

 新型コロナウイルスの影響で急浮上した学校の「9月入学」――。  

「首相が人気をとりたくて思いついただけだろう。教育はそんなに簡単な話ではない。ただでさえ忙しいのに、余計な混乱を招かないでほしい」



政府が早期に学校の「9月入学」を導入しようとしたことに対し、現役教員たちが憤る。

 都内の小学校の教員(40代)は「私たち現場の教員がずっと望んできたのは、1クラスの児童や生徒の人数を減らすこと。コロナの影響にしても、丁寧にみてあげる教員の体制があれば私たちは遅れた分をもっと取り戻せる。問題を先送りするだけのような9月入学が解決策にはならない」と反発する。

 安倍晋三首相が3月に突然の学校休校を要請したことで休校期間が長くなり、授業の遅れの不安の声が聞こえてくると、安倍首相はまたも突然に「9月入学」に意欲を見せた。しかし、それはあまりに影響が大きい。今はコロナ対策に集中すべきと批判を受けた。

 「9月入学」を検討する自民党のワーキングチームは「2020年度、2021年度のような直近の導入は困難」と提言書をまとめ、安倍首相は断念した。

 しかし、完全に廃案となったわけではない。もし9月入学が導入されれば学校現場は大混乱するが、保育現場にも大きく影響する。


「9月入学」「ゼロ年生」の社会的影響

 英オックスフォード大学の苅谷剛彦教授らがまとめた「9月入学導入に対する教育・保育における社会的影響に関する報告書」(2020年5月19日発表)は、教員が2.8万人不足すると試算するとともに、保育所の待機児童は16倍、学童保育の待機児童は10倍になると発表した。

 試算が公表された直後、文部科学省は「ゼロ年生」案までもを示したため、苅谷氏の同研究チームがゼロ年生案の影響についても試算し試算し、5月25日に改訂版(暫定)を出した。

 すると、現在の年長の子どもが2021年4~8月に「ゼロ年生」になって9月から1年生になると、保育園の待機児童は2020年度にゼロになる一方で、学童保育の2021年の待機児童が41万1000人となって今の23倍近くになるという。教員は6万6000人不足し、現実的ではない。

 また、9月入学を「段階的に実施」すると保育園の待機児童は2021~23年で合計47万5000人も生まれ、「一斉に実施」すると21年だけ26万5000人の待機児童が生まれるという。

 いずれにせよ、現時点でさえ待機児童ゼロは達成されてはいない。保育士不足からギリギリの状態で運営する保育園は少なくない。これ以上、待機児童解消のためだけの保育園の整備が進めば、保育は完全に崩壊するだろう。

 現場で質を高めようと懸命に保育にあたる保育士が大勢いることを大前提としても、急ピッチに保育園が増えたことで、東京都内では保育士の有効求人倍率がピーク時に6倍にもなるほどの空前の人材不足という状態。

 保育園は保育士の配置基準を守る必要があるため、保育園によっては、採用する時には「配置基準を満たすためなら、資格さえあれば誰でもいい」という状態。

 保育士確保がままならず、新卒で右も左も分からなくても担任をもたされ、人材育成は追いついていない。質が急激に劣化するのは不思議ではない。



認可保育園の事故「3年で倍以上」


 それを示唆するのが、事故統計だ。

 内閣府の「教育・保育施設等における事故報告集計」から、認可保育園で起こった負傷等の事故を2015年の342件から2018年は892件に増え、わずか3年で倍以上になっている。

 2018年の負傷等892件の内訳で最も多いのが「骨折」の711件。次いで多い「その他」は172件あり、指の切断、唇や歯の裂傷が含まれる。「意識不明」の7件も見逃せない。「死亡」は2件あった。

 認可保育園の事故件数(2018年)を年齢別に見ると、1歳は32件、2歳で86件と増えるが、3歳から増え幅が大きくなって135件、4歳は194件、5歳が310件になる。

 子どもの成長につれ活動範囲が大きくなること、保育士配置基準が3歳児からぐんと下がって園児20人に保育士1人となる(2歳児は6対1)ことに加え、経験の浅い保育士が増えて、子どもをみきれていない状況が重なった結果だろう。


保育士による虐待・逮捕が目立つ

 問題なのは体の傷だけではない。筆者がこれまで『ルポ保育崩壊』や『ルポ保育格差』などを通して問題視してきた、保育士による心理的虐待だ。正確な統計はないが、保育士による虐待や保育士逮捕の報道はここ最近、目立って増えている印象だ。 

 虐待報道としては、東京都足立区の認可保育園で50代の園長と主任保育士が複数の園児に対し、トイレに閉じ込める、不適切な言葉をかけるなど「虐待」が疑われる不適切な保育を繰り返した。首都圏を中心に病院内保育施設の運営や保育士の人材派遣を行う株式会社「明日香」(横浜市)が運営する施設だという(2019年11月12日、東京新聞)。

 虐待かは分からないが2019年6月に起こった事件では、京都市内の保育園で保育士の女性が、3歳の男の子のほおについた油性サインペンのあとをメラミンスポンジでこすってやけどを負わせたとして、2020年5月22日までに書類送検された(2020年5月22日、NHK NEWS WEB)。

 また、わいせつ行為も度々、報じられている。たとえば、勤務先の保育園で女児の下半身をなめたなどとして、警視庁赤羽署は2017年10月25日、東京都北区の保育士の男(22歳)を逮捕した(2017年10月25日、朝日新聞)。その男性保育士の勤務先は公設民営の認可保育園だった。

 最大の悲劇は死亡事故だ。2017年にさいたま市の認可保育所「めだか保育園」でプール遊びをしていた女児(当時、4歳)が溺れて死亡した事故。業務上過失致死罪に問われた元園長と保育士として勤めていた派遣社員の被告の判決公判が2020年2月14日、さいたま地裁で開かれ、それぞれの求刑は禁錮1年だった(2020年2月15日、埼玉新聞)。

 長野県で2018年2月、町立保育園の男児(当時4歳)が園外保育中に墓石の下敷きになって死亡した事故で県警が2020年2月19日、安全管理を怠ったとして当時の園長(45歳)と引率した保育士4人を業務上過失致死の疑いで書類送検した(2020年2月20日、朝日新聞)。 

 目だったニュースで認可保育園だけを見ても、これだけの報道があるということは、その背後には、気づかれていない、報告されていないだけで、”事件”や事故は相当あるだろう。



「いつ辞めようかと悩んでいる」


 安倍政権下、待機児童解消が加速化されて2013年度から17年度末までの5年間だけでも53万5000人分の保育の受け皿整備が行われた。

 続く18年度も約11万2000人分を整備している。預け先が増えたことで、就業継続を諦めずに済んだ親は確かに増えたが、その代償となったのは無理な体制作りによる質の劣化だった。

 前述した苅谷チームの試算では、9月入学を「段階的に実施」すると保育所の待機児童は2012~23年の3年間で合計47万5000人も生まれることから、これまで以上に超がつくほどの急ピッチで保育園を作ったとしても追い付かない。そして、肝心の保育士は不足している。

 人手不足で疲弊してきた現場の保育士からは「これからもっと待機児童が増えるなんて考えられない。9月入学で私たちの負担まで増すのなら、もう保育士を辞めるだろう」というため息が聞こえる。

 余裕ない現場では理想の保育を実践できなくなり、時に、虐待まがいの保育を強いられる。その状況が、保育士を追い詰める。

 都内の私立の認可保育園で働く保育士(20代)は、「出産を経験して、より一層、保護者から大切な子どもを預かっているのだと実感した。けれど、職場は人手不足で経験の浅い保育士ばかり。子どもを怒鳴っていうことを聞かせるなんて日常茶飯事。自分の子を預けたいとは思えない。やりがいを感じることはできず、賃金も高くはない。いつ辞めようかと悩んでいる」と話す。

 年に何か所も新しい保育園を開設し続けている事業者で働く園長は「経営者は箱だけ作って人材育成は現場に丸投げ。新卒でなんとか人材確保できても、数年でリーダーや主任になる。その状況で保育の質を維持するのは至難の業。そればかりか、子どもの玩具はもちろん、トイレットペーパーでさえも満足に買ってもらえず自腹を切っている」と、ブラック経営の配下で苦しむ。

 9月入学で生じる待機児童を解消しようとするのは困難を極めるだろう。もし無理に受け皿整備を行えば、規制緩和まで進んでしまい、ただでさえ低い保育士の配置基準がもっと低くなる可能性がある。となれば、今よりはるかに保育の質が劣化するのが目に見える。

 東京都は配置基準の保育士比率が6割を満たせばいい「認証保育園」を作った。国も官邸に近い内閣府が所管する「企業主導型保育園」を作ったが、規制緩和が行われた結果、素人参入が相次ぎ監査で約7割に違反が見つかる状態だ。業界関係者は「行政は、死亡事故だけは起こすまいとやきもきしている」と明かす。

 このような状況で、待機児童が増える「9月入学」を容認できるはずがない。大人の都合で犠牲を被るのは、子どもたちだ。

小林 美希(ジャーナリスト)

現代ビジネス 2020.6.12 転載


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2020年06月11日

「9月入学」が学業の遅れに対する正しい処方ではなかった理由


 新型コロナウイルス問題での緊急事態宣言が解除され学校活動が徐々に再開されたが、議論になっていた「9月入学」への移行も見送られた。

 筆者はもともと休校の長期化による学業の遅れを取り戻す解決策として、9月入学は正しい処方箋とは考えていなかった。いまだ感染者が増えている現状での見送りは妥当な判断だ。

● 見送られた「9月入学」 党の提言受け首相が表明

 新型コロナの感染の本格化が懸念された2月下旬に安倍首相が全国一斉休校を打ち出し、多くの地域では、その後の緊急事態宣言もあって学校教育が最近まで約3カ月間、中断した。

 年度末、年度初めはさまざまな行事があるため、授業の実質的な遅れは1カ月弱ともいわれるが、遅れを取り戻す方策として、ウルトラCのごとく現れたのが、9月入学案だった。

 一時は明治以来の大改革という声もあったが、世論調査などで、子どもを持つ親などを中心に反対が多いことが明らかになり、5月25日の緊急事態宣言解除の際の会見で、安倍首相は「拙速は避けなければならない」とトーンダウン。

 その後、自民党のワーキングチームは「直近の導入は困難」との提言をまとめ、6月2日には安倍首相も今年度や来年度の導入はないとの意向を示している。

 教育は一国の人的資本を左右する非常に重要な問題だ。対応を誤れば国民一人一人の生涯所得や国全体の潜在成長率の低下にもつながりかねない。その意味では、この時期の学業の遅れをどう取り戻すかは重要な問題だ。


● 入学時期を遅らせることは逆効果 賃金や生涯所得にも影響

 欧米では、天候や教員のストライキなどで想定外に生じた長い休みが、子どもの学力にどう影響するかが分析されている。それによると、想定外の長い休みが、子どもの学力を低下させ、特に低学年に大きなダメージを与えていることがわかっている。

 低学年にダメージが大きいというのは、人間にとって早い時期から教育を受けることがその後の人生に重要だ、ということを意味している。また、積み重ねが大事な算数など理科系科目に大きな悪影響が及ぶことを示している。

 このほか、夏休みなど長い休みの期間中に、学力格差が拡大するという研究結果もある。親が面倒を見ることが可能なゆとりのある家庭と、そうでない家庭の間で子どもの学習成果に大きな格差が生まれるということも示されている。

 これらの研究から推論されるのは、2月末~5月末の約3カ月の休校で、学業期にある日本全体の人的資本の蓄積が大きく遅れたということだ。

 また、今回のパンデミック危機では、例えば、大手企業に勤めるホワイトカラーはリモートワークとなる傾向が強いが、そうした親を持つ家庭では、子どもの教育により時間が割かれ、そうでない家庭の子どもとの学力格差がより広がった可能性がある。

 それ故、この間の子どもたちの学業の遅れを取り返すことが最優先事項になるが、それに適した手段が、9月入学で年次の終わりを翌年の夏に後ずれさせることなのか、疑問だと言わざるを得ない。

 学年終了を翌年夏まで延長し、授業の遅れを取り返すのなら、人的資本の蓄積は変わらない、と考える人もいるだろう。ただ、前述した欧米の研究が指摘するように早期の教育開始がより効果的だとすると、教育開始時期を遅らせることは悪影響が大きい。

 ノルウェーの研究によれば、入学時期を遅らせ就学年齢が高くなると、認知能力や学歴には影響はないものの、幼少期に培われる非認知能力の形成が遅滞するため、30歳頃までの賃金が低くなり、逸失生涯所得の影響が長期にわたって持続する。つまり授業の遅れの影響は取り返せないのである。



● 政府のたたき台「3案」 教育現場や生徒に負担

 文部科学省は初等・中等教育の9月入学に関する議論のたたき台として「一斉実施案」「段階的実施案」「ゼロ年生案」の3つを示していた。

 だが、「一斉実施案」は、2021年9月に入学するのが2014年4月2日~2015年9月1日生まれの17カ月の児童となるため、1学年だけ児童数が1.4倍に急増する。教師数などリソースが限られるため、大きな負担が教育の現場にかかる。

 これについては、オックスフォード大学の苅谷剛彦教授らが教師の大幅な不足や学童保育の待機児童の急増などが起きるとする試算を公表している。

 教育の現場もさることながら、通常の1.4倍も同級生がいる2021年9月入学の児童は、今後の人生において受験も就職も出生競争も結婚も、あらゆる場面で激しい競争を強いられることになる。

 「段階的実施案」は、1学年を13カ月とし、21年は5月入学、22年は6月入学、23年は7月入学、24年は8月入学、25年は9月入学と5年間かけて9月入学に移行するものだ。

 これだと、負担が5年間に分散され、教師の不足等の問題は最も小さいようにみえる。児童の負担も5年間に分散できる。

 ただ、5年の間、前年度と同じ行事が毎年異なるタイミングでやってくるというのは、別の形で、教育の現場に大きな負荷を強いる可能性がある。1年ごとに同じタイミングでさまざまなイベントを繰り返すというのが、人間社会の自然なありようではないか。

 また、成長の過程で毎年同じことを同じタイミングで繰り返すことも、児童の人的資本の蓄積に良い影響を与えると思われる。

 「ゼロ年生案」は、新たに追加されたものだが、「一斉実施案」と同様に教師数などのリソース不足の問題を引き起こす。

 17カ月間が1学年という問題を避けるため、従来と同じように、4月2日~翌年4月1日生まれの12カ月間の児童を1学年とした上で、現在の幼稚園・保育園の年長組は来年4月~8月にゼロ年制とする。1学年に1.4倍の児童が集中するという問題は避けられるが、小学校が7学年となるため、教師不足や学童保育の待機児童が急増する問題は変わらない。

 「段階的実施案」がまだコストが少ないようにみえるが、それでも3案ともに、教育現場や生徒、家族に大きな負担を強いることになるだろう。


● 土曜や夏休みの授業で 遅れを取り戻すのが現実的

 日本でもこれまで幼児教育の拡充や初等教育の前倒しスタートが検討されてきた。9月入学はそれらに逆行する。

 こうしたことを考えると、初等中等教育の9月入学は、パンデミック危機が引き起こした問題の適切な対応策ではない、ということである。


現実的な対応として考えられるのは、土曜授業や夏休み授業を使って、早い段階で遅れを取り返すことだと思われる。授業の実質的な遅れが1カ月弱だとすれば、土曜授業と夏休みの一部で対応が可能だろう。

 慶應義塾大学の中室牧子教授は、入学時期を遅らせることで生じるリスクを取るより、失われた学習期間を早期に取り戻すための継続的な公的支援を行うことが王道としている。

 パンデミック危機による休校問題は、世界共通の問題だが、今後、10年間、20年間のデータが蓄積されれば、どこの国が学力低下を避けてうまく対応したかが明白になる。

 今回の危機の最中に、社会経済に多大な影響を与える教育制度を劇的に変えようと検討していたのは、日本だけではないだろうか。

 危機時でないと、大胆な制度変更はできないという主張は理解できなくはない。しかし、上述の文科省が示した3案が、初等中等教育の9月入学のメリット、デメリットが十分に検討された上でのものだとはとても思えない。

 パンデミック危機で社会が混乱しているところに、教育制度の急激な変更が加わり、教育現場に新たな混乱をもたらす可能性の方が高かった。


● 大学の秋入学の議論が発端 高等教育の国際化は大事だが

 もともと9月入学の議論は、日本の高等教育の国際化のために、東大の浜田純一前学長が大学入学に限って提唱した話だった。最近のインタビュー記事でも、浜田前学長は、初等・中等教育まで合わせて9月入学にすることには賛成していない。

 筆者も大学については9月入学ができれば望ましいと考えているが、導入を急ぐのなら、四半期ごとの入学が可能な4学期制に移行すれば良い。すでに一部の大学では対応可能となっている。

 ただし9月入学に移行しても、それだけで日本から海外への留学や日本への留学が必ずしも増えるわけではない。日本人の留学生が少ないのは、言語能力の問題や就職活動の早期化、教育機関の単位交換の問題などが大きいと指摘されている。

 また、少子高齢化で若年労働が不足しているということも影響しているのだろう。

 一方で、海外からの留学生が少ないのは、卒業した後に専門性に見合う報酬を日本企業が必ずしも払わないという理由もある。

 高等教育の国際化は極めて重要だが、入学時期を9月にずらせば、それだけで国際化が著しく進むという話にはならないのだ。他の問題も着実に解決していく必要がある。



● 第2波にも耐える体制作り オンライン教育拡充に財政支出を

 今回の「9月入学」をめぐる議論が十分な検討が行われてのことではなかったと思わざるを得ない理由はほかにもある。

 例えば、9月入学案がパンデミック危機の第2波が今後、訪れないことを前提としていたようにみえることだ。

 感染者数は落ち着き、緊急事態宣言は解除されたとはいえ、夏を過ぎ、気温が再び下がってくると、寒さ対策で換気も悪くなり、秋にも第2波が訪れるリスクは否定できない。

 新たな制度を設計したにも拘らず、パンデミックが再燃し、再び休校となった場合、どのように対応するつもりだったのだろうか。

 われわれが現在行うべきことは、まずは学業の遅れを取り戻すことだが、それとともに第2波が訪れても、オンラインによるリモート教育ができるICT環境などを整備し、授業を継続できるシステムを作ることではないのか。

 今回のパンデミック危機で改めて浮き彫りになったのは、日本のICTの著しい遅れ、つまり通信技術を活用したコミュニケーション体制の整備ができていないことだ。

 リモート教育の体制が整備されていれば、休校は避けられたはずだ。パンデミック危機が繰り返すリスクを考えると、ICT教育の充実に財源を割くことは、ワイズスペンディングとなり得る。

 リモートワークにしても、顧客と迅速につながるためのICT投資や組織の能力を高めるためのICT投資が十分行われていなかったために迅速に移行できなかった企業も少なくない。

 ただ念のために言っておくと、自発的に学ぶことが簡単ではない低学年にはICT教育は必ずしも大きな効果を持たない。また、成績の良い児童はICT教育でますます良い成績を上げ、そうでない児童の成績はますます悪くなる、という傾向もある。

 あらゆる問題がそうだが、これさえやれば、全て解決という政策は存在しない。BOJウオッチャーである筆者は、「金融政策に魔法の杖はない」と常々論じているが、中室牧子教授の論文タイトルはまさに『教育に「魔法の杖」はない』だった(FNN Prime ONLINE『解説 教育に「魔法の杖」はない 科学的根拠に基づいて“9月入学”を考える』)。

 メリットとコストを比較衡量し、よりましな政策を選択するしかないのが現状だ。

 (BNPパリバ証券経済調査本部長 河野龍太郎)

ダイヤモンドオンライン
2020.6.11



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jyukennews02 at 23:54|Permalink ニュース 

2020年05月30日

“9月入学”もその1つ…ショックドクトリンに騙されるな!


TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。5月19日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、政策コンサルタントの室伏謙一さんが、“ショックドクトリン”さらには“9月入学”について論じました。


◆東日本大震災時もあったショックドクトリンとは?

安倍首相は9月入学について、「有力な選択肢の1つだろう」と記者会見で述べました。そして、政府は入学時期だけを9月に移すなどのシミュレーションをした結果、実現には多くの課題があり、今年9月の導入は見送ることを明らかにしたと「毎日新聞」が報じています。

“ショックドクトリン”とは、惨事便乗型資本主義や惨事便乗商法のことで、「はっきり言えば“火事場泥棒的商法”」と室伏さん。現在のような感染症の危機や戦争・内戦、災害時などに便乗し、都合のいいように制度や仕組みを変えてしまうこと。これは、東日本大震災のときにもあったそうです。

そんなショックドクトリンは現政権でも進んでおり、「種苗法改正案」や「国家戦略特区法改正案(スーパーシティ法案)」、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律案」、「中小企業事業継承円滑化法改正案」などが国会で通ってしまいそうになっている状況だと室伏さん。

そして、先出の「9月入学」もその1つ。漠然とした議論が進んでいますが、室伏さんは「小中高校と大学以上を分けて考えないといけない。大学以上は9月入学を選択肢として検討してもいい」と持論を展開。

例えば、室伏さんの母校である国際基督教大学(ICU)は4月と9月、2つの入学時期があるものの特に問題はないそう。しかし、小中高校は連続してあがっていくこともあり、「それをいきなり変えるのは影響が大き過ぎる」と不安視。また、イギリスなどでは高校卒業から大学入学まで“ギャップイヤー”というモラトリアムがあるそう。日本でも仮に3月に高校卒業、9月に大学入学としても、その間に「さまざまな経験や研鑽を積むなど、留学の準備期間に充てられる」と室伏さんは言います。



◆9月入学がグローバルスタンダードは大ウソ!?

なかには、9月入学はグローバルスタンダードだと主張する人がいますが、「実はそうじゃない」と語気を強めます。文部科学省の「世界の学校体系」には世界の学校の年度開始時期がまとめられ、バラバラであることが一目瞭然。「世界が全て9月入学というのは大ウソ」と指摘します。

結論として、室伏さんは「小中高校に9月入学を導入してもデメリットが多く、メリットがない。大学だけ変えればどうにでもなる」と力説。そして、「9月入学をどうするのかではなく、学校が再開できるところから学習を再開すればいいだけの話」と述べ、「夏休みなど学習機会はいくらでも作れる」と主張。

9月入学が話題になると、そのほうがかっこいいというイメージ論が跋扈(ばっこ)したり、既得権者が反対するなど根拠のない話が生まれることもあるそうですが、「そういったことに騙されないように。ショックドクトリンに騙されないように」と室伏さんは念押ししていました。

教育の現場に携わる立命館大学准教授で社会学者の富永京子さんも9月入学は「今じゃない」と切り捨て、9月にずらした場合、その年だけ1学年が2分の1増え、「いろいろな倍率が異常に上がり、年代間の不平等を拡大してしまう」と危惧。

MCの堀潤も「本当に今じゃない。スーパーシティ法案や種苗法などにしてもゆっくりとやりたいし、メディアは国会中継や予算委員会など全て解説付きでやったらいいと思う」と嘆いていました。

番組では、視聴者に「ショックドクトリンという言葉を知っていますか?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。


◆ショックドクトリンという言葉を知っていますか?
知っている……432票
知らない……2,715票


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jyukennews02 at 11:59|Permalink 政治関連 | ニュース

2020年05月28日

21年度からの「9月入学」は見送り 政府・与党方針 教育現場混乱を回避


 政府・与党は27日、新型コロナウイルスによる学校休校を受けて検討した2021年度からの「9月入学」の導入を見送る方針を固めた。

政府・与党は緊急事態宣言中の授業の遅れを取り戻す方策として検討したが、保育の期間にしわ寄せがいくなど課題が多く、教育現場を混乱させかねないと判断した。安倍晋三首相が夏までに正式判断する。 

自民党の秋季入学制度検討ワーキングチーム(WT、座長・柴山昌彦元文部科学相)は27日、9月入学への移行は一定の準備期間や国民的な合意が欠かせず時期尚早だとする提言骨子案を党幹部に提示した。WTは一方で今年度に限り就学期間を1カ月程度延ばす特例措置の検討を政府に要請し、来年の大学入試も2週間から1カ月程度遅らせるよう求める。
公明党も21年度までの9月入学に反対する方針で、山口那津男代表は「時間をかけた十分な議論が必要だ」と述べた。 


9月入学は緊急事態宣言の発令に伴う休校長期化を踏まえ、東京都の小池百合子知事らが提唱した。安倍晋三首相も4月29日の衆院予算委員会で「前広にさまざまな選択肢を検討していきたい」と表明。与党内でも「秋入学が多い欧米への留学促進や国際化につながる」などの賛成意見もあり、文科省は来年9月の導入を前提に入学者を「6歳~7歳5カ月」まで拡大するなど3案を検討した。 

だが、保育の期間が延び、待機児童が一定程度は増えるなどの懸念が広がり、学校現場や市区町村から慎重論も強まった。就職活動時期や関連法令などの見直しなどの必要もあり、文科省も導入の場合は家庭の追加負担総額が2兆5000億円に上るとの試算を示した。25日に緊急事態宣言が全面解除となり「夏休みを活用するなど学習の遅れを取り戻す議論を優先すべきだ」との意見が強まった。

首相も25日の記者会見で「9月入学は有力な選択肢」としながら「慎重に検討していきたい。拙速は避けたい」とトーンダウン。首相はウイルス感染の「第2波」「第3波」で休校期間がさらに延びることを警戒しており、9月入学見送りの正式決定までは時間をかける構えだが、首相側近は「もともと導入は難しいことは分かっていた。特にコロナで大変な時はやるべきではない」と述べた。 

一方で、自民党内では9月入学賛成派も多いことから、政府・与党は将来的な9月入学導入についての議論は続ける構えだ。与党内では一律的な導入は当面見送るものの、独自に9月入学への移行を希望する大学などがあれば支援策を行う案も出ている。


2020.5.28  毎日新聞から転載





jyukennews02 at 01:43|Permalink 政治関連 

新型コロナ 9月入学 市区長8割が消極的 「議論の状況でない」


全国の市長と東京23区長でつくる全国市長会が、政府が検討している9月入学制に対する賛否を市区長に尋ねたところ、「反対」または「慎重」が8割を超えた。9月入学制を導入した場合、大きな影響を受ける小学校や保育所を抱える基礎自治体の間で懸念が根強いことが明らかになった。

 25日開かれた9月入学制に関する自民党ワーキングチームの会合で、立谷秀清会長(福島県相馬市長)が調査結果を示した。

 全国市長会によると、全国の815自治体を対象に調査を実施し、70・7%に当たる576自治体が答えた。最も多かったのは「慎重」で360自治体(62・5%)。「反対」の103自治体(17・9%)と合わせると8割を超えた。「賛成」は104自治体(18・1%)にとどまり、9自治体(1・6%)は「保留」(無回答なども含む)とした。



2020.5.27
毎日新聞から転載


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2020年05月27日

9月入学移行に反対…全日本私立幼稚園とPTA連合会


 全日本私立幼稚園連合会と全日本私立幼稚園PTA連合会は2020年5月25日、自民党秋季入学検討ワーキングチームに意見書を提出し、意見陳述を行った。「幼稚園児を置き去りにした拙速な9月入学・始業への移行に断固反対」など、幼児教育・保育の視点から課題を指摘している。

 自民党秋季入学検討ワーキングチームのヒアリングが、5月25日に行われ、全日本私立幼稚園連合会と全日本私立幼稚園PTA連合会の代表者らが出席。意見書の提出、意見陳述を行った。

 全日本私立幼稚園連合会は、私立幼稚園および認定こども園の立場から、9月入学・始業の論点を整理。幼児教育・保育に関係する基本的な課題として、「学年の設定」「入園始期と修了」「教育課程および年間指導計画と具体の指導」「接続期のカリキュラムや指導」「移行期および移行後の保育室や教職員の確保、待機児問題、経費負担と保育料や行政の負担・助成」「養成課程(免許資格)および新卒職員の就業、実習の取扱い」「年度(会計等)のズレによる影響」の7項目をあげた。

 さらに、幼稚園教育要領および教育課程の観点からも3歳から5歳を対象とした3年間の幼児教育が必要と強調。「7項目についてはどのような移行スキームが設計されても、幼児教育・保育には甚大なインパクトがあり、その影響は短期的なものにとどまらず長期的に、子どもおよび子どもを中心とした実践現場、家庭や社会に及ぼすことが予想される」と指摘している。

 全日本私立幼稚園PTA連合会は、9月入学(入園)・始業について、幼稚園や認定こども園に在園する保護者の立場から、「未就学児は調整弁ではない」「幼稚園児を置き去りにした拙速な9月入学・始業への移行に断固反対」と表明。家計負担増や共働き家庭の就業への影響などがある9月入学・始業への移行は、受け入れられないと述べている。

 全日本私立幼稚園連合会では、9月入学については多くの課題や懸念事項が考えられることから、今後の状況の推移を注視しつつ、各都道府県団体の意見も聞いて対応していくとしている。


2020.5.27
リセマム から転載


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2020年05月25日

9月入学「受験が公平に」「未就学児はデメリットだけ」 渦巻く賛否「いろんな人の声聞いて」


新型コロナウイルス感染拡大による休校で生じた学習の遅れや学校間格差の解消策として浮上した9月入学案に対し、京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」のLINEに、賛否とともに数多くの意見が寄せられた。受験生や未就学の子どもがいる親、教員など、それぞれの立場で受け止め方は大きく異なる。集まった声の一部を紹介する。


 京都府立高に通う長岡京市の高3女子(17)は「受験の公平性のためには9月入学が一番いい」とメッセージを寄せた。受験に化学を使う予定だが、授業は基礎が終わったところといい、夏休みを授業に充てても不安がある。「(9月入学ができないなら)試験の出題範囲を考慮するなど対策をして」と希望した。

  埼玉県の高3女子(18)は、来年の受験が大学入試センター試験から大学入学共通テストに替わる節目であることを挙げ、「受験生の不安が大きい。次へ進む準備が十分にできる時間がほしい生徒は多いと思う」と9月入学の必要性を訴えた。京都市伏見区の会社員男性(47)も「部活や友だちとの時間、文化祭など、今しか経験できない時間を与えてあげたい」と賛意を示した。

 秋入学が欧米で主流であることを踏まえた意見もあった。京都市左京区の主婦(70)は「わたしが海外駐在に子どもを伴った折、行った先と帰国した日本でどの学年に入れるか悩んだ」と振り返り、「今この時にできなければ永遠にできない」と実現を望んだ。


■反対の生徒もいる

 一方、通信制高校に通いながら大学を目指す静岡県沼津市の高3女子は「9月入学に反対の生徒もいると知ってほしい」と書き送ってきた。「娯楽も特になく、ただひたすら課題や受験勉強の毎日。もう限界だよってくらいしている人もいると思う。それなのに受験を半年延ばすなんてつらい」と本音をつづった。

 高3の子どもを持つ京都市北区の会社員女性(50)は「受験時期が延びた場合の授業料、塾代、予備校代は誰が支払うのか。冬に向けて逆算して勉強している子のメンタルはどうしてくれるのか」と問い掛けた。

 就学前の子どもがいる親からも、9月入学は就学年齢が遅くなったり、1学年の人数が増えたりといった影響があるとして、複数の反対意見が寄せられた。愛知県に住む会社員女性(37)は「高校生にだけスポットライトを当てないでほしい。未就学児はデメリットしかない」と強調した。

 看護専門学校の教員であるという女性(52)は、新型コロナへの対応で疲弊した看護師が大量退職する恐れがあるとして「(2月に行われる)看護師の国家試験が後送りになると、新人ナースは4月から勤務できない」と医療現場に与える影響の大きさを指摘。「もっといろんな人の声を伝えるべきだ」と訴えた。

 京都市内の公立高に勤める50代の教員男性は、9月入学になると「インターハイや高校野球の甲子園などは、そのまま行うとするならば、卒業式が終わってからになる」と述べ、スポーツにかける生徒の思いも踏まえた議論を求めた。

 政府は9月入学制の可否について、6月上旬にも一定の方針を示す考え。国民に与えるさまざまな利害や社会への影響を勘案し、判断を下すことが求められる。


京都新聞

9月入学「受験が公平に」「未就学児はデメリットだけ」 渦巻く賛否「いろんな人の声聞いて」




京都新聞から転載


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