2011年06月

2011年06月28日

公立小・中の土曜授業、東京では3倍増

学力向上を強く意識した新しい学習指導要領では、教育内容が増え、各学校は十分な授業時間数をどうやって確保するか苦慮しています。そんななか、東京都内の公立小・中学校の約3割が、月1回以上「土曜日授業」を実施していることが、東京都教育委員会の調査でわかりました。公立学校は現在、原則として完全学校週5日制となっていますが、今後、授業時間数の不足を背景に、土曜日授業を実施する学校が増えることが予想されます。

東京都教委は2010(平成22)年1月、学校と地域の連携など「開かれた学校づくり」を目的に、保護者や地域住民に授業公開するなどの条件付きで、「月2回」まで、土曜日授業の実施を認める方針を打ち出しています。調査結果によると、2011(平成23)年度に土曜日授業を実施している都内の公立学校は、「月1回程度」が小学校20.6%、中学校21.4%、「月1~2回程度」が各10.6%、8.5%、「月2回程度」が各1.4%、1.8%となっており、合計すると小学校の32.6%、中学校の31.7%が、月1回以上の土曜日授業をしている計算になります。2010(平成22)年度に月1回以上の土曜日授業をしていたのは、小学校が9.5%、中学校が11.8%でしたから、いずれも約3倍程度増えたことになります。

土曜日授業を行う学校が今春から増加した理由としては、小学校で新学習指導要領が全面実施に入ったこと、中学校でも理科や数学の授業時間数を増やしたこと、そして、それぞれの学校を所管する区市町村教委が、都教委の方針を受けて、土曜日授業の導入指針を決定したことも大きいようです。調査によると、62区市町村教委のうち、45.2%に当たる28区市町村教委が土曜日授業実施の基準を策定しており、そのうち19区市村教委が、全部の公立小・中学校で土曜日授業を導入しています。

一方、ベネッセ教育研究開発センターの調査を見ると、全国で2010(平成22)年度に土曜日授業を実施した学校は、小学校が4.8%、中学校が4.5%でした。東京都の土曜日授業が、いかに多いかがわかります。東京都内には土曜日にも授業を行う私立学校が多く、公立小・中学校といえども私立との競争が避けられないという特別な事情があるせいかもしません。

ただ、新学習指導要領の実施による授業時間数の不足は、全国共通の課題です。中学校が全面実施に入る2012(平成24)年度には、全国的にも、土曜日授業を実施する学校が増える可能性があります。既に栃木県教委は、東京都と同様に「月2回」まで公立小・中学校の土曜日授業を認めるという基準を策定しています。今秋ごろから年末にかけて、どの程度の教育委員会が追随する動きを見せるのか、注目されるところです。

このほか、原発事故に伴う電力不足のため節電を迫られる学校では、夏場にエアコンが使えなくなるという事情も見逃せません。夏休みを短縮して授業時間数を増やすという計画を立てていた教育委員会にも、見直しの動きがあります。猛暑と電力不足が続けば、さらに土曜日授業が広がるかもしれません。


(2011年6月28日 産経ニュースから転載)

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2011年06月22日

小1から英語教育…金沢市、来年度から

石川・金沢市教委は来年度から、小学校低学年(1、2年生)対象の英語教育を始める。

 市は2004年、国から「小中一貫英語教育特区」の認定を受けて、3年生以上に独自の英語指導を行っている。その導入部として週1回、15分間のヒアリングの時間を設け、低学年から英語に慣れ親しむ環境を作る。

 特区として実施している小中一貫英語教育のカリキュラムを見直し、各校の自主性に任せていた低学年の英語教育を共通の内容で行うことにした。

 指導は学級担任が行い、英語の歌が収録されたCDなどを使って音やリズムに親しむきっかけとする。年間10時間を確保し、「聞いた英語を素直にまねすることができる」能力の育成を目指す。

 カリキュラム見直しでは、6年生用の市独自の英語副読本を新たに導入することも検討している。これまでは6年生は中学1年生の検定教科書を前倒しして学んでいたが、「小学生には難解」との声も多かったためだ。

 金沢の偉人や民話など身近な読み物を充実させた副読本で興味を深め、中学英語にスムーズに移行できるようにする方針。

 国の学習指導要領が改訂され、今年度から小学校の英語が必修となった。来年度には中学校の英語の年間授業時間も35時間増える。市教委は「英語指導の先進地域として、さらに効果的な独自のカリキュラムを考えたい」としている。


(2011年6月22日 読売新聞から転載)

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2011年06月10日

震災で再認識、新指導要領の目指すもの

東日本大震災から間もなく3か月を迎えます。死者・行方不明者は約2万4,000人に上り、学校関係者(幼児・児童・生徒・学生や教職員)の死者も、判明しているだけで約580人と阪神・淡路大震災を上回る(5月20日現在)など、甚大な被害をもたらしました。そんななか、教育関係者の間で改めて注目されているのが、新しい学習指導要領(外部のPDFにリンク)が目指すものです。

新指導要領は、世間では「ゆとり教育」を改めて「学力向上」を第一にしたものだ、といったような表面的な理解が横行していますが、実際にはそんな単純なものではありません。文科省は、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」という、知・徳・体をバランスよく育てることで「生きる力」を育み、「知的基盤社会」と言われる21世紀に、国際的にも大いに活躍してもらおうとするものだと説明しています。実は、この「生きる力」の育成という大目標は、「ゆとり教育」の時代から変わっていません。

ただ、これまでは現場の先生であっても、キャッチフレーズを≪建前≫として受け止める向きがなかったとは言えません。キャッチフレーズの解釈をめぐって混乱が起こることもしばしばでした。今回の「基礎的な知識・技能を習得し、それらを活用して、自ら考え、判断し、表現することにより、さまざまな問題に積極的に対応し、解決する力」(「確かな学力」の説明)というのも、ちょっと抽象的でわかりにくいですよね。

しかし、次のような説明なら、どうでしょうか。「臨機応変に判断し、行動できる人」(北城恪太郎・経済同友会終身幹事)、「力を合わせれば、想定外のことも乗り越えられる力」(五十嵐俊子・東京都日野市立平山小学校長)、「子どもたちを自立させる教育」(藤原和博・大阪府知事特別顧問)……。いずれも、震災後に開催された中央教育審議会などの会合で、委員が語った言葉です。

また、「自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性」(「豊かな心」)というのも、避難所で協力し合ったり、全国からボランティアに駆け付けたりした人たちの姿を思い浮かべれば、より具体的に感じられると思います。

新指導要領は、ようやく今年から小学校で本格的に始まったばかりです。今回の震災も教訓に、毎日の授業をはじめとした教育活動の中で、学校でいっそうの工夫をしてもらう必要があります。それにはもちろん、文科省も言うように、家庭や地域の連携と協力が欠かせません。

(2011年6月10日 産経ニュースから転載)

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jyukennews02 at 11:32|Permalink 学校教育 | 公立

2011年06月05日

<池田小事件10年>公立小93%に通報システム

全国の公立小学校の約93%が防犯ブザーなど不審者の侵入に備えた通報システムを整備していることが、大阪教育大付属池田小乱入殺傷事件(01年6月8日)の発生10年を機に毎日新聞が実施した全国アンケートで分かった。また、暴漢に対抗する器具のうち「さすまた」(刺股)だけでも約90%が常備。防犯の専門家が「ポスト池田小」(付属池田小事件後)と呼ぶこの10年で、小学校の防御力が急激にアップしたことを裏付けた。【まとめ・熊谷豪】

 アンケートは5月、都道府県教委に実施し、東日本大震災に伴う庁舎移転で資料を取り出せなかった福島県を除く46都道府県が回答。データは09年9月から今年5月時点のもので、小学校数は計2万1695校だった。

 このうち32.3%に当たる7013校が防犯カメラ(監視カメラ)を設置。文部科学省が初めて調査した04年3月から2.6倍以上に増えていた。他の防犯機器では、侵入者を感知するセンサーが9045校(41.6%)、インターホンが1万1958校(55.1%)だった。

 警備員は2461校(11.3%)が配置。大阪府が67.2%(686校)と突出し、東京都36.5%(479校)、兵庫県32.8%(261校)が続いた。栃木、富山、岡山、愛媛、長崎、鹿児島の6県はゼロだった。

 不審者の侵入に備える防犯器具では、さすまたを1万9466校(89.7%)が常備し、催涙スプレーは5211校(24.0%)、ネット(網)は2876校(13.2%)。文科省統計では08年時点で95%の小学校が何らかの器具を備えていた。

 一方、付属池田小など国立小73校は04年の文科省調査時点で通報システム設置を、07年調査時点で警備員配置を完了している。

 同省は付属池田小事件をきっかけに各種防犯システム・器具の状況を調べるなどして整備を推奨。各自治体も学校の安全確保に力を入れたことが、急速な整備につながっているとみられる。

(2011年6月5日 毎日新聞から転載)


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2011年06月03日

悲劇の記憶 児童を守る 【教育ルネサンス】

 「危ない時はどこに逃げるかな」と、教務主任の男性教諭(40)が問いかける。「人がたくさんいる所」「商店街」「学校」「駅」と、子どもたち。

 2月10日、大阪教育大学付属池田小学校(大阪府池田市)2年東組で公開授業が行われた。10年前の悲劇を繰り返さないため、2009年度に全学年で始まった週1回の「安全科」の授業だ。

 授業では、緊急避難所「子ども110番の家」や、町中にある緊急通報装置の使い方などを学んだ。教職員らによる不審者対応訓練も実施され、不審者の確保、児童対応、救護などを班ごとに行った。

 訓練後の反省会で、当時から同小で勤務する佐々木靖校長(49)(当時は5年担任)は、「訓練では人形を使ったが、もし、自分のクラスの子どもだったらという気持ちで臨んでほしい」と、教職員に呼びかけた。

 悲劇が起きたのは01年6月8日。通用門から出刃包丁を持った男(04年に死刑執行)が侵入、教室で児童8人を殺害、児童13人、教諭2人に重軽傷を負わせた。「どうして門を開けていたのか。何度も何度も悔やみました」。佐々木校長はそう話しながら、10年間を振り返った。

 事件の後、しばらく自宅待機が続き、市内に建てたプレハブの仮校舎で授業を再開したのは2か月後。学校に来るのを怖がる子どもが多かったため、保護者が登校時に当番制で通学路に立つようになった。同じ頃、教職員らによる不審者対応訓練も始まった。

 ハード面も整備され、構内の出入り口は警備員のいる1か所に。04年3月、事件現場に建て替えられた新校舎は、二重扉の玄関、防犯カメラや警報ブザーのほか、子どもが押せる非常ボタン約300基が設置された。

 そして、09年4月、安全科の授業がスタート。それまでは道徳、総合学習、特別活動の時間に行っていた安全学習を、防災やけが防止も含め、学年に応じた総合的なカリキュラムで身を守る必要とすべを学ぶようにした。

 通学路の見守りは今も続き、不審者対応訓練も年5回実施されている。だが、遺族の酒井肇さん(49)は、「子どもの避難誘導より通報を優先させるなど、事件の客観的検証が不十分のまま。これで本当に再発は防げるのか」と割り切れない思いを明かす。

 「対策を講じたからといって安心してはいけない」と同小PTA会長の白井量久(かずひさ)さん(49)。事件を忘れないことが、子どもたちの安全を守ると考えている。

 記憶が風化しないよう、現場の南校舎は今も特別教室として残されている。

(2011年6月3日 読売新聞から転載)


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