2020年04月
2020年04月18日
私立・国立小学校の試験とは?どんな準備が必要?
近年、増加傾向にある小学校受験。
小学校受験の問題や面接とは、そもそもどんなもので、どんな準備が必要なのでしょうか?
近年の小学校受験事情に詳しい、1979年発足の幼児教室「富士チャイルドアカデミー」校長の前宏美氏に伺いました。
小学校受験では、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察、面接などが行われます。
ペーパーテストでは、言葉に関するものや身の回りの知識を問うもの、数や図形に関するものなど、学校によってさまざまな問題が出題されますが、子どもたちに「文字や数字を書かせない」のが原則です。
お話を耳で聞いて、その内容に合っている絵を選んだり、まるを描いて数を答えたり。指示をしっかり理解したうえで、その答えを紙の上に鉛筆や色鉛筆で表現したり、口頭で答えたり……という形式が多いですね。
実は制作課題や運動も、まず課題について「耳で聞く」、そして「目で見る」ところから始まります。制作はお絵描きや工作などですが、先生の指示をちゃんと聞き取れているか、はさみなどの道具がきちんと使えるか、ていねいに作業しているか……といったことが評価されます。
運動は模倣体操やお手本を見て連続運動、そしてゲームなどですが、身体能力が優れているかどうかというより、指示が聞き取れているか、各種行事や宿泊行事を伴う小学校生活を円滑に過せるだけの体力が備わっているかを見られています。ふだんから体を使って遊んでいるか、健康的な生活を送っているかどうかといったことが大切です。
ゲームや共同作業を通じて、個性や協調性を見る「行動観察」は、多くの学校で取り入れられています。
近年の傾向としては、チームワークやコミュニケーション力を問う課題が増えていると感じます。
たとえば2018年、首都圏のある小学校では、4人のチームでこんがらがったロープを制限時間内にほどくという課題が出されたのですが、どうすればうまくいくか、チーム内で相談する時間が設けられていたことが印象的でした。チーム内で意見を出し合い、決めたことをきちんと守れるかが問われているのです。
小学校に入ってから、お友達とうまくコミュニケーションが取れないと、揉め事になってしまいますね。「相談させる」課題がよく出されるということは、学校現場でそういった現実が増えているのかもしれないと感じます。
相手を思いやり、自分で考えながら行動できるか……。ご家庭での日常生活そのものが問われるのが「行動観察」です。行動観察を通じて、親子関係や家庭環境も見られているといえますね。
ほとんどの私立小学校は「両親面接」を行っています。私立小学校は、それぞれ教育理念やカラーがはっきりしています。ですから、各校の面接官は、建学の精神や教育理念に賛同し、信頼してお子さまを預けてくれるご家庭かどうかを見極めたいのです。保護者のかたがお子さまと日々どのようにかかわり、お子さまをどのように育ててきたかということも重視されます。
国立小学校の入試(入学検定)でも、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察などが行われます。私立との大きな違いは、ほとんどの場合、検定の前または後に抽選があることです。筑波大学附属、学芸大学附属竹早などは抽選が2回あります。
国立は抽選もあるので、私立を併願されるご家庭が多いですが、家計の状況から国立のみ受験というかたもかなりいらっしゃいます。その場合も、抽選に外れた時はその時と割り切って、幼児教室に通ったり模試を受けたりと、しっかり対策をされるご家庭が多いようです。
前述のとおり、難しい文字や計算を覚えるといったことは必要ありませんが、先生のお話を聞き取って問題に答える、お絵描きや工作、運動などの課題に取り組むといった訓練は必要となります。1年間で準備されるご家庭が多いですね。熱心なご家庭は1年半~2年間、年少~年中さんから幼児教室に通われます。
幼児教室のカリキュラムはさまざまですが、弊社では週に1回90分、4人一組の少人数制で、ペーパー対策やお絵描き・工作、運動系のゲームなどいろいろなことをやっています。週に90分間だけなのは、教室でやったゲームや遊びを、ご家庭で発展させていただきたいからです。
たとえば教室で「しりとり」「反対ことば」などの言葉遊びをやったら、それをたっぷりご家族で楽しんでいただきたいですし、工作やお絵描きも、ぜひ工夫してお父さま、お母さまといろいろな作品をつくっていただきたいのです。
小学校受験には、教室での勉強以上に、ご家族で過ごすふだんの生活がいちばん大切だと考えています。
プロフィール
前 宏美
幼児教育のエキスパート。現在、富士チャイルドアカデミー(1979年設立)の校長。
幼稚園・小学校受験の幼児教室として8教室を展開、毎年多くの在籍生を志望校合格へ導いている。
自ら幼稚園・小学校に足を運んで常に正確な学校情報を保護者に提供し、各校からの信頼も篤い。
ベネッセ情報教育サイト から転載
2020.4.18
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2020年04月11日
私立小学校に通わせている家庭の懐事情は?年収はいくらあればいい?
昨年の10月に小学校受験で合格をいただいたお子様が、春から可愛らしい制服に身を包んで通われる姿を、今か今かと待ち遠しくされている親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
昨今は大学試験の内容が変わることもあり、内部進学希望者が増え、小学校受験者数は年々増加しています。しかし小学校受験はお金がかかるというイメージもあり、あきらめてしまう方もいますよね。
そこで、平均年収600万円(月収38万円)のご家庭を例に、私立小学校に通えるのか検証していきたいと思います。
まず、私立小学校への合格の道として、幼児教室に通うことも考えられます。もちろん、年に数回行われる全国模試の場合のみで、他は参考書を購入して合格されたケースもありますが、一般的には幼児教室に通い、受験する学校がどのような試験内容かを把握することから始まります。
内容は各学校で異なりますが、ペーパーテスト・運動・集団行動・制作・面接などです。ひとつの幼児教室で全部フォローすることも可能ですが、お子様によっては3つ4つ掛け持ちで教室に通われている場合もあります。
このように、ご家庭によって受験対策は様々ですから、月々3万~10万円以上のケースと開きがあります。
◆私立小学校の入学金や諸経費は?
では実際、入学されてからは毎月どのくらい教育費としてかかるのでしょうか?
よく指標としてだされる学費としては、小学校から大学まですべて私立だった場合は2,000万円といわれています。ここではmilizeのライフプランシミュレーションに搭載されているデータの中から見ていきましょう。
画像のデータは学校活動以外の課外費も見込んでいますが、この金額に驚かれている方もいますよね。一般的に16歳前後から教育費がかかるケースが多いのですが、小学校から私立となりますと、7歳前後から100万円以上の教育費が16年間続くことになります。
教育費は、入学金や学費、塾代など費用がかかる時期までに貯蓄しておくのがお勧めなのですが、私立小学校ですと貯め時がほとんどないままに、教育費に追われる生活になります。ですから、お子さんが生まれた時からしっかり家計管理やライフプランを練っていかなくてはなりません。
ではさっそく年収600万円のご家庭で検証していきましょう。
<年収600万円のケース> ※給与変動なし・物価上昇1%
本人:28歳(会社員)
・家族:配偶者28歳(専業主婦)、子2歳
・年収:600万円
・生活費:毎月20万円
・住居費(賃貸):毎月15万円
・貯蓄:300万円
・塾代(4歳から2年間):50万円/年
▼金融資産の推移
画像は金融資産グラフになっていますが、300万円の貯蓄を取り崩し、30代半ばからは赤字続きの家計という結果がでてしまいました。生活費はお子様2歳の時点で20万円にしていますが、お子さんが成長されるとともに生活費も増えていくでしょうから、とても厳しいものがあります。
厳しい現実に落ち込んでしまいたくなりますが、諦めずに対策をしていきましょう。対策案としては、やはり収入を上げていくのが一番でしょう。今や夫婦共働きが当たり前のような時代ですので、奥様がお子様の手が少し離れた際に働かれるのが得策ではないかと思います。
では、配偶者がお子様7~12歳の小学生の間は月15万円でパート、お子様13歳の中学生以降は少し長く働ける環境で月20万円の仕事をしたとします。
結果、世帯収入が増えたので、収支を支出が上回ることはなくなり、貯蓄の取り崩しもなくなりました。
▼改善後の家計収支のシミュレーション
加えて世帯主の給料が少しずつ上昇することを見込んで変動率(55歳まで0.5%、以降600万円に一定)をかけてみてみましょう。先ほどまでの赤字家計が見事にプラスに転じて収支のバランスが一層安定しました。
検証したケースでは、配偶者も働くという選択肢の結果、世帯年収が増えることで家計に余裕が出ました。しかし、住宅事情、旅行や家電買い替えなどの特別支出、家族のライフイベントなどの支出項目は各家庭によって様々です。
将来のライフプランを作成することにより、不可能だった目標も可能になることがありますので、マネーイベントの目標を設定された段階で、一度ライフプランを作成されることをお勧めします。
この記事を執筆したのは……
荻野 奈緒美
株式会社MILIZE所属のCFP認定者。フリーアナウンサー。 現在はFPとして相談業務や執筆活動も行っている。
MILIZE編集部
ALL ABOUT 2020.4.11 から転載
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