2022年11月

2022年11月23日

増える幼児の肥満、その原因は?将来、病気のリスクも。幼児の肥満を防ぐ5つのポイント


 コロナ禍、ライフスタイルが大きく変わったことで、太ってしまった子どもが増えています。子どもの肥満の専門家である、和洋女子大学 家政学部 健康栄養学科 原 光彦先生に、子どもの肥満を防ぐポイントを聞きました。原先生は「食事内容の見直しと、外遊びの時間を意識して作ることが、子どもの肥満予防に必要」と言います。原先生は、都立広尾病院などで子どもの肥満の診療もしています。


幼児の肥満は高カロリー、高脂質のものを好んで食べるのが原因
肥満には、脳腫瘍やホルモンの病気が原因で肥満になる二次性肥満と、病気が原因ではない原発性肥満があります。幼児の場合は、ほとんどが原発性肥満です。

「原発性肥満の原因は、体質と不適切な生活習慣です。以前は、食べ過ぎが重視されていましたが、近年は、高カロリー、高脂質のものを好んで食べるなどの栄養素のかたよりによって肥満になる子が増えています。そのため食事内容の見直しが大切です」(原先生)

食事は、飽和脂肪酸を控えるなど工夫を
原先生が委員長を務める、日本小児保健協会 栄養委員会では、2021年3月「Withコロナ時代の子どもの食事」という10の提言を発表しています。

「この提言は、コロナ禍における景気の低迷、在宅ワークの推進、外出制限などでによって、子どもたちの食生活が大きく変わり、健やかな成長に影響を及ぼしかねないために発表しました。コロナ禍での子どもの食生活のあり方を考えて作ったものではありますが、肥満対策そのものにも関連します。とくに肥満予防では、次の5つを心がけてください」(原先生)



【幼児の肥満予防に心がけたい食生活のポイント5】


【1】おやつは、自然な食物を選びましょう
おやつは菓子類よりも、いも類、果物、牛乳、乳製品などを選びましょう。ビタミン、カルシウム、鉄分を意識してとりましょう。


【2】飽和脂肪酸を控え、不飽和脂肪酸を与えましょう
バターや脂の多い牛肉、豚肉などに含まれている飽和脂肪酸は控えて、オメガ3系の不飽和脂肪酸をとるように心がけましょう。オメガ3系の不飽和脂肪酸は、青魚、くるみ、オリーブオイルなどに含まれています。


【3】トランス脂肪酸のとり過ぎに注意しましょう
トランス脂肪酸のとり過ぎは、動脈硬化のリスクを高めます。トランス脂肪酸はマーガリンやクッキーなどの焼き菓子などに含まれているので注意しましょう。


【4】不足しがちな食物繊維を与えましょう
幼児の食事に不足しがちな食物繊維を、積極的にとるようにしましょう。食物繊維は、麦ごはん、全粒粉のパン、きのこ、海藻、野菜などに含まれます。


【5】砂糖や食塩のとり過ぎに注意しましょう
味が濃いものは食欲が増し、食べ過ぎにつながります。うす味を心がけましょう。


また、ついつい食べ過ぎてしまうという子もいるようです。

「早食いによる食べ過ぎを防ぐには、食卓の環境を整え、簡単なお手伝いでいいので自分で作る楽しみを体験させてください。
サンドイッチの具材をはさんだり、おにぎりを握ったり、野菜をあえたりするだけでもよいです。調理を楽しみ、ママやパパが“〇〇くんが作ったサンドイッチおいしいね!”と言ってよく味わって食べてくれると、心が満たされ、食べ過ぎが抑えられる子もいます」(原先生)

生活リズムを見直して、外遊びは1時間以上。ゲームや動画は1時間までに
肥満予防には、食事のほかに毎日の運動も必要です。

「文部科学省の“幼児期運動指針ガイドブック”でも触れられていますが、幼児はさまざまな遊びを中心に、毎日、合計60分以上は外で楽しく体を動かしましょう。なかには“室内遊びはダメなの? ”と思うママやパパもいるかも知れませんが、公園や広場で遊んだほうが運動量は増えます」(原先生)

またスマートフォンやタブレットなどで動画を見たり、ゲームをしたりする時間が長過ぎると肥満の原因になるそうです。

「ゲームや動画を見ていると、運動不足になりやすいですし、ゲームをしながらおやつを食べて間食が増える子もいます。そのため幼児のうちは、ママやパパが家事などで忙しいときだけ、1日1時間以内にしましょう。幼児の肥満は、食事や運動不足だけでなく、生活習慣も原因です。
①睡眠不足(1日10時間未満)
②1日2時間以上ゲームをしたり、動画を見る
③ジュースをよく飲むと
将来、肥満になりやすいことがわかっています。多くの場合、小学生以降の肥満の起源は幼児期にあり、幼児期からの肥満対策は、その後の人生にとってとても重要です」(原先生)


お話・監修/原光彦先生 取材・文/麻生珠恵、

たまひよONLINE編集部原先生によると、コロナ禍で外遊びが減るなど生活リズムが変わってしまい、外出自粛などが解除されても、元の生活リズムに戻れない家庭があると言います。それが幼児の肥満の原因になっているそうです。幼児からの肥満は、将来、大きな病気につながることもあるため、一度、生活リズムを見直してみましょう。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

監修者
原光彦 先生
PROFILE:和洋女子大学 健康栄養学科 教授。小児科医。日本大学医学部卒。同大学院医学研究科博士課程小児科学専攻修了。都立広尾病院小児科部長などを経て現職。子どもの肥満の研究を行いながら、都立広尾病院、日本大学病院、総合南東北病院で子どもの肥満の診療を行う。


2022.11.23
たまひよオンライン から転載


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