2013年03月28日

「保育所待機児童」 解消難の背景に働く母親の増加

認可保育所の入所許可がもらえなかった子供の母親らが、自治体に異議を申し立てるケースが相次いでいる。都市部の待機児童は年々深刻化し、政府や自治体は「待機児を減少させる」と口をそろえるが、一向に解消されない。(清水麻子)

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 「このままでは仕事に復帰できない」。2月中旬、東京都杉並区の約70人の母親たちが、認可保育所への入所を希望したのに認められなかったのは不当だとして、同区に行政不服審査法に基づく異議申し立てを行った。同区では、4月から子供を認可保育所に預けようと申し込んだものの入所できなかった母親らが約1500人にも達した。

 異議申し立ての動きは、足立区や大田区などにも波及し、中には乳児を抱いて涙ぐむ母親の姿も。異議申し立てを取りまとめた「保育園ふやし隊@杉並」の曽山恵理子代表は「しっかりした認可保育所に預け、安心して働きたいと思う母親が多いが、現状はそうではない」と指摘する。

 厚生労働省によると、保育所に入りたくても入れない待機児童は昨年の平成24年4月1日現在、全国で2万4825人。特に都市部では著しく、東京都では7257人、大阪府で2050人に達する。保育所を利用する子供の割合を示す「保育所利用率」も右肩上がりだ。

 待機児童を減らすため、厚労省は首都圏を中心に認可保育所の面積基準を一部緩和できるようにし、受け入れ人数増を期待する。しかし、なかなか待機児童は減らない。

 背景にあるのが、働く母親の増加だ。昭和60年に制定された男女雇用機会均等法以降、女性の社会進出が加速、近年は不況で共働きが増えている。

 激戦の認可保育所入所を勝ち取るため、母親は居住の自治体の保育所事情を調べ上げ、場合によっては担当課に窮状を書いた手紙を添付する。こうした活動は「保活」と呼ばれる。

 入所は自治体が独自に定める「選考基準指数」と呼ばれる点数を基に決められ、母子世帯やフルタイム勤務など「保育に欠ける」人から入所できる。

しかし、近年は正社員でも入所できない事態が発生。年度替わりで希望が集中する4月を待たず、ゼロ歳児を受け入れる認可保育所を探し、出産後早々に入所させるケースも目立つ。

 なぜ、これほどまでに認可保育所が人気なのか。曽山さんは「国などから運営費補助がある認可保育所と、認可外とでは雲泥の差」と指摘する。

 認可保育所は国が定める施設面積や保育士の配置基準に基づき、社会福祉法人などが運営する。一方、認可外保育所は民間会社などが運営。延長保育などの柔軟サービスを提供するなど母親へのサービスは手厚いが、経営基盤が弱く、経験の浅い保育士が園長を務めたり、園庭がなかったりする所もある。

 利用料の違いも大きい。認可保育所は所得と子供の年齢に応じた設定のため割安だが、自治体が独自基準を設けて認証する保育所では週5日間(1日8時間)預けて6万~7万円。利用者に補助を出す自治体もあるが、財政力の弱い自治体では補助はない。その結果として認可保育所に人気が集中している構図だ。

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 ■整備には高額費用の壁

 認可保育所を急ピッチで増やせない理由は、地価が高く広い土地が少ないことや整備費用の高さにある。

 東京都内で最も待機児童数が多い世田谷区。国から土地を借りるなどして整備を進めるが、1カ所を整備する際の借地代は年間約600万~1700万円、建物の整備には2億~3億円かかるという。

 認可保育所の整備と並行して進められているのが、民間企業などが設置した保育所に、自治体が独自基準を設けて認証する認証保育所。これも1カ所に付き数十~数百人待ちは当たり前だ。

 一方、国は平成18年度から定員割れが続く幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」を整備し、待機児童解消を進めている。幼稚園を管轄する文部科学省と保育所を管轄する厚生労働省が連携し、24年4月現在で全国に911カ所整備された。同年8月には整備促進のための法案が成立し、さらなる整備促進を促す。

(2013.3.27 産経ニュースから転載)


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