公立
2020年05月09日
小中一貫校、なぜ増え続ける?
新学期が始まって1か月以上が過ぎ、子どもたちの学校生活も落ち着いたころでしょう。ところで少子化により、今春も多くの学校が統廃合となりました。そうしたなかで、小学校と中学校を一体化させた「義務教育学校」などの小中一貫教育校も、次々と誕生しています。小中一貫教育とはどういうもので、何を目指しているのでしょう。
小学校と中学校の9年間を一貫させた教育を行おうという試みは、2000年代に入って、広島県呉市や東京都品川区など各地で、自治体独自の取り組みとして始まりました。
学力向上や、小学校とは環境の違った中学校生活になじめない「中1ギャップ」を避けることなどが主な目的でした。制度上はあくまでも別々の学校でしたが、当時から「〇〇学園」などという通称を使い、一体の学校として運営していたところも少なくありません。小学校と中学校の校長を兼務させる形で、より一体化を図った自治体もあります。
小学校6年間、中学校3年間という区切りが、今どきの子どもの発達段階に合っていないという見方もありました。そこで6・3制だけでなく、5・4制や4・3・2制など、さまざまな区切りが工夫されました。
そうしたなか、2014年には教育再生実行会議の提言(7月)を受けた中央教育審議会が、小中一貫教育の制度化を答申(12月)。学校教育法などの改正により、2016年度から、小学校や中学校とは別の学校種として義務教育学校を新設するとともに、「小中一貫型小学校・中学校」(併設型と連携型の2種類)も制度化されました。
これらは、中高一貫教育校(中等教育学校・併設型中高一貫教育校・連携型中高一貫教育校)にならったものです。
文部科学省の調査によると、2017年度の段階では、義務教育学校48校(うち国立2校)、併設型一貫校253校(うち国立1校、私立6校)が設置されていました(連携型はゼロ)。制度化された小中一貫教育校とはならないまでも、教員が情報交換や交流を行いながら運営する「小中連携教育」を実施する市区町村は72%に上っていました。
小中一貫・小中連携教育をめぐっては近年、山間地や離島などで、閉校の危機にある小学校と中学校を義務教育学校などに衣替えして、学校を存続させようという動きがあります。文科省も、「縦の統合」と称して勧めていました。
学校は今も昔も、地域の核です。地域に学校がなくなると、子育て世帯も地域を離れてしまい、過疎化がいっそう進む例も各地で見られます。地方創生のうえでも、学校は貴重な存在です。
もっと積極的な意義もあります。今年度から移行措置が始まった新学習指導要領は、幼小・小中・中高といった学校間の接続を重視しています。また、「社会に開かれた教育課程」を打ち出し、地域の人たちと一緒になって資質・能力を育成するよう求めています。地域から学ぶことを通して、ローカル(地域)だけでなくグローバル(地球規模)な課題にも対応できる資質・能力を育成し、将来の地域や日本、世界で活躍できる子どもたちを育てよう……という考え方です。
小中一貫教育校には、そうした教育の先導校としての役割も期待されているのです。
(筆者:渡辺敦司)
※小中一貫教育の推進について(文科省ホームページ)
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ikkan/1357575.htm
プロフィール
渡辺敦司
1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。
※この記事は「ベネッセ教育情報サイト」で過去に公開されたものです。
2020.5.9 転載
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2019年05月21日
自分の子どもを「あえて」公立に?芸能界の夫婦に見る背景
ジャガー横田(57才)と医師の木下博勝さん(51才)夫妻の長男・大維志くん(12才)の“進路”に注目が集まっている。
大維志くんといえば、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)が150日間にわたって中学受験に密着。放送回を重ねるごとに注目を集め、大人気企画となった。希望する私立中学には不合格だったが、“滑り止め”の私立中学に合格した。
しかし、5月15日配信のNEWSポストセブンの記事「私立合格のジャガー横田の長男、公立中へ越境進学の理由」によれば、最終的には都内にある公立中学校への進学を決めた。合格した私立中学の保護者から“テレビでさんざん滑り止めと言われ、他の生徒がやる気をなくしてしまう”というクレームがあったことなどが原因という。
ネット上では「確かに滑り止めの第3希望の中学校なんて言われたら、通ってる子はたまったもんじゃないな」などさまざまな声が上がった。子供の受験を番組化することへの批判の声も多かった。
公立中を選択したジャガー一家には、「確かに偏差値の低い私立なら偏差値高く受験対策できる公立に行ったほうがいいかも」、「越境で通ってる公立中は魅力的ですね!勉強にスイッチ入ったようですから環境がそろえば受験のプレッシャーがあった方が絶対に彼は伸びるでしょう」と支持する声もあった。
実は大維志くんのケースのように、芸能人が自分の子供を公立の小学校、中学校に進学させるケースが増えている。
かつては、芸能人の子供は私立の一貫校に進学させるケースが多かった。最近でも、小倉優子、井川遥、石田純一・東尾理子夫妻、寺島しのぶらの子供が私立の有名小学校に進学させたことが報じられたばかり。今も私立校が人気であるのは間違いないが、“あえて公立”という芸能人も増えているのだ。
これまで報じられた中では、辻希美・杉浦太陽夫妻、庄司智春・藤本美貴夫妻、谷原章介、瑛太・木村カエラ夫妻らが子供を公立小に通わせているという。経済力のある芸能人なら有名幼稚園に通わせて、お受験して有名小学校に進学という道もあったはず。彼らはなぜ子供を公立に通わせるのか?
「大維志くんの場合は、進学先の親からのクレームという特殊なケースといえますが、芸能人が子供を公立に通わせることのメリットもあるんです。私立なら、バザーなど学校行事への参加や学校への送り迎えが必須だったり、給食のない学校ではお弁当作りをしなければいけなかったりして、時間的に不規則な芸能活動をしながら両立させるのは簡単じゃないんです。公立ならそうした負担が少ないので、芸能活動への影響を軽減できるんです。それに最近では、中学受験への対策をしている人気の公立校もありますし、そうした地域に引っ越して通わせるという選択肢だってありますからね」(芸能関係者)
今やどの学校に“芸能人の子供”がいても珍しくないのだ。
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2019年04月18日
小学校に教科担任、高校普通科を改革…文科相
柴山文部科学相は17日、小学校から高校までの指導体制の改革について検討するよう、中央教育審議会(中教審)に諮問した。小学校高学年に、教科ごとに専門の教員が教える「教科担任制」を導入することや、高校の普通科を専門性の高い学科に転換することなどを想定。社会の変化に対応した教育方法を議論し、提案するよう求めた。
小学校では一般的に、クラス担任がほぼ全教科を教える「学級担任制」がとられている。諮問では、小中学校の9年間を一体的にとらえ、「児童生徒の発達の段階に応じた」担任の制度を検討するよう求めた。
小学校教育を巡っては、2020年度から5年生で英語が教科化されるなど、専門知識を持った教員が求められている。ただ、教科担任制では、これまでより多くの教員数が必要になると指摘されており、中教審で導入の可能性を探る。
このほか諮問には「生徒の能力を伸ばすための高校普通科の改革」も盛り込まれた。文系、理系の枠組みにとらわれない学習や、地域の課題解決に取り組むことなど、専門分野を明確にする方向で検討する。
中教審は夏にも「新しい時代の学校の在り方特別部会」を設置し、約1年で中間報告を公表、20年末にも答申をまとめる。
◆中教審への諮問のポイント◆
▽小学校高学年への教科担任制度の導入
▽高校普通科の専門性を高める改革の推進
▽外国人児童生徒に対する日本語指導体制の確保
▽外部人材の活用を促進する教員免許制度や採用の見直し
▽教員を助け、教育の質を高めるICT(情報通信技術)環境の整備
読売オンライン から転載
2019.4.18
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2018年11月07日
田中圭、谷原章介… 芸能界のブーム「子どもは公立校」のメリット
「私立だと、有名校より自由な校風で知られる世田谷のA小学校が人気ですね。広末涼子がここのPTA役員を務めていると報じられましたが、夫のキャンドル・ジュンも腕のタトゥーを隠すことなく、PTA活動に参加していたそうです」
公立小学校に通わせる芸能人が増えたのも最近の傾向だ。世田谷区のB小学校で田中圭、谷原章介、瑛太&木村カエラ夫妻、フジテレビの軽部真一アナらの子どもが学び、松山ケンイチ&小雪夫妻、『爆笑問題』の田中裕二&山口もえ夫妻、『野性爆弾』のくっきーは、渋谷区のC小学校に子どもを通わせているという。
「B、Cともに高級住宅街エリアにあるため、公立ですが治安はいい。複数の有名人が通わせていることで、学校側の受け入れ態勢もできています。スキャンダルに厳しい昨今、いつ仕事がゼロになるかわかりませんから、治安面で問題がないなら、小学校は学費を抑えられる公立へ……というのが、トレンドになりつつあります」(前出・芸能プロ幹部)
有名私立だと子を送迎する親の髪型や服装まで指定される学校も少なくないが、公立校だとその心配もない。
「木村カエラが子どもを通わせている小学校はアパレル関係者の保護者も多く、学校行事に革ジャン&ハット姿で参加するママもいるくらい服装は自由。カエラのようなオシャレなアーティストには、そのあたりのユルさもありがたいのではないでしょうか」(B小学校関係者)
広告代理店関係者は「子どもを公立校に通わせることで、仕事が増えたタレントもいる」と言う。
「ママ&パパタレントに求められるのは、視聴者が共感できるかどうか。例えば子どもをセレブ校に通わせているタレントが牛丼のCMに出ても『食べないクセに』と反感を買ってしまうのです。谷原章介は子だくさんで子煩悩。さらに公立校に通わせる庶民さがスポンサーにも受けていて、オファーが増えています」
バラエティー業界でも、この傾向は強まりつつあるという。
「辻希美やくわばたりえは、ママになったことで仕事が増加した好例。2人とも自宅近くの公立校に通わせているそうで、視聴者に近い感覚を持ち合わせている。『コメントに説得力がある』と視聴者に支持されるので、キャスティング会議でよく名前が挙がります」(放送作家)
そんな背景を受けてか、積極的に学校行事に参加するママ芸能人も増加中だ。
「目黒区のD幼稚園では瀬戸朝香、元テレビ東京アナの八塩圭子らがバザーの責任者を務めたそうです。『有名人だから連絡しづらい』と、ママ友たちには不評だったそうですが……」(近所に住む住人)
芸能人のお受験事情の変化は、世相を反映しているのである。
2018.11.7 ヤフーニュースから転載
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2018年08月28日
東京23区別"平均年収"が一番高い小学校
年収が高いブランド学区の公立小ってどんな雰囲気? どんな教育環境? 現役保護者に聞いた。
■千代田区立番町小学校と大田区立田園調布小学校の保護者を取材
世帯平均年収が高いほど教育水準が高くなるということだが、実際にそうなのか。世帯平均年収が高い“ブランド学区”を取材。今回は、東京各区トップ小のうち、千代田区立番町(ばんちょう)小学校と大田区立田園調布小学校の保護者に、ブランド学区のメリットを聞いた。
「千代田区の教育事情を知らずに住み始めて7年になりますが、今の子育てライフに満足しています。桜がきれいな千鳥ヶ淵や、皇居、国会議事堂、国立劇場など観光名所も多いですし、番町文人通りをお散歩しながら子どもに文学の話をするなど、身近な場所でさまざまな知識を身に付けられます」と話すのは、番町小に子どもを通わせる桃井宏美さん。
番町小周辺では、送り迎えできないワーママを意識してか、塾や習い事教室などのサポート面が手厚く、マイクロバスが学校周辺まで迎えにくるサービスもあるそう。
「中学受験をするご家庭が多いようで、学校側も習い事関連も、サポート体制は万全。学校では、熱心な先生方が教育法を研究していますし、学芸会も運動会も、各学年に適した“感情や情緒”を育むような工夫がされています」
学校からオフィスまで、アクセスがいいのも最大のメリットだ。
「半休や離席扱いで学校の行事に参加できるので、仕事と子育ての両立はしやすいと思いますよ」
一方、田園調布小の千葉三紀子さんは、「土地柄、保護者の中には聞くと驚くような方もいらっしゃいますが、私立ではないのでお母さま方もカジュアル。ワーママも多く、付き合いやすいです」と公立小ならではの特色を語る。
「田園調布小の保護者は代々地元の人もいて、子どもたちを地域全体で育てる取り組みもなされていますし、最近は父親の参加も盛んです。また、熱心な先生方が多く、指導も手厚いです。普通の公立小なので、元気な子どもが多いのも特徴かもしれません」
番町小同様、中学受験させる家庭へのサポート体制は万全だ。
「大半の子が受験するので抵抗なく勉強する姿勢が育まれますが、カリカリするイメージはなく、子どもたちはいい意味でのんきで気楽な様子に映ります。習い事と両立する文武両道なお子さんも多いですね。先生方の声かけもプロフェッショナルで温かいです」
中学受験を考える家庭にとって、ブランド学区の公立小は、やはり狙い目なのかもしれない。
プレジデントオンライン
2018.8.28
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2018年02月08日
泰明小学校 なぜアルマーニ標準服を公立小が採用したのか。校長の説明文書全文
2017年11月17日付の「平成30年度からの標準服の変更について」と題した保護者向けの文書で、和田利次校長は、以下のように説明した。全文を掲載する。(錦光山雅子・ハフポスト日本版ニュースエディター)
日頃より、本校教育活動に対するご理解、ご協力、誠にありがとうございます。平成29年度の教育課程も、後半へと進んでまいりました。どうか最後までご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
さて標題の件につきまして、改めてご理解を賜りたく、その経緯についてお伝えいたしたくご通知をさせていただきました。
泰明小学校が特認校制度の対象校となり、9年目を迎えています。中央区の教育施策として定着をした制度でございますので、それはそれで好ましい方向に進んでいる者と認識いたしております。
また、泰明小学校を選択してくださり、本校の教育方針に恵心をしてくださり、そして、本校でお子様が自負をもって学んでくれたらと、期待なさって本校を選択されたのだと思うのですが、どうも、その意識と学校側の思いのすれ違いを感じるのです。
子どものたちの様子から申し上げれば、日常の振る舞い、言葉遣い、学校社会という集団の中での生活の仕方などを見ていますと、どのような思いや願いがあって本校を選択されたのかが分からなくて、思案に暮れることがあります。
特認校制度の対象校とはいえ、泰明小学校はやはり特別な存在であります。(どの学校も自負もっておられる(ママ)と思いますが)特認校制度の定着に向けての渦中にあっても、「泰明らしさ」は失われるものではないと思っております。
泰明小学校という学び舎の気高さ。この伝統ある、そして気品ある空間・集団への凝集性とか、帰属意識とか、誇りとか、泰明小学校が醸し出す「美しさ」は保っていかなければと、緊張感をもって学校経営してきました。
しかし、私が泰明小学校の在るべき姿としての思い描いていることをとはかけ離れた様子、事実があることも否めません。なぜ、本校を選択されたのですかと問い返したいと思う出来事や対応が多いこと、これが泰明の実態だったのでしょうかと、学校を管理する者として思い悩むこともしばしばです。
言動、もちろん、公共の場でのマナー、諸々含めて、児童の心に泰明小学校の一員であることの自覚が感じられないと思うことも度々です。もちろん、全員がそうだとは言いません。みそらの星賞などを設定し、この子ならばと推薦された児童が褒賞を受けることもあって、ほっとする面もあるのですが、それに反して、がくっと心折れる場面の多いことも事実です。
教育は内面を育てる営みがほとんどです。ですから、私どもも懸命に児童の内面を鑑み、自覚をもたせ、「泰明の子らしく」を金科玉条の如くは大げさかもしれませんが、でも、泰明小学校の児童はかくあるべきだと思い指導いたしております。
その力がまだ足りないのだと忸怩たる思いもありますが、なかなかその指導が行き渡らないのはなぜだろうと悩んでおります。対外的にも、「泰明小」そして「泰明の子」は注目されます。そういう衆目に答える姿であるかどうか、これまた、忸怩たる思いになることもしばしばです。
愛校心、所属愛、学校に対する誇りが自己の存在と重なると、スクール・アイデンティティーが芽生えます。このような、ある意味エモーショナルな心が、あるいは学校に対する思いが、薄れているのではないかと危惧しております。語弊を恐れずに申し上げますが、「自分は泰明小の一員であるから、そのようなふざけた行いはしない」と自戒できる児童を我々は育てたいのですが、保護者の皆様は、お子様の姿をどのようにお考えでしょうか。
もうひとつ、私が危惧しているのは、泰明小学校は銀座の街と友に歩んできたということを児童や保護者の皆様にご理解いただいているのかどうかということです。泰明小学校に通ってくると言うことは、例え特認校であっても、銀座の街の子供たちになると言うことだと私は思います。
現実的には、地域の集いや催しは、特に子供対象のものはそう多くはありません。ですが、街の方々は、泰明小学校の子供たちのためならと、事あるごとにご尽力してくださいます。学習活動面でもご周知のような協力を惜しみなくしてくださっています。
“街との絆“を感じながら泰明小で学んでほしい。保護者の皆様には、そういう学校で我が子は学んでいるものだということを意識して欲しいと思うのです。私は、立場上、地域の方々との接点がありますが、皆さんが、学校のことをとても大切に考えてくださっていることが分かります。街に学校があると言うことは、こんなに嬉しいものなのだな、と感じるのです。
しかし、このような意識も薄れつつあるのではないかと私は心配しています。いろいろ関わってくださっている方々には申し訳ございませんが、それほど多くはないはずの地域の催しや企画などにどれだけの方が参加してくださっているのでしょう。銀座の街あっての泰明小学校なのです。
今、泰明小学校は、どこか、どれかのスイッチを押さなければそのよさが失われてしまう、そういう時です。ビジュアルアイデンティティーという概念があります。
標準服もその要因の一つであります。視覚的な同一性と申し上げたらよいでしょうか。泰明の標準服を身に付けているという潜在意識が、学校集団への同一性を育み、この集団がよい集団であって欲しい、よりよい自分であるためによい集団にしなければならない、というスクールアイデンティティーに昇華していくのだと考えます。
どれかのスイッチの一つが、標準服であります。決して現行の標準服を否定しているわけではなく、教育は内面の育成、醸成だと再三申し上げているように、現行の標準服でいるから、これから縷々申し上げてきたような危惧があるのだと言っているのではありません。
標準服を変えれば私の危惧することが消えるわけではありません。教育は、内面の耕しであり、そこに、学校教育の質が問われるべきであると思っています。でも、教職員も微力ながらがんばっているのです。どこかの、どれかのスイッチを押さなければ、泰明小学校は、ただ、特認校の選択肢の一校になってしまうのではないかと私は危惧しているのです。
ところで、銀座の街も、当面は2020東京五輪に向けて変容しています。古き良き銀座の名残を留めながらも、新しさを求めています。泰明小学校も。よき伝統を保ちながらも、時代の流れをくんだ教育活動を進めております。ご存じのように、銀座の街には、世界に名だたるブランドショップが立ち並んでおります。
ブランドに拘ったり、志向したりしているわけではありませんが、泰明小学校も銀座のランドマーク、銀座ブランドであります。〔学校には当てはまらない言葉かも知れませんが〕街の歴史とともに存在するある種のトラディショナルブランドであります。
銀座の街のブランドと泰明ブランドが合わさったときに、もしかしたら、潜在意識として、学校と子供らと、街が一体化するのではないかと、また銀座にある学校らしさも生まれるのではないかと考え、アルマーニ社のデザインによる標準服への移行を決めました。
では、なぜアルマーニ社かということですが、他のブランド社(どのあたりまでをブランドと呼ぶのか悩みましたが)にもアプローチをしたのですが、程合いの違いはありますが、受け止めてもらえなかったというのが結論です。ただ、アルマーニ社だけが、思いを聞いて下さり、検討はしてみますが時間がかかります。またお約束はできませんということで3年前から、遅い歩みではありますが話が進んでおりました。
そして、販売ルートの確保や生産ルートの開拓まで、社としては初めての試みですが、引き受けてくださってからは懸命に努力をしてくださいました。松屋様のルートも残してくださったり、生地、縫製も日本のメーカーにしてくださったこともありがたいことです。
繰り返し申し上げますが、泰明小学校は公立の小学校として、開校以来ずっと銀座という地域との結びつきを大切にしてきました。時代の流れと共に銀座という街はどんどん発展し、日本を代表する商業地域として現在は多くの外国人観光客を受け入れる街となりました。
そうした国際色の強いエリアに立つ小学校として、地域に根差し、さらには国際的な視野を持つ人材を育てていきたいという思いをもってまいりました。標準服とは児童が毎日着るものです。そうした身近なアイテムだからこそ、それを通してきちんと装う事の大切さを感じることも、国際感覚の醸成につながると思います。
また視覚から受ける刺激による「ビジュアルアイデンティティー」の育成は、これからの人材を育てることに不可欠である「服育」という重要な教育の一環であると考えます。さらに、遊びのと時に無造作に脱ぎ捨てられていることが多いのですが、きちんと折りたたんでから遊びに行くとか、背もたれに掛けておくといった一手間の大切さも教えたいと考えております。
平成30年度入学の新1年生から着用することといたします。上学年の児童については、様々なご要望があると思われますので、ご関係の方々と相談をさせていただきながら決めていきます。
また販売価格についてはサイズごとの価格表がまだ整っていないのですが、現行標準服では男子の場合、上着、長袖シャツ、ズボン、帽子で、17755円(身長130センチの価格)女子の場合、上着、長袖ブラウス、スカート、帽子で、19277円(130のサイズの価格)です。サイズによって価格設定が違いますが、この標準服価格のおよそ2倍の価格になります。
新しい標準服は夏用のズボン、スカートが加わります。サイズが明確な価格ではございませんが、現在のところ、ズボンが7800円、スカートが10000円と設定されております。価格表が決まり、新一年生の入学者が決定した時点で、改めてお知らせいたします。
長々としたご通知で申し訳ございません。意を尽くせているかどうか心配でございますので、なおご不明な点がございましたら、学校宛てにご連絡くだされば幸いです。
錦光山雅子/ハフポスト日本版ニュースエディター
2018.2.8 転載
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2018年01月18日
東京23区別 親の年収が高い公立小の実名
よりよい教育環境を求め、中学受験率の高い公立小学校の学区に“移住”する家庭が増えているという。今回、「プレジデント ウーマン」(2018年2月号)では、東京23区26市別に「世帯年収の高い公立小学校名」をリストアップした。高年収家庭が集まる「名門小学校」はどこか――。
※本稿は、「プレジデント ウーマン」(2018年2月号)の特集記事を再編集したものです。
■港区1位南山小、2位本村小、3位御成門小
子どもが大きくなるにつれ、住まい選びの基準になってくるのは「教育環境」だ。最近では小学校の受験もさることながら、より良い教育環境を求め、中学校受験率が高い公立小学校の学区に「公立小移民」する家庭も増加しているという。
独自の調査で学区別世帯年収を算出しているスタイルアクトの代表取締役である沖有人さんは、「親の学歴や年収が高いほど、子どもの中学受験率が高くなる」と指摘する。今回は、同社「住まいサーフィン」のデータから関東エリアの各自治体における平均世帯年収上位小学校を、また、中京エリアは、プレジデントファミリームック「小学生からの知育大百科2018完全保存版」の市区町村別就業者平均所得額を抜粋した。

イラスト=原田リカズ
■子どもの学力は世帯年収に比例するのか?
加えて、有名進学塾マップも掲載した。実際に世帯年収上位に入るような「ブランド学区」に進学塾が多いのが、これで一目瞭然となっている。
東京23区内でもっとも平均世帯年収が高いのは、六本木ヒルズや元麻布ヒルズを学区に持つ港区の南山小学校。ただ、「教育熱心な会社員家庭に人気なのは千代田区と文京区」と沖さんは言う。
文京区は東京大学や、お茶の水女子大学、東京学芸大学付属の小中学校を有し、教育関係者が住むため教育熱心で子どもの粒がそろうのだという。たしかに文京区は世帯年収の高い部類のエリアである。さらにマップでも、御茶ノ水駅近辺は中学受験の4大塾がすべてそろっているのが見てとれる。
一方、千代田区は、区内トップである番町(ばんちょう)小学校を「受験に落ちたときのすべり止め」と考える、小学校受験を控えた家庭が引っ越してくるほど「公立小移民」の聖地。
「プレジデント ウーマン」(2018年2月号)最新号では、今回の「ブランド学区」のほかに、「体力モリモリの街」や「文化部バリバリな街」などを紹介しています。ぜひ誌面もご覧ください。
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▼調査概要
年収データは、総務省統計局「平成22年国勢調査」「平成25年住宅・土地統計調査」をもとにスタイルアクトが推計。全世帯から単身者や夫婦のみと推定される世帯を除外して算出。学区域は国土交通省国土政策局「国土数値情報(小学校区データ)」(2010年時点)をもとにスタイルアクトが独自に調査、加工した。
2018.1.18
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2018年01月10日
2018年の教育 小学校も変わる! 英語など移行措置スタート
2018年は、4月から小学校で、新学習指導要領(20年度から全面実施)の「移行措置」が始まります。それによって、3・4年生で「外国語活動」を年間で15時間(全面実施後は年間35時間)、5・6年生で教科「外国語」を50時間(同70時間)など、全校で新指導要領の一部が先取りされることになります。ただ、変化はそれだけにとどまらないことが予想されます。
現行の指導要領では、小学5・6年生で外国語活動を年間35時間(週1コマ分)行うことが必修化されていただけでした。それが新指導要領になると、3・4年生で新たに年間35時間、5・6年生で倍増の70時間と、いずれも年間35時間分の授業時間が増えます。今でも週28コマが限度とされる時間割はいっぱいですから、実際にはなかなか大変です。
そこで新指導要領では、「10分から15分程度の短い時間」を活用した指導(いわゆる短時間学習)を授業時間に含めることができるようにしたり、夏・冬休みなどに授業を行ったりしてもよいことを明記しました。▽1コマ45分の授業を60分にする▽短時間学習を2週間に3回程度実施する▽夏・冬休みに対話的な活動を行う……などの工夫が想定されています。
しかし全部の学校が、そうした工夫を、すぐにできるとは限りません。そこで移行措置期間に限り、総合的な学習の時間を減らしてよいということにしました。ただ、これはあくまで<緊急避難措置>のようなもので、全面実施になれば、総合的な学習の授業時間ももとに戻す必要が出てきます。
ところで今回の新指導要領では、各学校に、「主体的・対話的で深い学び」と並んで、「カリキュラム・マネジメント」(カリマネ)を行うよう求めています。児童生徒や学校・地域の実態をもとに、指導要領のねらいを実現するよう工夫しなさい……ということです。
英語教育の授業時間数増は、そんなカリマネの試金石となります。小学校にはこの2年間で、カリマネを真剣に考えることが、現実問題として迫られるのです。
これまでの改訂でも、小学校は、中学校・高校に先んじて教育改革の趣旨の実現に努力するトップランナーの役割を果たしてきました。「主体的・対話的で深い学び」も、文部科学相が中教審に諮問した2014(平成26)年11月の段階から、すぐにそのような授業の在り方を探る動きが活発になっていました。カリマネも2018(平成30)年度から、すぐに模索が始まることでしょう。
しかもカリマネは、一つの教科にとどまりません。どの教科でも共通して「資質・能力の三つの柱」(<1>知識・技能<2>思考力・判断力・表現力等<3>学びに向かう力・人間性等)を学校全体で育てよう……というのが、新指導要領のねらいだからです。小学校ではプログラミング教育も必修化されますが、どの教科で何時間実施するかは各学校の裁量に任されました。これも、カリマネが不可欠です。
英語教育をきっかけに、他の教科の授業も変わっていくことでしょう。それによって、これからの人生を、自らの頭で主体的に切り開いていくことができる子どもを育成するのが、新指導要領の趣旨であり、カリマネの役割なのです。
(筆者:渡辺敦司)
ベネッセ 教育情報サイト から転載
2018.1.10
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2017年11月08日
小学校の学区で引っ越し先を選ぶ「公立小移民」が増加中
住まい選びの立地は様々な視点から検討されるが、最近では教育環境や資産価値の面から、公立小学校の「学区」が注目されているという。
その背景について、不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティングを行うスタイルアクト株式会社代表取締役の沖有人氏が解説する。
「小学生のお子さんがいらっしゃるご家庭だと、放課後は友人と遊ぶのが当たり前になるかと思います。そのとき、屋外で運動するならまだしも、家でゲームばかりやっているようでは、なんだか先行きが不安になるのが親心ですよね。
学校の友人だけでなく、住人同士で挨拶ができる、ゴミ置き場のマナーが浸透している、近隣住民も教育熱心な家庭が多い環境のほうが安心でしょう。親にとって価値観の近い住民の多い地域であれば、おのずと子供やその友人も価値観を共有していくものです」(沖氏)
そうした環境を選ぶ際に重要視されるのが、「学区」なのだという。
「誤解を恐れずにいえば、両親の学歴・年収が高いエリアということです。一般的に学歴によって年収には差があり、年齢が上がるにつれてその差は大きくなっていきます。また、大学卒業者率が高いエリアほど、平均年収は高くなります。親の学歴・平均年収が高いほど教育熱心なご家庭が多く、子供の中学受験率も高い傾向があります。そして、このように親の学歴・平均年収が高いエリアは、人気公立小学校の学区とも一致するのです」(同前)
つまり、人気公立小学校があるエリアは両親の学歴・平均年収が高く、教育や家庭内のしつけがしっかり行き届いている価値観の近い住民が多く住んでいる“いい環境”の街だというのだ。
実際、子供によりよい教育環境を与えたいと考え引っ越しを選択する、“孟母三遷”の教えを地で行く親も少なくないという。
「子供によりよい教育環境を与えたいと、お目当ての人気公立小学校の学区に引っ越す世帯は『公立小移民』と呼ばれています。弊社が運営する不動産情報サイト『住まいサーフィン』の会員499人にアンケートを実施したところ、『小学校の学区を意識して物件を選んでいる』という人が購入者の1割いることが判明しました。30代に限定すると、実に16%、6世帯に1世帯が公立小学校を意識しているという結果になったのです。つまり、人気の公立小学校では、定員の2割近くがこうした入学目的の引っ越し族なのです」(同前)
実際のケースを見てみよう。3歳の子供を持ち、都内のIT系企業で事務職として働く東野由美さん(仮名・31歳)は、最近、公立小学校を意識して引っ越しをしたという。
「神奈川県川崎市にある宮前平小学校に通える学区内に引っ越しをしたのですが、もともと国家公務員宿舎や大手企業の社宅が多いエリアで教育熱心な方が多く、環境もいい。それに、私の実家が近いということもあり、この公立学校に通える学区に引っ越しをしました。
ここで小学校時代を過ごし、私立中学を受験してもいいですし、地元の公立中学にそのまま入ってもいいと思っています。夫は都内の会社に勤務していて、通勤は少し不便になりましたが、子供の教育のためにということで夫婦で答えを出して、この地域を選びました」(東野さん)
宮前平小学校は川崎市宮前区にある公立小学校のなかでも、平均世帯年収は1044万円でトップ。しかも、横浜なども含め、神奈川県全体でもトップだという(「住まいサーフィン」調べ)。
人気学区の立地の多くは需要が供給を上回るため、資産性も高い。人口減少、少子化の時代だからこそ、「教育環境がよく、資産性も高くなる人気公立小学校の学区」という視点で住宅の購入を考えている人が増えているようだ。
【プロフィール】沖有人(おき・ゆうじん):スタイルアクト株式会社代表取締役。国土交通省「住宅エネルギー性能表示検討委員会」の委員なども務める。新刊『マンションは学区で選びなさい』のほか、『マンションは10年で買い替えなさい』など著書多数。分譲マンションの無料会員制情報サイト「住まいサーフィン」を運営。
2017.11.8
マネーポストから転載
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2017年11月03日
東京の公立小学校 学区別・世帯年収ランキング

東京23区学区年収1位の公立小学校
子供によりよい教育環境を与えようと、人気公立小学校の学区に引っ越す世帯は「公立小移民」と呼ばれる。人気公立小学校があるエリアは、教育や家庭内のしつけがしっかり行き届いている価値観の近い住民が多く住んでいる“いい環境”の街で、需要が供給を上回るため資産性も高い傾向にあるという。
そうした地域が人気になっている背景として、「『両親の学歴・平均年収が高い』という点が挙げられる」と話すのは、不動産ビッグデータを駆使した調査・コンサルティングを行うスタイルアクト株式会社代表取締役の沖有人氏だ。住まい選びの際、「学区」と「世帯年収」が重視されるようになってきているのだという。
沖氏が、「住宅・土地統計調査」などをもとに学区別世帯年収を調べたところ、東京23区でもっとも年収が高かったのは、港区の南山小学校だった。
「南山小学校は六本木ヒルズや元麻布ヒルズを含むエリアで、平均世帯年収は1409万円。他の学区の年収1位の公立小学校と比べても、頭一つ抜きんでています。品川区の1位は学校選択制を導入している第三日野小学校です。ここは学区内の対象者だけで受け入れ人数を超過しており、入学希望者は抽選になっているほどの人気です。特にこの学区内ではどの町丁目も平均世帯年収は高く、“白金長者丸”と言われる上大崎2丁目、“池田山”と言われる東五反田5丁目は高級住宅街として知られています」(沖氏)
23区外の東京都下ではどうか。
「都下は23区と比較して鉄道網が充実していない分、学区内に駅を含む小学校ほど利便性のよさから地価も高く、年収も高くなる傾向があります。立川駅前を含む立川市立第三小学校、青梅駅前を含む青梅市立第一小学校、豊田駅前を含む日野市立日野第六小学校などがそうです。
児童数・学級数の多さも人気校の証で、稲城市立若葉台小学校は在校生1000名程度とマンモス校。東京都教育委員会言語能力向上拠点校や文部科学省学習指導実践協力推進校に指定されており、教育環境の高さをうかがわせます。
また、大学や病院などの施設が集積する学区も1位になっています。首都大学東京のある八王子市立宮上小学校、東京外語大がある府中市立白糸台小学校が該当します」(同)
沖氏が運営する不動産情報サイト「住まいサーフィン」では、東京以外にも神奈川県、埼玉県、千葉県の学区別世帯年収1位の公立小学校が紹介されている。都心部と郊外とで違いはあるものの、人気公立小学校の学区は、教育熱心な家庭が多く、住環境がいいエリアである点は共通しているといえるだろう。
【プロフィール】沖有人(おき・ゆうじん):スタイルアクト株式会社代表取締役。国土交通省「住宅エネルギー性能表示検討委員会」の委員なども務める。新刊『マンションは学区で選びなさい』のほか、『マンションは10年で買い替えなさい』など著書多数。分譲マンションの無料会員制情報サイト「住まいサーフィン」を運営。
マネーポストWEB
2017.11.3 転載
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2017年03月26日
悩ましい学校選び、自宅から近い学区内or仲良しの友だちが行く学区外?
ベネッセ 教育情報サイト 3/21(火)

自宅から近い学区内or仲良しの友だちが行く学区外!? 学校選択で迷ったら?
公立の小・中学校に進学する際、保護者や子どもが自ら学校を選ぶことができる「学校選択制」。制度が取り入れられている地域では、学区内の学校か、学区外の学校か……悩む保護者も多いと思います。何を基準に選択すればよいのでしょうか。
最初に検討していただきたいのは、通学経路や通学時間です。小学生の場合は、登校班の有無、父母や地域のボランティアなどによる見守りがあるかどうか、朝晩の通学時間帯に自宅から学校付近までの経路を実際に調べておきましょう。実際に通学経路をたどってみると歩道を自転車が行き来していて危ない、交差点の交通量が多いので横断に注意が必要といったことがわかるかもしれません。バスや電車通学の場合は、混雑状況や時刻表通りに運転しているかどうかを調べましょう。
大人の足と子どもの足では所要時間は異なりますので、実際にかかる通学時間を計ってみることをオススメします。たった10分通学時間が違うだけでも、早起きするのは大変ですし、放課後の家庭での学習やお稽古事にも影響するので、慎重に検討しましょう。
そのうえで、各校の魅力について比較してみましょう。「あの中学校は荒れている」といったウワサをうのみにするのではなく、学校公開や学校説明会などの機会を利用して、自分の目で学校の様子を確かめたいですね。バザーや運動会は、地域のかたも参加可能のことが多いので、学校の雰囲気を知るにはよい機会だと思います。
私立学校ほど明確ではありませんが、公立小学校・中学校も校風や力を入れているポイントは異なります。例えば、文部科学省の指定で外国語活動に力を入れている学校や、教育委員会の指定を受けて国語教育に力を入れている学校も。学校のホームページなどに書かれていることが多いので、目を通しておきましょう。ホームページには教育方針や校長先生の考え、行事の様子なども掲載されているので、学校選びの参考にしたいですね。例えば、水泳の授業に外部の講師が来てくださる、生け花や将棋教室などのカルチャークラブを子どもや父母向けに開催しているという学校もあるようです。また、PTA役員になったらどの程度活動があるのかも先輩保護者に聞いて調べておくとよいですね。
2017年01月23日
小中一貫「義務教育学校」の狙いは?小中一貫「義務教育学校」の可能性
2016年4月から改正学校教育法が施行され、「義務教育学校」などの小中一貫教育が制度化されました。文部科学省の調査によると、公立学校のうち「義務教育学校」は22校、「小中一貫型小学校・中学校」は115件が開設されたことがわかりました。今後も、小中一貫教育は増加してくると予想されます。義務教育学校などの狙いとは、いったい何でしょうか。
調査は2016(平成28)年2月1日現在で、全国の市区町村教委などに、小中一貫教育の導入意向などを聞いたものです。9年間一貫教育を行う「義務教育学校」を2016(平成28)年4月に設置するのは、13都道府県(15市区町)の22校でした。内訳は、小中段階が同一施設内にある「施設一体型」が19校、小中段階の校舎が近くにある「施設隣接型」が3校。
学年の区切りを見ると「4-3-2」が15校、「6-3」が5校、「4-4-1」と「4-5」が各1校でした。この他、2017(平成29)年度以降の「設置予定」が114校で、開設済みも合わせて136校となる計算です。この136校の中身を見ると、施設一体型が109校(80%)、学年の区切りは「4-3-2」が77校(57%)と最も多く、これらのタイプが義務教育学校の主流となりそうです。
小中一貫教育では、義務教育学校以外にも、既存の小学校と中学校で一貫した教育課程を組める「小中一貫型小学校・中学校」も制度化されました。義務教育学校が一つの学校であるのに対して、一貫型小・中学校はあくまで別々の学校であるという違いがあります。一貫型小・中学校を2016(平成28)年4月に設置したのは21府県(37市町村)の115件(小学校231校、中学校115校)でした。内訳は、施設一体型が13件、隣同士の「施設隣接型」が10件、小・中学校がある程度離れている「施設分離型」が89件、「未定」が3件となっています。2017(平成29)年度以降の設置予定は322件で、設置済みと合わせて437件となっています。
一方、既に小中一貫教育を実施・実施予定の377市区町村のうちで、義務教育学校の設置予定は「ない」が64%、一貫型小・中学校の設置予定は「ない」が52%に上っています。まだ多くの市区町村が様子見の段階のようです。
ただ小中一貫教育は今後、次第に増えてくると思われます。それは義務教育学校などが一般的に言われる「中1ギャップ」の解消などの狙いと同時に、地域の再構築という役割も担っているからだといえます。
少子化による学校統廃合などと並行して、地域社会を形成していた力が衰えつつあることが現在の大きな課題となっています。これに対して文部科学省は、義務教育学校や一貫型小・中学校について、保護者や地域住民が学校運営に参加する「コミュニティ・スクール」(CS)にすることを期待しています。少子化による学校統廃合が避けられないなかで、新たに義務教育学校や一貫型小・中学校をCSにすることで、学校を中核にして衰退しつつある地域を再構築しようというのが、小中一貫教育のもう一つの狙いなのです。
小中一貫教育の制度化では、「中1ギャップ」対策ばかりに目を奪われがちですが、「地方創生」という役割もあるということを認識しておくことも必要でしょう。
※小中一貫教育の制度化に伴う導入意向調査について
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ikkan/1369585.htm
(筆者:斎藤剛史)
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2017年01月18日
なぜ? 千葉・打瀬小の平均年収が東京・田園調布小を超えた
日刊ゲンダイDIGITALから転載 1/18(水)

ちょっと古いが、星セント・ルイスによる「田園調布に家が建つ」のギャグで、お金持ちの象徴だった東京の田園調布。そのステータスが千葉市美浜区にも追い越されてしまった。
「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクトが、千葉県版年収の高い学区を発表。それによると、千葉県の行政区別の1位は、JR海浜幕張駅からほど近い打瀬小学校(別表)。平均世帯年収は堂々の1064万円で、東京都大田区全体のトップだった田園調布小学校の1016万円を上回っている。
平均世帯年収は、公立小の学区内にある全世帯の平均年収から、単身者と高齢世帯など夫婦のみと思われる世帯を除外したもの。そのため、単純に生徒たちの家の平均年収ではない。
「打瀬小は、95年入居開始の幕張ベイタウン(写真)に最初に開校しました。同じ幕張ベイタウン内にある美浜打瀬小と海浜打瀬小の平均年収も、打瀬小と肩を並べます」(スタイルアクト広報担当者)
幕張ベイタウンは北欧風に統一された街区で、プロ野球ロッテやJリーグ関係者も多く住むことでも知られる。
一方、千葉県2位は1026万円の八千代市のみどりが丘小。大規模開発で誕生した新興住宅地にある。3位は1015万円の浦安市日の出小で、日本航空など大手企業の社宅があることも平均年収を押し上げた。いわゆる、セレブ主婦の“マリナーゼ”たちが生息するエリアだ。
「千葉県内の上位は、ここ20~30年の間に新しく開発されたエリアにある学区ばかりです」(前出のスタイルアクト担当者)
思い返せば、「田園調布に~」のギャグがはやったのは30年以上も前のこと。すでに鬼籍に入った星セント・ルイスの2人もこんな事態は予測できなかっただろう。
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2017年01月11日
23区の「年収の高い学区」発表! セレブの御曹司、令嬢が通っている(かもしれない)公立小学校は?
子どもは環境の良い小学校に通わせたいと思うのが親心というもの。愛息子や娘を人気の学区の小学校に入れたくて引っ越しをしたり、住民票をうつして「越境通学」させたりという"裏ワザ"を使う親もいるとかいないとか。
人気の学区は概してリッチな家庭が多い印象ですが、親の年収が多い学区トップは――? スタイルアクトが2016年12月9日に発表した、東京23区と神奈川の「世帯年収の高い学区」を見てみましょう。
23区トップは頭一つ分抜きんでている平均年収
東京23区では学区内に六本木ヒルズや元麻布ヒルズ、高級マンションが立ち並ぶ南山小学校がトップになりました。平均年収1409万円は、他の学区より頭一つ抜きん出る結果です。

平均でこの額!
ヒルズ族を父母に持つ子どもがわんさかいそうですね。ちょっとのぞいてみたい気もするけれど、なんだか気おくれしてしまいます。
それぞれの区1位で、平均世帯年収が1000万円を超えたのは、千代田区の番町小学校(1151万円)、渋谷区の神宮前小学校(1067万円)、品川区の第三日野小学校(1051万円)、大田区の田園調布小学校(1016万円)、世田谷区の池ノ上小学校(1007万円)、中央区の佃島小学校(1006万円)。高級住宅街として有名な学区やファミリー層に人気の学区の小学校が並んでいます。
湘南や中華街エリアもランクインした神奈川

個性ゆたかなエリアもたくさん
神奈川県で最も年収の高い小学校区は、川崎市宮前区の宮前平小学校(1044万円)でした。国家公務員宿舎や大手企業の社宅が学区内世帯の10%を占めていて、平均年収を押し上げています。
ほかに特徴的なのは、神奈川県内で最も世帯年収が高い青葉区にあって、持ち家率と住宅平均面積が区平均より更に10%以上高い荏田西小学校(横浜市青葉区、1034万円)や、新横浜駅が最寄り駅の大豆戸小学校(横浜市港北区、955万円)。
また、横浜市中区で1位の元街小学校(956万円)は、高級住宅地として名高い山手エリアを始め、中華街などの山下町も学区内に含んでいます。利便性はもちろん、眺望・住環境の良さ、優れた教育環境も人気です。
一方、七里ガ浜小学校(鎌倉市、917万円)のように、歴史や文化の残る高級住宅地を含む学区や、東海岸小学校(茅ヶ崎市、896万円)のように、温暖な気候や湘南らしさを求める人が集まる学区も上位にランクインしています。
あなたが子どもを通わせたいと思う学区はありましたか?
さて、ここにあげた金額はあくまで平均です。公立なのでいろんな人がいますし、お金持ちでなければ入れないというワケではないので、たまたまその学区だとしてもビビる必要はありません。
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2016年12月23日
23区の一部で進む、公立小の「階層化」の実情
東京23区の一部公立小学校では、私立顔負けの富裕層が集まっている。子どもの教育環境を住宅購入の動機として優先する人が増えているからだ。
文部科学省の「子供の学習費調査」(2014年度)と日本政策金融公庫による「教育費負担の実態調査」(15年度)によると、子どもを幼稚園から大学まですべて国公立に通わせた場合の学費は、約1213万円。すべて私立(大学は文系と理系を合わせた平均値)となると、約2749万円にも上る。
こうした数字をみて、「ウチは小学校までは公立でいいわ」と考える家庭も多いはず。公立なら学費も抑えられるし、富裕層が通う私立で見られるような、親同士の「マウンティング」とも無縁そうだ。だが東京23区の一部公立小学校では、私立顔負けの富裕層が集まっている。
12月9日、不動産コンサルティング会社「スタイルアクト」は、同社が運営するサイト「住まいサーフィン」に東京23区の公立小学校の「学区年収別ランキング」を公表した。国勢調査や住宅・土地統計調査を使って、各町丁目別の年収データ(単身者を除く)を算出。それを各学区域に当て込んで、独自のロジックを使って分析、集計し、23区それぞれの平均年収トップの公立小学校を一覧にした。
同社の堂坂朋代さんによると、小さい子を持つ不動産購入希望者は、最寄りの公立小学校の情報をとても気にするという。学校までの経路はもちろん、児童数や先生の評判、中学受験率など学校の内実を知りたがっている。だが、不動産広告では学校までの距離以外のデータ表示は禁じられているため、不動産会社は評判を知っていても、口頭でしか伝えることはできない。そこで、物件購入の判断材料の一つとして、学区の「平均年収」を調査したのだという。
●中学では早慶以上に
「平均年収は自分たちと似たような“属性”の家庭がどのくらいいるかの目安になります。同程度の家庭の子どもが多く集まれば、価値観や家庭環境も同じようなものになり、集団に違和感なくとけこみ、学校生活が送りやすくなります。平均年収より上か下かではなく、その地域で新築マンションが買えるのかという点も判断材料にしてほしい」
平均年収は、トップの港区から7位の中央区まで1千万円の「大台」を超えた。最も低い荒川区でも753万円だった。
国税庁の「平成27年分 民間給与実態統計調査」によると、正規社員の年間平均給与は485万円。同調査は単身者を含むので単純比較はできないが、23区の一部の公立小学校では、全国平均の2~3倍の収入がある世帯が集まっている。
「富裕層」世帯が、私立ではなく公立の小学校に通わせるのはなぜか。教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏はこう語る。
「お受験をして、慶應幼稚舎など名門校に入学できるのは一握りです。でも最終的には早慶以上の大学に行かせたい親は多い。それなら、お受験で無理をするよりも、小学校は公立でも塾などで学力を鍛え、中学受験で早慶を受ける。もしくは、御三家と言われる進学校に挑戦して早慶以上を狙えばいい、と計算して公立小学校へ入学させる親御さんはいるでしょう」
●お金に加え「運」も必要
実際、目黒区のランキング上位の公立小学校に娘(10)を通わせる30代の主婦はこう話す。
「お受験も考えましたが、中学受験率が9割と聞いて、地元の公立小学校にしました。受験率が低い公立だと浮いてしまう可能性もあるので、そこは気にしました。娘は2年生から『SAPIX』に通っていますが、教育熱心なご家庭が多く、同じような子も珍しくありません」
では、個別にランキング校をみていこう。トップは「港区立南山小学校」。学区内の平均世帯年収は1409万円と群を抜く。学区内には総戸数793戸「六本木ヒルズレジデンス」や、地上29階、地下3階の「フォレストタワー」を有する「元麻布ヒルズ」をはじめ、専有面積の広い高級マンションが立ち並ぶ。70平方メートルの新築マンションの相場価格は約1億270万円。庶民の生活水準を超えている。
「学区では元麻布3丁目の平均年収が特に高く、約1662万円。港区は、他にも名門校と言われる白金小学校(平均年収1174万円)、日本最初の公立小・鞆絵小学校などが統合してできた御成門小学校(平均年収1268万円)など、人気校がひしめいている」(堂坂さん)
私立保育園「駒沢の森こども園」の経営者で、富裕層の教育事情に詳しい角川慶子さんがこう言う。
「南山小学校に子どもを通わせる知人によると、専業主婦でも、外国人のベビーシッターに子どもの学校や塾への送迎を依頼しているお母さんが多くいるそうです。居住地が六本木から近距離のため、『グランドハイアット東京』で3千円以上のランチを食べるのも日常的だとか。富裕層の専業主婦でグループができているみたいですね」
2位は「千代田区立番町小学校」。創立は1871年で、作家の吉行淳之介や歌舞伎役者の市川猿翁(二代目)などが輩出した伝統校だ。平均世帯年収は1151万円で、新築3LDKの物件は、ここも1億円超えだ。
「番町小学校は区域外からの越境希望者の多い学校として知られていますが、近年は学区内に居住実績がある人でないと入学が厳しくなった。千代田区の次点は『麹町小学校』。永田町が学区に入っており、『プルデンシャルタワーレジデンス』など数は少ないものの高級マンションがあります」(堂坂さん)
港区、千代田区を抑えて、70平方メートル新築マンションの価格でトップだったのは、渋谷区の「神宮前小学校」。新築物件価格は1億2663万円だ。学校は東京メトロ「明治神宮前駅」と「表参道駅」に挟まれた一等地にあり、小学校の敷地は商業・住宅施設「表参道ヒルズ」に隣接している。この付近は都内でも屈指のブランドエリアで、新規物件自体が希少。物件を購入するには「経済力」に加えて「運」も必要となる激戦区なのだ。
●人気のモデル校
「今年から渋谷区の小学校の英語教育モデル校になっています。学区域には外国人も多く居住しているので、敷地内には『神宮前国際交流学級』という別の学校もある。国際色豊かな教育環境が整っています」(同)
杉並区の「桃井第三小学校」(平均年収936万円)も、13年から杉並区教員委員会からICT(情報通信技術)活用の研究パイロット校に指定されている。児童へのタブレット端末の貸与、電子黒板、デジタル教材の活用などが行われており、先進的な教育が受けられる。
4位は、品川区の「第三日野小学校」。JR「目黒駅」と東京メトロ「白金台駅」の中間付近にあり、御殿山小学校と並ぶ品川区の名門校のひとつだ。平均年収は1051万円。学区内で特に高いのは「白金長者丸」といわれる上大崎2丁目、池田山の東五反田5丁目。いずれも高級住宅街として知られており、特に池田山は品川区内でもトップクラスの高級住宅街だ。
「池田山、御殿山、白金長者丸などは、いずれも由緒ある昔のお屋敷などがあった場所。長い歴史の中で富裕層が多く住みついて邸宅街が形成されていき、今でも年収が高い世帯が多く集まるようになった」(同)
●内申書はブランド校で
大田区の「田園調布小学校」が5位。言わずと知れた高級住宅地・田園調布を学区とする。敷地面積の広い大邸宅が多い中、特に田園調布3丁目と5丁目の年収が高い。
「駅の西側に広がる3丁目は借家世帯でも平均年収が1千万円を超えます。学区外からの指定校変更願いが多く出されている人気校です」(同)
自身も田園調布小学校出身の角川さんが言う。
「中学受験の内申書は、有名ブランド公立小から提出したいと考える親御さんもいます。中学校側が『この小学校出身の子なら安心だろう』とプラス評価になることを期待しているからです。そうしたイメージという点で、田園調布小学校はうってつけなのではないでしょうか」
年収が高い世帯は、「歴史と伝統」「パイロット校」など教育環境の良さを重視する。必然的に評判の高い小学校区の物件を選ぶことになり、その学区にはますます富裕層が集まってくる。「こうした傾向はより強くなるはず」と堂坂さんは語る。
「今でも学区を選択できるのは新入学時のみで、転居時には選択できない自治体もある。特定の学区に人気が集中すると、学区選択制が制限される可能性もあります。『子どもの教育環境』を住宅購入動機として優先する人は増えるはずです」
牧歌的でのんびりとした風景は、今は昔。都心では、公立小学校さえも「階層化」が進んでいる。(編集部・作田裕史)
※AERA 2016年12月26日号
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