小学校受験

2022年02月03日

東大卒妻が小学校受験に失敗…焦りから子どもに課した「多すぎる習い事」


息子にいくつもの習い事


 日本経済の不透明な先行きを反映してか、子育て世代の「教育熱」は過熱の一途を辿っているようにみえる。かつては中学校一年生から受験開始が一般的だった英検は、今や級によっては受験者の大半が幼児・小学生だという。


 また、首都圏塾の通塾開始年齢がどんどん低年齢化しているのも有名な話だ。ある知人は、有名中学受験塾の某校舎で、新小学校一年生の入塾待機人数が200人近いと告げられたそうだ。勉強ばかりではない。都心部の大手スポーツクラブでは、幼児・低学年向けのプールや体操クラスが入会までに半年待ちも珍しくないと聞く。


 東京の都心エリアに住み、この春から小学校3年生の男の子を育てるA子さん(36歳)も、子どもの教育に心血を注いでいる親の一人だ。A子さんも夫も東京大学を卒業し大手有名企業に勤務している。小学校入学までは外遊び重視派だったというが、「とある経験」をきっかけに、息子さんにいくつもの習い事をやらせるようになった。ところが、そんな忙しい日々を1年ほど過ごしたとき、息子に異変が見え始めたというのだ。



良い結果を出す人はみんなやらせている



 「ほんの出来心でやってみた小学校受験で、周りの子どもとの差に愕然としました。私も夫も幼少期から“出来るのが当たり前”というタイプで、何かに苦労した事が無かったため、それまで子どもの能力に疑問を持ったことなんてなかったんです。


 今思えば甘すぎてお恥ずかしいのですが、お受験も準備期間は半年以下でしたが、もしかしたら受かるかも、と本気で思っていました。ところが蓋を開けてみると、ペーパーの飲み込みも悪い、手先も不器用、身体能力も高くない。


 結果は当然全敗でした。それまでは見えていなかった同学年の子との差が目について、無条件に信じられていた息子の潜在能力に、一気に疑いの目を持つようになりました。」


 こうした経験を経て改めて周りを見回したA子さんは、「親の学歴は関係ない。いい結果を残している人は皆やらせている。ぼーっとしていると子供はどんどん落ちていく」という結論に達したという。


突然やってきた焦り


 「そのタイミングで、傍から見ると過剰だと感じるほど中学受験にのめりこんでいた職場の同僚のお嬢さんが御三家に合格したんですよね。ご本人は短大卒、旦那さんも地方の国立大学だと聞いています。

 方や、私からすると適度なゆるさで子供と向き合っていた知人の京大卒カップルのお子さんは、直前に受験校のレベルを一つ落としていた。そこで改めて、親の学歴は全然関係ない、ましてや息子は現段階で何の芽も見えていないのだから、こんなにノンビリしていたら駄目だ、と猛烈に焦り始めてしまいました」

 そうと決まれば情報収集能力も高く、高収入共働きで資金力のあるA子さんの行動は早かった。良いと言われる習い事を片っ端から調べ上げ、自身の在宅勤務の柔軟性を活用しながらパズルのように息子さんの習い事を組み上げた。息子さんは小学校入学と同時に、習い事週7回という超多忙生活を送る事になる。

 多すぎる習い事を順調にこなしていた息子さんだが、あるときからA子さんはその様子に違和感を覚えるようになる。後編【高学歴・東大卒妻が陥った「多重習い事」の罠…子どもがへとへと無気力に】では、その違和感の原因について語っていただく。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

高学歴・東大卒妻が陥った「多重習い事」の罠…子どもがへとへと無気力に


夫婦共に東大卒で、大手有名企業に勤務するA子さん。息子さんの小学校受験失敗をきっかけに「良い結果を出す人は、みんな子どもにいろいろやらせている」と思い込み、息子さんの小学校入学を機に週7回の習い事を組んだ。その焦りについては前編【東大卒妻が小学校受験に失敗…焦りから子どもに課した「多すぎる習い事」】でお伝えした通りだが、順調に小学校生活を送っていたように見えたある日、息子さんに異変が見え始めたという。




息子の様子に異変が…


 外遊び中心の保育園時代から一転、超多忙小学生となった息子さんは、その甲斐あってか、勉強面でつまずく事もなく順調な小学生生活を過ごしているように見えたという。ところが多忙な日々を送りながら1年ほど経ち、小学校2年生の春に差し掛かろうというときに、息子さんの様子に異変が見え始めたという。

 「息子は習い事を嫌がる様子もなく、終わった後に友達が出来たことなどを話して聞かせてくれました。公立小学校の要求水準がそもそも高くないお陰もあるのかも知れませんが、勉強で苦手意識を持つことなく小学校生活を送っていましたし、塾や算数教室でも、先生等にお話を伺うと平均程度の出来という事で、息子の能力に対する若干の物足りなさはあれど、大きく遅れてはいないという安心感がありました。

 ところが、2年の春ころから、息子にちょっとした異変を感じるようになりました。家での空き時間での様子が、疲れたサラリーマンそのものなんです。無気力というか、何をするでもなくひたすらボーっとしている時間が長い。一つ一つの習い事は嫌いではないはずなのに、行くように促すと全てに対して難色を示す。宿題をやらせても身が入らなくて集中力を失い、凡ミスを連発する。朝も寝起きが悪くなったようでした。

 さすがに週7個の習い事が多すぎるのかと思い、それぞれについて『辞める? 』と問うと、辞めない、というので、違和感を覚えながらも何の手を打たないままに数か月過ぎていました」


やる気を取り戻した息子


 そんなA子さんの息子さんが「自分」を取り戻し、A子さん自身も習い事についての考えを改めるきっかけとなったのは、皮肉にもコロナの影響だった。

 「それまでコロナを理由に習い事を休ませたことは無かったのですが、2年生の中ごろに通わせている習い事のいくつかが、感染者が出た事などを理由に1ヵ月以上お休みになったほか、短期イベントなども全てキャンセルになってしまったのです。結果、それまで詰まり気味だったスケジュールにぽっかりと空きができました。


 するとボーっとしがちだった息子が、自発的にインプットを求めるようになったのです。今思えば、単に暇だったのだと思うのですが…歴史の本を買って欲しい、とか、休みの日に区民センターのプールに行きたい、新しいパズルが欲しい、というような感じです。


 そういう自発的な取組みを見ていると、明らかに集中力が違うんですよね。国語の宿題は5分もやっていられなかったのに、1時間でも2時間でも本を読んでいる。それを見て、子どものためだと思ってやっていた習い事が、うちの息子にとっては、キャパシティーを上回ってしまっていた事にはっきりと気がつきました」



鍛えるべきは親のメンタル


 こうした体験を経て、A子さんは息子さんの習い事を見直すことにした。今、A子さんの息子さんの習い事は週3回。算数教室、空手、ピアノの3種類だ。

 「佐藤ママさんの教えに従っているわけではありませんが笑。息子が好きだというものを残したら、自然とこうなりました。結局、保育園時代と比べると算数教室が増えただけです。中学受験に向けてこれで不安がないかというと嘘になります。4年生に進級する際には、有名中学校受験塾への入塾を考えていますが、ひとまず低学年のあと1年は、息子が自分の時間を十分に持てるようにさせようと思っています。

 今回、自分が何故息子に過大なプレッシャーをかけてしまったのかを考えてみると、どこかで自分より学歴が劣っている人たちに負けたくない、という変な意地があったと思います。知り合いに、東大夫婦なんだから絶対大丈夫でしょー、といわれる事も、知らないうちに重荷になっていた。息子の出来が芳しくないと、どこかで親は高学歴でも…と言われているような気が勝手にしてしまっていました。

 中学受験は子どもにとって通り道に過ぎません。子供の成長はもっと長い目線で見守ってあげないといけない。今後子供と迎える様々なライフイベントに向けて、まずは私たち親が変わらなければならないと気がつきました」

 最後にA子さんは、実際はまだまだ子どもの出来に一喜一憂してしまい、メンタルが豆腐レベルだと笑いながら教えてくれた。

 受験戦争を華麗に乗り越えてきた高学歴夫婦でも、自分の成功体験が子供に当てはまるとは限らない。外部の情報に踊らされ過ぎることなく、子どもとのコミュニケーションを大事にし、様子をしっかりと観察しながら習い事を選んでいく事が重要だといえるだろう。


2022.2.3 現代ビジネス から転載


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2021年05月13日

名門小学校受験に成功した“奇跡のワーママ”が戦慄した「目にみえない格差」


なぜゆうこりんは再婚を急いだのか?


 2020年3月、タレントのゆうこりんこと小倉優子が、再婚相手である歯科医に弁護士を通じて離婚を求められていると報じられた。



 初婚夫の不倫が原因で離婚をしたのが2017年3月。不倫発覚がゆうこりんの妊娠中だっただけに、同じような経験を持つ世の女性陣はおおむね、ゆうこりんを支持。二人のお子さんを抱えて健気に頑張る、料理上手なシングルマザーとして好感度を爆上げしたゆうこりんは、オリコン社調査の「好きなママタレント」ランキングで、2017・2018年に第一位を、2019年には第二位を獲得した。

 しかし、離婚報道の影響か、2020年の同社のランキングでは10位にも入れず、圏外落ちしている。

 ママ友の紹介で知り合ったという歯科医師との交際発覚は2018年6月、再婚したのが12月である。

 前夫とのお子さんが二人いるのに、短い交際期間で再婚を決めたことが夫婦関係の破綻を招いたのではないかなど、いろいろな見方が飛び交っているが、お受験という視点で考えると、ゆうこりんが再婚を急いだことは「当然のこと」とお受験ママたちは言う。

 ゆうこりんの長男は難関小学校に見事合格を果たしている。両親や祖父母に愛され、慈しんで育てられた子どもが集う場所、それが名門私立小学校である。死別ならともかく、両親が揃っていないのはよろしくない。

 愛する息子が肩身の狭い思いをしないように、またその兄弟のお受験のためにも、ゆうこりんが「早く新しい父親を」と思ったとしても無理はないと名門小学校のママたちは考えるわけだ。

 都内在住で地方出身の洋子(仮名、44歳)さんも、そんなゆうこりんの動向を気に掛ける一人だ。



「お受験」というカルチャーショック

 洋子さんは小学校から公立育ちで、東大合格者も多数いる共学進学校を経て、有名私大に進学した。就職氷河期世代だが、高収入職につき、20代は仕事にまい進、30代で大学の同級生と結婚し出産した。

 公立育ちの洋子さんがお受験を考えたきっかけは、「仕事をしている母親の中学受験は大変だと同僚に聞いたんです。それなら、早くに済ませてしまったほうがいいんじゃないかと」

 いわば軽い気持ちで挑戦したお受験だったが、第一希望の国立大学付属小には抽選で外れてしまったものの、お子さんはお嬢さま学校としても進学校としても有名な都内名門女子校に合格した。

 お子さんは毎日楽しく学校に通っている。名門小学校に子どもを合格させたことで、後輩ママたちから相談を受けることも多い。しかし、誰にも口にしたことがない本音があるという。

 「お受験したことで、これまでの価値観がひっくり返るくらいのカルチャーショックを受けました」

 洋子さんが見たお受験の世界、それは格差と不平等の国だった。



チャンスの不平等


 前述したとおり、洋子さんはともかく軽い気持ちで小学校受験を決めた。とりあえず
有名な塾に入れたが、ここで洋子さんの思う塾とお受験の塾の違いに気づく。

 洋子さんのイメージする塾とは、洋子さん自身が高校や大学受験で通ったものと同様に、子どもの学力を伸ばし、志望校合格に導いてくれるものだった。しかし、お受験の塾は全く違った。

 「お受験の塾は、あなたのお子さんはこういうところが向いていますよ、この学校が向いていますよ、この学校なら受かりますよと『教えてくれる』んです。親はその教えてもらったところの学校の中から選んで、対策するしかない。学力を伸ばすというより、仲人をしてくれる感じです」

 小学校受験には“ご縁”の有無は重要なポイントになる(私学であるから、コネは否定されるべきものではない)。お受験対策のムック本にも、学校によっては縁故が必要とはっきり書いてある。公立小学校に対する不信感が増していることもあり、お受験は過熱し、“シロウトさん”の参入者は増えている。

 しかし、コネのある人がごく一部であることを考えると、競争は激化する一方だ。有名大学の付属小学校はいつの時代も人気だが、ここは何代もおつきあいのある人たちの戦いなので、洋子さんのようなお受験初代組はどう足掻いても入れない。

 そうなると、ご縁以外のこと、つまり、ペーパーテストを重視する学校に人気が集中してしまう。これまた狭き門なのは言うまでもない。

 「それでも、最初はコネをあまり信用していなかったんです。ペーパー試験ができれば、合格するんじゃないかって。でも、今、子どものお受験を終えて思うんです。やっぱりあると思います。不思議というか、さすがというが、塾が勧めないところを受けて、受かった人を私は見たことがありません」



作法を見て盗むしかない


 次に洋子さんが驚いたのは、お母さんたちの服装や態度だった。洋子さんがお子さんを通わせた塾は、親の授業参観が認められていた。夏の土曜日ということもあって、Tシャツと綿のスカートというカジュアルなスタイルで出かけた洋子さんは、お母さんたちの服装に度肝を抜かれる。

 「みんな、同じ格好をしているんですよ。全身紺色。もしかして、決まりがあるのかと思って、塾からもらった書類を見直したんですけど、母親の服装については、一言も書いていないんです」

 実はこの“紺装束”をした母親は午後3時くらいの飯田橋や四谷など、名門校の最寄り駅で頻繁に見かけることができる。ザ・お受験ママルックだが、洋子さんはそれを知らなかった。

 「塾側にも聞いてみたんですけど、特にはっきり言わないんです。これがお受験初代組のディスアドバンテージですよ。情報が平等に入ってこないんです。誰も何も教えてくれない。お受験初代組は、作法を見て盗むしかないんです」

 塾によってはお母さん同士の連絡先交換を禁じているところもあるが、洋子さんのところは認められていた。実際、連絡先を交換したお母さんもいたが、やりとりをする中で気づいた。

 「所詮はみんなライバルですから、本当のことや、自分の子どもが不利になるようなことは絶対に言わないんですよ。だから、私もひたすら周囲を見て、浮かないように、どんなふうにふるまったらいいかを学びました。仕事とは反対の行動論理です」

 紺色尽くしの母親の服装にも、ある程度ブランドが決まっていることに気づいた。靴はフェラガモかミハマ、ローヒールだけれどもバレエシューズではない。バッグは判で押したかのように、エルメス。小さいバーキン、ポリードなど種類は違っても、紺、黒、グレー、水色だった。

 「たぶん、お教室にユニクロの2,000円のバッグで行ったのって、私が初めてじゃないでしょうか」


どんなにがんばっても埋められない格差


 これは噂話の範疇を出ないのですが、と前置きして洋子さんが明かす。

 「子どもが人気校に合格すれば、塾の名声は高まりますよね。だから、実績を稼げそうな子には、塾が凄腕の家庭教師を個人的に紹介しているみたいです。もちろん、それだけお金がかかりますから、高額な家庭教師代を払える人に相談していると思うんです」

 カネを払う側(自分)が相手を選ぶのがではなく、カネをもらう側(塾)が払える人を選ぶ。洋子さんには、初めての経験だった。

 特定の学校にコネはなかったものの、洋子さんが超幸運だったのは、お子さんが勉強を嫌がらず、さらに優秀だったことだ。

 ペーパーテストが得意だったお子さんに、塾が勧めたのは、医学部や東大への合格者を多数輩出しているお嬢さま学校だった。なんとなく縁故の強そうなイメージを持っていたが、テストができれば必ずしもそうではないという。塾の見立てどおり、名門女子校には見事合格した。

 「自分の子育ては正しいと認められたみたいで、天にも昇る気持ちでした。夫と抱き合ってワンワン泣きました」

 専業主婦ではないのに、名門校にコネなしで合格した“奇跡のワーママ”として、後輩ママから意見を求められることもあり、洋子さんはスター気分を味わったと言う。

 「今、考えてみると、あの時が幸福感のピークでした」

 努力は報われると洋子さんは思ってきた。勉強して好きな大学に入り、氷河期と言われる就職難の時代にも、希望の職につき、高収入職を得たのがその証拠だ。夫とも対等な関係を築けている。

 「でも、お受験で初めて不平等を見てしまった気がします。どんなにがんばっても埋められない格差って気づかないだけで、たくさんあるんですよ。私立の小学校に娘を入れてそれに気づいてしまいました」

 名門女子校だけに、ママ友同士のお付き合いはそれなりに厳しいものだと洋子さんは覚悟していた。

 マウンティング的なことも当然あるだろうが、大手企業で管理職として部下を束ねている洋子さんは、自身のコミュニケーション能力で乗りきっていけると思っていたそうだ。しかし、拍子抜けするほど何もなかった。

 ある時、洋子さんがSNSに「女子校だけど、ママ友はみんなさっぱりしている、無駄な集まりがない」とつぶやいたところ、見知らぬ人から「あなたが呼ばれていないだけ」というレスがついて、ドキッとしたという。

 そう言われてみると、何人かのママ友がお揃いのバッグを持っていることに気づいた。あれはいつ、どこで買ったものなのか――。しかし、それを聞くことが“ルール違反”であることをすでに洋子さんは知っていた。

 「お受験代々組って、すべての情報を同じ代々組から得るんです。秘伝の技みたいな感じで伝わっていくので、こっちには絶対に回ってこないんですよね。仲間外れにされているわけではありませんが、肝心な情報は入ってこない、これ、結構キツいですよ」



小学生はマウンティングがお好き


 お受験初代組である洋子さん一家であるが、お子さんは楽しそうに学校に通っている。宿題のプリントの“お直し”(子どもの間違った部分を、親が直す)には多少閉口したが、十分、許容範囲だ。

 しかし、ある日、お子さんに

 「ママ、私は外部生なの?」

 と聞かれて、驚いたと言う。体育の時間に、リトミック体操をやることになったが、洋子さんのお子さんを含む一部のクラスメイトができなかった。それを見たお友達の一人に、

 「外部生はしょうがないよ」と言われたそうだ。

 幼稚園から進学した子(以下、幼稚園組)は幼稚園でさんざんやっているので出来て当たり前という意味だろうが、洋子さんの胸にはひっかかるものがあった。

 「それって親が家庭で言ってるってことじゃないですか。親同士は無言のマウンティングですけど、子どもは素直だから、口に出ちゃうんだと思うんですよね」



「マンションからも、うちの学校に入れるんだね」


 経済的な格差も大きい。洋子さん一家も世間的には十分高収入だが、名だたるお嬢さま学校なだけに、幼稚園組は日本を代表する実業家の一族や、ロイヤルファミリーの係累と名門家庭の巣窟だ。一族の女性全員が卒業生であるというケースも珍しくない。

 「そんな中に、ノーコネの娘が入ってしまいました。なんだか娘に申し訳ないと思ってしまいます」

 お子さんの言う、子ども同士の会話から、洋子さんはマウンティング的な要素を感じることがあると言う。

 「冷蔵庫ってどうやってあけるの? (家にお手伝いさんが常駐しているので、冷蔵庫を自分で開けたことがない)」

 洋子さんのお宅は都心部のマンション暮らしだが、

 「マンションからも、うちの学校に入れるんだね」
「〇〇区ってサイタマ?」

 といった具合に小学生でありながら、大人顔負けの経済的・社会的序列が叩き込まれている。同じくマンション住まいだった外部生は、娘のために千代田区に暖炉のある家を買い、クラスメイトを招待したと言う。

 「こうやってお披露目すれば、もう言われないと思ったんじゃないでしょうか。フツウのサラリーマンが太刀打ちできる世界じゃないんですよ。世帯年収三千万クラスが、金持ちのジジババがいないと無理です」



階層に悩みながらも、階級を否定できない


 洋子さんは学校に近づくたびに、自己否定に似た気持ちがわいてくることに気づいた。

 「不思議なことに、仕事中は全く思わないんですけど、自分なんてだめだ、カーストが低いみたいな、これまでの人生で考えたこともないようなことを考えてしまうんですよね。娘も成長と共に交際範囲が広くなるでしょう。たとえば、友達の別荘に呼ばれたとしたら、うちはどうすればいいのか。娘は今のところ、変な劣等感は持っていないようですが、それもいつまで続くか……」

 洋子さんはフルタイムで仕事をこなしながら、週末は名門小学校のお子さんにふさわしい習い事や、新型コロナウイルス感染に気をつけながら、ひっそりと社交に精を出す。肉体的にもキツいし、自分の時間は皆無と言っていい。

 ここであえて意地悪な質問をしてみた。お子さんのように生まれつき優秀な子は、お受験なんてしなくても公立で頭角を現すのでは? 洋子さんも無駄な劣等感と出会うこともなかったのではないでしょうか。

 洋子さんは少し考えて、こう言った。

 「うーん、それもちょっと違うと思うんですよね。私立の小学校って一見さんお断りの料亭みたいなもので、変な人が来ていないという安心感はありますよ」

 階層に悩みながらも、階級を否定できない。お受験は格差社会の写し鏡のようなものなのかもしれない。 


仁科 友里(フリーライター)

現代ビジネス から転載
2021.5.12


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2020年10月29日

国立?私立?どうする小学校受験 それぞれの違いを解説


小学校受験を考えた時、国立の小学校と私立の小学校どちらがよいか迷う保護者の方も多いでしょう。具体的にどちらがよいということはなく、住む地域などにもよって選び方が変わってきます。まずは国立と私立でどのような違いがあるのかをチェックしてみましょう。


国立小学校の特徴

国立小学校は、国が「教育研究機関」として小学校を設置しています。

研究に基づいた授業が実施されており、教育の質が高いことが期待できます。
一部の国立小学校では、国立小学校の教師を私立小学校へ派遣し、教師への教育指導を行うこともあります。
そのため、教育の質・教師の質が高い小学校へ入学させたいという場合は、国立小学校がおすすめです。

しかし、国立小学校の場合は、居住地によって受験できる子どもを制限している小学校があるというデメリットがあります。

また、小学校卒業後、中学校・高校への進学ができない場合もありますので、小学校受験のタイミングで中学・高校についてある程度考えながら選ぶとよいでしょう。



私立小学校の特徴

私立小学校の場合は、学校によって個性的な特徴をもつ学校がたくさんあります。

私立小学校はさまざまな学校があるので校風や教育方針などをチェックしてみるとよいでしょう。

子供の個性に合わせた学校はどんなところか、楽しく過ごせるところはどこかを探してみましょう。

なお、私立小学校の場合、女子校・男子校・男女共学などの選択肢があり、そのほか中学校・高校・大学までエスカレーター式で「内部進学」ができる学校もあります。

女子校がいい、男子校がいいという希望や、エスカレーター式で内部進学したいという希望がある場合は、私立小学校がおすすめです。



国立と私立で迷ったらどうすればいい?

受験が必要な小学校の場合、国立小学校・私立小学校共に特色がはっきりしています。
もし、国立小学校と私立小学校どちらがよいか迷った場合は、受験を考えている小学校をピックアップし、見学に行ってみるとよいでしょう。

実際に学校の先生から学費や教育方針、学校についての話を聞いてみたり、子どもたちの様子を見てみたりすることで、子どもが小学校に入ってからの様子を想像することができます。

そして、実際に小学校まで行ってみて、自宅からの通学手段や通学時間をチェックし、子どもが無理せず通えるかどうかも合わせて考えて見るとよいでしょう。



まとめ & 実践 TIPS

小学校受験を考えている場合、受験をする小学校選びは大切です。
どこの小学校を受験するかによっては中学校や高校、大学への進学など、子どもの将来も変わってきます。
そのため、保護者が事前に国立小学校・私立小学校のそれぞれの特徴を踏まえて、子どもにとってよい小学校を選んであげましょう。



出典:私立・国立小学校の試験とは?どんな準備が必要?【小学校受験】
URL https://benesse.jp/kyouiku/201904/20190417-1.html

出典:小学校受験ってどんなもの?近年の受験動向
URL https://benesse.jp/kyouiku/201904/20190415-1.html


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増加傾向の「小学校受験」何を勉強するの?塾や教室はいつから通えばいい?

最近ではサラリーマン家庭でも増加している「小学校受験」。

自分の子どもにも小学校受験をさせてみたいものの、実際にどんなことをするのか、どんな準備をすればよいのか、よくわからないという方もいるかもしれません。

そこで、「小学校受験」は実際にどんなことが行われるのか、塾や教室にはいつから通えばよいのかなどについてご紹介します。


小学校受験の内容とは?


小学校受験では、主に「ペーパー試験」、「行動観察」、「運動」、「制作課題」、「面接」などが行われます。
ペーパーテストというと、文字や数字を書かせる問題を想像しがちですが、小学校受験では文字や数字は書きません。

ただし、小学校受験対策をしていないと分からないような問題も多いので、ペーパー試験対策は必要です。

制作課題や運動どちらにも共通して言える事は「しっかり話を聞くこと」や「しっかり目で見ること」です。

その上で指示通り動けているか、道具が使えているか、丁寧に進められているかなどをチェックされます。

「行動観察」は、他の子どもたちとの集団のなかで、協調性や個性をチェックされます。

「面接」は、ほとんどの私立小学校で「両親面接」が行われています。
小学校の方向性を理解し、信頼してもらえる家庭かをチェックし、普段から親が子どもにどう接しているか、どう教育してきたのかなども見られます。


塾や教室は? 小学校受験の準備はいつからすればいい?


「小学校受験は難しいから早めに始めた方がいいの?」と考える保護者もいると思いますが、実際にはいつから小学校受験の準備を始めるとよいのでしょうか。

小学校受験の内容は、普段のお子さんの様子を見ることから、受験対策をしなければ出会わないような問題も出てきます。

家族で「小学校受験に挑戦してみよう!」と考えたタイミングから準備を始めるとよいですが、少なくても準備期間に1年ほど余裕があると良いでしょう。

そのため、遅くても年中の秋までに始めるのがベストです。

ただし、難関校の場合は2年~3年ほど準備期間が必要な場合があり、早めに準備を始めることで大人も子どもも余裕をもって対策ができるという場合もあります。

また、「塾や教室に通うかどうか」というところも迷いどころですが、家庭の教育方針に合わせて決めても問題はありません。

しかし、小学校受験対策の塾や教室は、小学校受験に関するノウハウを持っているため、効率的に学習ができるというメリットもあります。
その辺りの点も考慮しながら決めるとよいでしょう。



小学校受験の準備を行う上で気を付けたいこと

小学校受験は、「決められたルールに沿って行動ができるか」などを見る場です。
そのため、子ども自身の自主性を大切にしながらも、自ら考え、力を付けていけるかが重要です。

大人が良かれと思って口や手を出すことで子どもの自主性が伸びる機会を奪ってしまうことがあります。
また、大人が焦ってしまうことで、「子どもが自ら考える力」を伸ばすチャンスを奪ってしまう可能性もあるでしょう。

小学校受験を通して大人と子どもがお互いに成長できる機会にしていきたいですね。




まとめ & 実践 TIPS

小学校受験は家族で挑戦するものです。
家族でしっかり話し合った上で「挑戦しよう」と決めた場合は、子どもも大人も成長できるようお互いに考えながら受験対策を行う必要があります。

大人だけが焦って先走ってしまわないよう、家族で足並みを揃えてがんばりましょう。



関連記事
:私立・国立小学校の試験とは?どんな準備が必要?【小学校受験】(ベネッセ教育情報サイト)
URL https://benesse.jp/kyouiku/201904/20190417-1.html

:小学校受験ってどんなもの?近年の受験動向(ベネッセ教育情報サイト)
URL https://benesse.jp/kyouiku/201904/20190415-1.html


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2020.10.4  ベネッセ教育情報サイトから転載


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広がる学校選択「小学校受験」はするべき?

お子さまに関して保護者がおこなうたくさんの「選択」。そのなかでも「園や学校選び」は、お子さまの将来を左右するかもしれない重要なものになりがちです。

2020年にソニー生命が行った調査によると、大学生以下のお子さまを持つ保護者の65.5%が「教育費が子どもの学力や学歴を左右する」、そして73.0%が「幼い頃から子どもの能力を高めるような取り組みを行うことが子どもの将来のためになる」と感じているようです。

とはいえ、2020年4月からは私立高校授業料実質無償化もスタートし、選び方次第では費用を押さえつつ学ぶ環境を選ぶことも可能。メリット・デメリットを考えつつ、小学校について考えていきましょう。



小学校を「お受験」するメリットって?


小学校を受験する場合、選択肢は「私立または国立」になります。それぞれが特色を持ち独自の学習環境を整えていることが多いため、力を入れたい教科や学習にじっくり取り組みやすいというメリットがあります。



・目的を持って受験してきている家庭が多い

小学校受験であえてその学校を選ぶということは、やはりその学校での学びやシステムが、お子さまにとって大きなメリットになると考えているから。そのため比較的に価値観が近い家庭が集まりやすく、お子さま同士も同じ目標に向かって、一緒にがんばりやすいと考えられます。



・中学、高校へは受験が必要ない場合も

受験を必要とする小学校は、中学校・高校までエスカレーター式で進学できる場合が多くあります。そのため中学・高校へ進学するためのテスト勉強や受験勉強にあまり力を入れる必要がなく、その分「その時期にしかできないこと」を学べるというメリットも。

また、中学・高校でも学年の顔ぶれや通う場所・学習内容が大きく変化しないため、一般的な「中一ギャップ」が生まれにくいといわれています。


・小さな頃から専門的、または特色のある教育を受けられる

私立は英語や最新の技術を使った学習、国立は研究の結果に沿った最先端の教育など、受けられる内容は学校によりさまざま。また「教科担任制」を導入している学校では、ひとつの内容についてより専門的な視点から学べることもあります。



小学校を「お受験」するデメリット


ただし、設備や学習が充実しているというメリットが大きい反面、費用や労力は比較的多くかかる傾向にあります。どこまで負担できるのか、それだけの価値があるのかなどなど、受験を決める前にしっかり考える必要があるといえるでしょう。


・毎日送迎が必要な場合も

受験する学校が必ずしも徒歩で通える範囲内にあるわけではないため、遠ければ毎日保護者の送迎が必要になることもあります。塾や習い事の送迎もあれば、保護者の負担はかなり増えることに。

また、徒歩でも少し遠い距離・公共交通機関を使っての子どもだけの通学の場合は、事前にお子さまにしっかり説明し、納得してもらうことが大切です。保護者が強引に決めてしまうと登下校の負担がお子さまのストレスになりかねず、せっかく受験して入学したのに途中で学校へ通えない状態になってしまうことも。できるだけ無理のない距離の学校を選ぶのがおすすめです。


・高校や大学でいきなり受験があることも

中学・高校へ受験の必要がなく入れるのは大きなメリットですが、逆に高校・大学受験など「勉強が難しくなってきてから初めて本格的な受験・環境の変化がある」となる場合もあり、今までにない雰囲気のプレッシャーを感じてしまうこともあります。

逆に高校や大学まで受験の必要なく通い続けられる場合は、進路が決まっているためにお子さまが「勉強しなくても大丈夫なのでは」と安心感を持ってしまう可能性も。就職や研究など、お子さま自身が興味を持つ業務にはどうすれば就けるのか、そのためにはどのくらいの勉強が必要かなど、定期的に一緒に目標を見直す機会を作ってモチベーションを保つ工夫をしていきましょう。


大切なのは「責めない・押し付けない」こと


小学校受験では基本的に「ペーパーテスト」や「行動観察」などがおこなわれます。ギリギリでいろいろ教えても身に付かないため、早くて年少時期から小学校受験準備を始める家庭もあります。

保護者の「なんとか合格・入学してもらいたい」という気持ちは、なんとなくでもお子さまに伝わってしまうため、それが大きなプレッシャーとなり不安定になってしまうことも。大切なのは保護者・お子さまが共に納得して「受験」に向かえることです。もし受験に失敗してしまっても「よい経験になったね」と前向きにとらえ、お子さまが自身を責めないための配慮を忘れないようにしましょう。


まとめ & 実践 TIPS


小学校は保護者から離れて、長い時間を過ごす場所です。小学校の環境がお子さまの価値観やライフスタイルに直結しやすいため受験は慎重に選びたいところですが、特定の学校へ入学すればスキルや知識が必ず身に付く、というわけではありません。

小学校受験で大切なのは、家庭とそれぞれの学校が連携してお子さまの得意・学びたいことをしっかりとサポートし、伸ばしてあげることです。将来を意識するのはもちろんですが、お子さまの「今」にしっかりと配慮したサポートをしてあげられるとよいですね。




出典:ソニー生命「子どもの教育資金に関する調査2020」
URL https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_200327.html#sec14


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2020年06月25日

小学校受験ってどんなもの?近年の受験動向


「お受験」などと呼ばれ、以前は経済的に余裕のある特別な家庭がするものというイメージがあった小学校受験ですが、近年は受験者が増える傾向にあります。
そもそも小学校受験とはどのようなものなのでしょうか。
近年の小学校受験事情に詳しい、1979年発足の幼児教室「富士チャイルドアカデミー」校長の前宏美氏に伺いました。 


どこが違う? 私立小学校・国立小学校の教育

とある私立小学校の校長先生が「公立小学校の教育をデパートだとすれば、私立小学校の教育は専門店」とおっしゃっていたのが印象に残っています。

建学の精神に基づき、教育理念を明確に打ち出しているので、それに賛同して「同じ方向を見て子どもの教育ができるご家庭に来ていただきたい」という言葉もよく聞きます。公立に比べて、各校のカラーがはっきりしているんですね。

一方、国立小学校(国立大学附属小学校)は、教育理論と実践に関する研究校としての位置付けが強く、研究された先進的な授業が受けられるという特徴があります。国立付属各校の校風は私立ほど明確ではありません。



私立小学校と国立小学校に通う小学生を合わせると全国の小学生の2%未満(平成30年度現在)ですが、小学校受験をされるご家庭は、近年増加傾向にあります。その背景には「小学校6年間の間に、より豊かな学習環境を与えたい」と望む保護者のかたが増えていること、大学入試改革や私立大学の定員厳格化に伴う大学付属校人気、それと、大変せちがらいお話ですが、経済状況が若干上向いていることに関係があると思います。



サラリーマン家庭の小学校受験が増加

私立小学校の場合、卒業生のほとんどが系列の附属中高に進学、または全員が中学受験をしますから、最低でも6年間、長ければ16年間の学費を払うだけの経済的余裕のあるご家庭でないと、進学は難しくなります。ただし、私立小学校の中でも、初年度納付金が約60万円~186万円と、教育費にはかなり幅があります。

国立小学校の場合、授業料がかからないので私立よりはずっと安い教育費ですみますが、制服代や通学の交通費のほか、保護者の会の会費や後援会の費用等を求められる場合もあり、公立よりはかかります。



以前は一部の経済的に豊かなご家庭のかたが私立小学校を受験するケースが多かったのですが、近年はサラリーマン層で共働きのご家庭の受験も増えています。受験家庭の増加に伴い、そのニーズも多様化していますが、その代表的なものとして「大学附属校に行かせたい」「中学受験をさせたい」「英語教育の充実」「アフタースクールの充実」などがあります。 



中学受験との関係は?

前述のニーズのうち、大学附属校を希望されるかたが数としてはいちばん多いと思います。ただし、慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部といった有名私立大学附属の私立小学校は難易度が高く、学費も高額であることがほとんどです。そういった現実を反映して、中学受験での実績を上げている小学校にも人気があります。

首都圏でいえば、たとえば洗足学園、東京都市大学付属、宝仙学園などが挙げられます。また、男の子の場合、目黒星美学園、聖ドミニコ学園など、女子中高一貫校の付属小学校に入れて中学受験をさせるというご家庭も増えています。



中学受験のための小学校受験なんて……と思われるかもしれませんが、「中学受験をするのが当たり前」の環境だから私立小学校を選ぶ、というかたも多いのではないかと思います。生徒のほぼ全員が私立か国立の中高一貫校を志望しているため、お子さまが「なぜわたしだけ塾に行かなくちゃならないの?」と不満に思うことも少ないし、保護者のかたは周囲の目を気にしなくてすむわけです。

中学受験に対する考え方は学校によって異なりますが、進路サポートがしっかりしているところは多いですね。小学校のカリキュラムは5年生までに終えてしまい、6年生では問題演習の時間を取っているところもありますし、授業ではあくまでも基礎基本を重視し、志望校の受験対策は各自塾などで行ってくださいというスタンスの学校もあります。




英語などの独自教育やアフタースクールへの期待も

英語教育に力を入れている私立小学校は多いですが、理科や算数など英語以外の授業も英語のみで行うなど、徹底したバイリンガル教育を取り入れている学校、世界の環境問題や食糧問題といったテーマを取り上げ、グローバル教育を英語で行う学校など、そのカリキュラムはさまざまです。

また、共働きのご家庭のニーズを反映し、学校内に学習スペースがあり、宿題などを見てくれるスタッフが常駐していたり、スポーツや芸術、英会話などのアフタースクールを充実させている学校も人気がありますね。




前宏美


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2020.06.25  転載


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私立・国立小学校の試験とは?どんな準備が必要?【小学校受験】


試験では「文字や数字を書かせない」のが原則

小学校受験では、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察、面接などが行われます。
ペーパーテストでは、言葉に関するものや身の回りの知識を問うもの、数や図形に関するものなど、学校によってさまざまな問題が出題されますが、子どもたちに「文字や数字を書かせない」のが原則です。

お話を耳で聞いて、その内容に合っている絵を選んだり、まるを描いて数を答えたり。指示をしっかり理解したうえで、その答えを紙の上に鉛筆や色鉛筆で表現したり、口頭で答えたり……という形式が多いですね。



制作や運動でもまず「聞く」ことが大切

実は制作課題や運動も、まず課題について「耳で聞く」、そして「目で見る」ところから始まります。制作はお絵描きや工作などですが、先生の指示をちゃんと聞き取れているか、はさみなどの道具がきちんと使えるか、ていねいに作業しているか……といったことが評価されます。

運動は模倣体操やお手本を見て連続運動、そしてゲームなどですが、身体能力が優れているかどうかというより、指示が聞き取れているか、各種行事や宿泊行事を伴う小学校生活を円滑に過せるだけの体力が備わっているかを見られています。ふだんから体を使って遊んでいるか、健康的な生活を送っているかどうかといったことが大切です。



多くの学校が取り入れている「行動観察」とは?

ゲームや共同作業を通じて、個性や協調性を見る「行動観察」は、多くの学校で取り入れられています。
近年の傾向としては、チームワークやコミュニケーション力を問う課題が増えていると感じます。

たとえば2018年、首都圏のある小学校では、4人のチームでこんがらがったロープを制限時間内にほどくという課題が出されたのですが、どうすればうまくいくか、チーム内で相談する時間が設けられていたことが印象的でした。チーム内で意見を出し合い、決めたことをきちんと守れるかが問われているのです。

小学校に入ってから、お友達とうまくコミュニケーションが取れないと、揉め事になってしまいますね。「相談させる」課題がよく出されるということは、学校現場でそういった現実が増えているのかもしれないと感じます。

相手を思いやり、自分で考えながら行動できるか……。ご家庭での日常生活そのものが問われるのが「行動観察」です。行動観察を通じて、親子関係や家庭環境も見られているといえますね。




多くの私立小学校で行われる「両親面接」

ほとんどの私立小学校は「両親面接」を行っています。私立小学校は、それぞれ教育理念やカラーがはっきりしています。ですから、各校の面接官は、建学の精神や教育理念に賛同し、信頼してお子さまを預けてくれるご家庭かどうかを見極めたいのです。保護者のかたがお子さまと日々どのようにかかわり、お子さまをどのように育ててきたかということも重視されます。




国立小学校は「抽選」を行うところがほとんど

国立小学校の入試(入学検定)でも、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察などが行われます。私立との大きな違いは、ほとんどの場合、検定の前または後に抽選があることです。筑波大学附属、学芸大学附属竹早などは抽選が2回あります。

国立は抽選もあるので、私立を併願されるご家庭が多いですが、家計の状況から国立のみ受験というかたもかなりいらっしゃいます。その場合も、抽選に外れた時はその時と割り切って、幼児教室に通ったり模試を受けたりと、しっかり対策をされるご家庭が多いようです。




小学校受験の準備にはどのくらい必要?

前述のとおり、難しい文字や計算を覚えるといったことは必要ありませんが、先生のお話を聞き取って問題に答える、お絵描きや工作、運動などの課題に取り組むといった訓練は必要となります。1年間で準備されるご家庭が多いですね。熱心なご家庭は1年半~2年間、年少~年中さんから幼児教室に通われます。

幼児教室のカリキュラムはさまざまですが、弊社では週に1回90分、4人一組の少人数制で、ペーパー対策やお絵描き・工作、運動系のゲームなどいろいろなことをやっています。週に90分間だけなのは、教室でやったゲームや遊びを、ご家庭で発展させていただきたいからです。

たとえば教室で「しりとり」「反対ことば」などの言葉遊びをやったら、それをたっぷりご家族で楽しんでいただきたいですし、工作やお絵描きも、ぜひ工夫してお父さま、お母さまといろいろな作品をつくっていただきたいのです。
小学校受験には、教室での勉強以上に、ご家族で過ごすふだんの生活がいちばん大切だと考えています。




前宏美


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小学校受験のために必要な力とは?


近年、増加傾向にある小学校受験。小学校受験を考えた場合、どんな力が必要となるのでしょうか。近年の小学校受験事情に詳しい、1979年発足の幼児教室「富士チャイルドアカデミー」校長の前宏美氏に伺いました。


「聞く」「話す」力の重要性


小学校受験では、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察、面接などが行われますが、いずれの課題でも必要となるのが、相手の話を「聞く」力です。

ペーパーテストでは、文字や数字を書くことは求められませんが、先生のお話を耳で聞いて自分で理解し、その答えを線や印で表現するものが多いのです。お絵描きや工作、運動でも、まず指示を聞き取り、それを理解したうえで、作品や自分の体で自分なりに表現することが求められます。「聞く」「話す」といった基本的な言語能力は非常に大切です。

図形や数の問題を直感的に解く力や、画像を記憶する力は素晴らしいのに、言葉を使うのが苦手というお子さまは、特に男の子に多いですね。これは個性ではありますが、受験では総合力が問われますので、言語の力をある程度までは伸ばす必要があると思います。


子どもたちが「言葉」を使う機会が減っている?

ところが、近年子どもたちと接していて「昔より言語能力が落ちているのでは」と感じることが増えてきました。おそらく、携帯メールなどの普及により、家庭の中でさまざまな言葉を聞く機会が減っているためではないかと思います。

保護者のかたが、お友達やご近所のかたとおしゃべりしたり、電話で話したりするのをよく聞いていれば、子どもの語彙(ごい)は自然に増えます。どんな言葉を使えば相手に伝わるか、感覚でつかめるようになるんですね。でも、言葉を耳で聞かなければ語彙は増えません。

先日、年長さんの子どもたちに「お食事の時のごあいさつは?」と質問したら、そもそも「食事」という言葉の意味を知らない子がいてびっくりしました。「家族旅行に行ったことがありますか」と尋ねたら「旅行」の意味がわからない。これは、大人がコミュニケーションをメールなどで済ませていて、家で言葉を使っていないことに原因があると思います。

また、お友達のおもちゃを奪い取ってから「貸して」というなど、言葉の基本的な使い方がわかっていないお子さまも増えています。

お子さまの顔を見てしっかりお話ししてください、ご家族の中で会話を増やしてくださいと折に触れてお話ししているのですが、そうすると子どもたちはすぐに変わってきます。語彙が増え、表現力も思考力も上がってくるんですね。ご家族の「会話」は、本当に大切です。



無理はさせず、「一歩ずつ」前へ

子どもたちの思考力や表現力は、遊びに夢中になり、集中している時に伸びていきます。まだハイハイしている子に「跳べ!」というのは「無理」であり、無理を強いることはやってはいけないことです。しかし、歩くのを楽しみ始めた子に「あと一歩」がんばってみよう、次の曲がり角まで歩くと良い景色が見えるよ、と声をかけるのはとてもよいこと。「あと一歩先に進めた」「できなかったことができた」という実感は、子どもの自信につながり、遊びをさらに発展させていくのです。幼児教育では特に、どこがその「あと一歩」なのか、見極めることが非常に大事です。


「わが子をどう育てたいか」保護者の判断が問われる場

一昔前は、小学校受験といえばお母さまのほうが熱心なケースがほとんどだったのですが、近年はお父さまが積極的に関わり、むしろ主導されるご家庭が増えています。「合格実績」や「対費用効果」といった数値で語ることに慣れていらっしゃる方が多いので、説明会などには目安となる数値はある程度用意していきます。しかし、教育は数値だけでは決して語れません。

小学校受験を決断すること、志望校を決定することは、お子さまの年齢が低い分、保護者の判断が重い意味をもつといえます。ある意味、お子さまの「生き方を選ぶ」ような行為となるからです。

小学校受験のよさは、この時期に子どもの育て方、わが家の教育方針についてご家族で真剣に考える機会が得られるところにあります。「小学校受験をしなければ、きっとこんなに子どもの将来について真剣に考えることはなかった。やってよかったと思います。」と多くの保護者のかたが言ってくださいます。

お子さまの可能性を伸ばすひとつの選択肢として、小学校受験を考えてみていただければと思います。

前 宏美


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2020.6.25


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2020年04月18日

私立・国立小学校の試験とは?どんな準備が必要?


近年、増加傾向にある小学校受験。

小学校受験の問題や面接とは、そもそもどんなもので、どんな準備が必要なのでしょうか?
近年の小学校受験事情に詳しい、1979年発足の幼児教室「富士チャイルドアカデミー」校長の前宏美氏に伺いました。


試験では「文字や数字を書かせない」のが原則

小学校受験では、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察、面接などが行われます。
ペーパーテストでは、言葉に関するものや身の回りの知識を問うもの、数や図形に関するものなど、学校によってさまざまな問題が出題されますが、子どもたちに「文字や数字を書かせない」のが原則です。

お話を耳で聞いて、その内容に合っている絵を選んだり、まるを描いて数を答えたり。指示をしっかり理解したうえで、その答えを紙の上に鉛筆や色鉛筆で表現したり、口頭で答えたり……という形式が多いですね。


制作や運動でもまず「聞く」ことが大切

実は制作課題や運動も、まず課題について「耳で聞く」、そして「目で見る」ところから始まります。制作はお絵描きや工作などですが、先生の指示をちゃんと聞き取れているか、はさみなどの道具がきちんと使えるか、ていねいに作業しているか……といったことが評価されます。

運動は模倣体操やお手本を見て連続運動、そしてゲームなどですが、身体能力が優れているかどうかというより、指示が聞き取れているか、各種行事や宿泊行事を伴う小学校生活を円滑に過せるだけの体力が備わっているかを見られています。ふだんから体を使って遊んでいるか、健康的な生活を送っているかどうかといったことが大切です。


多くの学校が取り入れている「行動観察」とは?

ゲームや共同作業を通じて、個性や協調性を見る「行動観察」は、多くの学校で取り入れられています。
近年の傾向としては、チームワークやコミュニケーション力を問う課題が増えていると感じます。

たとえば2018年、首都圏のある小学校では、4人のチームでこんがらがったロープを制限時間内にほどくという課題が出されたのですが、どうすればうまくいくか、チーム内で相談する時間が設けられていたことが印象的でした。チーム内で意見を出し合い、決めたことをきちんと守れるかが問われているのです。

小学校に入ってから、お友達とうまくコミュニケーションが取れないと、揉め事になってしまいますね。「相談させる」課題がよく出されるということは、学校現場でそういった現実が増えているのかもしれないと感じます。
相手を思いやり、自分で考えながら行動できるか……。ご家庭での日常生活そのものが問われるのが「行動観察」です。行動観察を通じて、親子関係や家庭環境も見られているといえますね。




多くの私立小学校で行われる「両親面接」

ほとんどの私立小学校は「両親面接」を行っています。私立小学校は、それぞれ教育理念やカラーがはっきりしています。ですから、各校の面接官は、建学の精神や教育理念に賛同し、信頼してお子さまを預けてくれるご家庭かどうかを見極めたいのです。保護者のかたがお子さまと日々どのようにかかわり、お子さまをどのように育ててきたかということも重視されます。


国立小学校は「抽選」を行うところがほとんど

国立小学校の入試(入学検定)でも、ペーパーテスト、制作課題、運動、行動観察などが行われます。私立との大きな違いは、ほとんどの場合、検定の前または後に抽選があることです。筑波大学附属、学芸大学附属竹早などは抽選が2回あります。

国立は抽選もあるので、私立を併願されるご家庭が多いですが、家計の状況から国立のみ受験というかたもかなりいらっしゃいます。その場合も、抽選に外れた時はその時と割り切って、幼児教室に通ったり模試を受けたりと、しっかり対策をされるご家庭が多いようです。


小学校受験の準備にはどのくらい必要?

前述のとおり、難しい文字や計算を覚えるといったことは必要ありませんが、先生のお話を聞き取って問題に答える、お絵描きや工作、運動などの課題に取り組むといった訓練は必要となります。1年間で準備されるご家庭が多いですね。熱心なご家庭は1年半~2年間、年少~年中さんから幼児教室に通われます。

幼児教室のカリキュラムはさまざまですが、弊社では週に1回90分、4人一組の少人数制で、ペーパー対策やお絵描き・工作、運動系のゲームなどいろいろなことをやっています。週に90分間だけなのは、教室でやったゲームや遊びを、ご家庭で発展させていただきたいからです。

たとえば教室で「しりとり」「反対ことば」などの言葉遊びをやったら、それをたっぷりご家族で楽しんでいただきたいですし、工作やお絵描きも、ぜひ工夫してお父さま、お母さまといろいろな作品をつくっていただきたいのです。
小学校受験には、教室での勉強以上に、ご家族で過ごすふだんの生活がいちばん大切だと考えています。


プロフィール
前 宏美
幼児教育のエキスパート。現在、富士チャイルドアカデミー(1979年設立)の校長。
幼稚園・小学校受験の幼児教室として8教室を展開、毎年多くの在籍生を志望校合格へ導いている。
自ら幼稚園・小学校に足を運んで常に正確な学校情報を保護者に提供し、各校からの信頼も篤い。



ベネッセ情報教育サイト から転載

2020.4.18



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2019年12月31日

〈学芸大附属世田谷小〉合格で「国立ブランド獲得」もお受験ママが素直に喜べない理由


【小学校受験のお作法2.0】
親子力を合わせ、厳しいお受験を乗り越えるためにも、先人たちのリアルな合格体験談はあらかじめしっかりと知っておきたいもの。しかし、幼児教室などで登壇する合格者の経験談は、幼児教室の先生たちのフィルターがかかった内容になりがち。実際にはいろいろな教室に行っていたのに「我が家は本当にこちらの教室のみでした」とコメントされることもあるそう。そこでここでは、お受験コンシェルジュ&戦略プランナーのいとうゆりこさんが、合格者のお母様たちにインタビューを実施。合格するまでの道のり、そして入学後の様子など“生”の声を伝えてくれます。あくまでもひとつの参考とされてみてくださいね。


附属世田谷小学校に合格した女の子の場合


 東京学芸大学附属世田谷小学校に進学された女の子のお母様。しかし、悔やんでも悔やみきれない、ある後悔があるそうで…。


ご家族のスペック

・お父様:地方私立医科大学卒、勤務医
・お母様:地方私立大学卒、元銀行員
・お子様:一般的な幼稚園

――お受験をしようと思われたきっかけは何ですか?

「小学校受験を決めたきっかけは、夫の大学の同窓会でした。その大学は、正直そんなに有名な医大ではないんです。夫はそのまま卒業した医大に研修医として残りながら、クリニックの非常勤などをしています。

 東大や千葉大、順天堂などに研修医として潜り込み、まるでそれらの大学を卒業した医者であるかのように振舞っているんですよ。同窓会は夫婦で参加するのですが、2浪や3浪、国試浪人した同級生たちが名門大学の研修医を経て、その名門大学の看板を掲げて開業して儲けている姿を見ると、医者のなかの格差社会を目の当たりにした気がしました。

 そんななか、そうした“勝ち組”を気取る同級生が“娘を超名門女子校に入れた”と自慢をはじめたんです。これを聞いたとき、私のなかで“ここが争点だ”と思い、“娘を同じ学校、もしくはそれ以上の学校に入れよう!”と、お受験を決意しました」

――お教室にも行かれましたか?

「はい、最初は何もわからなかったので、ネットで調べた『こぐま会』(幼児教育実践研究所)に2歳のときに入会し、その後『ジャック幼児教育研究所』にも入会しました。家庭でも毎日6時間、コツコツと『こぐま会』のテキストを続けた成果もあり、授業では常にトップでした。先生方からも、“縁故がなくても慶應義塾幼稚舎や雙葉小学校を目指していきましょう!”と、太鼓判を押していただいていました」



――最終的にどちらに出願されましたか?

「やはり超名門校を目指そうと、雙葉、学習院、慶應義塾の幼稚舎と横浜初等部に出願しました」



――結果はいかがでしたか?

「正直、何が悪かったのかわかりません。試験内容も子どもにヒアリングする限りパーフェクト、面接も先生方と話が弾みましたし、“不合格”となった理由が見つからないのです。

 いわゆるコネがないと名門校なんて受からない、という現実を突きつけられた感じです。実力重視と呼ばれている、白百合学園小学校や聖心女子学院初等科を受ければ良かったと後悔しましたが、すぐに国立にシフトチェンジしました」



――私立の結果を受けて、国立を受験されたと。

「ええ、ただ国立なんて頭になかったので、抽選の要領もわからず、電話で『ジャック』の先生に簡単に説明を受けただけで挑みました。

 結果は、筑波大学附属小学校、お茶の水女子大学附属小学校、東京学芸大学附属竹早小学校にはバッサリ切られましたが、東京学芸大学附属世田谷小学校をなんとか掴むことができたんです! 

 “国立”という超難関の合格を手にしたのですから、幼稚園のママたちは羨ましがっていました。しかし、『ジャック』や『こぐま会』のママたちにとっては、いくら国立といえども、筑波以外は“学習院以下”という扱いだったんです。いろいろと消化できない気持ちのまま入学することになりました」



――入学されてみていかがでしたか?

「入学してみると、附属である東京学芸大学附属世田谷中学校に進学する際、学年で2割程落とされます。さらに小学校からの内部進学の生徒数から計算すると、小学校の1クラスから5人程度しか、高校まで進学できないと知り、大変驚きました。


 附属とは名ばかりなんですね。私立に比べると金額的には安いので、みなさんその分を塾代に充てて中学・高校受験の準備をしているそうです。世田谷の中学に上がれなかった生徒は、タイミング的に区立の中学しか選択できないなんて話もあり……。


 とにかくみなさん塾に行くわけですから、中学受験ができるレベルの学力がないと附属にも進学できないのでは……という恐怖心から、娘も夏休みからすぐに進学教室『SAPIX』に入れました。


 学校自体も自由な校風だからなのでしょうか、授業内容も近隣の区立小学校とそこまで大差がないと感じますし、やたら教員研究があるため休校も多く、落ち着いた教育環境であるとは思えないまま、ただただ通学させるだけの毎日です。


 そして何より、中学・高校受験は小学校受験以上にお金も手間もかかるんです! いくら医者とはいえ、ただの勤務医。私はコーヒーショップでのパートもはじめました。やはりエスカレーター方式で進学できる、私立の大学附属校にご縁をいただきたかったです」



――お受験に後悔があるということですね。

「ええ、当時『ジャック』の先生方からアドバイスを受け、第二志望もしっかり考えて、高望みではなく身の丈にあった学校にも出願すべきだったと本当に後悔しています。月日が流れても、まだ気持ちの整理ができません。

 最近、こちらの連載を読ませてもらいましたが、小学校受験をされる方々のスペックの高さや、縁故、戦略など、何も知らなかったんだなと悔やんでも悔やみきれません。

 もしこれから小学校受験をするママさんたちのなかに、私ども家族の体験が目に留まった方がいらっしゃったら、高望みの学校だけでなく、身の丈にあった学校をしっかりと把握して、おさえておくべきだと伝えたいです」



週刊女性PRIME から転載
2019.12.31


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2019年12月28日

<小学校受験のお作法・12月>全滅してもまだ大丈夫! 補欠事情と卒園までの過ごし方


 お受験コンシェルジュ&戦略プランナーのいとうゆりこさんが、東京都・神奈川県の小学校受験を中心に、学校説明会や幼児教室ではなかなか教えてくれないリアルな“お受験情報”を発信。小学校受験本番を迎える、幼稚園年長のお子様方に焦点を当て、保護者共々一年間どのように戦い抜いていけば良いのか各月ごとのポイントを教えてくれます!

 東京の私立小学校は合否が出揃い、いよいよ国立の試験がスタート。

 そこで12月編となる今回は、残念ながらご縁がいただけなかったご家庭がチャレンジしたい私立小学校の二次募集や補欠事情について、さらには受験シーズン後にやってくる行事事情についてお話していきます。


■国立の試験スタート。各学校の補欠事情とは?

 国立大学附属小学校の合格発表をもって、東京神奈川の主要な私立小学校の合否は出揃いました。各お教室でもご案内があったかと思いますが、まだ合格をいただいていないもののどうしても私立小学校に……と考えている場合、二次募集もございます。

 最後まで諦めず、ご家族のライフスタイルに合った学校を探してみてください。(※出願が終わっている可能性もございますので、本年度の受験生の方は学校のホームページやお教室などで詳細をご確認ください)。

 そして、国立の試験に関しましては、最終的に“抽選”という壁があります。

 こればかりはどうにもならない部分でございます。

 受験番号の早い方、学校と同じ区内や近隣のご家庭が優先になるのでは、といった神話もございますが、まったく根拠がありませんので、抽選結果が悪くてもクヨクヨせず、すべてを結果として受け入れてください。言い方を変えれば、“当たったらラッキー”くらいに思っていてくだされば。

 同時に、この結果によって動くのが私立小学校の“補欠”です。

 まず、11月15日の幼稚舎の合格発表の後、その入学手続きが完了する11月20日頃から、暁星小学校、立教小学校、学習院初等科、白百合学園小学校、雙葉小学校などで補欠だった方に繰り上げ合格の連絡が入りはじめていることかと思います。

 さらに12月19日の筑波大学附属小学校の発表を最後とする国立の合否が出た後、若干数ではございますが慶應幼稚舎、早稲田実業初等部、慶應横浜初等部の補欠の方にも繰り上げ合格の連絡が入ります。補欠連絡をする期限を設けている学校もありますが、最終的には3月までは補欠が繰り上げ合格となる可能性が残されています。

 というのも、国立の筑波と私立の慶應幼稚舎の両方に合格されたご家庭が、どちらに進学するか3月まで悩み、なかなか合格を手放さないケースがあるからです。

 12年間の学費を考えたら悩むのも当然です。

 実際、慶應幼稚舎をお断りし、筑波に進学を決めた知り合いの方も、最後まで悩まれておりました。しかし、家族会議の結果、高い学費や保護者同士の“見栄合戦”に惑わされたくないという点、慶應大学しか行けない幼稚舎よりも、慶應も東大も視野に入れることができる筑波に行かせたいというご主人の意見を採用し、最終的に筑波に決められたそうです。

 つまり最後の最後まで、何が起こるかわからないのが小学校受験となります。お受験界では“受験は水物”とも呼ばれておりますが、あまり気負いせずに、ひとつの通過点ととらえて挑んでいただきたいです。

 また、3月なかば以降になると、無理に補欠を動かさずに欠員のまま、新小学校2年生、3年生などで編入試験をして欠員補充をする学校もございます。1人欠員となると、年間約100万円(学校により80万~180万円)の赤字となります。

 学校法人の経営にとってこの100万円は大きいですよね。それゆえ、編入試験を実施する学校も多くございますので、こちらもチェックしておきたいところです。


■受験シーズンが終わり…保護者は休むヒマなし?

 受験シーズンが終わると、幼稚園では卒園準備がはじまります。クリスマス会、学芸会、バザーや謝恩会……と、さまざまな行事に振り回され、受験を終えてひと息つく間もなく保護者は卒園式まで走り抜けることになります。

 昨年の事例ではございますが、スポーツ教育で定評のある、とある幼稚園では、子どものお遊戯発表だけでなく、保護者の方々も総出でお遊戯をされたそうです。子ども達の衣装とまったく同じ大人用の衣装を作り、子どもの練習風景を撮影した動画を参考にしながら、それぞれ自分の子どものお遊戯を完全コピー。謝恩会でサプライズ発表したそうです。

 またその幼稚園では、卒園式の後、子ども達を祖父母や友人宅に泊まりで預け、保護者は先生方を囲んで懇親会を催すそうです。そこでは、先生方も嵐などを熱唱して一緒に大騒ぎ。パイ投げまでしたり、毎年異なるテーマのもと保護者が出し物をするそうです。

 昨年のテーマは大ヒットした「クイーン」だったとのことで、お父様方がタンクトップにつけ髭で変装して登場。総勢30人のフレディによる大合唱のパフォーマンスをされたそうです。その後、3次会、4次会と続き、結局朝の4時に朝焼けのなか帰宅されたとのこと。

 保護者にとっても思い入れの強い濃厚な3年間だったそうで、何時になっても別れるのが辛かったとおっしゃっていました。

 しかし、進学先がまだ消化しきれていない保護者にとっては、こういった行事ですらも苦悶に感じることでしょう。制服や学校グッズの話をするなど浮かれている保護者の方々と、仲良く“卒園準備”なんてしていられないですよね? また、なかには中学受験だけは負けられないと、すでに戦闘態勢に入ってしまうお母様方も多いことかと思います。

 しかし、いまはじっと我慢。無事にお子様を卒園させ、小学校入学後、少なくとも1学期のあいだくらいは少しのんびりしてみてください。お子様とじっくりと向き合い、甘えさせてあげてください。きっとその時間は、今後お子様にとって人格形成の大事な基盤になるはずです。“親の期待に応えられなかった自分”という呪縛にいつまでも囚われ続けると、この先お子様が迷走することにもつながってしまうかもしれません。

 受験後の冬休み、卒園までの過ごし方は大切です。受験結果はすべて忘れ、家族で新しい目標に向かって過ごしてくださいね。


週刊女性PRIME
から転載
2019.12.27

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2018年10月03日

なぜお受験では「紺のスーツ一色」になるのか


新聞記者を辞めた後、会社員と女性活躍に関する発信活動とバリバリ働いてきた中野円佳さん。ところが2017年、夫の海外転勤により、思いがけず縁遠かった専業主婦生活にどっぷり浸かることに。教育社会学の大学院に所属し子育て意識の調査も手掛ける一方、自身が当事者になることから見えてきた「専業主婦」という存在、そして「専業主婦前提社会」の実態とそれへの疑問を問い掛けます。

共働き家庭にとっての「3歳の壁」について前回(予想外の「3歳の壁」に母たちが動揺するワケ)扱ったが、子どもが成長していった先には、「小1の壁」、学童がなくなる「小4の壁」、その後には中学受験が控えている。共働きゆえに早めに安心できる内部進学式の学校に入れてしまいたいという親もいる。

 しかし、お受験の世界は甘くない。政府が女性活躍を打ち出し、企業はダイバーシティ&インクルージョン(多様性と個の尊重・包摂)をうたう中、ここはさながらパラレルワールド。そんな動きはどこ吹く風で、まるで反対の価値観が根強く残っている。


■全身「紺」づくめ

 私の息子は、2歳で都内にある保育園を卒園した。その園は2歳児までしか預からない小規模保育園だったからだ。3歳から通える保育園を探したが、待機児童が多い地域であり、定員に空きがあるとは限らない。公立幼稚園は抽選で落ちたので、転園できる保育園が見つからない場合に備え、念のため、私立の幼稚園を受験しに行った。

 受験の日、試験会場の入口に足を踏み入れて、思わず、たじろいだ。受験しに来ていた母親たちが全員、紺色の服を着ていたのだ。父親も多数来ていて、全員黒っぽいスーツなのだが、母親は本当にびっくりするくらい、例外なく紺。黒やグレーもいない。慌ててどこかに服装の規定があったかと見直したが、特にない。子どもたちも紺色のお洋服に、白い靴下、黒い靴。わが家だけが私がグレーだったり子どもがトレーナーだったりと、浮いた格好で乗り込んでしまった。




 無事、その園からは合格の通知をもらったが、そのときのヒヤッとした気持ちは忘れられない。その幼稚園は子どもたちが泥んこになって遊ぶようなところで、普段の保護者の服装もかなりラフだったので、そこまでかしこまらなくてもいいと思った。実は私自身が国立附属の幼稚園出身で、私の母は大して対策もせずに行き、私自身は面接でずっと泣いていてそれでも受かったという話を聞いていたから大丈夫だろうという気持ちもあった。

 でも、実際に紺一色の景色を目の当たりにしてからは、「服装くらいで落とされる幼稚園なら行かなくていい」と強気でいたものの、内心落ちたらどうしようと合格発表が出るまでハラハラした。



 ある私立幼稚園園長先生がこう言っていたことが印象的だった。

 「この年齢の子なんて、どの子もすばらしくて、落とす理由がある子なんていないんです。でも定員はあるから、どうしても落とさないといけないときは、家がとても遠いお子さんはお断りするとか、そういう基準を作らないといけない」

 ましてや、定員に対して応募が3倍とか、学費が安い国立で倍率が7倍くらいある名門校の受験では、選抜はさらに熾烈だ。「落とす理由はたいしてない」のに、何か落とす理由を作らないといけないのかもしれない。

 こういう状態であれば、確かに園によっては、1組だけ紺のスーツを着ていない親子を落とすかもしれない。普段着を着てくる人はTPOをわきまえないタイプか、情報収集能力に欠けているように見えるかもしれない。そう考えると親としてはほかと違うことをするのが怖くなってしまって、無難な「紺」に合わせる。こうしてお受験界の「常識」が作られていくのだろう。実際には幼稚園側がそれを求めていないとしても。


■粒ぞろいを目指す名門親

 こうした熾烈な受験をくぐり抜けてでも名門幼稚園に行かせたいと考えるのはどのような親なのか。昨今の幼稚園お受験事情をのぞいてみよう。

 都内私立女子大の幼稚園に娘2人を通わせる専業主婦の女性は、娘を幼稚園受験させた理由について「粒がそろう、じゃないけど……」と語る。自身も国立附属の幼稚園出身だ。

 「善しあしだとは思うんですけど、幼稚園くらいの子どもって自分が見えた環境がすべてになっちゃうから、影響されやすいじゃないですか。そのときに(いろいろな環境を)端から端を見せる必要はなく、親の描くこの辺り(の環境で育ってほしい)っていうのがあるとすれば、その中で育ったほうが、親も子も安心していられるのかなって」



 私個人は、子どもの環境はできるだけ多様性があるほうがいいと思うタイプなので、「粒がそろう」という表現には若干ぎょっとした。彼女の話を聞いていると、“乱暴な子や下品な言動をする子がいると影響を受けるので、ある程度幼稚園側がスクリーニングをしてくれて、親も子もきちんとした家庭の子が来ている園がいい”ということのようだった。

 もちろん私立の学校なので、その園の方針が気に入る家庭が子息を入れればいいのであって、ある種の価値観が共有されたコミュニティができていくことは当然ではある。こうした均質性を好む家庭向けであり、選抜もそれに沿ったものになっているのだろう。

 もう1つの名門(附属系)幼稚園の魅力は、幼稚園にさえ入れてしまえば、高校や大学まで内部進学ができることだ。そこに魅力を感じる親も多い。

 「幼稚園受験だから子どもがここの園が好きとか、多少の主観はあるものの、結局、(その環境がいいかどうか)判断をするのは親じゃないですか。附属の学校に入れることで一定の環境は与えてあげて、子どもが(このレールから)出たいとかそういう意思を持つ年齢になったときは、子どもの責任で判断させてあげられればいいかなと。子どもの可能性を潰さないのが親の責任ではないかと夫婦で話して、幼稚園受験をさせようという話になったんです」

 ある程度の教育が受けられる環境を大学まで確保できる。それを魅力的に感じる親は少なくないだろう。加えて、「夫は子どもには何でもいいけどスポーツをやってほしいと思っていて、そのときに3年ごとに受験にとらわれると、中途半端になってしまうと言います」。つまり、スポーツなど別のことを優先させるために、中学受験、高校受験、大学受験を経験させたくないという理由もある。



■幼児教室でそろう足並み

 こうした名門校に入れるためには、受験のための幼児教室に通わせる親も多い。前述の2児の母親の場合は、長女は3カ月、次女は半年、幼児教室に通ったという。


「娘の通っている園の倍率は3倍くらいでした。幼稚園受験は親の受験とも言われて、教育方針とか、自分たちの子育ての考え方を面接で聞かれるので対策します。子どもが見られるのはしつけとか人とのかかわりとか常識的な範囲なので、対策しても(今後生きていくうえで)何も無駄はないんです」

 2歳児が通う幼児教室も取材をしたことがある。一見、子どもたちは楽しそうに遊んでいるだけで、保育園の風景とそう差は感じない。ただ、“どこの幼稚園も考査で子どもを親から離して自由遊びをさせてみて、きちんとほかの子と遊べるかどうかを見ている”とのことで、特に自宅で母親といる時間が長い子どもが、親から離れて遊ぶのに慣れる場所として利用している側面もあるのかもしれない。

 集団でやる体操などの時間もあり、前述の母親が言ったように低月齢の子は少し出遅れているように見えたが、先生たちが誉めたり手をつないで一緒に寄り添うことで、遊びや体操などといった基本的な動作に慣れていく。保育園と違うところがあるとすれば、先生たちが「できているかどうか」を逐一確認しているようにみえたこと。こうして、子どもの「できること」の足並みが揃っていくように思えた。

 この様相は、小学校受験では、はたからみるとさらに特殊な状態になっている。私の知り合いは娘が不合格になったのは「くまさん歩き」ができなかったからに違いない……と嘆いていた。実際にそれが不合格の要因だったのかはわからないのだが、筆者はそもそも「くまさん歩き」がなんであるか自体が怪しい。

 本来、幼稚園年長の子どもたちが全員「くまさん歩き」がなんであるかがわかって、それが指示どおりできないといけない、そんなことがあるはずがない。でもほかの子が全員できていたら?  典型的な出題に対して応じられるように皆が対策を始める。そしてそれがさらに、自己産出的に「できないといけない」ことになっていく可能性はある。

 幼稚園や小学校の受験では、多くが幼児教室などで「対策」をして挑む。選抜基準が不明確な中で、ここでの「言説」は親の一挙一動に影響する。ある国立大学附属の小学校受験を「ダメ元」で対策ゼロで受けに行った母親の話。


 「待合室に入ったら、何人かの親は太宰治の『人間失格』とか文学作品を開いているし、子どもたちは大抵あやとりしてるんですよ。塾で待合室での様子が評価されるから、文学作品を持っていくようにと言われたんですかね……」

 たまたま暇つぶしの本が太宰治だったのかもしれない。それでも、皆がしているから。「そんなこと」だからこそ、「そんなこと」で落とされたらいやだから。こうして、実際にそれが合格判定に使われているかどうかはさておいて、あるべき姿、規範となり、「全員が紺」「待合室では文学作品」の風景につながるのだろう。


■エスカレーター式は共働き家庭にも魅力

 こうした幼稚園受験組はほんの一部の層の話であり、さらに親の関与が大きいこともあり共働き家庭ではまず選択肢に上がらないのではと思っていた。しかし、取材していくと、共働きだと中学受験を親子で乗り越えるのが厳しいと考えるからこそ、エスカレーター式に内部進学できる名門幼稚園に行かせたいと考える親も確実にいる。

 ある女性は、自身が附属幼稚園からの女子校出身者。共働きの会社員だが、実家のサポートもあり、娘を受験させることにした。

 「母校に入れたかったのは、エスカレーターで上(高校や大学)まで行けるし、これからも共働きの生活が続くなか、中学受験のサポートができるか不安もあったから。私の母とも相談して、共働きだからこそ附属にいれるほうが、ある程度学校に(教育を)任せられると思ったんですよね。母校だったら勝手も知ってるから、母親の私もラクなんじゃないかと」

 ちなみに、こうしたケースを何人か取材したが、親のどちらかが名門幼稚園や小学校からエスカレーター式の学校に進んで、そのルートを本人の実家が誇りに思っている場合、実家が「自分の子どもの母校に孫が行くのであれば、全面的にサポートする」と言い出したという場合が多かった。

 そもそも、幼稚園受験は、このオンライン時代に願書受け取りも受験も平日昼間の決められた時間に現地に何回も出向かないといけない仕組みだったり、入園後も親の関与が多く、決して共働き向けではない。祖父母のサポートがないと共働き夫婦には立ち向かいにくい。

 しかし、その女性にとって、娘の母校受験は、共働きの慌ただしい日々の中で大きな負担となった。たとえば、娘が面接で聞かれる内容は「お母様のお料理で何が好きですか?」といった内容。当初娘は「鮭」と言っていたが、それはお受験でいえば「料理」ではないという。


 「ママは鮭そのままでは出さないで、お料理してるよね? 〇〇ちゃんが食べているのは、鮭の照り焼きだよ」と言語化する。

 とはいえ3歳前後の子どもはすぐ忘れてしまうので、毎週手料理を作るプロセスまで見せるなど、“対策”は日常に浸食する。

 第二子を妊娠し、育休中に長子の受験に備えようとする母親もいる。料理だけではなく、「お母様と何をして遊ぶのが好きですか?」も、パズルや積み木など関わり合いが求められる遊びを答えるのが「鉄板」だと言い、テレビやスマホで動画を見るなどもってのほか。もちろんお受験のためだけではなく、子どもにとって理想的なスケジュールに修正されるメリットもあるだろうが、普段寝る時間なども聞かれるため、生活全般をあたかも共働きでないようにさせて、立ち向かう必要があるのだという。

 加えて、この女性は幼児教室で「お母さんが働いていることは書かないほうがいいのではないでしょうか」と言われた。

 「どうして? ここ私の母校なんですよ、女性の経済的自立って言って育てられて、どうしてそれを書いちゃいけないの」と反発し、堂々と書いた。しかし、結局結果は不合格。「やっぱり共働きには厳しかった」と肩を落とす。



■「お母さんが働いているのはNG」の言説

 別のマスコミ勤務の女性も、自分の母親の母校である私立女子大附属幼稚園を母親の勧めとサポートで受けたが不合格。結局小学校受験もして「働いているお母さんもどうぞ」という方針の別の女子大附属小学校に行かせることにしたが、母親の母校については次のように憤る。

 「小学校でも幼稚園の面接でも、仕事しているママはだめなんですよね。仕事の話しか聞かれなくて子どもの話はいっさい聞かれなかったんです。悲しくなるくらい面接での門前払い感。お受験対策の幼児教室で、働いていることおっしゃらなくていいんじゃないですかって言われたんですけど、仮に入れたとしていずれ(働いてることは)ばれるし、願書とかにも書いちゃって。そしたら案の定……。うちの母も仕事していたし、母校も社会で活躍できる女性を育てるという名目のはずなのに、専業主婦をよしとする空気を感じる」



 医師や弁護士の母親は多くても、会社員の母親の子どもは採ってもらえないのではないかという疑心暗鬼もあったという。

 実際には、母親の仕事のせいで不合格になったのかどうかはわからない。共働き親が多く通う名門幼稚園もある。また、祖父母のサポートまでついている名門出身者の子どもばかりが簡単に名門に入れる=階層の再生産を、学校側が望んでいるとしたら、それが阻まれていることに何の問題もないのかもしれない。

 しかし、幼児教室には「働く母親であることは隠しなさい」と言われ、面接対策では家庭に時間を割く「理想のお母さん像」が浮き彫りになる。「女性の自立」と言われながら育った私立の女子校出身者にとっては、習ったとおりに生きてきた自分のあり方が歓迎されていないと感じる。「女性の自立」は実は建前であり、本音は“働くママはダメ”なの? ――と。

 共働き家庭は、保育園に行かせておけばいい。私立幼稚園が、特定の層の子どもを好むとして、それが気に食わないなら行かせなければいい。もちろん、基本的にはそうだろう。そもそも不合格になったところで、何かが劣っているということではなく、園の方針と合わなかったのだと思えば落ち込む必要もない。考え方が合わない園は保護者側も避けたほうがその後のためにもいいかもしれない。

 ただ、実際の幼稚園や小学校の選抜基準がどうであれ、うわさや憶測、幼児教室のアドバイスによる「無難に」を突き詰めていくと、母は働いていない(ことにした)ほうがよくなってしまうという世界は、まだまだある。女性活躍、個性伸張、ダイバーシティの時代……といいながら、日本社会のさまざまなところに真逆の方向に向かせる論理が埋め込まれている。

中野 円佳 :ジャーナリスト


東洋経済 2018.10.3 から転載


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2018年08月24日

小倉優子、石田純一らが「お受験」 子供のためにキャラ変も


 史上最強の猛暑もなんのその、太陽が照りつけるアスファルトをヒールで闊歩していたのは、タレントの小倉優子(34才)。テレビで見せるほんわかした表情と違い、ロングスカートをなびかせながら長男(6才)と次男(1才)を連れて歩くまなざしは真剣そのものだ。

 その日、彼女は都内の名門幼稚園に子供を送り届けた後、バッチリメイクで仕事場のスタジオに向かった。

「第2子を妊娠中に夫の不倫が報じられた小倉さんは昨年離婚。その後、長男を小学校受験に強いことで有名な名門幼稚園に入れました。子供たちの将来を考えて、仕事と“教育ママ”を両立させているんです」(小倉の知人)

 小学校受験、いわゆる「お受験」が過熱の一途をたどっている。

「2020年に大学入試制度が変わります。センター試験に代わって『入学共通テスト』が導入され、従来の知識偏重ではなく、思考力や表現力が問われるようになります。それに影響され、高校・中学受験も、ドラスティックに変わることが予想されますが、実際にどう変わるのかは手探り状態。つまり、今まで通りの勉強では通用しなくなる。

 困惑しているのは、教育熱心な親たち。今後の見通しがつかない以上、“2020年になる前に、小中高一貫校や、大学までエスカレーター式に上がれる私立小学校に入れたい”という親が急増しています」(お受験業界関係者)

 中でも、大学まで進学できる一部の私立小学校の人気が一気に過熱している。中学や高校、大学受験時の塾代も節約できるという考え方だ。

 芸能人の子息ならば「入試に“特別枠”がある」という話もよく聞く。しかしこの点も今年はちょっと事情が違う。

「今年は東京医科大の裏口入学が話題になりました。コンプライアンスが厳しい時代なので、私立小学校でも以前は公然の秘密だった“コネ入学”がやりにくくなっている。芸能人や資産家の子供でも、競争を勝ち抜かなければなりません」(お受験業界関係者)



「お受験をするのは子供ではなく親」とよくいわれる。幼稚園児に“受験勉強”をさせるのは並大抵のことではない。

「みなさん、3才ぐらいから名門の『お受験塾』に通わせます。都内だと、各小学校に独自のルートを持つとされる『J』や『S』などの大手塾にこぞって通わせ、志望校別に座学や体操などを習わせます。通わせるといっても、幼稚園児は送り迎えだけでなく、親も教室の後ろに座って授業を見守る。家に帰れば、授業内容を復習して、体操して、日記を書かせる。親の負担はハンパじゃありません」(前出・関係者)


 特に「夏休み」が正念場だ。お受験事情に詳しい教育研究家の神山眞さんが言う。

「試験は10月中旬から始まって、11月上旬から中旬がピーク。夏休みは、塾の夏期講習を受けつつ、家では弱点対策を行うなど、やるべきことは山積みです」

 前出の小倉も、子供を名門お受験塾に通わせ、週に数度、教室の後ろに座っているという。そんな小倉と教室でたまに顔を合わせるのが、石田純一(64才)だ。


◆お受験のために“大食いキャラ”封印


「奥さんの理子さん(42才)が熱心で、純一さんはお尻を叩かれています(笑い)。理子さんは長男の理汰郎くん(5才)が1才の頃から幼稚園の説明会やオープンスクールに参加していました。純一さんが大学中退なので、彼女は『理汰郎には絶対に名門大学を卒業させたい』との思いが強いそうです。面接で『どうやって学校に来ましたか?』と聞かれた時に理汰郎くんが『車です』と答えないように、塾の夏期講習にも、わざわざ電車で通っているそうです」(芸能関係者)

 妻にお尻を叩かれて夫がお受験デビューした結果、図らずも異色の“共演”が実現してしまう場合もある。

「都内の有名お嬢様小学校の説明会で、プロ野球の読売ジャイアンツの高橋由伸監督(43才)と芸人の板尾創路(55才)も見かけました。バラエティー特番でもありえないような組み合わせに、出席者たちもどよめいていましたよ」(出席者の1人)


教育ママより“大食いママ”が板につくギャル曽根(32才)は“ママ友”がきっかけでお受験に目覚めたという。

「もともと受験させるつもりはなかったけれど、同い年の子供を持つママ友の小倉優子さんや昨年お受験を終えた藤本美貴さん(33才)の影響で意識するようになったそうです。彼女はかねてから『将来の選択肢が広がるから、子供にはどうしても大学を出てほしい』と思っていたそうで、それなら今から始めてみようと考えたそうです。試験問題を母子で一緒に考えながら解き、一生懸命に勉強の楽しさを伝えています。志望校は、藤本さんのお子さんが通っている名門校だそうです」(テレビ局関係者)

 長男の勸玄くん(5才)が小学校受験を控える市川海老蔵(40才)は、忙しい稽古の合間を縫って歌舞伎役者からお受験パパに早変わり。

「勸玄くんを“お受験御用達”幼稚園に預けたうえで、海老蔵さんも自ら勉強を見ています。一足先にお受験を終えた姉の麗禾ちゃん(7才)が勸玄くんに『ここはこうやるんだよ』と教えてあげることもあるようです」(歌舞伎関係者)

 お受験対策で必要なのは机の上の勉強だけではない。

「面接試験における定番の質問は、『夏休みでいちばん楽しかった思い出は何ですか?』というもの。子供が正直に『テレビゲームをクリアしたこと』『家で見たアニメ映画が面白かった』などと答えないよう、親は“夏休みの家族の思い出作り”に励みます。『海水浴に行って砂浜ですいか割りをした』『キャンプ場で家族みんなで力を合わせてテントを立てた』などと子供に言わせることで、健全で仲よしという模範的な家族像をアピールしたいんです」(進学塾関係者)

 お受験芸能人たちの公式ブログをのぞけば、「パパと野球」「家族で山登り」「初めてのキャンプ」などのアウトドア・アピールが花盛りだ。

 小倉も“思い出作り”に絶賛奮闘中。

「この夏は友達家族と連れ立って子供たちと一緒にキャンプに行ったそうです。芸能活動をしながらお受験御用達の幼稚園や塾に子供たちを送り迎えする生活はハードですが、彼女は“父親がいないことをハンディに感じさせたくない”と健気に頑張っています」(前出・小倉の知人)

 そんな小倉に触発されて参戦したギャル曽根も、“対策”に余念がない。

「受験を決めてからは、子供のために“大食い女イメージ”を払拭する必要を痛感し、テレビではなるべく下品な言葉を使わず、大食いだけを求められるバラエティーには出演しなくなりました。さらに子供の感性を磨くため、休日は一緒に『劇団四季』の舞台を見に行っているそうです」(前出・テレビ局関係者)


※女性セブン2018年9月6日号



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2018年08月11日

天才とアホの両極端"慶應幼稚舎"の卒業生


卒業すれば全員が慶應義塾大学に進学できる小学校「慶應幼稚舎」。著名人がわが子を通わせる「セレブ小学校」としても知られているが、その実態はどんなものなのか。「親の職業によってKEIOの4クラスに振り分けられる」「4割が中学か高校、大学で留年してしまう」といったうわさの真偽を、ライターのオバタカズユキ氏が卒業生たちに聞いた――。

※本稿は、オバタカズユキ『早稲田と慶應の研究』(小学館新書)の第2章「受験戦線異状アリ」を再編集したものです。


■日本で最も古い私立小学校のひとつ

小学校お受験の世界には、慶應幼稚舎という抜群のブランドがある。

東京メトロ日比谷線広尾駅下車、徒歩7~8分の超一等地で緑に囲まれている校舎。敷地は向かいの都立広尾病院よりも広そうだ。かつて福沢諭吉の別邸があった地とのこと。

創立は1874(明治7)年、実は日本で最も古い私立小学校のひとつでもある。古くは何人もの侯爵、伯爵、子爵、男爵から、銀行の頭取や百貨店の社長など、戦後はたくさんの芸術家や芸能人も輩出している。最近、一番有名な出身者はアイドルグループ嵐の櫻井翔か。著名人が我が子を通わせる学校としてもよく話題になる。

慶應の幼稚舎は、1クラス36名(男子24名・女子12名)、各学年4クラスの少人数体制だ。6年間クラス替えがなく、担任も基本的に6年間担任持ち上がり制。私立ならではのかなりユニークな教育を行っている。けれども、そんな話より、やっぱりセレブ小学校のイメージが先行する。



■慶大生が語る幼稚舎出身者のセレブネタ

各キャンパスでの取材中も、現役慶大生からよく幼稚舎出身者のセレブネタを聞いた。詳しく話を聞いてみると、こんな内容になる。

「幼稚舎生は格が違う。教科書に載っている人の子孫がいる。ワックステカテカの髪型で、服装もぜんぜん違う。白金、六本木と、いいとこに住んでいるのは当然。車を何台も持ってる。パーティーとかして遊んでる」(商学部1年男子)

「自分は中等部から慶應に入ったのだが、中等部・普通部を幼稚舎生が仕切り、その後も、塾高を仕切り、大学を仕切るという流れがある」(経済学部2年男子)

「慶應のヒエラルキーは学部で決まらない。幼稚舎から入った人→中高で入った人+体育会系+大学から入った逸材(≒イケてる人)→大学から入った普通の人の順番でエライ。六本木のクラブで日常的に遊んでいるようなのは、ガッツリ幼稚舎か、大学から入ってきた逸材たち。テニスサークルなんかは普通にチャラいだけで、本当に遊んでいる人はサークルに入らず、幼稚舎出身みたいに内輪のグループを作ってる」(理工学部4年男子)

とにかく幼稚舎出身者は別格だし、慶應を仕切っているし、エライとのことだ。いわゆる「慶應ボーイ」のイメージに近い人物像が浮かぶ。

その一方でこんな評価もある。

「幼稚舎出身には、学部在学中に司法試験や国家総合職試験にひょいと受かるやつがいる。逆に、よく大学までたどり着けたなと思うくらいトロいやつもいる。天才とアホの両極端が多い。とっつきづらくて、個人的にあまりいい印象がない」(法学部3年男子)

「幼稚舎生は素直で何かに打ち込んでいる。世間ずれしていない。メンタルが強くて、人と関わるのがうまい。女子で団結していじめに立ち向かったという話を聞きました。女子の場合は、さすが幼稚舎と思うことがよくある」(文学部女子2年)

「僕のような地方出身者からすると、幼稚舎や慶應ニューヨーク校の人に触れるのは良い経験。小学校から十何年間の慶應経験で培った魅力がある。同じクラスタ(属性)の人で固まりがちだと言うけど、あの人たちが別クラスタの人の中で仕事をすることはないだろうから、必ずしも多様性を身につけなくていいと思う」(理工学部出身大学院生男子)

慶應の中でも特別な存在であるらしいことは伝わるのだが、人によって見え方がけっこう違う。実際はどうなのか。この目と耳で確かめてみたい。

でも、幼稚舎出身者は、1学年で100人ちょっとしかいない希少な存在だ。キャンパスで声をかけ続けても、当事者に出会うことはできなかった。


■母子で幼稚舎出身のケース

そこで伝手をたどり、ちゃんとアポをとって幼稚舎出身者から話を聞くことにした。

まず、1980年代後半に慶應大学を卒業したアラフィフ女性。彼女は父親と夫も慶應卒。そして、息子さんも幼稚舎出身だ。昔だけでなく、今の幼稚舎事情にも通じている。

「学生さんからいじめの話が出ましたか。6年間クラス替えがなくて、確かに私の頃もいじめはありました。でも、ずっと続くことはないんですよね。女子なら全員一度はいじめられた経験があると思いますが、最終的に『いじめる人って、かわいそうな人』と許せるようになります。ただ、6年間一緒は良し悪しですよね。合わなかったら悲惨だとも思う」

良し悪しか。では、どうして我が子を幼稚舎に入れたのだろう。

「自分が幼稚舎からずっと慶應で、大学受験のシステムも理解しておらず、わからないことをさせるのが不安だったからです。大学から慶應に入った主人は、『下から持ち上がりの男の子は純粋だが、優しすぎて、男らしさに欠ける。戦闘的ではない』と言っていましたけどね。確かに優しすぎる人が多いかもしれない。戦ってきていませんから」

「戦ってきていない」のは、ほかの大学付属小学校上がりも同じ。幼稚舎ならではの特徴は?

「昔も今も、先生たちは『習い事をしないでほしい』と口を揃えて言います。遊びや日常の経験の中で、自分の芽を発見するチャンスを作ってほしいからだと思います。幼稚舎では1000メートルの遠泳があります。息子のとき、私も練習につきあいましたが、一緒にキャッキャ言いながら泳いで、少しでもできるようになると、自然と『スバラシイ!』って言葉が口から出た。学校は『そういうことを親子で一緒にやれ』と言いたいんだと気づきました。実際は遠泳に備えて、みんなスイミングスクールにも通わせますけどね」

昔と最近とで、幼稚舎の変化を感じるところはあるだろうか。

「かつては『質素であれ』と教えられました。授業参観でも、親は紺のスーツに装飾品なしが当然。コサージュを付けただけでも、『何あれ?』となる。それが変わりましたね。最近の親御さんの多くは、『子供が幼稚舎に入ったから、自分もエライ!』と思っている。その考え方が子供にも影響するんです」

ほんわかした雰囲気の彼女なのだが、最後にピシャリとそう言い切った。

■「学歴コンプを持たずに済んだ」

次にご紹介するのは、アラサ―の幼稚舎出身男性だ。

母親も幼稚舎から慶應、父親は中等部から慶應、弟は塾高から慶應。ほかにも親戚に複数の慶應卒がいる、慶應一族の一人として育った。父親は公的な仕事に就いており、母親は補習塾を開いている。ご自身は起業経験者である。

「幼稚舎出身者は、今もみんな割と変なことやっている。画家になった人、結局大学には行かずに仕事を始めた人もいました。同級生で親が有名人っていう子はけっこういました。森進一さんの息子とは同じクラスだった。森内、今は立派ですよね(ロックバンド『ONE OK ROCK』のボーカルTaka。森内は森の本名)。英語の発音もカッコイイ。あいつとは中高もSFCで一緒でしたが、英語が3クラスある中で彼はベーシッククラスだった。幼稚舎生の『かわいそうなパターン』として、偉大なオヤジのプレッシャーに潰され、道を踏み外すパターンがあるんです。でも、森内はしっかりしていて、ちゃんと巣立っていてすごい」

ほかにも有名な固有名詞が何人分も飛び出して、ちょっと戸惑ったが、彼は幼稚舎時代、とても楽しかったそうだ。

「幼稚舎のいいところは、クラス替えがないこともあり、友だちと深く仲良くなれるところ。あとは、無駄な“学歴コンプ(コンプレックス)”を持たないで済むところ。大学から入ってきた友だちには東大志望だったけどダメで、自分の学歴に対する強いコンプを持っている子もいました。その点、幼稚舎生は肩の力が抜けています」

マイナス面は何かあったか。

「交友関係に多様性がなくなるところです。友人も恵まれた環境の人ばかりですから。私は前職で、地方の受験生向けのスマホを使った家庭教師サービスの運営に取り組んでいたんですけど、地方の人のことや、受験生のことがわからなかったんですよ。今も、NPOで経済的に困難な子の支援をしていますが、自分が公立の学校に通っていればいろいろなプロフィールの人と知り合えて、もっと広い視点が持てたんじゃないかとも思います」


■「自分の子供は幼稚舎に入れたくない」

そんなことをいつ頃から感じるようになったのか。

「大学に入ってから、内部生、幼稚舎出身であることを強く意識するようになりました。それも“学歴コンプ”の強い外部生を見たからですね。コンプを持っていない自分は幸せだけど、挫折経験がなく、どうなっちゃうんだろうと考えるようになった」

トータル、自身の過去をどう見ているのか。

「そうですね。自分の子供は幼稚舎に入れたくないです。根性がつかないから。今度、新しい事業を起ち上げる予定ですが、ひと山当てたら、子供はスイスやシンガポールのインターナショナルスクールに入れるかもしれません。僕は自分が甘やかされたことにコンプレックスがあるんです」

受け取り方によっては重い話なのだが、彼はサクサクとそう語った。じめっとならないのは、育ちの良さなんだろうなあと思った。

■留年は「よくあること」に過ぎない

最後に謎を解いておきたい。というのも、慶應の幼稚舎に関して、2つの都市伝説のようなものがあるからだ。

1つ目は、幼稚舎出身者で大学卒業までストレートに進むのは6割しかいない、というウワサ。これは本当か? これについては、息子さんも幼稚舎出身のアラフィフ女性が自信を持って答えてくれた。

「それは、本当です。私は留年しなかったけど、親しい友だちはどこかしらで落第してたな。息子も、高校と大学両方で留年を経験しています。息子が塾高に入るとき、説明会で『各学年、1クラス分落第します』と発表があって、体育館がザワつきました。でも、実際、本当によくあることだから、当人のショックは少ないんですよ」

アラサ―男性もこう言った。

「高校留年はわりといますね。特に塾高。私はSFC高校でしたけど、2年に上がれなくなって、学校を辞めてアメリカへ渡った先輩がいました。本人たちは『あ、留年しちゃったんだ』ぐらいの感じですよ。高校では10段階の成績で6.5を切ると進級が危ういんですが、『5.8だった。やべー、そろそろかな』と言ってる運動部の人たちは普通にいた」

高校留年という一大事でもそんな感じとは、別世界である。自己肯定感を醸成する独特の文化が形成されている。

■「親の職業別にクラス分け」は本当か

もうひとつのウワサ。幼稚舎のクラスは親の職業別で、〈K組は親も慶應出身者、EとI組はその他一般、O組は開業医〉と囁かれている。ネット上だけでなく、そう明記している書籍まである。現役慶大生や慶應OBで「そうです」という人もいる。本当か? まず、アラフィフ女性の返答。

「私のときは、K、E、O組の3クラスで、自分はO組でした。息子もO組。私の父も主人も医師ではありません。ママ友にも『あなたのお子さんは慶應にコネがあるのに、どうしてO組なの?』と聞かれた経験がある。そんな仕組みはありません」

父親が公的な仕事に就いているアラサ―男性も否定。

「幼稚舎ではO組でした。親の経歴でクラス分けされていることはないはずです。開業医の子はどのクラスにもいた覚えがあります」

全員たまたまO組だったが、どの親も職業は医師以外である。「O組の例外」だとしても、例外がこんなに重なることもないはずだ。クラス分けのウワサはデマである。


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オバタカズユキ
ライター・編集者
1964年、東京都生まれ。大学卒業後、一瞬の出版社勤務を経て、フリーライターになる。社会時評、取材レポート、聞き書きなど幅広く活躍。『大学図鑑!』(ダイヤモンド)監修者。

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(コラムニスト オバタ カズユキ 写真=iStock.com)





jyukennews02 at 23:10|Permalink

2018年02月20日

小中高一貫校から外部中学を受験した子供たちのその後の一例


2月の中学受験シーズンも一段落。小学校からの一貫校も人気だというが、世の中には私立小学校から別の私立中学を受験する子供もいる。小学校から高校まで一貫の私立に通ったYさん(40代)が振り返る。

「私が通った学校は小学校から高校までの一貫教育を売りにしており、東大にも毎年数人合格する学校ですが、小学校から中学に上がる時、別の中学を受けた子が7人いました。大半の生徒が受験戦争に巻き込まれることなく、のびのびと遊んでいるなか、その子たちは4年生から塾通い。その結果、東大合格者数トップ10に入る学校に2人、早慶の附属校に4人、1人だけ第1志望に落ちてMARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の附属校に行きました」

 そのまま行けば高校までエスカレーター式に上がれるのに、わざわざ中学受験をした子はその後どうなったのか? 7人の経歴をたどると、意外な結果が判明した。

「東大合格者数トップ10の学校に進んだ2人は、1人が1浪して中堅私大の医学部に、もう1人も1浪でMARCHに入学。早慶の附属校に進んだ4人は全員早慶の大学に進みましたが、すんなり大学に進んだのは2人だけ。1人は高校で1年留年しており、もう1人は医学部の内部進学から漏れたため、他の大学の医学部と慶應の理工学部を受験。結果的に慶應に入りました。MARCHの附属校に進んだ子はそのまま大学に進みましたが、その後、中退していました。

 正直、そのまま上がった生徒の進学先と大して変わらないので、同級生はみな、『じゃあ中学受験する必要なかったじゃん』と言っています」(同前)

 Yさんによれば、外部受験をする生徒が在学中にいじめられるようなことはないものの、やはり卒業後は付き合いが完全に途絶えてしまうケースも多いという。たかが受験、されど受験。子供にどのタイミングで受験を経験させるかは、悩ましいところだ。


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