子育て支援
2014年04月29日
「新保育制度」で子育てはどう変わる? 市町村が主体、認可施設を増やし質も改善
新しい保育制度が2015年4月からスタートします。子育て支援の「量」と「質」の改善を目指す「子ども・子育て3法」が2012年8月に成立。「施設型給付」と「地域型保育給付」という2つの給付制度の創設や「認定こども園」制度の改善、市町村を主体として地域ニーズを反映したサービス展開を掲げています。新しい制度では、どのように子育て支援を変えようとしているのでしょうか。
財政措置や基準を統一、地域の実情に合った保育
新制度は、子育て支援の「量的拡充」と「質の改善」に取り組みます。大きなポイントは「施設型給付」と「地域型保育給付」制度の創設です。財政措置を一本化したり、認可基準を明確にして認可施設を増やしたり、小規模保育など実情に合った保育の実現を図ったりして、「量と質」の改善を目指します。
こうした子育て支援策は、実施主体を市町村とし、地域のきめ細かいニーズを反映した「事業計画」を策定することになっています。例えば、3歳以上だったらどういうサービスを使いたいかなど、市町村がアンケート調査し、事業計画に盛り込んで計画的に整備する、という流れです。
また「認定こども園」制度も見直しました。これまで別々だった認可や指導監督を一本化し、認定こども園への移行を促進します。
職員配置を手厚くしたり待遇を改善
新制度では、そのほかにいくつかのポイントがあります。
■私立保育施設の職員配置の改善
・3歳児の場合、職員1人あたりの園児数をこれまでの20人から15人にして手厚くする
■職員の待遇改善
・私立の幼稚園、保育所、認定こども園の職員給与を3%アップ
■放課後児童クラブの充実
・子どもが小学校に上がった途端、学校が終わる午後4時、5時以降に預ける場所がなくなって母親が仕事を辞めるケースも。そうした「小1の壁」を解消するために「放課後児童クラブ」を充実していく
■保育施設が利用できる条件を拡大
・母親が求職活動中や、育児休業を取得するとき、既に保育施設を利用している場合は継続して利用できる
②
それでは、新制度の大きな柱である「施設型給付」と「地域型給付」という2つの制度を見ていきましょう。まずは施設型給付からです。
施設型給付とは、これまではバラバラだった「認定こども園(0~5歳対象)」「幼稚園(3~5歳対象)」「保育所(0~5歳対象)」に対する財政支援を一本化するものです。
具体的には現状、保育所だったら厚生労働省から保育所運営費が、幼稚園だったら文部科学省から私学助成や幼稚園就園奨励費が、認定こども園だったら幼稚園部分、保育所部分それぞれに対して安心こども基金から運営費用が支払われています。新制度では、それらを基本的に施設型給付費として一括して支払うことになります。
ただ例外もあり、私立幼稚園は施設型給付で受け取るか、これまで通りの給付かを選ぶことができます。独自の教育方針があったり、従来の助成で運営できるような事業所は施設型給付へ移行しないところもありそうです。
施設型給付の対象となる保育所と認定こども園の最低定員は20人以上で、幼稚園では定員を設けていません。
もう一つは「地域型保育給付」の創設です。以下の4つの保育事業を「地域型保育事業」として、国が新たに基準を設けて市町村が認可する形になりました。
対象となるのは、
(1)定員が6人以上19人以下の「小規模保育」
(2)定員5人以下のいわゆる保育ママの「家庭的保育」
(3)ベービーシッターなどの「居宅訪問方保育」
(4)企業などが社内に設ける「事業所内保育」
これらのサービスには今まで、それぞれ統一した基準がありませんでした。そのため今回、国が基準を定め、市町村による認可事業にして支援対象とすることで、質を担保しながら一体的に整備していくことになりました。幼稚園や保育所より小規模ながらも、地域の実情に合ったきめ細かい保育を展開することが狙いです。待機児童は都市部に集中し、また3歳未満の児童が8割を占めることから、こうした大規模ではない保育事業も機動的に進めて「受け皿」を確保していきます。
また、人口減少が進む地方でも、隣の自治体の認定こども園などと連携したり、小規模保育の拠点を整備したりすることで、遠距離が原因で母親が利用をあきらめるような状態を改善していくとしています。
③
最後は「認定こども園」制度の改善です。認定こども園は2006年10月からスタートした制度です。保育所と幼稚園の機能を併せ持つ施設で、例えば保育所の場合、親が働かなくなったら退所になりますが、認定こども園の場合は引き続き通えるというメリットがあります。
認定こども園には4つの類型があります。
(1)認可幼稚園と認可保育所が一体的運営を行う「幼保連携型」
(2)認可幼稚園が保育所機能を備える「幼稚園型」
(3)認可保育所が幼稚園機能を備える「保育所型」
(4)幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の施設が機能を果たす「地方裁量型」
現在の制度では、認定こども園は幼稚園と保育所の両方の認可を取らなければなりません。幼稚園は学校教育法に基づいて、保育所は児童福祉法に基づいて設置されているので、財政措置はそれぞれ別々で、指導監督も文部科学省と厚生労働省という風に別々の官庁から受けるなど、事業者にとって煩雑な面がありました。
新制度では、「幼保連携型」は改正認定こども園法に基づいた一つの認可で済むようになりました。原則、都道府県が認可を行いますが、政令指定都市や中核市にも権限が与えられます。指導監督も統一され、財政措置も施設型給付に一本化されることになりました。
これまでよりも「設置しやすく」
今回の法改正では、幼稚園や保育所の認定こども園への移行は義務付けませんが、認定こども園は増やしていきたい意向です。根拠法や財政措置が一本化されるメリットとして、厚生労働省保育課は「事業者の手続きが簡素化されるので、認定こども園が設置しやすくなる」としています。
またこれまでは、例えば幼稚園型の保育所機能部分は認可外なので財政措置も手薄でしたが、新制度では施設型給付の対象として支援していくので、質の向上にもつながるとしています。
子育て支援策をめぐっては、もともとは幼稚園と保育所を一体化した「総合こども園」構想があり、それにすべて移行するという案もありましたが廃案になりました。また、株式会社などの参入も見送られています。
「量」だけでなく「質」も
新制度では、とにかく受け皿を新設していく方向だけではなくて、既存施設や新しい小規模施設などの財政支援にも注力しています。その理由について、厚生労働省保育課は「量だけでなく質も充実させて、親御さんに安心して預けられるようにしていきたい」としています。
東京都杉並区では昨年、母親らが認可保育所が足りない現状を受けて、区に異議申し立てをしたというニュースがありました。待機児童問題の深刻化など子育てをめぐる環境は現状、決して良いとはいえません。新しい制度のスタートで、こうした現状が少しでも改善されることを期待したいものです。
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2013年07月06日
私立幼稚園「こども園」参入緩和…待機児童対策
保育の待機児童がない地域では現在、幼稚園が保育も行うことになるこども園の参入は自治体が認めないことが多い。だが、既に預かり保育を常時行うなど要件を満たす場合は参入を認め、認定こども園の拡大を加速する。
消費税財源で保育制度を拡充する「子ども・子育て支援新制度」の基本指針に盛り込む。その案を、5日開かれる内閣府の「子ども・子育て会議」に示す。
新制度は、全自治体に保育利用の希望調査と施設の整備を義務づける。そのガイドラインとなる指針で、夕方までの預かり保育を毎日実施するなど実績が十分な私立幼稚園には、希望すればこども園への参入を原則認めることを明記する。
(2013年7月5日 読売新聞から転載)
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2013年06月01日
第3子以降の園児を無償に=第2子は半額補助―文科省方針
子どもが2人以上いる世帯を対象に、所得制限なしで第3子以降の幼稚園児を無償とする。
第2子には保育料の半額を補助する。事業費は国と地方合わせて約300億円と見込まれ、同省は関連経費を来年度予算概算要求に盛り込む方針だ。
ただ、厳しい財政状況の中、財源確保をめぐる財務省などとの調整が難航することも予想される。
(2013.6.1 時事通信から転載)
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2013年05月24日
幼稚園・保育所の無償化を要請…自民2次提言
幼稚園、保育所などの幼児教育無償化を来年度に実現することも政府に求めた。今後、政府の教育再生実行会議や中央教育審議会などで検討される。
提言では、学制について、「社会状況や子どもの実態などに応じて学校制度を多様化・複線化する」とし、「4・4・4制」や「5・4・3制」など地域ごとに弾力的に運用できるよう求めた。小中一貫の義務教育学校(仮称)の創設や、飛び級、補習の推進なども促した。3~5歳の幼児教育を無償化することも求め、さらに5歳からの幼児教育義務化への検討も提言した。
(2013年5月23日 読売新聞から転載)
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2013年01月18日
「幼児教育の無償化」、今度こそできるか 渡辺敦司 [「教育動向」ニュース]
先の記事では自民・公明政権の選挙公約(外部のPDFにリンク)を紹介しましたが、その中に「幼児教育の無償化」があります。私立も含め、幼稚園だけでなく保育所、認定こども園を通じて、すべての3歳から小学校就学までの無償化に取り組むとしています。ところで幼児教育の無償化が打ち出されたのは、今回が初めてではありません。4年前の2009(平成21)年にもありました。
4年前といえば、夏の総選挙で民主党が圧勝し、政権交代した年です。その前の5月、自公政権の下で文部科学省の有識者研究会が幼児教育の無償化を提言する中間報告をまとめたことは、このコーナーでも紹介しました。
当時、無償化に必要な国と地方の追加公費は7,900億円(幼稚園3,500億円、保育所4,400億円)と見込まれていました。それだけ保護者が負担していたわけですが、「幼児教育の無償化への取組は世界の趨勢(すうせい)」「国家戦略上、喫緊の課題」だとして、消費税などの安定財源を確保したうえで、実施することを求めていました。同年8月の2010(平成22)年度概算要求(外部のPDFにリンク)では手始めに私立幼稚園の補助単価を6%引き上げることとし、前年度比51億円増の255億円を計上していました。
それが総選挙結果を受けた政権交代により、概算要求自体が組み替え(外部のPDFにリンク)に。子ども手当が創設されたこともあって低所得者層に重点化することにし、結果的には2010(平成22)年度予算(外部のPDFにリンク)に前年度比5億円増の209億円が計上されました。その後、民主政権は幼保一体化などに取り組みましたが、無償化はお蔵入り状態となっていました。
幼児教育をめぐっては2012(平成24)年、経済協力開発機構(OECD)が日本での普及率を高く評価したことを、当コーナーで紹介しました。OECDはそれに先立って、日本政府に対し、小学校以降も含めた家計の教育費負担の軽減に加え、保育所と幼稚園を一体化し、保育所に通う子どもにも教育機会を促すことによって、首尾一貫した幼児教育と保育の枠組みを構築するよう提言(外部のPDFにリンク)しています。すべての子どもに早期から幼児教育の機会を提供することが、その後の学力などの伸びに大きく寄与するからです。
文部科学省(外部のPDFにリンク)も近年、「幼小連携」や、さらに一歩踏み込んだ「幼小接続」に力を入れており、「幼児期の教育」(幼稚園や保育所、家庭教育)と小学校の教育をスムーズに橋渡しすることに取り組んでいます。新しい幼稚園教育要領(保育所は「保育所保育指針」)や小学校学習指導要領でも幼小連携(外部のPDFにリンク)をさらに推進することにし、小学1年生で生活科などを中心とした「スタートカリキュラム」を充実することも求めています。
安倍晋三首相は総選挙期間中、「公約にはできることしか書いていない」「幼児教育の無償化の財源はある」と繰り返し力説していました。公約には反映されませんでしたが、自民党の「教育再生実行本部」は総選挙直前の中間取りまとめ(外部のPDFにリンク)で、5歳児からの義務教育化も提言していました。新政権には本気で取り組んでほしいものです。
(2013.1.17 産経ニュース)
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2013年01月17日
こども園の設置進まず、自治体や企業独自に対応
認定こども園は幼稚園のもつ幼児教育の役割と、子供を長時間預かる保育所の利点をともに備えているのが特徴。2006年10月から設置が始まった。政府が10年1月にたてた計画では、12年度中に2000カ所に増やすのが目標。ただ12年4月時点で911カ所で、その後も大幅には増えていないとみられる。
制度をつくった背景には共働き世帯が増え、保育所の需要が高まったことがある。12年4月の保育所の数は約2万3000カ所と、5年前と比べて3.7%増えた。それでも入所できない待機児童は民間の推計で300万人を超す。
これに対し、幼稚園のニーズは減る一方。現在の園児数は約160万人と、ピークの1978年の6割に落ち込み、定員割れが相次いでいる。子供を預かる時間が1日4~5時間に限られ、3歳以上しか預かれないなど制約が多いためだ。
こども園を開くのはこうした実情を踏まえ、幼稚園の機能を広げるのが狙いだが、それが普及を難しくする原因にもなった。乳幼児を預かるには離乳食をつくるための調理施設や保育士の雇用が必要になる。幼稚園は教育の場との思いが強く、保育施設との併設にはなお抵抗感もある。
既存の幼稚園や保育所を衣替えする際、保育所は厚生労働省、幼稚園は文部科学省と所管が分かれ、手続きが煩雑なことも妨げになった。認定こども園を新設する場合、申請書類が二重に必要になる場合もある。
これを受け、自公民3党は12年6月、認定こども園を開くための窓口を内閣府に一本化することや、認定こども園と幼稚園、保育所でばらばらな補助金の仕組みを一つにする方向で一致した。ただ実施は15年度以降で、こども園の定着にはなお時間がかかる。
国の制度の整備が遅れるなか、自治体や企業は独自に待機児童の解消に取り組んでいる。横浜市は専門の相談員をおき、空きのある保育施設をあっせんするなどの対応を進めた。10年春に全国最多の1552人の待機児童がいたが、12年4月には179人に減らすことに成功した。企業も社員に働きつづけてもらうため、待機児童解消に力を入れる。
2013.1.16
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2012年06月05日
幼稚園がカフェ運営、地域の拠点として
日本教育新聞(5月7・14日付)は、兵庫県尼崎市の浜幼稚園[(学)小寺学園]が昨年11月、園バスの運行を休止して空いた駐車場に手を加え「おたがいさまカフェふれんず」をオープンさせた。改築費用から内装、施設の一切をスタッフとして手を挙げた保護者らが担い、資金はフリーマーケットを開いて集めたという。
仕掛人の秦賢志・副理事長は「うちは幼稚園というハードを生涯教育の場としてどのように使ってもらってもいいと、保護者や地域にアナウンスしている。カフェは保護者同士、または保護者と地域がつながることを目的に始めた。保護者の自己実現の場にもなっている」と手応えを語る。
(2012.6.3 塾ニュースから転載)
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2012年04月30日
子供居場所メール 利用増…神奈川
保護者「本当に便利」
ICカードの乗車券や携帯電話などを利用して、保護者が手軽に子供の居場所を把握できるサービスのニーズが高まっている。東日本大震災時に子供となかなか連絡がとれずに心配した保護者は多く、神奈川県内でも利用者が増えている。
■改札通過時
東急田園都市線のたまプラーザ駅(横浜市青葉区)。自動改札機に、都内に住む小学5年生の長塚璃咲(りさ)さん(10)がICカード乗車券「PASMO(パスモ)」をかざすと、数秒後に母親の真樹子さん(43)の携帯電話の画面に「リサさん たまプラーザ駅を入場されました」とのメールが届いた。
東急線沿線で警備や防犯事業を展開する東急セキュリティ(東京都世田谷区)は、パスモで自動改札を通過するたびに、自動的に指定した携帯電話に通過したことを知らせるメールを送るサービス「エキッズ」を提供している。3人の子供が電車で学校や塾に通っているという真樹子さんは、「子供から連絡がなくても、どこにいるのか把握できて本当に便利」と話す。
エキッズは、世田谷線を除く東急線の各駅の通過状況を把握でき、利用料は月額525円。駅以外にも、塾やマンションなどの施設の出入り口にパスモの読み取り装置を設置するサービスもある。県内では塾や学校など約50か所に設置している。全国で学習塾を展開する「日能研」(横浜市)では、子供の安全に配慮し、4年前から首都圏の教室で、希望する保護者が利用できるようにした。
新学期も始まり、エキッズなどのサービスの利用者は4月1日現在で3万人を突破。このうち県内在住の利用者は約3760人で前年同期に比べ2割ほど増加したという。
■GPS機能
一方、携帯電話会社は、全地球測位システム(GPS)機能が付いた子供向けの携帯電話を販売している。NTTドコモの「イマドコサーチ」は月額210円で、親の携帯電話やパソコンから1回5円で子供の居場所を調べることができる。子供が携帯電話に付いた防犯ブザーのひもを引くと自分の居場所を保護者に自動でメール送信する機能も付いている。ただ、他社の携帯電話で居場所を調べられなかったり、子供の携帯が電池切れや圏外だと利用できないこともあるので注意が必要だ。
居場所を調べる機能に特化したサービスもある。通信関係サービス会社「ユビキたス」(東京都新宿区)の「どこ・イルカ」は月額1450円で小型の専用端末を貸し出す。子供に専用端末を持たせ、保護者が専用のメールアドレスに空メールを送ると、子供の居場所が記されたメールが自動的に返信される。「携帯電話の持ち込みを禁止されている学校に通う子供に持たせるケースが多い」(ユビキたスの担当者)といい、他のサービスとの住み分けを図る戦略だ。
2012年03月19日
赤ちゃん連れママ大歓迎 映画、買い物…集客増へ対応
通路を赤ちゃんがハイハイして通り過ぎ、ママの笑い声が上がる。千葉県柏市のシネマコンプレックス(複合型映画館)。上映中だが場内では小さな子供たちが走り回り、泣き声も聞こえる。松竹マルチプレックスシアターズが展開する子供とママ向けの上映会「ほっとママシネマ」だ。
スクリーン前にはおもちゃが並ぶ「広場」が設けられ、通路にはクッションが置かれたおむつ替え用スペースも。上映中に歩き回り、子供におやつを食べさせるのも自由。場内は手元の文字が見えるほど明るく、音量も通常より小さめだ。
「出産や育児で足が遠のいてしまうママ専用サービスを打ち出し、次世代につながるファンをつくろうと考えた」と松竹の山縣勇さん。常連客の「子供が途中で騒いでも大丈夫な映画館はないの?」との要望を聞き、平成20年に取り組みを始めた。今は全国22カ所のシネコン「MOVIX」で月1回程度開催している。
7カ月の男児を抱っこしながら映画を見ていた千葉県流山市の長田円香さん(34)は「出産後映画館に来るのは初めて。家に籠もりがちだったが、これなら周りに気兼ねなく楽しめる」と顔をほころばせた。
東京都世田谷区の住宅街。一角にあるお寺の境内で月1回、子連れ客をターゲットに野菜などの直売所「ママンカ市場」が開かれる。
ホームページ制作会社社長の須賀大介さんが、子供の誕生をきっかけに「一緒に出掛けられる場所が欲しい」と22年に始めた。お寺の和室を借り、おむつ替えや休憩ができるスペースを確保。紙芝居のイベントもある。子供を安心して遊ばせながら買い物できると来場者に人気だ。
出店者からも消費者の反応を直接聞けて販路拡大にもなると好評。茨城県筑西市の農家、潮田武彦さん(36)は「自分の作るニンジンを子供が好きと聞くとうれしい。農家同士のつながりもできる」と喜ぶ。
ホームページ運営会社「スマイリーマム」(東京)は、子供連れでも安心して行ける全国の飲食店など約7700店の紹介サイトを展開。ジャズライブやオペラなど子供と一緒に参加できるイベントも開催する。杉山憲一社長は「子連れじゃないと入れない店もある。店側もお客が少ない時間帯をうまく使おうと工夫している」としている。
(2012.3.19 ヤフーニュースから転載)
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2012年02月22日
タクシーが「子育て支援サービス」 顧客開拓へ対応きめ細かく
◆“保育士”が乗務
東京都内に住む会社役員、田中敬子さん(46)は幼稚園に通う長男(5)のお迎えに月2回程度、タクシーを利用している。サッカーの練習などを終えて幼稚園から出てくるのは午後5時過ぎ。仕事の都合で自分が迎えに行けない場合、代わりにタクシーを手配するという。
田中さんが使っているのは、タクシー大手の日本交通(東京都北区)が昨年8月に始めたサービス「キッズタクシー」だ。学校や塾への子供の送迎▽妊婦の通院▽乳幼児を連れた親の外出-などの際に利用してもらうもので、保育士の資格所有者など8人が専任で乗務。普通救命講習などを受講し、緊急時にも対応できるよう備えている。
同サービスのチームリーダー、徳山正敏さんは「安全重視で、ゆっくり丁寧に運転するよう心掛けている。子供だけで利用するケースも多く、ルートや緊急時の連絡先などを細かく親と打ち合わせるようにしている」。田中さんも「乗務員の方は全員子供の扱いに慣れており、安心して任せることができます」と満足そうに話す。
予約が必要で料金は1時間4550円から。2月の予約数が100件を大きく上回るなど利用は右肩上がりで伸びており、同社は4月以降、担当乗務員を増やし、事業拡大に力を入れる方針だ。
◆仕事に誇り
「全国子育てタクシー協会」(京都市南区)が普及を進める「子育てタクシー」は、中小事業者でも導入しやすいのが特徴だ。通学、通塾する子供の送迎▽子供連れの外出▽夜間の急な発熱時などの通院▽出産時の産院への通院-に対応した4コース。同協会の養成講座を受講した事業者は「子育てタクシー」の名称でこれらのサービスを提供できる。
講座の内容は、チャイルドシートなどの機器の取り扱いや子供、妊婦を乗せた際の運転マナー講習、保育現場での実習など多岐にわたり、「運転と子育て支援のプロ」育成を目指すという。同協会の内田輝美会長は「利用者の減少や価格競争などタクシーを取り巻く環境は厳しいが、質の高いサービスを提供すれば新たな顧客を掘り起こすことができる」と力を込める。
「子育てタクシー」は現在、25都道府県で約130社が展開。利用時には各事業者への事前登録などが必要だが、通常のタクシーと同じ料金で利用できる。
チャイルドシートやジュニアシートを購入し、先月20日にサービスを始めた湘南交通(横浜市港南区)。営業エリアに住宅街を抱え、子育て世代が多く住む。太田宏社長は「乗務員が『人々の役に立っている』と仕事に誇りを持ち、業務全体の質向上にもつながっている」と手応えを話している。
◇
営業不振と労働環境悪化
国土交通省のまとめでは、法人タクシーの平成22年度の輸送人員は15億5720万人、営業収入は1兆5755億円で、過去5年間でそれぞれ19.7%、17.1%減少した。長期化する不況の中、「個人や企業が利用を控えている」(業界関係者)ことが背景にある。
労働環境悪化も顕著で、国は21年10月、供給過剰が進む特定地域を指定して新規参入や増車を規制する「特別措置法」を施行。各地で減車も行われている。一方で、子育て世代や高齢者・障害者に対応した輸送など新たなサービスに取り組む動きも広がっている。
(2012.2.22 産経ニュースから転載)
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