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今年最後の出前公演が終わりました。

11月30日と12月1日の両日で、『空の村号』ドラマリーディングを好評にて終わり、東京公演も実現しそうな状況の中で12月14日の出前公演の稽古に入っていました。

出前の公演依頼を受けていたときは、リーディングシアターの『あしたも ともだち』と、パントマイム『こわれた鏡』を演る予定でしたが、私と共演するパントマイムの女優が稽古不足で上演不可能になり別の作品を・・・。

『空の村号』の稽古をしながら別の作品を立ち上げるのは、アマチュアの私たちにとっては・・・無理。
そこで、私が健康な時に演った事のある一人芝居を・・・。

劇団の長老からは演る事を止められていました。
この作品の上演時間は30分程度のものですが、動きが激しいため、心臓に病を持っている現在の私には無理・・・分かっています。

芝居バカは困ったものです。

朝の散歩では心臓に少しずつ付加価値を掛け、坂道や階段を上り、ハーモニカを吹きながら休憩をとり、自分なりに心臓の筋肉の強化を・・・
これは、良いのか悪いのかは私には分かりません。
でもやらなければ・・・。

『空の村号』が終わり、一人芝居の稽古では動きとセリフの確認をしながらパート稽古。

12月14日の当日の2日前の稽古と前日の稽古で、セリフが浮かんで来ないことが置きました。
いつものことですから・・・その時はアドリブで・・・その様な軽い気持ちでいたんです。

当日、上演施設に9時に到着してバック幕やスタンドスポット等を設置し、保育所保護者会(7施設)のお母さんたちが一緒になって手伝って頂きました。

4年前に倒れて以来、死に対してあまり恐怖心がなくなっている私は、上演間近に仲間の女優に
『もし上演中に俺が倒れたら、これを舌の下に入れてくれ。』
と言って、ニトロと心臓を強化する薬を手渡しておきました。
彼女も私の顔を見ながら・・・こっくりと頷き・・・ニコっと笑ってくれます。


これから・・・私が今までに演った事がないことが起こりました。
子供たちの前へ
♪北風〜小僧の〜かんたろ〜・・・
ハーモニカを吹きながら登場しました。

子供たちとコミニュケーションを取りながら、芝居に入って行こうとしたら・・・
『起承転結』の『起』の部分が抜け『承』の部分のセリフが突然出てきたんです・・・
止まらない、もし止めて後戻りしたら筋がメチャクチャになる。

芝居を続けながらどこで戻そう・・・そう思いながら演っているうち、一人で4役と動物の真似・・・身体表現が激しくなる。
観ている子供たちの反応を感じながら身体表現をしていくと、稽古の時より自分の身体が大きく激しく動いている。

心臓と呼吸の乱れを演じながら感じる。
もしや・・・と思いながら・・・表現と表現の間を長目に取っての調整・・・。
『転』・『結』を表現しおえて・・・
一人芝居を終わらせたのです。
幕の後ろに入って・・・少しの間・・・放心状態が続きました。

『起』の部分・・・約8分間・・・抜けました・・・。
でも、抜けたおかげで・・・心臓を止めずにすんだようです。

仲間たちが幕前で別の芝居を演っている間、幕の後ろでは・・・
『俺・・・生きてる・・・』
深呼吸しながら、心臓を撫でていました。

何が作用して・・・最初のセリフを忘れさせたのだろう・・・。
もし忘れないで演っていたら・・・この日記を書く事が出来なかったかも・・・。

今年上演はこれで終わり。
また、前を向こう!
芝居馬鹿・・・行くぞ〜〜〜〜!