私が高校生の頃の話しなのですが、遠方に住む親せきのおじいさんが
90歳の大往生でこの世を去ったのです。

私はかなり小さかった頃に会っただけなので正直あまりピンとは来なかった
のですが、家族全員で参列する事になったので当然私も学校を休んで
お葬式に向かいました。

子供ながらお葬式は何となく気が重いなあと思いながら参列していたのですが、
いざお葬式が始まるとますますその空気は重くなり、中にはすすり泣く人の声も
聞こえたので早く終わらないかなあとさえ感じていたのです。

お経をあげに来てくれたお坊さんは見た目70歳ほどの方だったのですが、
ただじっと有難いお経を聞きながら座っていると、そのお坊さんは時折立ちながら
お経をあげたり大声で訳の分からない言葉を叫ぶなどかなり独特なお経のあげ方だった
のです。

それだけでも何となく噴き出しそうになってしまったのですが、本当の地獄はそれから
すぐの事でした。

お坊さんのお経が一旦一段落すると今度はご焼香のための壇が用意されて、狭い式場の
ためにお坊さんが一旦席を立って少し前に移動するようになっていたのですが、時折
立ちながらのお経だったためにスタッフの方はそのお坊さんの移動を横で待っている状態
だったのです。

実際お坊さんはお経を唱える声が止んだので、会場にいるみんなが今度はご焼香だと感じ
席を立とうとしたところでスタッフの方がお坊さんの椅子をそっと別の場所に移したのです。

ところがです、何とまだお経の途中だったらしくお坊さんは立ちあがったまま今度は勢いよく
椅子のある場所に腰をおろしてしまったのです。

当然椅子は無かったためにお坊さんはそのままギャグの様な格好でひっくり返ってしまい、参列
していた私達は笑う事も出来ず下を向いたままだったのですが、こらえきれなかった私は結局
トイレに行ってお腹が痛くなるまで笑い転げてしまいました。

気がつくと同じような人が何人もトイレにやってきて、壁にもたれかかりながら笑っていたのですが、
さすがに不謹慎だとは思いましたが、この時だけは堪える事が出来ませんでした。

今でもお葬式に行った際はどうしてもこの事を思いだしてしまうので、こらえるのに必死になって
しまいます。