November 27, 2016

Steamオータムセール対象の3DダンジョンRPGをまとめてみる

steamのオータムセールが始まってたので、
少し遅れましたが、steamに登録されている3DダンジョンRPGの中から、
今回セール対象になっている作品を一覧にしてみました。

・日本語あり
マイトアンドマジックX -50%(¥1,740)
Stranger of Sword City(剣の街の異邦人) -40%(¥2,280)
レイギガント -70%(¥894)

・日本語音声のみあり(字幕英語)
マインドゼロ -60%(¥792)

・ウィザードリィ関連作
Wizardry 6 -75%(¥124)
Wizardry 7 -75%(¥124)
Wizardry 8 -75%(¥245)
Dungeon Lords(ウィザードリィ5〜7のディレクターによるRPG) -75%(¥370)

・その他、英語作品
Legend of Grimrock -66%(¥503)
Legend of Grimrock2 -66%(¥1,013)
StarCrawlers -33%(¥1,326)
Elminage Gothic(エルミナージュゴシック、日本語なし) -70%(¥294)
Dungeon Hero -70%(¥209)
Heroes of a Broken Land -75%(¥370)
VERLIES 2 -80%(¥196)
The Fall of the Dungeon Guardians -60%(¥792)
Ruzar - The Life Stone -50%(¥640)
The Quest -40%(¥588)
Crystal Rift -50%(¥490)
7 Mages -50%(¥690)
Sakura Dungeon -20%(¥1,584)
Zavix Tower -50%(¥740)
The Dungeons of Castle Madness -25%(¥735)
Heroes of the Monkey Tavern -30%(¥699)

「3DダンジョンRPGは海外では死んだジャンル」…と
思い込んでる人が多いかもしれませんが、最近は全くそんなことはないのですぜ。


個人的なオススメとしては、海外でこのジャンルを復活させるきっかけになった
『Legend of Grimrock』の2作品、
「萌えゲー」がもはや日本の専売特許ではなく、
そして「表現の自由」とはなんと素晴らしいのか…を再認識できる(笑)
『Sakura Dungeon』(実は日本製なんじゃないか?という話もありますが…)
そして筆者が一押ししたい作品である『Heroes of a Broken Land』
(このゲームに関しては簡単な導入と解説記事を書きました)

これからの冬籠りに備えて、この機会に国内外問わず、
様々な3DダンジョンRPGを買いためてみるのも一興かと。

November 20, 2016

『RPGツクールフェス・グラドルクエスト』で初心を思い出す

当blogは元々筆者が長いこと生息していた2chラウンジ板の
「RPGツクールでゲーム作れってスレ」だけではカバーしきれない制作報告や、
技術共有等を目的にして立ち上げたblogなんですが、
長い時間が経つうちにその方向性から随分離れたところまで来てしまいました(笑)

そんな中、コンシューマ向けRPGツクールの最新作となる
RPGツクールフェス』が近日発売予定で、
それに先立って、制作作品を無料で遊ぶことができる
RPGツクールフェス プレイヤー』がNintendo eShopで公開されてたので、
筆者は早速導入してみました。
製品の発売前の時点で既に公式のサンプルシナリオや、
著名人が原案を担当したシナリオが多数公開されていますが、
その中でも筆者が強いインパクトを受けた作品を紹介。

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『グラドルクエスト』。
グラビアアイドルの倉持由香さん原案のRPGです。
失礼ながら筆者はこの方を全く存じ上げておらず
(基本的に2次元萌え(シンデレラガールズの黒川千秋様派)の人なので…w)
全く期待せずに遊び始めてみたんですが。

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なんか初っ端から夢を追う人の心を折りに来てるよ!?

公式サイトのコメントによれば「門前払いされ泣いて帰ったこともありました」との事で、
その辺の経験が盛り込まれているのかなぁ…と思ったのもつかの間。
色々あって、伝説のグラビアアイドルであった母親(さすがにこれは創作だろうな)のように、
世界を旅してファンを集め、そして「伝説のビキニ」を見つけ出すのだ!
…というクエストが始まります。

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パーティメンバーの肩書がよくCERO-Aに押し込めたなぁ…と謎の感慨。

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そして提示された目的地が「梅書房」に「ヤンメガ編集部」と、
明らかにモデルが存在するように見えるのは気のせいでしょうか。

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いざ雑誌の編集部に乗り込むと、編集者の方々は何かと理由をつけて、
何故か主人公と2人きりになろうとするのですが、

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そんな編集者の方々を毒殺して回ることもできるグラドル一行。
これが…営業…!(ざわ…ざわ…)


それはともかく、総プレイ時間は2時間程度の短編RPGですが、
少し重めの導入とは裏腹に、とにかく盛り込まれたギャグと、
遊びやすくまとまったゲームバランスが実に面白かった
のでございます。
27年前のFCソフト『ラサール石井のチャイルズクエスト』に近いノリ…と言えば、
通じる人には通じるでしょうか(笑)

いまや市販ソフトではまず味わえないこの感覚が何とも懐かしく、
久しぶりに筆者もこういったゲームを作ってみたくなりました。
…という訳で、ツクールフェス購入予定でございます。
前々からやりたかったネタもあるので、久しぶりにツクラーとして頑張ってみるつもりです。

jzunkodj4y at 23:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!RPGMaker 

November 13, 2016

セールときいてかってしまうとは…これもいきもののサガか

PlayStationStoreが10周年…ということで、
2016/11/20までセールをやっている模様ですが。
筆者がこのセールのラインナップに目を通して数時間後。


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そして 彼らは 来た…


ウォン ウォン ウォン…

「ワグナス!ロマンシングサガ2が999円に割引されたぞ!」
「PSNめ!10周年記念でセールしてみせるなど!」
「奴を責めることは出来まい このラインナップを見て喜ぶのは俺たちだ」
「わかっていただろうにのう ワグナス」
「ボクオーン」
「あのFF15の発売も控えているところに
このセールをぶつけることで 相乗効果が期待できることが」
「では 我々はPSNウォレットに金額をチャージしたまま
セール対象商品を買い 積みゲーを増やせというのか!」
「そうじゃ それがValveの言う『正しいゲーマー』の一生だ」
「いやこの流れでsteamは関係ないやろsteamは」
「ノエルお兄様!Humble BundleでDirt3が無料配布されてましたわ!」
「よし!」
「行くのか?」
「…死ぬなよ」
「ダウンロードソフトの低評価ゲーなど何本掴んだか知れないよ」



文字だけの七英雄コラに少し無理があったかもしれないが謝らない。

それはともかく、セール対象の『ロマンシングサガ2』を買いました。
1993年スクウェアから発売されたSFCソフトの移植作品です。

ファイナルファンタジーシリーズに続く知名度を持つシリーズ作品でありながら、
非常に高難度で知られるこの作品。

筆者は小学生の頃にこのゲームを遊んで、見事に中盤で詰まってしまい、
クリアできなかった思い入れのある?作品なのですが、
その後、一時期筆者が入り浸っていた2chのRPGツクールスレッドで
『ロマンシングラウンジ』なる共同制作作品が盛り上がっていた当時に、
SFC版を再度遊び直し、攻略サイトの助けも借りてエンディングを見ることができたのです。
(なお、筆者は同作の制作にはほとんど関わってません。
『2』の「裏主人公選択」システムの土台を作って提供したくらい)


そんな感じで1度クリアしたこともあって、
Vita版のリメイク当初は特に遊ぶ気はなかったんですが、
999円という価格を見て思わず購入してしまいました(笑)

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リメイク作品という事で背景グラフィック等は一新しつつも、
キャラクターのドット絵は最小限のアレンジに留め、
特徴あるセリフ回しはそのまま踏襲されています。
プレイ感覚もほとんどSFC版そのままで、遊んでいてとにかく懐かしい感じ。

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SFC版ではマスクデータだった「重さ」や「理力」を確認できるようになっていたり、
新規追加ダンジョンもあったりと、追加要素も良い感じです。
(新規クラスの「忍者」がマイクロビキニ?の女の子で、
かつ参入する際に「体でお返し」などと供述していて驚いたのは既に房中術にハマってますか)


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画像では伝わりませんが、一部のボス格の敵にはアニメーションが導入されてます。
名前が紛らわしいことで有名な格闘家クエストの中ボス「ゼラチナスマター」もその対象で、
スライム族らしく、えらくプルプルするアニメーションを見て、
「こりゃあ格闘家のプロレス技じゃ勝てんわ…」と、妙な感慨を抱いてみたり(笑)

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現在ボクオーンを撃破したところまで進めましたが、
いろいろと懐かしい感じで楽しんでます。
以前クリアした時は結局「クイックタイム」に頼ってしまったので、
今回はそれなしでクリアしたいな…というのがささやかな野望。

jzunkodj4y at 23:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!Memo 

October 30, 2016

まさに「デモンゲイズ#2 グリモダールの狩人」。『デモンゲイズ2』追加シナリオ「柳生斬魔録」

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すっかり10月終盤はこれにかかりっきりでございました。
デモンゲイズ2』の追加シナリオ、『柳生斬魔録〜コール・オブ・ザ・グリモダール』。
前作『デモンゲイズ』のメインダンジョンであったグリモダール城を舞台に、
悲劇的な最期を遂げたはずのキャラクターに瓜二つの謎の女剣士、
そして前作デモンの幻影たちや異界からの侵略者との戦いを描いたシナリオです。
(本編の感想はこちら)


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相変わらずヘンタイな竜姫亭お手伝いのピーネや、
シャーク教団といった前作ゆかりのキャラクターも登場。
本編では前作との繋がりが作中でほとんど語られなかったのですが、
この追加シナリオでは直接的に「デモンゲイズ1のその後」を描いたストーリーになります。


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本編シナリオを隠しダンジョンまで制覇した後に遊べるシナリオということもあり、
そのゲームバランスはなかなか強烈。
グリモダール城に入場した直後に、
いきなり前作の隠しボスだった「エリス」の幻影と戦うことになります(笑)
さらに今回は敵ボスのHPが数十万単位(!)に跳ね上がっており
今までのエクスペリエンス作品や、各種のウィザードリィライク作品とは一味違った、
「紙一重で崩される可能性のある、緊張感のある持久戦」を存分に楽しむことができます。

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追加シナリオを進めていくと「外見は既存のザコと同じだが、性能が桁違い」となる、
いわゆる「二つ名」付きのザコ敵も出現。
これらの敵は状態異常耐性が非常に高く、かつHPも万単位…と、
たとえ高レベルのキャラクターでも死と隣り合わせの気の抜けない戦いに。

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もちろんそういった凶悪な敵に対抗できるよう、高性能なアイテムや、
強力なスキルも大量に追加されてます。

この絶妙な難易度と、奥深さを増したトレジャーハンティング要素の組み合わせが、
これこそ『デモンゲイズ2』の真の姿だ!と言わんばかりで実に面白い。


ストーリー自体はそんなに長くはないのですが、前作『デモンゲイズ』や
開発元が同じで世界観を共有した作品『剣の街の異邦人』をしっかり踏まえ、
かつチャンバラ小説では定番の「柳生一族」の要素をそこにぶち込む…
というのも印象的でした。

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作中に「五行の封印」が登場したり、ボス登場前の印象的なセリフ回しであったり…と、
シナリオを担当したベニー松山氏による『ウィザードリィ外伝2』を知っているとニヤリな場面も。


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筆者はプレイ時間70時間にしてこの追加シナリオをクリア、
そして現在は更なる追加エリアで「神村正」をはじめとする、
最強クラスのアイテムを求めてひたすらサークルにジェムをつぎ込んでいる最中です(笑)
(エンドコンテンツはまだ未クリア…)

この追加シナリオで、『デモンゲイズ2』はまさに完全体になった
と言って差し支えないかと思います。
数多い2016年発の3DダンジョンRPGの中でも、
決して先行作品に勝るとも劣らない出来かと。



追記:
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柳生斬魔録序盤で新たに仲間にできるデモン「キャンサー」。
語尾が「だっちゃ」なので、某鬼娘のインスパイア系キャラなのかな?と思いきや。

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「ダメだこいつ…早く何とかしないと…!」と言いたくなるような、
本性がまさかのクレイジーサイコレズ…!w

October 16, 2016

デリシャスというよりリーズナブル『Delicious! Pretty Girls Mahjong Solitaire』

実にPSVita向けの3DダンジョンRPGとしては今年4本目となる
神獄塔メアリスケルター』が発売されたり、
またSteamで筆者の好きなSTGの1つである『怒首領蜂大復活』が配信されたりと、
今週は筆者にとって嬉しい悲鳴を上げる週だったのですが。

『怒首領蜂大復活』に並んで、今週Steamで配信開始された、
とあるゲームを見つけてしまったのです。


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Delicious! Pretty Girls Mahjong Solitaire』。

海外ゲームローカライズに強い企業・ズーがSteamでこっそり展開している、
美少女要素を加えたテーブルゲーム『Pretty Girls』シリーズの最新作が、
ゲーム関連情報サイトでも取り上げられることなく、これまたこっそりと配信されてました。

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このゲームはいわゆる麻雀牌パズルゲーム『上海』に美少女要素を加えた、
Pretty Girls Mahjong Solitaire』の続編にあたるのですが
(前作の感想を含む筆者blog記事)、
思わず筆者が2度見したのはその配信価格。

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…2ケタ違う!?

前作が2,300円なのに今作は(定価)98円。
開発者が値付けを間違えたのか、
はたまた何者かに脅されてこの価格にせざるを得なかったのか、
あるいは単にこの価格で行けるんじゃね?と踏んだのか、
何にせよ、この大胆すぎる値下げの意図が気になります。

それはともかくとして、ゲーム内容は基本的にはオーソドックスな「上海」。
1手やり直しやヒント機能はなく、制限時間内にステージをクリアしていき、
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第3ステージでは女の子の服が少しずつ…という、実にアーケードゲームっぽい内容。
さらに今作では短時間で牌を消していくと「コンボ」となり、
得られるスコアが跳ね上がっていく…というスコアアタックや、
クリア時間が記録されるタイムアタック要素も搭載。
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そしてSteam配信タイトルであるを活かしたランキング機能もあり…と、
より「アーケードゲーム的な」完成度が高まった印象です。

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一度クリアしたステージの女の子を眺められるギャラリーモードも搭載。
相変わらず局部露出こそないですが、全体的に前作より露出度が高まっていて、
かつ攻略対象キャラクターも増えている…と、こちらの面でもパワーアップしてます。

麻雀牌パズルゲームとしてのツボ自体はしっかりと抑えていて、
かつお値段超値下げという事で(筆者が前作をお勧めしにくい最大のネックが価格だった)、
何かのついでに開発してSteamライブラリの片隅に忍ばせておいて、
ときどき暇つぶしに遊ぶ分には良いゲームだ
と筆者は思います。

jzunkodj4y at 22:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!Memo | PC

October 09, 2016

これがエクスペリエンスの「もう一つの」集大成。『デモンゲイズ2』(Ver1.00)

発売日から40時間ほどノンストップで遊びました。
角川ゲームス&エクスペリエンスのタッグ作品『デモンゲイズ2』。

結論から言いましょう、すごく面白い!

前作は伝統的な3DダンジョンRPGの構造を継承しつつ、
明るいキャラクターデザインと、それと裏腹に急転するストーリー展開、
そしてエクスペリエンス社が磨きぬいてきた「ハック&スラッシュ」のゲーム性、
および快適な操作性を盛り込んだ傑作でした(当時の筆者の感想記事)。

そして、満を持して登場した続編となる今作。
筆者が真っ先に感じたのは、「徹底的な遊びやすさへのこだわり」でありました。

その筆頭が「今作のパーティメンバー」。
前作は『ウィザードリィ』に代表される伝統的な3DダンジョンRPGと同様、
「自分でパーティメンバーを作成する」方式でしたが、
今作では「主人公」以外のキャラクターメイキングが廃されています。

この手のジャンルのゲームにおいて、確かに「キャラクターメイキング」は
楽しみの一つではあるのですが、
慣れていない人にとっては複数のキャラクターの名前を考えることも結構な負担で、
それを「敷居の高さ」と捉える人が多いのも事実であります。
(キャラクターメイキングを採用した大抵のRPGの攻略wikiサイトに、
「ネームジェネレーター」や「名前辞典」へのリンクがあるのが何よりの証拠)


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では代わりにパーティメンバーがどうなったか…というと、
ボス格の敵として登場する「デモン」を撃破し、仲間としていく方式。
前作でも「デモン」を捕らえ、「召喚獣」として使役していくのが
ゲーム進行の核となっていましたが、本作はそれを一歩進めた形になります。

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仲間にしたデモンには個別のイベントも多数あり、
ストーリー面でのデモンの印象が今一つ薄かった前作に比べ、
よりキャラクター性を深めよう、という意図を感じます。
(そしてこのシーンの選択肢の細かすぎて伝わりすぎるパロディで思わず吹いた筆者)

そしてデモンが所持するスキルや役割には大きな差があり、
それをどう組み合わせていくのか…といった楽しみや、
あるいはあえて効率なんか考えずに、
お気に入りのデモンをどう鍛え上げていくか…という楽しみがあります。

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ていうか、年上お姉さん属性のスコーピオンさん最高じゃないですか…?
(個人の感想です)

その他、「前作が難しすぎる!」というユーザーの声に答えてか、
難易度選択の幅が広がっていたり
(「前作が簡単すぎる!」という熟練者に向けた「けしずみ」難易度もあり。
筆者もこれで遊びましたが、最序盤から「殺しに来る」難易度で実に楽しかったです(笑))

マップの位置選択で自動移動する機能が強化されていて、探索を軽快に行えたり、
前作でアイテム欄を地味に圧迫した「宝の地図」が、
アイテム欄でなくオートマッピング上に自動表示されるようになっていたり、
その他非常に多くの改善点で、とにかく遊びやすくなっている印象を受けました。

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作中でも、こんなメタなセリフが飛び出したり…(笑)


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エクスペリエンスのお家芸であるトレジャーハンティング要素も健在。
ジェムをサークルに投げ込んで敵討伐してアイテムを回収、
そして不要なアイテムを溶かして資源を貯め、
装備しているアイテムに注ぎ込んで強化、さらなる強敵に挑む…という、
この手のゲームの根源的な楽しさはやはり素晴らしいものがあります。
(当然、画像のように村正もあります(笑))


「ラジオ」と「革命」を軸にした、本編のストーリーも印象深く、
ネタバレになるので詳しくは書きませんが、
本編のクライマックスの「状況は絶望的だが、負ける気がしない」演出と、
そしてクリア後に明かされる意外な事実には驚きました。

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前作から続投したキャラクターの中でも、
イケメンだったのにまるで別人のように変貌した
クソエルフレゼルムの扱いが個人的にツボ…w


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デモンゲイズ名物の、オンラインメモ機能のカオスっぷりも大健在!(笑)
もっとも今回はメモ機能自体のON・OFFだけでなく、
使用できる単語を絞った(スラング等が排除された)シンプルメモも用意され、
ある程度ゾーニングが図られたのは改善点かと。
(現状筆者が見る限り、有用なシンプルメモはあまりない感じでしたが…)



ただ、このゲームにはいくつか目につく欠点もあります。
1つは「操作コンフィグが存在しない」点。
本作では方向キー↓の操作が「後振り向き」となっていますが、
現状他メーカーの作品では↓キーの操作が「後退」になっているものもあり、
違和感を受けるプレイヤーも少なくないように思います。
エクスペリエンス社の過去作品ではこの操作をオプションで選べる作品もあったので、
なぜこの部分を退化させたんだろう…?という思いがあります。

もう1点は「デモンのメンテナンス」
仲間のデモンの体の敏感な地点をタッチして好感度を上げる…という、
PSVitaの作品には数多いいわゆる「おさわり要素」ですが、これがまあ中途半端な出来。
おさわりに対するレスポンスはボイス(ダメージボイスの流用)と判定表示だけで、
表情を変えたりアニメーションしたり…といったことはなく、全く動きません。
(今回、戦闘中の敵デモンのイラストはやたらアニメーションするのに…)
イラストも変身後のデモンのイラストをそのまま使っていて、
お色気要素としては正直、かなり控えめ。
そういったお色気要素をウリにしている同業他社の作品みたいにしたくない!
…というメーカーの意思は十分に理解できますし、
デモンには男性も存在するためいろいろと調整が難しいのはわかりますが、
現状、筆者には「中途半端でかったるい要素」という印象しか残っていません。
この辺りは、やるなら徹底的に冒険して欲しかったな…というのが正直なところ。
(もちろん、男女別でそういった機能の表示有無を切り替えられるようにして)

とは言え、これらの欠点も「3DダンジョンRPG」としてはあまり関係ない部分ですし、
筆者がトロフィーをコンプリートするまで約40時間と、
現状でも1本のRPGとしての完成度とボリュームは十分すぎるほどあるかと思っています。

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同社の『新釈・剣の街の異邦人』が『ウィザードリィ』の流れを汲む、
ハードコア路線の3DダンジョンRPGの集大成とすれば、
『デモンゲイズ2』は同社が『円卓の生徒』から積み重ねてきた、
遊びやすく、かつ奥深いエンタメ路線の集大成
と言える出来ではないかと。


そして、公式ページで予告されている通り
「デモンゲイズ2は大規模アップデートされる度にそのボリュームを増す…
その大規模アップデートを俺は少なくともあと1度残している…
その意味が分かるな?」と言わんばかりの追加要素がアナウンスされていますので、
筆者は大村正探索と控えデモンの育成に励みつつ、
バージョンアップを楽しみに待つ日々でございます。

(2016/10/30追記)
追加シナリオ「柳生斬魔録」の感想記事を作成しました。
続きを読む

September 25, 2016

EXPの進化は終わらない 剣街は終わらない。『新釈・剣の街の異邦人』

ウィザードリィライクゲームでワルキューレが強いのは伝統ですよね!
(剣街にはワルキューレもヴァルキリーもいないけどさ)

前述のyoutubeリンクはあまり関係がなく(笑)、
表題のゲームが発売されてから2か月も経ってますし、
同じメーカーの最新作『デモンゲイズ2』も発売間近…なので今更感はありますが、
エクスペリエンスのPSVitaソフト『新釈・剣の街の異邦人
(以下、『新釈』)の感想を残しておこうかと思います。

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『新釈』は、その名の通り『剣の街の異邦人』のアレンジバージョンとなる3DダンジョンRPG。
原作は「死」のペナルティが現代のダンジョンRPGとしてはかなり重めで、
かつての『ウィザードリィ』を思わせるようなシビアさの中、
どう戦い抜いていくか…といったハードコアダンジョンRPGでしたが
(筆者のXbox360版の感想記事はこちら)、
本作も、そのコンセプト自体には変わりはありません。
しかし、随所に加えられた改良によってより遊びやすく、
より「のめり込める」ゲームに仕上がっています。


1つ目は「戦闘システムの新要素追加」

『新釈』では戦闘中に「防御」コマンドを選んだ際に敵の攻撃を受けると、
高確率で大ダメージの反撃+気絶効果付与を発動する
「ガードカウンター」という要素が搭載されています。
普通のRPGなら明らかにぶっ壊れだよね…と思われるスキルかもしれませんが、
敵が強力で、かつキャラクターが死んでしまった際のデメリットが大きな本作では、
格上との敵との戦いで重要になります。

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特に本作では、一部の敵が「見切り」を持っており
(同じスキルを2回以上受けるとそのスキルを無効にされる)、
その他「無属性物理攻撃無効」モンスターが登場するなど、
単純な力押しでは倒せないようなボス敵が登場します。
こういった敵と戦う際には、積極的にガードカウンターを狙っていく必要があります。
(気絶中に見切りは発動しないため)
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戦闘システムの変更はこれだけにとどまらず、
「命中・回避修正バフ・デバフの上下限追加」や、
「ボス敵討伐時のレベル制限」(戦闘前にレベル制限有無を選択し、
制限をかけると一時的にそのレベルまで下がる&ボスを倒したときの報酬増加)など、
先述のガードカウンター等と合わせて、
原作よりアクセントが加わった戦闘に仕上がってます。


2つ目の改善点は「ダンジョン内のイベント追加」

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原作ではただ「障害を踏破していくだけ」という印象が強かったダンジョンですが、
『新釈』ではダンジョン内に多くの謎解きや隠し部屋、
そして一部のダンジョンには完全新規フロアが追加されています。
その多くにレアアイテム(能力値UPやスキル枠増加など)が配置されており、
これを探すという楽しみが増えました。
またクリア後ダンジョンが3つ追加されており、ゲームのボリュームも増えた印象があります。
(筆者はプレイ時間70時間にして、
未だにエンドコンテンツが制覇できていません
…(汗))

2016/09/26追記:
プレイ時間72時間・平均レベル62でギリギリ、エンドコンテンツを制覇できました。
とは言え、この時点でも最上位レアアイテム(「神村正」等)は手に入ってません(涙)


3つ目の改善点は「レアアイテム入手制限の撤廃」
原作では基本的に「村正」のようなユニークアイテムは基本的に1個しか手に入らず、
2個以上欲しければシナリオ周回を繰り返す必要があったのですが、
本作ではそのユニークアイテムの入手制限が撤廃され、
思う存分レアアイテムの収集に没頭する事が可能になりました。
個人的にこの部分が原作で一番不満に感じた点だったので、
余計な事を考えずにアイテム掘りに専念できるようになったのが本当に嬉しいです。

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両手武器の二刀流スキルも追加され、大村正を両手に持つことが可能に!
武具も強化できるようになり、さらなる強さを目指せるようになったのも良いポイントかと。


その他「死亡したキャラクターの蘇生・休養期間の短縮」「待ち伏せウェイト時間の短縮」
「オートパイロット機能の強化」など、地味に遊びやすくなった部分も多く、
一度『新釈』に慣れると原作には戻れない…くらいの印象です。


個人的には3DダンジョンRPGの熟練者に向けた作品としての完成度の高さは、
エクスペリエンス社の作品の中では『迷宮クロスブラッド』と並ぶ双璧
かと。

筆者は以前に『迷宮クロスブラッド』を
「Wizardryの一部であるハックアンドスラッシュというゲーム性に注目、
それを進化させ続けた集大成的作品」と評した
のですが、
『新釈』は「エクスペリエンス社が育て続けてきたゲーム性の集大成でありながら、
そして新たな方向性の兆しさえ見せる進化生物的作品」
のように思います。
そんなエクスペリエンス社が次はどんな進化を見せるのか、筆者は楽しみにしています。


(余談)
本作の初回限定版特典、ベニー松山氏の小説「墜ちて修羅、鋼刃舞うは極夜の空」。
ネタバレ全開の小説なのでクリア後の読破がおススメなのですが、
原作「白の王宮」「黒の宮殿」とも、『新釈』とも異なる、
小説という媒体だからこそできる素晴らしいエンディングに筆者は感銘を覚えました。
こういったエンディングを持ってこれるベニー松山先生、まさに選ばれし者だな…と(笑)

ベニー松山氏のファンに限らずとも、可能なら初回限定版を探すことをお勧めします。

September 11, 2016

ウィザードリィに登場する「村正」総まとめ

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桑名市博物館で開かれている、特別企画展「村正」に行ってきました。

徳川家康や、倒幕派の有栖川宮熾仁親王が持っていた立派な村正に、
戦時中十分なメンテナンスが出来ないことを理由に、
赤黒く漆塗りを施された、まさに怪しい輝きを放つ村正、
そして打刀だけでなく、村正の脇差や短刀、直剣など、
村正20振りを一堂に集めた企画展。

各種『ウィザードリィ』ライク作品でも、20振りは集められねえ!
と変な興奮を覚えつつも、見ごたえのあった素晴らしい展示会でございました。


そんな中、
「ウィザードリィに登場する『村正』をまとめた記事って、ネット上にないんじゃね?」
とふと思い立ち、こんな記事を作ってみた次第です。
この記事では「ウィザードリィ」を冠するタイトルに登場する、
「村正」関連アイテムに絞った紹介とし、
他のダンジョンRPGについては基本的に言及しない方向としていることをご容赦ください。



Murasama Blade!
(出典:シナリオ1)
ジェームズ・クラベルの小説『将軍』に登場する刀を借用しゲームに登場させたもの。
この『将軍』という小説の固有名詞は実際の戦国時代の固有名詞のもじりが多く、
Murasamaという呼称もその一環として意図的に村正をもじったものと思われる
(作中でも登場人物の一家に呪いをもたらす刀とされている)。

当初は『将軍』の設定でそのままゲームに出していたが、
日本語版製作時に「正しい綴りはMuramasaではないか?」という指摘を受け、
以降は"Muramasa Blade!"表記になったとの事。

(日本においては"Murasama"表記について
「『南総里見八犬伝』に登場する村雨との混同」…という説も根強いが、
各所の製作者へのインタビューを見る限りその可能性は限りなく低いと考えられる)


他の武器とは一線を画す凄まじい攻撃力を誇り、
「レアアイテムの収集」というゲームの楽しさを引き立てる上で大きな存在となっている。


Muramasa Katana
(出典:シナリオ5以降)
D.W.ブラッドレー氏が手掛けたウィザードリィにおける村正。
実際の村正が打刀だけでなく脇差や短刀も存在することに合わせてか、
忍者も装備可能となった。
与ダメージはやや下がったがそれでもゲーム中トップクラスの攻撃力で、
本家シリーズの最終作である8まで欠かさず実装されるなど、
シリーズを代表する武器となっていく。

本家シリーズでは「村正に2種類の実装が存在する」という件について、
この2種は「真作と贋作」の差ではないか?という考察をしていくファンも少なくなく
(実際に討幕派の志士たちにとって村正は縁起物とされ、
以降村正を名乗る贋作が多数出回った…という史実もある)、
実際に『ウィザードリィ外伝3』で侍のみが装備できる「むらまさ」、
そして忍者も装備可能だが攻撃力が若干低い「むらまさのかたな」の2つを
同時にゲームに登場させたのをきっかけに、
以降の日本製派生作品における、多数の村正の出現に繋がっていく。


とんぼぎり
(出典:外伝4、ディンギル)
本多忠勝の愛用した槍「蜻蛉切」をモチーフにした武器。
蜻蛉切は村正一派である藤原正真の作であり、
村正も1人の刀工ではなく複数人を指す「屋号」のようなものであったことを考えると、
この武器も「村正の槍」と呼称しても差し支えないものかもしれない。
日本製派生作品における独自の村正の実装の先駆けである。

しかしゲーム上の性能は中盤〜終盤にかけてのつなぎ武器といったポジションであり、
最強武器・村正の系統というよりも、
単に「有名な槍」としてゲームに採用した可能性も考えられる。


裏村正
(出典:エンパイアシリーズ)
「日本刀は真打と影打の2振りを作り、真打を依頼者に、影打を鍛冶の手元に残す」
…という伝説を受けてかどうかは知らないが、
村正を上回る最強武器として登場した、中二病感あふれる存在。
もっとも初めてこの武器が実装されたGB版エンパイアでは、
ドロップテーブルの関係上絶対に出ないという事実上の没アイテムとなってしまっている。
(なお、同作では同じ理由で普通の村正も出ない…)


鬼村正
(出典:PS版エンパイア)
高名な刀工が村正を真似して作ったもののその性能は村正に及ばず、
さらに刀を鍛えるのに人血を使ったため、
その呪いで霊体しか斬れなくなった…という設定の刀。
攻撃力自体は悪くないのだが、使い物になるか、という点についてはご察しである…


菊村正
(出典:PS版エンパイア)
村正の名を冠する刀なのでどのくらい強いか…と言えば、
初期武器に毛が生えた程度の強さ。
その正体は村正に外見だけを似せた、インチキ商店に必須のなまくら刀だという。
由来は何のことはない、日本酒「菊正宗」のパロディだろう。


真村正
(出典:PS版エンパイア)
まるで村正のバーゲンセールだな…と思わず言いたくなるPS版エンパイアにおいて、
ようやく本当に、まともに強い村正。
とは言え完全上位互換となる裏村正があるので、マイナー感は否めない。

なお本家ウィザードリィの先史を僭称するPS版エンパイアの裏設定では、
真村正が後の「村正の刀」、裏村正が後の「村正」である…としている。
(その割に、真村正は忍者が装備出来たりはしないのだが)


裏村止
(出典:PS版エンパイア2)
プラチナ宝箱から「?刀」来た!裏村正か!?と期待させておいて、
残念!裏村止ちゃんでした!とプレイヤーを落胆させるジョークアイテム。
同作の最高ランクの宝箱から落ちる未鑑定の刀は大抵コレなので、嫌でも印象に残る。

武器の性能としては「(絶対数の少ない)神属性の敵にしか効果がない」、
「ダメージも雀の涙」というネタ武器だが、
序盤からよく落ちてどんな職業でも両手に装備でき、またACを下げる効果もある事から、
装備が揃わないうちの盾代わりとしては案外有用だったりする。
一応同作の設定においては「裏村正の鞘」だとされているが、
ポンポン落ちるのを見る限りそれも怪しい。

なお、後に同一のスタッフが制作するゲーム『デモンゲイズ』においては、
セルフパロディ的な武器として「村止」が登場する
(こちらは「村正の模造品」という扱いだが、
性能自体はそこそこ高く中盤以降長く使える武器だったりする)。


むらまさ-1
(出典:アスタリスク)
ウィザードリィでは「-1」表記の呪いがかかった武器は珍しくないが、
それを村正にも適用した初めての例。
とは言え、腐っても性能は村正…などということはなく、
どうしようもないゴミ性能で、裏村止のような特殊な使い道すらない。
例によって最上位宝箱からしか落ちないので、落胆感も尚更。


★村一、★村二、★村三、★村田
(出典:スキーマ)
村正の「正」の画数を減らしたり置き換えたりしてみたパロディ武器シリーズ。
「正」の刻印を削ったり他の文字に彫り直したりして、
偽装を試みた村正は現実にも存在する。
(冒頭で紹介した村正展にも、そういった村正が展示されている)




これが足りないのでは?というご指摘や、
その他ご意見等がありましたら、是非ともコメント頂ければ幸いです。


(余談)
20160910_無銘村正

冒頭で紹介した展示会、基本的に写真撮影は禁止で、
入り口に展示されている無銘刀(但し、村正作との共通点が多い)のみ、
来場者による撮影が許可されているんですが…

20160910_135207

紹介のタイトルに時事ネタをぶっこんで来るあたり、
ガッチリSNSの口コミ効果を狙いすましていて隙が無い…!(笑)

September 04, 2016

「ウィザードリィがRPGの元祖」と言い出したのは誰なのかしら・破説

いつしか、「コンピュータRPGの元祖」と呼ばれるようになっていた『ウィザードリィ』。
そう呼ばれるようになった原因が気になりだして、
先月「序説」と銘打ってこんな記事を書きました。
(まだ読んでない方は、この記事を読む前に先に読んでくださいませ)、
さらなる調査のために、いつか『ログイン』誌を漁らねば…と思っていたのですが。

筆者が現在在住している名古屋の周辺の図書館で検索してみると、
なんと名古屋大学中央図書館にログインのバックナンバーがある事が判明。
ホームページを見たりtwitterで聞いてみたりしたところ、
学生でなくても利用目的を所定の用紙に書いて提出すれば閲覧できる…との事だったので、
ある真夏の暑い日に、名古屋大学まで足を運び、
実際にログインのバックナンバーを確認してきました。


ログイン誌で初めてウィザードリィが取り上げられたのは、
まだ定期刊行になっていない時代、1982年9月発行の「Vol.2」です。
しかも特集記事でもなんでもない、アメリカの最新ヒットチャートで1位を取った作品の紹介で、
記事としての扱いは相当小さいです。

いま全米で人気ナンバーワンのソフトウェアは、Sir-tech Software Inc.製の「Wizardry」だ!
最近のアメリカのソフトウェアの流行である"剣と魔法"(スウォードアンドソーサリー)の世界を描いたロールプレイング・ゲームなのだが、とにかく難しい。
日本のAppleユーザーでも、ソフトの名前は知っているのだが、やったことがないという人が多い。
(中略)
ぶ厚いマニュアルがついていて、遊びまくるには、一晩がかりではすまないあたりに、人気が集まっているのだろう。

(「ログイン 1982 Vol.2」、P120より引用)

この時点では、まだ「元祖」とは呼ばれていません。


次にログイン誌にウィザードリィが登場するのは、
1983年に月刊化を果たした後の6月号。
大々的にゲームソフトを特集した号であり、
その中に「ロールプレイングゲームが80年代の新しいゲーム宇宙を構築する」と題して、
ウィザードリィやウルティマの特集記事が組まれています。
記事では、ウィザードリィを以下のように紹介。

パソコンが登場する前からボードゲームのひとつに、ロールプレイングゲームというのがあった。
この代表作が"ダンジョンズ&ドラゴンズ"。
これをコンピュータ化したのがウィザードリーなのである。
(中略)
ところで、前述のダンジョンズ&ドラゴンズを、なんとかコンピュータでやれないかと考えた人物がいた。
それがサーテック社のMr.ロバート・ウッドヘッド。
当時、コーネル大学で心理学を学んでいたコンピュータ・フリークだ。
大学での友人、アンドリュー・グリーンバーグと協力して、ウィザードリーのプログラム開発に着手。
約1年かけて、1981年9月、この画期的で決定的なゲームソフトは世に出た。

(「ログイン 1983 No.6」、P120より引用)

D&Dをコンピュータで遊べないかと思い、2人の大学生が開発した…という、
現在でも広まっている認識がこの記事で示されています。
しかしながら、「画期的で決定的」としながらも、
まだまだ「元祖」という表記は行われておりません。
(しかし、公式の日本語化が存在しない時代とはいえ、
この記事に使われてる「ウィザードリー」「トゥレバー」「ウェンダ」という表記が何とも…w)



続く1983年7月号には、ウィザードリィを手掛けたsir-tech社への訪問記事が。
原作者として知られるロバート・ウッドヘッド氏とアンドリュー・グリーンバーグ氏、
そしてロバート氏と共同でサーテックを設立したノーマン・サーロテック氏へのインタビューが掲載されています。
現在でも各所のインタビューに応じているロバート氏とは違い、
ゲーム関連メディアに出ることのなくなったアンドリュー氏のインタビューが掲載されているのはかなり貴重なので、
以下、その内容を要約してみますと…


  • ロバート氏と共同制作する前のウィザードリィのプロトタイプ(BASIC版)は
    友人が集まって退屈し始めたときに誰かが発言した、
    「D&Dをコンピュータにプログラムして遊べよ」という言葉が制作のきっかけ

  • 最初は3D描画の登場キャラクター1人のゲームだったが、
    自室に遊びにくる友人の反応を見て改良を続け、
    1年ほどで現状のウィザードリィに近いものになった(但し、描画は2Dになった)

  • ロバート氏に出会ったのはアンドリュー氏が大学院1年のとき。
    PLATOの管理を任されていたアンドリュー氏が追い払っていた学生の中の1人にロバート氏がいた
    (なお、このインタビュー中ではPLATOについて「"プレイト"というビデオゲーム」という表記がされており、インタビュアーはPLATOを当時の大学間ネットワークでなく1つのゲームとして誤解していた模様である)

  • 自分の作ったゲームに似ていた『ウルティマ』が売り出されて悔しい思いをしたが、
    同時期にロバート氏が複雑なプログラムを手掛けて権利関係もアンドリュー氏に一任すると提案して共同制作が始まった

  • 製品化作業を進めていくうちにロバート氏の提案したゲームデザインも多く組み込まれ、
    最終的にはウィザードリィはアンドリュー氏とロバート氏の共同著作になった


後に権利問題でサーテック社と喧嘩別れし、法の道に進む事になるアンドリュー氏ですが、
インタビュー内で権利関係の発言が目立つあたり、1983年当時に既にその前兆はあったのかもしれません。
そして、この訪問記事の冒頭にはこんな記述が。

コンピュータ・ロールプレイングゲームの本家本元。
ウィザードリーを世界に送り出したサーテック社を探し求めて地球の裏側へ。

(「ログイン 1983 No.7」、P72より引用)


「元祖」という表記ではないにしろ、
それに近い「本家本元」という表現が使われています。
とは言え、この頃はCRPGも決して数が多くなく、
その中で完成度が高く、売り上げ上位を記録し続けていたウィザードリィを称賛する意で、
特に深く考えずにこういった表記を使ったのではないかと思われます。


1983年11月号では、安田均氏によるRPGの紹介記事、
「ロールプレイングゲーム世界への招待」が掲載。
最初に元祖RPG『D&D』の紹介に始まり、
その後現れた『T&T』『(ドラクエがかつて欧米で別名を名乗らざるを得なかった原因の)ドラゴンクエスト』、
『ルーンクエスト』『トラベラー』といったRPGを紹介し(この頃は「TRPG」という表記はなかった)
そしてコンピュータRPGの紹介に至っています。
ここでは『アカラベス』『ダンジョン・キャンペーン』『テンプル・オブ・アプシャイ』など、
『ウィザードリィ』以前のコンピュータRPGを多数紹介しておりますが、
その中でも「初めてのコンピュータRPG」として紹介されているのが、
1978年に発売された『ビニース・アップル・マナー(Beneath Apple Manor)』。
このゲーム、「ローグより先に出たローグライクゲーム」、
そして「ドラクエ以前にスライムを顔の付いたモンスターとして表現したゲーム」として有名だったりするのですが、
それはともかく、この時点ではウィザードリィ「元祖」論はほぼ表れていないと言ってよろしいでしょう。


それからちょくちょくとウィザードリィに関する記事は『ログイン』誌に掲載されるのですが
(4の発売決定を伝える速報や、サーテック社と『ウルティマ』のオリジン社が共同制作を予定している…など。
後者はどうもお蔵入りになった模様)

決定的な転機は1985年5月号、ウィザードリィ#4の発売直前と銘打った特集記事。
(なお、#4の発売についてはその後2年以上延期される)

それでもって、WizardryIVの完成を記念して、
心に残る青春の思い出、あの懐かしの名作ロールプレイング。
これぞ元祖。
アミューズメントの総本家、WizardryI "Proving Grounds of The Mad Overlord"をふり返り、
しかる後に、新たな感動を胸に秘めて、期待の新作に話を移しましょう。
とまあ、こんなスケジュールなんですが、よろしかったですか?

(「ログイン 1985 No.5」、P86〜87より引用、強調は筆者による)


この記事自体はかなり軽い文体で書かれており
(『ログイン』という雑誌自体も、割とノリの軽い雑誌である)、
そう深く考えずに「元祖」という表現を使ったようにも思えるのですが、
ともかく筆者が確認する限り、この『ログイン』1985年5月号が、
『ウィザードリィ』を「元祖」とする記述の初出です。



その後同年に『ウィザードリィ』の日本語版発売が決定し、
ログイン誌でも多くの特集記事が組まれるようになるのですが、
『ウィザードリィ』に対して「元祖」という表現が、
もはや確定的なように使われていきます。

ついにあのコンピュータRPGの元祖Wizardryが日本向けに移植される。
発売以来はや4年。その間ヒットチャートの上位に根を下ろして動かないオバケ的ゲーム。
なぜこれほどまでに、世界はWizardryに熱狂するのか、
その秘密がもうすぐ私たちにもわかるようになるのだ!

(「ログイン 1985 No.10」、P126より引用)

日本版Wizardryは、4機種まとめて年内発売の予定だ。
もう少し、もう少し辛抱すれば、
念願の元祖コンピュータRPG、Wizardryがプレイできる。

(「ログイン 1985 No.11」、P133より引用)


以上から考えるに、1985年以降に『ログイン』誌を手掛けたライターや
それを読んだPCゲーマーの間で、
「ウィザードリィはRPGの元祖」という認識が出来ていき、
そして訪れたファミコンブーム真っ只中の1987年末〜1988年始に、
上記の認識を持ったライターによって、
『少年ジャンプ』系列誌で「ウィザードリィはRPGの元祖」という紹介をしたことで、
この認識は大きく拡散したのではないか
…というのが現状の筆者の仮説です。


今回は『ログイン』誌について調べてみましたが、
機会があれば同年代のゲーム雑誌(『月刊遊撃手』など)についても調査を行い、
何か新たな事実があれば、また別途記事を設けて紹介したいところではあります。
(とは言え、さすがにこれを収録してる図書館は東海近県では見つからない…)


(ウィザードリィとは直接関係のない余談)
ログイン1984年4月号には、
日本製CRPGの草分けである『ザ・ブラックオニキス』を開発したBPS社へのインタビュー記事が掲載されています。
そこで制作を手掛けたコンラッド・龍弥・小沢氏は、このような発言をしています。

「当時、ハワイ大学にはPLATO(プレート)システムという通信ネットワークがありました。
 このネットワーク上にあるD&Dゲームが載っていました。
 ちょうどEpyx社の"Temple of Apshai"のようなタイプのゲームです。
 なんでも12歳の天才少年が書いたソフトらしいですが、
 それをプレイし続けているうちに、僕の中にコンピュータRPGを書いてみたいという欲求が生まれたのです」

(「ログイン 1984 No.4」、P117より引用)

ブラックオニキスにも、PLATOの影響が少なからずあったとは…!

July 31, 2016

「ウィザードリィがRPGの元祖」と言い出したのは誰なのかしら・序説

最近はすっかり「ウィザードリィは(ウルティマと並ぶ)RPGの元祖」という言説が迷信であることが周知されてきましたが
(え、そうなの!?と思われた方は、筆者が以前書いたウィザードリィの呪文名についての記事や、
ウィザードリィの世界的な知名度の実情についての記事をご覧ください)、
それではなぜ、そういった迷信が生まれたのか…と気になって、
今年の初めごろからいろんなウィザードリィ関係の書籍を当たっています。


筆者が探した中で、もっとも古いウィザードリィ関係の書籍である
『ウィザードリィハンドブック』(初版1986年4月)の前書きには、
以下のような記述があります。

RPGがコンピュータと宿命的な出会いをしたのは、もう12年も前のことです。
多くのプログラマ達がこの無限の可能性を持つゲームの移植を試み、
そしていろいろな形で作品を造り上げました。
そんな背景の中で、「ウィザードリィ」というソフトが生まれたのです。
多くのRPGソフトの中でもウィザードリィの人気は特に大変なもので、
最初のバージョンが発表されてから5年以上たつ今日でも、
全世界に冒険者たちを育てつつあります。
もはやウィザードリィは、コンピュータRPGの代名詞にまでなってしまっているといっていいでしょう。

(「ウィザードリィハンドブック」(1986,株式会社ビー・エヌ・エヌ), P5より引用)

「ウィザードリィは、コンピュータRPGの代名詞」とまで言ってはいますが、
「元祖」や「起源」とは一切記述されていません。
それどころが、同時期〜それ以前に多数のコンピュータRPGが存在していた事も
読み取れる記述
になっています。

もっと興味深いのは「RPGがコンピュータと宿命的な出会いをしたのは、もう12年も前のこと」という部分で、
西暦にすると1974年、ちょうどアメリカで『ダンジョンズ&ドラゴンズ』が正式に発売され、
またアメリカの大学間コンピュータネットワークシステムPLATO」上で動作した最古のコンピュータRPG『m199h』(現存せず)や、
D&Dの影響を多大に受けた現存最古のCRPG『pedit5』(1975)が生まれた時期とほぼ一致します。


PLATOで動作していたゲームとそれらの後世への影響の大きさ、
そしてコンピュータRPGの起源にまつわる話は2010年代に入ってから知られるようになった…
と筆者も思ってましたが、少なくともこの本の執筆者たち
(当時の雑誌「遊撃手」「バグ・ニューズ」のライター陣の誰かと思われる)は、
これらのコンピュータRPGの起源の話をほぼ正確に知っていた可能性が高いと思われます。


次にウィザードリィを取り上げた本で有名だと思われるのは、
『SFファンタジィゲームの世界』(1986年5月)。
後にグループSNE代表となる安田均氏が様々な非電源ボードゲームや、
テーブルトークRPG、
そしてそれらの系譜を踏まえたコンピュータゲームを紹介している書籍ですが、
その中で、『ウィザードリィ』と『ウルティマ』を詳細に説明しています。

そうしたコンピュータ・ゲームの中でも、ここで詳しくとり上げてみたいのは、
ロールプレイング・ゲーム、特にその代表作と言われる『ウィザードリー』と『ウルティマ』です。

(「SFファンタジィゲームの世界」(1986,安田均著,青心社), P229より引用)

この本の中でウィザードリィについて当時のアメリカにおける評価
(雑誌「ソフトーク」の人気投票で3年連続1位を取った…など)、
そしてゲーム概要の説明や操作方法、攻略における心構えなどが書いてあるのですが、
やっぱり、ウィザードリィがCRPGの「元祖」であるとか、そういった内容は一切書いてありません。


そしてこの本に影響を受けて書かれたのが、
矢野徹氏の『ウィザードリィ日記』(1987年11月)。
日本におけるウィザードリィの伝播を語る上で欠かせない一冊なのですが、
この本の欄外の注釈に、こういった表記があります。

ウィザードリィ(日本版)
アスキー発売 九八〇〇円
(中略)
コンピュータRPGの古典ともいわれる作品。

(「ウィザードリィ日記 パソコン文化の冒険」(1987,矢野徹著,(株)エム・アイ・エー), P42より引用)

「古典」という表記は出てきましたが、ここでもやはり「元祖」といった記述はありません。


そして1987年末と言えば、ファミコン版『ウィザードリィ』が発売された時期。
ゲームチラシコレクション様や、ゲーム探偵198X様のツイートでファミコン版ウィザードリィのチラシが紹介されていますが、
ここにも(「国際的」「欧米で人気を博した」という舶来品アピールの文言はあれど)、
「元祖」といった記述は見当たりません。


が。
同時期(1987年末)に発売された、意外な書籍に、
ウィザードリィをコンピュータRPGの「元祖」と認定する記事が載っている
のです。

'86年も'87年も、そしてたぶん'88年もファミコンゲームの主流は、やっぱりRPGだね。
ウィザードリィは、コンピューターを使ったRPGの元祖なんだ。
(中略)
迷宮を歩いて、出会ったモンスターと戦い、
お金や経験値を手に入れてキャラクターを成長させて、
最後に悪のボスをやっつける…。
な〜んだ、そのへんのRPGとおんなじじゃないか、と思ったキミ。
逆なんだよ。このRPGのスタイルは、ウィザードリィの方が先なんだ。

(「月刊少年ジャンプ特別編集 ホビーズジャンプ Vol.14」(1987,集英社), P15より引用)

まさかの少年ジャンプ系列誌で、「元祖」認定。
そして、同時期に発売された少年ジャンプ本誌にも。

コンピューターRPGの元祖として、世界的に有名なゲームが、
ついにファミコンでもできるようになったぜっ!
地下10階の3D迷路を探検し、迷宮の奥にかくれ住む
悪の魔道士・ワードナを倒すのだっ!!

(「週刊少年ジャンプ 1988年新年3・4合併号」(1987,集英社)より。
引用元は「週刊少年ジャンプ秘録!!ファミコン神拳!!」(2016,ホーム社), P45)

ゆうていみやおうきむこう…で一世を風靡した、
「ファミコン神拳」でも同様にウィザードリィをCRPGの元祖と認定していたのです。


その後の書籍やゲームを調べてみると…

海外で発表された「ウィザードリィ」「ウルティマ」は、
パーソナルコンピューター上で初めて完全な形でRPGを遊べるようにデザインされたゲームです。

(「ウィザードリィ3ハンドブック」(1988,フェイザーインターナショナル)より引用)

周知の通り、「ウィザードリィ」シリーズは、
『指輪物語』に触発されてつくられた最も古いロールプレイングゲームで、
シリーズ中に登場したモンスターは300種を優に超えます。

(「ウィザードリィモンスター事典」(1992,石埜三千穂編著,JICC出版局), P4より引用)

元祖3Dダンジョン探索型RPG 完・全・復・活

(プレイステーション版「ウィザードリィ リルガミンサーガ」(1998,ローカス), 帯より引用)

WizardryはULTIMAやROGUEと共に、RPGの原点とされる作品で、
ドラクエをはじめ多くのゲームがこのゲームを経典としている。
(中略)
そう、「元祖で、完成されたゲーム」
それがウィザードリィなのである。

(「ウィザードリィコレクション」(1999,鈴木常信著,ローカス), P7より引用)

といった感じで、非常に多くの書籍、そして移植作品にまで、
「ウィザードリィはCRPGの原点」「元祖」といった認識が広まるに至ります。

(ちなみにウィザードリィが「PC上で初めて完全な形で遊べるRPG」や、
「指輪物語に触発されたRPG」といったあたりの記述も誤りである)


…もっとも、本当に「WizがCRPGの元祖」と言い出したのが「少年ジャンプ」かどうかは、
まだまだ疑問が残る
ところでして。

先述した「ファミコン神拳」の特集本『週刊少年ジャンプ秘録!ファミコン神拳!!』において、
仕掛け人の鳥嶋和彦(マシリト)氏が語るところによれば、

・堀井雄二氏と共にアメリカのアップルショーに行き、
そこでウィザードリィに初めて触れたときはRPGの面白さがわからなかった
・当時アスキーの「ログイン」副編集長だった河野真太郎氏にRPGの面白さを教えてもらった

という記述がありますので、もしかしたら「ウィザードリィ元祖説」も、
雑誌「ログイン」に由来するのかもしれない…のですが、
筆者はそこまで調べきれていないのが現状です。
(バックナンバーもそう簡単に入手できないしねえ…)


今後この話題については引き続き調査し、
新たに判明した事実がありましたら別途記事を作成する予定です。

※2016/9/4追記:
実際に『ログイン』誌のバックナンバーを確認した結果を別記事で作成しました。