September 25, 2016

EXPの進化は終わらない 剣街は終わらない。『新釈・剣の街の異邦人』

ウィザードリィライクゲームでワルキューレが強いのは伝統ですよね!
(剣街にはワルキューレもヴァルキリーもいないけどさ)

前述のyoutubeリンクはあまり関係がなく(笑)、
表題のゲームが発売されてから2か月も経ってますし、
同じメーカーの最新作『デモンゲイズ2』も発売間近…なので今更感はありますが、
エクスペリエンスのPSVitaソフト『新釈・剣の街の異邦人
(以下、『新釈』)の感想を残しておこうかと思います。

2016-08-28-211009

『新釈』は、その名の通り『剣の街の異邦人』のアレンジバージョンとなる3DダンジョンRPG。
原作は「死」のペナルティが現代のダンジョンRPGとしてはかなり重めで、
かつての『ウィザードリィ』を思わせるようなシビアさの中、
どう戦い抜いていくか…といったハードコアダンジョンRPGでしたが
(筆者のXbox360版の感想記事はこちら)、
本作も、そのコンセプト自体には変わりはありません。
しかし、随所に加えられた改良によってより遊びやすく、
より「のめり込める」ゲームに仕上がっています。


1つ目は「戦闘システムの新要素追加」

『新釈』では戦闘中に「防御」コマンドを選んだ際に敵の攻撃を受けると、
高確率で大ダメージの反撃+気絶効果付与を発動する
「ガードカウンター」という要素が搭載されています。
普通のRPGなら明らかにぶっ壊れだよね…と思われるスキルかもしれませんが、
敵が強力で、かつキャラクターが死んでしまった際のデメリットが大きな本作では、
格上との敵との戦いで重要になります。

2016-07-25-212210

特に本作では、一部の敵が「見切り」を持っており
(同じスキルを2回以上受けるとそのスキルを無効にされる)、
その他「無属性物理攻撃無効」モンスターが登場するなど、
単純な力押しでは倒せないようなボス敵が登場します。
こういった敵と戦う際には、積極的にガードカウンターを狙っていく必要があります。
(気絶中に見切りは発動しないため)
2016-07-24-222742

戦闘システムの変更はこれだけにとどまらず、
「命中・回避修正バフ・デバフの上下限追加」や、
「ボス敵討伐時のレベル制限」(戦闘前にレベル制限有無を選択し、
制限をかけると一時的にそのレベルまで下がる&ボスを倒したときの報酬増加)など、
先述のガードカウンター等と合わせて、
原作よりアクセントが加わった戦闘に仕上がってます。


2つ目の改善点は「ダンジョン内のイベント追加」

2016-07-26-174147

原作ではただ「障害を踏破していくだけ」という印象が強かったダンジョンですが、
『新釈』ではダンジョン内に多くの謎解きや隠し部屋、
そして一部のダンジョンには完全新規フロアが追加されています。
その多くにレアアイテム(能力値UPやスキル枠増加など)が配置されており、
これを探すという楽しみが増えました。
またクリア後ダンジョンが3つ追加されており、ゲームのボリュームも増えた印象があります。
(筆者はプレイ時間70時間にして、
未だにエンドコンテンツが制覇できていません
…(汗))

2016/09/26追記:
プレイ時間72時間・平均レベル62でギリギリ、エンドコンテンツを制覇できました。
とは言え、この時点でも最上位レアアイテム(「神村正」等)は手に入ってません(涙)


3つ目の改善点は「レアアイテム入手制限の撤廃」
原作では基本的に「村正」のようなユニークアイテムは基本的に1個しか手に入らず、
2個以上欲しければシナリオ周回を繰り返す必要があったのですが、
本作ではそのユニークアイテムの入手制限が撤廃され、
思う存分レアアイテムの収集に没頭する事が可能になりました。
個人的にこの部分が原作で一番不満に感じた点だったので、
余計な事を考えずにアイテム掘りに専念できるようになったのが本当に嬉しいです。

2016-08-28-210612

両手武器の二刀流スキルも追加され、大村正を両手に持つことが可能に!
武具も強化できるようになり、さらなる強さを目指せるようになったのも良いポイントかと。


その他「死亡したキャラクターの蘇生・休養期間の短縮」「待ち伏せウェイト時間の短縮」
「オートパイロット機能の強化」など、地味に遊びやすくなった部分も多く、
一度『新釈』に慣れると原作には戻れない…くらいの印象です。


個人的には3DダンジョンRPGの熟練者に向けた作品としての完成度の高さは、
エクスペリエンス社の作品の中では『迷宮クロスブラッド』と並ぶ双璧
かと。

筆者は以前に『迷宮クロスブラッド』を
「Wizardryの一部であるハックアンドスラッシュというゲーム性に注目、
それを進化させ続けた集大成的作品」と評した
のですが、
『新釈』は「エクスペリエンス社が育て続けてきたゲーム性の集大成でありながら、
そして新たな方向性の兆しさえ見せる進化生物的作品」
のように思います。
そんなエクスペリエンス社が次はどんな進化を見せるのか、筆者は楽しみにしています。


(余談)
本作の初回限定版特典、ベニー松山氏の小説「墜ちて修羅、鋼刃舞うは極夜の空」。
ネタバレ全開の小説なのでクリア後の読破がおススメなのですが、
原作「白の王宮」「黒の宮殿」とも、『新釈』とも異なる、
小説という媒体だからこそできる素晴らしいエンディングに筆者は感銘を覚えました。
こういったエンディングを持ってこれるベニー松山先生、まさに選ばれし者だな…と(笑)

ベニー松山氏のファンに限らずとも、可能なら初回限定版を探すことをお勧めします。

September 11, 2016

ウィザードリィに登場する「村正」総まとめ

20160910_142706

桑名市博物館で開かれている、特別企画展「村正」に行ってきました。

徳川家康や、倒幕派の有栖川宮熾仁親王が持っていた立派な村正に、
戦時中十分なメンテナンスが出来ないことを理由に、
赤黒く漆塗りを施された、まさに怪しい輝きを放つ村正、
そして打刀だけでなく、村正の脇差や短刀、直剣など、
村正20振りを一堂に集めた企画展。

各種『ウィザードリィ』ライク作品でも、20振りは集められねえ!
と変な興奮を覚えつつも、見ごたえのあった素晴らしい展示会でございました。


そんな中、
「ウィザードリィに登場する『村正』をまとめた記事って、ネット上にないんじゃね?」
とふと思い立ち、こんな記事を作ってみた次第です。
この記事では「ウィザードリィ」を冠するタイトルに登場する、
「村正」関連アイテムに絞った紹介とし、
他のダンジョンRPGについては基本的に言及しない方向としていることをご容赦ください。



Murasama Blade!
(出典:シナリオ1)
ジェームズ・クラベルの小説『将軍』に登場する刀を借用しゲームに登場させたもの。
この『将軍』という小説の固有名詞は実際の戦国時代の固有名詞のもじりが多く、
Murasamaという呼称もその一環として意図的に村正をもじったものと思われる
(作中でも登場人物の一家に呪いをもたらす刀とされている)。

当初は『将軍』の設定でそのままゲームに出していたが、
日本語版製作時に「正しい綴りはMuramasaではないか?」という指摘を受け、
以降は"Muramasa Blade!"表記になったとの事。

(日本においては"Murasama"表記について
「『南総里見八犬伝』に登場する村雨との混同」…という説も根強いが、
各所の製作者へのインタビューを見る限りその可能性は限りなく低いと考えられる)


他の武器とは一線を画す凄まじい攻撃力を誇り、
「レアアイテムの収集」というゲームの楽しさを引き立てる上で大きな存在となっている。


Muramasa Katana
(出典:シナリオ5以降)
D.W.ブラッドレー氏が手掛けたウィザードリィにおける村正。
実際の村正が打刀だけでなく脇差や短刀も存在することに合わせてか、
忍者も装備可能となった。
与ダメージはやや下がったがそれでもゲーム中トップクラスの攻撃力で、
本家シリーズの最終作である8まで欠かさず実装されるなど、
シリーズを代表する武器となっていく。

本家シリーズでは「村正に2種類の実装が存在する」という件について、
この2種は「真作と贋作」の差ではないか?という考察をしていくファンも少なくなく
(実際に討幕派の志士たちにとって村正は縁起物とされ、
以降村正を名乗る贋作が多数出回った…という史実もある)、
実際に『ウィザードリィ外伝3』で侍のみが装備できる「むらまさ」、
そして忍者も装備可能だが攻撃力が若干低い「むらまさのかたな」の2つを
同時にゲームに登場させたのをきっかけに、
以降の日本製派生作品における、多数の村正の出現に繋がっていく。


とんぼぎり
(出典:外伝4、ディンギル)
本多忠勝の愛用した槍「蜻蛉切」をモチーフにした武器。
蜻蛉切は村正一派である藤原正真の作であり、
村正も1人の刀工ではなく複数人を指す「屋号」のようなものであったことを考えると、
この武器も「村正の槍」と呼称しても差し支えないものかもしれない。
日本製派生作品における独自の村正の実装の先駆けである。

しかしゲーム上の性能は中盤〜終盤にかけてのつなぎ武器といったポジションであり、
最強武器・村正の系統というよりも、
単に「有名な槍」としてゲームに採用した可能性も考えられる。


裏村正
(出典:エンパイアシリーズ)
「日本刀は真打と影打の2振りを作り、真打を依頼者に、影打を鍛冶の手元に残す」
…という伝説を受けてかどうかは知らないが、
村正を上回る最強武器として登場した、中二病感あふれる存在。
もっとも初めてこの武器が実装されたGB版エンパイアでは、
ドロップテーブルの関係上絶対に出ないという事実上の没アイテムとなってしまっている。
(なお、同作では同じ理由で普通の村正も出ない…)


鬼村正
(出典:PS版エンパイア)
高名な刀工が村正を真似して作ったもののその性能は村正に及ばず、
さらに刀を鍛えるのに人血を使ったため、
その呪いで霊体しか斬れなくなった…という設定の刀。
攻撃力自体は悪くないのだが、使い物になるか、という点についてはご察しである…


菊村正
(出典:PS版エンパイア)
村正の名を冠する刀なのでどのくらい強いか…と言えば、
初期武器に毛が生えた程度の強さ。
その正体は村正に外見だけを似せた、インチキ商店に必須のなまくら刀だという。
由来は何のことはない、日本酒「菊正宗」のパロディだろう。


真村正
(出典:PS版エンパイア)
まるで村正のバーゲンセールだな…と思わず言いたくなるPS版エンパイアにおいて、
ようやく本当に、まともに強い村正。
とは言え完全上位互換となる裏村正があるので、マイナー感は否めない。

なお本家ウィザードリィの先史を僭称するPS版エンパイアの裏設定では、
真村正が後の「村正の刀」、裏村正が後の「村正」である…としている。
(その割に、真村正は忍者が装備出来たりはしないのだが)


裏村止
(出典:PS版エンパイア2)
プラチナ宝箱から「?刀」来た!裏村正か!?と期待させておいて、
残念!裏村止ちゃんでした!とプレイヤーを落胆させるジョークアイテム。
同作の最高ランクの宝箱から落ちる未鑑定の刀は大抵コレなので、嫌でも印象に残る。

武器の性能としては「(絶対数の少ない)神属性の敵にしか効果がない」、
「ダメージも雀の涙」というネタ武器だが、
序盤からよく落ちてどんな職業でも両手に装備でき、またACを下げる効果もある事から、
装備が揃わないうちの盾代わりとしては案外有用だったりする。
一応同作の設定においては「裏村正の鞘」だとされているが、
ポンポン落ちるのを見る限りそれも怪しい。

なお、後に同一のスタッフが制作するゲーム『デモンゲイズ』においては、
セルフパロディ的な武器として「村止」が登場する
(こちらは「村正の模造品」という扱いだが、
性能自体はそこそこ高く中盤以降長く使える武器だったりする)。


むらまさ-1
(出典:アスタリスク)
ウィザードリィでは「-1」表記の呪いがかかった武器は珍しくないが、
それを村正にも適用した初めての例。
とは言え、腐っても性能は村正…などということはなく、
どうしようもないゴミ性能で、裏村止のような特殊な使い道すらない。
例によって最上位宝箱からしか落ちないので、落胆感も尚更。


★村一、★村二、★村三、★村田
(出典:スキーマ)
村正の「正」の画数を減らしたり置き換えたりしてみたパロディ武器シリーズ。
「正」の刻印を削ったり他の文字に彫り直したりして、
偽装を試みた村正は現実にも存在する。
(冒頭で紹介した村正展にも、そういった村正が展示されている)




これが足りないのでは?というご指摘や、
その他ご意見等がありましたら、是非ともコメント頂ければ幸いです。


(余談)
20160910_無銘村正

冒頭で紹介した展示会、基本的に写真撮影は禁止で、
入り口に展示されている無銘刀(但し、村正作との共通点が多い)のみ、
来場者による撮影が許可されているんですが…

20160910_135207

紹介のタイトルに時事ネタをぶっこんで来るあたり、
ガッチリSNSの口コミ効果を狙いすましていて隙が無い…!(笑)

September 04, 2016

「ウィザードリィがRPGの元祖」と言い出したのは誰なのかしら・破説

いつしか、「コンピュータRPGの元祖」と呼ばれるようになっていた『ウィザードリィ』。
そう呼ばれるようになった原因が気になりだして、
先月「序説」と銘打ってこんな記事を書きました。
(まだ読んでない方は、この記事を読む前に先に読んでくださいませ)、
さらなる調査のために、いつか『ログイン』誌を漁らねば…と思っていたのですが。

筆者が現在在住している名古屋の周辺の図書館で検索してみると、
なんと名古屋大学中央図書館にログインのバックナンバーがある事が判明。
ホームページを見たりtwitterで聞いてみたりしたところ、
学生でなくても利用目的を所定の用紙に書いて提出すれば閲覧できる…との事だったので、
ある真夏の暑い日に、名古屋大学まで足を運び、
実際にログインのバックナンバーを確認してきました。


ログイン誌で初めてウィザードリィが取り上げられたのは、
まだ定期刊行になっていない時代、1982年9月発行の「Vol.2」です。
しかも特集記事でもなんでもない、アメリカの最新ヒットチャートで1位を取った作品の紹介で、
記事としての扱いは相当小さいです。

いま全米で人気ナンバーワンのソフトウェアは、Sir-tech Software Inc.製の「Wizardry」だ!
最近のアメリカのソフトウェアの流行である"剣と魔法"(スウォードアンドソーサリー)の世界を描いたロールプレイング・ゲームなのだが、とにかく難しい。
日本のAppleユーザーでも、ソフトの名前は知っているのだが、やったことがないという人が多い。
(中略)
ぶ厚いマニュアルがついていて、遊びまくるには、一晩がかりではすまないあたりに、人気が集まっているのだろう。

(「ログイン 1982 Vol.2」、P120より引用)

この時点では、まだ「元祖」とは呼ばれていません。


次にログイン誌にウィザードリィが登場するのは、
1983年に月刊化を果たした後の6月号。
大々的にゲームソフトを特集した号であり、
その中に「ロールプレイングゲームが80年代の新しいゲーム宇宙を構築する」と題して、
ウィザードリィやウルティマの特集記事が組まれています。
記事では、ウィザードリィを以下のように紹介。

パソコンが登場する前からボードゲームのひとつに、ロールプレイングゲームというのがあった。
この代表作が"ダンジョンズ&ドラゴンズ"。
これをコンピュータ化したのがウィザードリーなのである。
(中略)
ところで、前述のダンジョンズ&ドラゴンズを、なんとかコンピュータでやれないかと考えた人物がいた。
それがサーテック社のMr.ロバート・ウッドヘッド。
当時、コーネル大学で心理学を学んでいたコンピュータ・フリークだ。
大学での友人、アンドリュー・グリーンバーグと協力して、ウィザードリーのプログラム開発に着手。
約1年かけて、1981年9月、この画期的で決定的なゲームソフトは世に出た。

(「ログイン 1983 No.6」、P120より引用)

D&Dをコンピュータで遊べないかと思い、2人の大学生が開発した…という、
現在でも広まっている認識がこの記事で示されています。
しかしながら、「画期的で決定的」としながらも、
まだまだ「元祖」という表記は行われておりません。
(しかし、公式の日本語化が存在しない時代とはいえ、
この記事に使われてる「ウィザードリー」「トゥレバー」「ウェンダ」という表記が何とも…w)



続く1983年7月号には、ウィザードリィを手掛けたsir-tech社への訪問記事が。
原作者として知られるロバート・ウッドヘッド氏とアンドリュー・グリーンバーグ氏、
そしてロバート氏と共同でサーテックを設立したノーマン・サーロテック氏へのインタビューが掲載されています。
現在でも各所のインタビューに応じているロバート氏とは違い、
ゲーム関連メディアに出ることのなくなったアンドリュー氏のインタビューが掲載されているのはかなり貴重なので、
以下、その内容を要約してみますと…


  • ロバート氏と共同制作する前のウィザードリィのプロトタイプ(BASIC版)は
    友人が集まって退屈し始めたときに誰かが発言した、
    「D&Dをコンピュータにプログラムして遊べよ」という言葉が制作のきっかけ

  • 最初は3D描画の登場キャラクター1人のゲームだったが、
    自室に遊びにくる友人の反応を見て改良を続け、
    1年ほどで現状のウィザードリィに近いものになった(但し、描画は2Dになった)

  • ロバート氏に出会ったのはアンドリュー氏が大学院1年のとき。
    PLATOの管理を任されていたアンドリュー氏が追い払っていた学生の中の1人にロバート氏がいた
    (なお、このインタビュー中ではPLATOについて「"プレイト"というビデオゲーム」という表記がされており、インタビュアーはPLATOを当時の大学間ネットワークでなく1つのゲームとして誤解していた模様である)

  • 自分の作ったゲームに似ていた『ウルティマ』が売り出されて悔しい思いをしたが、
    同時期にロバート氏が複雑なプログラムを手掛けて権利関係もアンドリュー氏に一任すると提案して共同制作が始まった

  • 製品化作業を進めていくうちにロバート氏の提案したゲームデザインも多く組み込まれ、
    最終的にはウィザードリィはアンドリュー氏とロバート氏の共同著作になった


後に権利問題でサーテック社と喧嘩別れし、法の道に進む事になるアンドリュー氏ですが、
インタビュー内で権利関係の発言が目立つあたり、1983年当時に既にその前兆はあったのかもしれません。
そして、この訪問記事の冒頭にはこんな記述が。

コンピュータ・ロールプレイングゲームの本家本元。
ウィザードリーを世界に送り出したサーテック社を探し求めて地球の裏側へ。

(「ログイン 1983 No.7」、P72より引用)


「元祖」という表記ではないにしろ、
それに近い「本家本元」という表現が使われています。
とは言え、この頃はCRPGも決して数が多くなく、
その中で完成度が高く、売り上げ上位を記録し続けていたウィザードリィを称賛する意で、
特に深く考えずにこういった表記を使ったのではないかと思われます。


1983年11月号では、安田均氏によるRPGの紹介記事、
「ロールプレイングゲーム世界への招待」が掲載。
最初に元祖RPG『D&D』の紹介に始まり、
その後現れた『T&T』『(ドラクエがかつて欧米で別名を名乗らざるを得なかった原因の)ドラゴンクエスト』、
『ルーンクエスト』『トラベラー』といったRPGを紹介し(この頃は「TRPG」という表記はなかった)
そしてコンピュータRPGの紹介に至っています。
ここでは『アカラベス』『ダンジョン・キャンペーン』『テンプル・オブ・アプシャイ』など、
『ウィザードリィ』以前のコンピュータRPGを多数紹介しておりますが、
その中でも「初めてのコンピュータRPG」として紹介されているのが、
1978年に発売された『ビニース・アップル・マナー(Beneath Apple Manor)』。
このゲーム、「ローグより先に出たローグライクゲーム」、
そして「ドラクエ以前にスライムを顔の付いたモンスターとして表現したゲーム」として有名だったりするのですが、
それはともかく、この時点ではウィザードリィ「元祖」論はほぼ表れていないと言ってよろしいでしょう。


それからちょくちょくとウィザードリィに関する記事は『ログイン』誌に掲載されるのですが
(4の発売決定を伝える速報や、サーテック社と『ウルティマ』のオリジン社が共同制作を予定している…など。
後者はどうもお蔵入りになった模様)

決定的な転機は1985年5月号、ウィザードリィ#4の発売直前と銘打った特集記事。
(なお、#4の発売についてはその後2年以上延期される)

それでもって、WizardryIVの完成を記念して、
心に残る青春の思い出、あの懐かしの名作ロールプレイング。
これぞ元祖。
アミューズメントの総本家、WizardryI "Proving Grounds of The Mad Overlord"をふり返り、
しかる後に、新たな感動を胸に秘めて、期待の新作に話を移しましょう。
とまあ、こんなスケジュールなんですが、よろしかったですか?

(「ログイン 1985 No.5」、P86〜87より引用、強調は筆者による)


この記事自体はかなり軽い文体で書かれており
(『ログイン』という雑誌自体も、割とノリの軽い雑誌である)、
そう深く考えずに「元祖」という表現を使ったようにも思えるのですが、
ともかく筆者が確認する限り、この『ログイン』1985年5月号が、
『ウィザードリィ』を「元祖」とする記述の初出です。



その後同年に『ウィザードリィ』の日本語版発売が決定し、
ログイン誌でも多くの特集記事が組まれるようになるのですが、
『ウィザードリィ』に対して「元祖」という表現が、
もはや確定的なように使われていきます。

ついにあのコンピュータRPGの元祖Wizardryが日本向けに移植される。
発売以来はや4年。その間ヒットチャートの上位に根を下ろして動かないオバケ的ゲーム。
なぜこれほどまでに、世界はWizardryに熱狂するのか、
その秘密がもうすぐ私たちにもわかるようになるのだ!

(「ログイン 1985 No.10」、P126より引用)

日本版Wizardryは、4機種まとめて年内発売の予定だ。
もう少し、もう少し辛抱すれば、
念願の元祖コンピュータRPG、Wizardryがプレイできる。

(「ログイン 1985 No.11」、P133より引用)


以上から考えるに、1985年以降に『ログイン』誌を手掛けたライターや
それを読んだPCゲーマーの間で、
「ウィザードリィはRPGの元祖」という認識が出来ていき、
そして訪れたファミコンブーム真っ只中の1987年末〜1988年始に、
上記の認識を持ったライターによって、
『少年ジャンプ』系列誌で「ウィザードリィはRPGの元祖」という紹介をしたことで、
この認識は大きく拡散したのではないか
…というのが現状の筆者の仮説です。


今回は『ログイン』誌について調べてみましたが、
機会があれば同年代のゲーム雑誌(『月刊遊撃手』など)についても調査を行い、
何か新たな事実があれば、また別途記事を設けて紹介したいところではあります。
(とは言え、さすがにこれを収録してる図書館は東海近県では見つからない…)


(ウィザードリィとは直接関係のない余談)
ログイン1984年4月号には、
日本製CRPGの草分けである『ザ・ブラックオニキス』を開発したBPS社へのインタビュー記事が掲載されています。
そこで制作を手掛けたコンラッド・龍弥・小沢氏は、このような発言をしています。

「当時、ハワイ大学にはPLATO(プレート)システムという通信ネットワークがありました。
 このネットワーク上にあるD&Dゲームが載っていました。
 ちょうどEpyx社の"Temple of Apshai"のようなタイプのゲームです。
 なんでも12歳の天才少年が書いたソフトらしいですが、
 それをプレイし続けているうちに、僕の中にコンピュータRPGを書いてみたいという欲求が生まれたのです」

(「ログイン 1984 No.4」、P117より引用)

ブラックオニキスにも、PLATOの影響が少なからずあったとは…!

July 31, 2016

「ウィザードリィがRPGの元祖」と言い出したのは誰なのかしら・序説

最近はすっかり「ウィザードリィは(ウルティマと並ぶ)RPGの元祖」という言説が迷信であることが周知されてきましたが
(え、そうなの!?と思われた方は、筆者が以前書いたウィザードリィの呪文名についての記事や、
ウィザードリィの世界的な知名度の実情についての記事をご覧ください)、
それではなぜ、そういった迷信が生まれたのか…と気になって、
今年の初めごろからいろんなウィザードリィ関係の書籍を当たっています。


筆者が探した中で、もっとも古いウィザードリィ関係の書籍である
『ウィザードリィハンドブック』(初版1986年4月)の前書きには、
以下のような記述があります。

RPGがコンピュータと宿命的な出会いをしたのは、もう12年も前のことです。
多くのプログラマ達がこの無限の可能性を持つゲームの移植を試み、
そしていろいろな形で作品を造り上げました。
そんな背景の中で、「ウィザードリィ」というソフトが生まれたのです。
多くのRPGソフトの中でもウィザードリィの人気は特に大変なもので、
最初のバージョンが発表されてから5年以上たつ今日でも、
全世界に冒険者たちを育てつつあります。
もはやウィザードリィは、コンピュータRPGの代名詞にまでなってしまっているといっていいでしょう。

(「ウィザードリィハンドブック」(1986,株式会社ビー・エヌ・エヌ), P5より引用)

「ウィザードリィは、コンピュータRPGの代名詞」とまで言ってはいますが、
「元祖」や「起源」とは一切記述されていません。
それどころが、同時期〜それ以前に多数のコンピュータRPGが存在していた事も
読み取れる記述
になっています。

もっと興味深いのは「RPGがコンピュータと宿命的な出会いをしたのは、もう12年も前のこと」という部分で、
西暦にすると1974年、ちょうどアメリカで『ダンジョンズ&ドラゴンズ』が正式に発売され、
またアメリカの大学間コンピュータネットワークシステムPLATO」上で動作した最古のコンピュータRPG『m199h』(現存せず)や、
D&Dの影響を多大に受けた現存最古のCRPG『pedit5』(1975)が生まれた時期とほぼ一致します。


PLATOで動作していたゲームとそれらの後世への影響の大きさ、
そしてコンピュータRPGの起源にまつわる話は2010年代に入ってから知られるようになった…
と筆者も思ってましたが、少なくともこの本の執筆者たち
(当時の雑誌「遊撃手」「バグ・ニューズ」のライター陣の誰かと思われる)は、
これらのコンピュータRPGの起源の話をほぼ正確に知っていた可能性が高いと思われます。


次にウィザードリィを取り上げた本で有名だと思われるのは、
『SFファンタジィゲームの世界』(1986年5月)。
後にグループSNE代表となる安田均氏が様々な非電源ボードゲームや、
テーブルトークRPG、
そしてそれらの系譜を踏まえたコンピュータゲームを紹介している書籍ですが、
その中で、『ウィザードリィ』と『ウルティマ』を詳細に説明しています。

そうしたコンピュータ・ゲームの中でも、ここで詳しくとり上げてみたいのは、
ロールプレイング・ゲーム、特にその代表作と言われる『ウィザードリー』と『ウルティマ』です。

(「SFファンタジィゲームの世界」(1986,安田均著,青心社), P229より引用)

この本の中でウィザードリィについて当時のアメリカにおける評価
(雑誌「ソフトーク」の人気投票で3年連続1位を取った…など)、
そしてゲーム概要の説明や操作方法、攻略における心構えなどが書いてあるのですが、
やっぱり、ウィザードリィがCRPGの「元祖」であるとか、そういった内容は一切書いてありません。


そしてこの本に影響を受けて書かれたのが、
矢野徹氏の『ウィザードリィ日記』(1987年11月)。
日本におけるウィザードリィの伝播を語る上で欠かせない一冊なのですが、
この本の欄外の注釈に、こういった表記があります。

ウィザードリィ(日本版)
アスキー発売 九八〇〇円
(中略)
コンピュータRPGの古典ともいわれる作品。

(「ウィザードリィ日記 パソコン文化の冒険」(1987,矢野徹著,(株)エム・アイ・エー), P42より引用)

「古典」という表記は出てきましたが、ここでもやはり「元祖」といった記述はありません。


そして1987年末と言えば、ファミコン版『ウィザードリィ』が発売された時期。
ゲームチラシコレクション様や、ゲーム探偵198X様のツイートでファミコン版ウィザードリィのチラシが紹介されていますが、
ここにも(「国際的」「欧米で人気を博した」という舶来品アピールの文言はあれど)、
「元祖」といった記述は見当たりません。


が。
同時期(1987年末)に発売された、意外な書籍に、
ウィザードリィをコンピュータRPGの「元祖」と認定する記事が載っている
のです。

'86年も'87年も、そしてたぶん'88年もファミコンゲームの主流は、やっぱりRPGだね。
ウィザードリィは、コンピューターを使ったRPGの元祖なんだ。
(中略)
迷宮を歩いて、出会ったモンスターと戦い、
お金や経験値を手に入れてキャラクターを成長させて、
最後に悪のボスをやっつける…。
な〜んだ、そのへんのRPGとおんなじじゃないか、と思ったキミ。
逆なんだよ。このRPGのスタイルは、ウィザードリィの方が先なんだ。

(「月刊少年ジャンプ特別編集 ホビーズジャンプ Vol.14」(1987,集英社), P15より引用)

まさかの少年ジャンプ系列誌で、「元祖」認定。
そして、同時期に発売された少年ジャンプ本誌にも。

コンピューターRPGの元祖として、世界的に有名なゲームが、
ついにファミコンでもできるようになったぜっ!
地下10階の3D迷路を探検し、迷宮の奥にかくれ住む
悪の魔道士・ワードナを倒すのだっ!!

(「週刊少年ジャンプ 1988年新年3・4合併号」(1987,集英社)より。
引用元は「週刊少年ジャンプ秘録!!ファミコン神拳!!」(2016,ホーム社), P45)

ゆうていみやおうきむこう…で一世を風靡した、
「ファミコン神拳」でも同様にウィザードリィをCRPGの元祖と認定していたのです。


その後の書籍やゲームを調べてみると…

海外で発表された「ウィザードリィ」「ウルティマ」は、
パーソナルコンピューター上で初めて完全な形でRPGを遊べるようにデザインされたゲームです。

(「ウィザードリィ3ハンドブック」(1988,フェイザーインターナショナル)より引用)

周知の通り、「ウィザードリィ」シリーズは、
『指輪物語』に触発されてつくられた最も古いロールプレイングゲームで、
シリーズ中に登場したモンスターは300種を優に超えます。

(「ウィザードリィモンスター事典」(1992,石埜三千穂編著,JICC出版局), P4より引用)

元祖3Dダンジョン探索型RPG 完・全・復・活

(プレイステーション版「ウィザードリィ リルガミンサーガ」(1998,ローカス), 帯より引用)

WizardryはULTIMAやROGUEと共に、RPGの原点とされる作品で、
ドラクエをはじめ多くのゲームがこのゲームを経典としている。
(中略)
そう、「元祖で、完成されたゲーム」
それがウィザードリィなのである。

(「ウィザードリィコレクション」(1999,鈴木常信著,ローカス), P7より引用)

といった感じで、非常に多くの書籍、そして移植作品にまで、
「ウィザードリィはCRPGの原点」「元祖」といった認識が広まるに至ります。

(ちなみにウィザードリィが「PC上で初めて完全な形で遊べるRPG」や、
「指輪物語に触発されたRPG」といったあたりの記述も誤りである)


…もっとも、本当に「WizがCRPGの元祖」と言い出したのが「少年ジャンプ」かどうかは、
まだまだ疑問が残る
ところでして。

先述した「ファミコン神拳」の特集本『週刊少年ジャンプ秘録!ファミコン神拳!!』において、
仕掛け人の鳥嶋和彦(マシリト)氏が語るところによれば、

・堀井雄二氏と共にアメリカのアップルショーに行き、
そこでウィザードリィに初めて触れたときはRPGの面白さがわからなかった
・当時アスキーの「ログイン」副編集長だった河野真太郎氏にRPGの面白さを教えてもらった

という記述がありますので、もしかしたら「ウィザードリィ元祖説」も、
雑誌「ログイン」に由来するのかもしれない…のですが、
筆者はそこまで調べきれていないのが現状です。
(バックナンバーもそう簡単に入手できないしねえ…)


今後この話題については引き続き調査し、
新たに判明した事実がありましたら別途記事を作成する予定です。

※2016/9/4追記:
実際に『ログイン』誌のバックナンバーを確認した結果を別記事で作成しました。

July 24, 2016

マビノギデュエル:最終鬼畜眼鏡ゴールドハンドは錬金術師なのか?真・ホーリースピアデッキ

Goが大流行している昨今でございますが、
それはともかく筆者のスマートフォンは対応していないので、
相も変わらずマビノギデュエルを続ける今日この頃でございます。

本日紹介するのは、変わり種のロックバーンデッキ。


mabiduel_shinholyspear


究極:真・ホーリースピアデッキ (←nexonのサイトに飛びます)

赤(ゴールド):
嘘探知機
コイン投げ-1
山火事
キノコ栽培
反射トラップ(赤)
錬金術師:ゴールドハンド×2

白(光):
うんざりするまで休む
隊商
平和の象徴
地獄の道連れ(白)
究極:真・ホーリースピア


このデッキの動かし方は単純です。
敵の攻撃をひたすらしのいで赤資源5、白資源17を貯め、
キノコ栽培でフィールドを埋め尽くす

真・ホーリースピアでフィールドリセット+相手プレイヤーに30点バーン
というコンボを叩き込むのが目標。
これだけでは削り切れないと思われるので、
後はコスト比に対しバーンダメージが優秀な「コイン投げ」で止めを刺します。
(「コイン投げ」は相手プレイヤーか自クリーチャーにダメージの2択だが、
こちらの場にクリーチャーが居なければ100%相手プレイヤーにダメージが飛ぶ)

…とは言え、普通にプレイすれば、
白資源17などまず貯めることは不可能です。
(貯まる前に殴り殺されちゃうからね)

そこでこのデッキには、優秀なクリーチャー除去である「山火事」「地獄の道連れ」、
敵のクリーチャーの行動を抑止する「平和の象徴」「反射トラップ」などを組み込み、
ひたすら妨害を試みています。

こういったデッキタイプは以前から存在したのですが、
最近このタイプのデッキを一線級に引き上げてしまったのが、この人。

alchemistGoldhand

錬金術師:ゴールドハンド…違った、鬼畜眼鏡だ。

毎ターンクリーチャー1体の攻撃力を"永続的に"0にするというのは非常に強力で、
大半のアタッカーをそれだけで機能不全にできます。
さらに攻撃力が0になったクリーチャーはそのままクリーチャースロットを占拠するため、
墓地回収で再利用もできず、代わりのクリーチャーを置くこともできない…と、
下手にクリーチャーを破壊するよりもよほど強力な効果だったりします。

さらに厄介なのが、この能力はゴールドハンドが召喚されたターンにも発動すること!
このゲームには俗にいう「召喚酔い」があるため、
召喚されたクリーチャーが真価を発揮するのは次のターンからなのですが、
「ターン終了時に発動する」能力は(何故か)召喚酔いに影響されず発動する仕様です。

故に、敵に大型クリーチャーを出されても、
返しのターンでこいつを出すことで、後出しで無力化が出来てしまう…という、
クリーチャーカードらしからぬ速効性を持っています。

この2つの利点だけで十分強すぎるほど強いと思うんですが、
さらにこの能力が発動するとゴールド資源+1という訳のわからないメリット能力付き。
毎ターン敵のクリーチャーを無力化した上に、資源ブーストまで入るよ!と、
使われる相手からしてみれば理不尽の塊みたいなクリーチャーです。

欠点らしい欠点と言えば、
「毎ターン1体しか攻撃力を減らせないので、1ターンに複数のクリーチャーを展開する相手には弱い」
「自身以外の自分のクリーチャーも対象になるので、ビートダウンデッキには組み込めない」
程度ですが、そういった欠点は「コスト比に優れた全体除去の導入」、
「ビートダウン以外の手段での勝利を目指す」といったデッキコンセプトで補う事が出来ます。

「もうこいつ一人で大半のデッキが止まるんじゃないかな」
…というのはやや言い過ぎですが、そう言ってもおかしくないくらい、
持久戦重視のデッキではこのカードは活躍してくれます。


逆にこのタイプのデッキと対峙した時のゴールドハンド対策としては、
まず挙げられるのが「攻撃力が変動するクリーチャーの導入」。
毎ターン攻撃力が固定化される「フライングソード」や、
資源回収で攻撃力が再設定される「黄金のピエロ」などは対策として最適でしょう。
また現在やや入手は難しいですが、「処理部隊:スラッシュ」「ペルソナ:アリシャ」といった、
高耐久で毎ターン攻撃力が伸びるクリーチャーを複数展開できれば、
ゴールドハンドの能力で攻撃力を0にされ続けても相手のHPを削り切れる可能性はあります。

また、ゴールドハンド自身はさほど耐久力が高いわけではないので、
「狩り」「襲撃」「コマンドハント」などの倍打付き除去カードで即座に落とせるよう、
準備を試みておくのも1つの手かと。


「真・ホーリースピア」に限らず、赤資源が絡みさえすれば、
ありとあらゆる「耐久デッキ」を生み出す可能性のある鬼畜眼鏡さん。
正直、ぶっ壊れの印象すらするこのカードですが、
このカードを軸に、新たなデッキを考えてみるのも楽しいのではないでせうか。
(ゲーム展開は、単調になりがちだけどね)


July 17, 2016

2016年7月上旬までにかけて遊んだゲーム・読んだ本の小感想

世間的には3連休ですが、
筆者は3日目はお仕事でございます。
そんなことは関係なく、7月上旬に触れたものの感想を軽く残しておきます。


シノビナイトメア(Fuji&gumi Games、アルファ・システム/スマートフォン)
『夢工場ドキドキパニック』(スーパーマリオUSAの原作)や、
初期の『ウルティマ』シリーズのローカライズを手掛けていたりと、
意外と昔からゲームとの結びつきが深いフジサンケイグループ
その一社でスマートフォンゲームを手掛けるFuji&Gumi Gamesが、
『ガンパレードマーチ』『式神の城』『新世紀エヴァンゲリオン2』などでその名を知られる、
アルファ・システムとタッグを組んで送り出した3DダンジョンRPGになります。

シノビナイトメア

公式ページで「美少女+ダンジョン探索型RPG」と銘打たれている通り、
かわいらしい「クノイチ」たちを操作して3Dダンジョンを探索。
戦闘に入るとあらかじめ組んでおいた「サムライ」のパーティを召喚して、
オーソドックスなコマンド式戦闘で敵を倒す…といった流れのゲーム。
(「サムライ」は基本無料ゲームのお約束として、ガチャで集めて合成して成長させる)
ある程度探索をすると「クノイチ」たちの汚れが溜まってくるので、
温泉に入浴させて疲労度を回復させる…という、
どこかで聞いたことがあるようなシステムも搭載してます(笑)

「美少女」をウリにしているだけあって、スマートフォンのゲームとしてグラフィックはかなり美麗。
この辺り、近年のスマートフォンゲームの進化を存分に感じられるかと。

バリバリの3Dゲームなのでスマートフォンのスペックが新しいものでないと苦しいのと
(筆者の持ってる3年前のハイエンドモデルでは結構苦しい)、
やはりスマートフォンの電池を食いまくる点、
そしてシステム的には、昔からの基本無料の「カードバトルRPG」から
さほどプレイ感覚が変わらないような印象を受けることもあって、
個人的には継続する意欲がわかなかったのですが、
「3DダンジョンRPG」のアプローチとして、こういうのもアリだよね、と。


新釈・剣の街の異邦人 体験版(エクスペリエンス/PSVita)

2016-07-07-231026

拠点待機で活躍するニートキャラクターと言ったら、
この子の名前が真っ先に浮かんだのは筆者だけではないはず!(いも)

それはともかく、発売を直前に控えてPSStoreで体験版がリリースされた新釈剣街。
アイテムが待ち伏せだけでなく、敵シンボルからも落ちるようになっていたり、
ユニークアイテムが周回を繰り返さずとも複数落ちるようになっていたり、
それに加えて武具強化が拠点で可能になっていたり、
新職業「クロッカー」「人形使い」が体験版のLv15の範囲でも、
使ってみて実に面白い性能だったり…と、
(元々結構面白かった)トレジャーハンティングやキャラクター育成の楽しみに、
さらに磨きをかけてきた印象。

システム面でも地味に「自動移動で回転床や通過できる壁を通過してくれるようになった」点や、
「待ち伏せ・調べる」コマンドのウェイトの高速化で遊びやすく、
また各ダンジョンに隠されたアイテムや、新規イベントが追加されている…など、
原作を経験していても、また新たなプレイ感覚で楽しめております。

今週木曜日の製品版の発売が待ち遠しい!


●最初のRPGを作った男 ゲイリー・ガイギャックス 〜 想像力の帝国
(著:マイケル・ウィットワー 訳:柳田 真坂樹、桂 令夫 / ボーンデジタル)

ゲームではなく、書籍です。
世界最初のRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の製作者の1人として知られ、
2008年にこの世を去ったゲイリー・ガイギャックス氏の伝記。

少年時代の廃精神病院の探索や嵐の夜の怪奇経験、
『ウィアード・テールズ』誌などのパルプ・フィクションと出会い。
やんちゃな思春期を乗り越え、幼馴染の少女との再会、
そして彼女を呆れさせるほどのシミュレーションゲームへの熱中。
ゲームを通して出会った人々とともに、ついに出でた世界最初のRPG。
大反響と謂れのない非難。会社内部の闘争。
一度はすべてを失うものの、年月をかけてその功績が認められ、
ついにはテレビ番組で副大統領と共演するまでに至った、
「ナードの大将」としての氏の生涯と彼が世界に与えた影響を、
緻密な資料を基に波乱万丈に描いた伝記です。

日本だとD&Dは「ウィザードリィの元ネタ」という俗論は有名でも、
実際の文化への影響はあまり知られていないので、
そういった部分を知る助けになるかな?と思って本書を読んだのですが、
「(事実に基づかずに)一部の印象を煽り立てるメディア」や、
「会社内部の複雑な権力闘争」は洋の東西を問わず不変なんだな

という印象を持ってみたり(笑)

氏のファンタジー観はパルプ・フィクション由来で、
『指輪物語』のトールキンと並べられて語られることに不快感を覚えていた…
といった記述は正直、意外に感じました。

終章ではD&Dに影響を受けたコンピュータRPGとして、
『マイト&マジック』『ファイナルファンタジー』『ディアブロ』
『エルダー・スクロールズ』『World of Warcraft』『エバークエスト』
『ウルティマ』『EVE Online』『ゼルダの伝説』が挙げられてますが、
ここに『ウィザードリィ』の名前がないのが興味深いところ。

少なくとも、世界的にはウィザードリィはそんなに有名なタイトルではない…という、
筆者が以前主張した事の裏付けの一つになる記述かなと思います。

July 10, 2016

圧倒的トレジャーハントの愉しさ…!『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』30時間ほどプレイしての感想

2016/6/23に発売された新作3DダンジョンRPG、
ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』。
筆者も発売日に購入し、少しずつ進めております。
現在30時間ほどプレイして、まだ未クリアなのですが、
一区切りついた部分まで遊んだので、現時点での感想を残しておこうかと。


2016-06-23-230838

ルフラン市の地下に昔から存在する地下迷宮。
瘴気が充満している故、誰一人帰って来る者はいませんでしたが、
ある日この街にやってきた魔女ドロニアとその弟子のルカ、
そして意思を持つ書物「妖路歴程」と、
人形に魂を吹き込まれた「人形兵」たちで、
前人未踏の大迷宮の制覇に挑む…というバックストーリー。


個人的に本作で一番評価したいのは、
「有名ハック&スラッシュRPGのエッセンスを、
 うまく3DダンジョンRPGに落とし込んでいる」
点。

2016-06-29-235244


宝箱や敵が落すアイテムに「レア」「エピック」「レジェンダリー」などのレア度がついており、
時には強力な補正を持った前置詞の付いたものがドロップします。
ちょうど『Angband』や『Diablo』といった、有名なハックアンドスラッシュ系RPGに通じる内容で、
このアイテム集めがとにかく楽しい。

2016-06-30-231040

モンスターの中にも時折前置詞の付いたチャンピオンモンスターが紛れていたりと、
この辺りもハックアンドスラッシュ系RPGを思わせる内容。
(しかし「淫乱」だの「ドスケベ」だの「エロ過ぎ」だの、prefixに妙にシモなネタが多い…w)

また他の3DダンジョンRPGと差別化する内容として、
「壁壊し」ができる点も特徴的。
先に進めない…と思っても、時には壁を壊して強引に先に進むことが出来たり、
壁の中に隠された宝を見つけたり…と、
今までの3DダンジョンRPGにはなかった、斬新な感覚でプレイすることができます。
「壁壊し」は無制限にできるわけではなく、
リインフォースなるリソースがなければ使えないし
(このリインフォースは壁壊しだけならず、探索メンバーの蘇生や回復、
また戦闘中のアイテム使用にも必要)
中盤以降のダンジョンでは壊せない壁がほとんどになり、
障害物的に壊せる壁が出てくる程度にはなってしまうのですが、
先述のチャンピオンモンスターなどと併せて、
こういったリソース管理が適度な緊張感を生んでいる印象です。


ただ。
ここから先は、あくまで個人的な感想なのですが。
3DダンジョンRPGとして、これは如何なものか?と思う点があったり。


このゲームでダンジョン探索を行うのは、
冒頭に記した通り「妖路歴程」と「人形兵」という設定で、
プレイヤーは人形兵をキャラクターメイキングしてダンジョンに挑む…という形式なのですが。
こうして作ったキャラクターは、一切ストーリーに関わってきません。

2016-07-03-175142

このゲームはある程度探索を進めると、
拠点に戻った時に魔女ドロニアとその弟子・ルカを中心としたストーリーが進みます。
これ自体はよくあるRPGのストーリー展開だとは思うんですが、
このストーリー内で、実際に探索を行っているプレイヤーキャラクターの存在については、
全くというほど言及されません。

ストーリー上の主人公格である魔女ドロニアにしても、ひたすら他人を見下したような傍若無人ぶり。
かわいらしい弟子のルカも、ひたすら彼女に振り回されるような存在。
「妖路歴程」にはプレイヤーの意思が宿っている…という設定ですが、
めったにストーリーに絡むことがなく、
そしてストーリーにプレイヤーの意思が反映されることもありません。
「人形兵」に至っては、言及される事すらありません。

3DダンジョンRPGは海外では「first-person dungeon crawler」と称されるように、
「一人称の主観視点」を持っていることが何よりの特徴であるゲームジャンルなので、
ストーリーの中心は実際に探索を行っているプレイヤーないし、
ダンジョンを探索しているキャラクターにあってほしい…と思っている筆者からは、
本作のストーリーに「置いてきぼり感」を受けているのが正直なところです。

その他、キャラクターの技が「カヴン」(小隊の枠を決めるアイテム)に依存しているため、
戦闘中にキャラクターの個性というものが出ず、緻密な戦略が組めるわけではない、
アイテムやパーティの管理が編成キャラクターが多すぎる故にかなり面倒…など、
細かい不満点が積み重なっている印象はあります。


2016-06-26-101523

とは言え、先述したトレハン要素の上手い落とし込み具合や、
先述した壁壊しの要素を取り入れた、一筋縄ではいかないダンジョンの構成など、
完全新規作品としてのクオリティはかなり高いとは思います。

プレイヤーキャラクターを無視したストーリー面は個人的に正直どうかと思うが、
トレジャーハンティングを主体としたRPGと考えれば充分アリかと。


July 03, 2016

マビノギデュエル:プリーズプリーズ強奪しましょ。「クリーチャー交換」デッキの紹介と対策

トレーディングカードゲームの華、それが「コンボデッキ」。
古くは『マジック・ザ・ギャザリング』の瞬殺コンボデッキ「MoMa」や「ピットサイクル」、
『遊戯王OCG』の「現世と冥界の逆転」など、
時にゲームバランスを吹っ飛ばしかねないド派手なコンボも、TCGの魅力であります。

マビノギデュエルでは全体的にクリーチャーの殴り合いが主体となっており、
デッキが12枚、しかも毎ターンの行動回数が制限されていることもあって、
ド派手なワンターンキルコンボデッキというのは難しいのですが
それでも、コンボを主体にしたデッキというのは成り立つものです。

今回紹介するのは、その中でもPVP環境の一角を占める
「クリーチャー交換」を主体にしたデッキです。


mabinogiduel_changemos


ダブル クリーチャー交換デッキ (←nexonのサイトに飛びます)

ゴールド(赤):
血塗れのオーロラ+1
クリーチャー交換×2
デーモン:カラーモス+1(赤)
究極:エターナルファイア

マナ(青):
マジックミサイル
ライトニング
召喚取消
ファイアウォール

光(白):
襲撃
バンドワゴンエフェクト
破壊工作


tradeCreature

キーカードとなる「クリーチャー交換」は、
「ランダムに選ばれた自分の手札のクリーチャーを相手の場に、
同じくランダムに選ばれた相手の手札のクリーチャーを自分の場に召喚する」というもの。
コストもそんなに軽くはなく、ランダム性も高いこともあって、
普通のデッキにはまず採用されないカードです。

普通のデッキであれば。


demonCalamus_A1

そしてもう1枚のキーカードが、「デーモン:カラーモス」。
非常に高いパラメータを持ちますが、フィールド上で維持するためには、
毎ターン生贄が必要。
もし生贄を捧げることが出来なければ、契約を解除して手札に戻ってしまう…という、
はっきり言って使いにくいクリーチャー。
やっぱり、普通のデッキにはまず採用されないと思われるカードです。

普通のデッキであれば。


しかし、しかしですよ。
この2枚が組み合わさると、どうなるか。


自分の手札にあるクリーチャーが「デーモン:カラーモス」のみの状態で、
相手の場にクリーチャーが立っていないことを確認して、
「クリーチャー交換」を撃つ。

相手の場に「デーモン:カラーモス」が召喚され、
自分の場に相手プレイヤーの手札に潜んだモンスターが召喚される。

相手ターン開始時に相手の場に「デーモン:カラーモス」以外のクリーチャーが存在しないので、
「デーモン:カラーモス」は"自分の"手札に戻る。
この際、カラーモスの召喚コストは"自分に"帰ってくる。


クリーチャー交換のコストは赤資源(4+自分のレベル)。
そしてこのデッキで採用したカラーモスのコストは赤資源(6+自分のレベル)。

相手の手札のクリーチャーをこちらの場に奪った上、
資源までトータルで増える
…という、
もはやクリーチャー「交換」どころが「略奪」に等しい、
やられた方からすればとんでもなく理不尽なコンボだったりします(笑)

もちろん相手の場が空でないとこのコンボが使えないため
(相手の場にカラーモス以外のクリーチャーがいると、
普通に維持されて殴られてしまう。
カラーモス+1から2発殴られたらプレイヤーは死ぬ)
デッキには除去カードを大量採用。
序盤の低コスト除去の「マジックミサイル」、中型も落とせる「ライトニング」「襲撃」、
「ペルソナ:スカアハ」「獣人:ユルゲン」あたりの死なないクリーチャー対策の「召喚取消」、
そして敵陣まとめて一掃の「ファイアウォール」「破壊工作」で敵陣を空にして、
先述のクリーチャー交換コンボを狙います。

また、そこそこ重い「クリーチャー交換」を少しでも早く打てるようにするため、
「バンドワゴンエフェクト」を採用。
このカードは「毎ターン開始時に左スロットに移動し、自分プレイヤーに1ダメージ与えるが赤資源+1」という
クリーチャートークンを(自レベル+1)体召喚するスペルで、
効果による資源ブーストはもちろんのこと、このトークンは微妙に攻撃力も持っているので、
地味に相手のHPを削ったり、またLv3では4体もトークンを生み出せる点に注目して、
あえてカラーモスを自陣に素出し、生贄効果の餌にする…という使い方もできます。

敵モンスターを数体奪うだけでは決定力に欠けるため、
相手に引導を渡すためのフィニッシャーとして投入したのが、
「究極:エターナルファイア」と「血塗れのオーロラ」。
前者は普通のデッキでは打てはしないカードですが、
ひたすら赤資源の溜まるこのデッキでは割と簡単に打てたりします。
敵陣を一掃するだけのカードでは…?と思われる方もいるかもしれませんが、
重要なのは敵陣一掃後に「燃える残骸」を4体も敵陣に残すという点。
「燃える残骸」はHP3、「毎ターン開始時にコントローラーに(Lv)点のダメージを与えHP-1」という効果持ちで、
エターナルファイアをLv3で撃てばそれだけで敵プレイヤーに12ダメージ確定
(プレイヤー側に攻撃可能なクリーチャーがいない場合)、
3ターン除去されなければ36ダメージも相手に入ります。
相手が墓地回収を行っていたり、あるいはクリーチャー交換で奪取したクリーチャーが
1度でもダイレクトアタックに成功していたりすれば、余裕で死亡圏内でしょう。
"自分の陣地"に置かれたクリーチャーは、除去することがかなり難しいので、
このスペルを撃たれたまま、相手がなすすべなく炎に焼かれて死んでいく…というのも珍しくないです。

もう1枚の「血濡れのオーロラ」はクリーチャー強化カードであり、
一見ほぼノンクリーチャーのこのデッキに居場所がないのでは…?と思いきや、
これが意外や意外、先述の「バンドワゴンエフェクト」と非常に相性がいいのです。
相手がクリーチャーをあまり展開しないようなデッキなら、
バンドワゴンエフェクトからの血濡れのオーロラによる奇襲に対応できずに死んでいく事もしばしば。
万が一クリーチャー交換デッキ同士のミラーマッチになり、
エターナルファイアを撃たれても、このカードを発動することで
逆に燃える残骸で殴り返せる…という予想外な使い方もできます(笑)


相手のクリーチャーを次々奪いつつ、
最終的には究極魔法まで飛び交う…というコンボデッキで、
PVPでも結構勝率が高く、最近の筆者愛用デッキ…なのですが。
当然、このデッキにも弱点はあります。

1つ目は「ヒドゥンスパイダー」「潜伏蔓」といった、
緑の墓地発動クリーチャーカード。
敵陣が空のところに意気揚々とクリーチャー交換を発動しても、
相手の墓地にこれらのカードが眠っていると、

相手の場にこれらのクリーチャーが召喚される

次のターンにカラーモスの生贄となり、
戻ってこなかったカラーモスに殴られる。
後は適当に生贄を用意され、寝返ったカラーモスによってプレイヤーは死ぬ。
現実は非情である

…となってしまう可能性が高いです。
緑にタッチしたデッキなら、これが一番簡単なクリーチャー交換デッキ対策かと思います。
(入手困難だが、白の「ヒドゥントラップ」でもおそらく可)

しかしながら、クリーチャー交換側のプレイヤーのヒーローが「エル」だった場合
(墓地回収時にHP-2する代わりにお互いの墓地を同時に回収する)、
あっさりこの手段は無効化されるので、過信は禁物。


2つ目は「除去耐性が極めて高いカード」。
相手の場を空にしなければコンボ発動ができない関係上、
場持ちの良いクリーチャー相手は非常に苦手
です。
具体的な例を挙げるなら、「スケルトン騎士」「ペルソナ:アリシャ」、
そして最近のトップレアカードである「探究者:ネリバ」といった、
除去するために2枚以上のカードを必要とするクリーチャーたち。
これらを出しておくだけで、クリーチャー交換はほぼ機能不全に陥る
…というのは言い過ぎですが、かなり動きを止めることは出来るはずです。


とまあ2点ほど弱点を紹介したのですが、
これらは「カラーモス」を採用したタイプのクリーチャー交換デッキの話です。
実はカラーモス以外にも、「デーモン:ファルーカの帝王」や
「ゴブリンの防空壕」を採用したタイプもあり
(前者は召喚時自陣自壊効果を利用して交換のタイミングを選ばないもの。
但しファルーカの帝王を召喚取消などで戻す手段必須。
後者は自陣麻痺効果を活かしてロックをかけるタイプ)
これらのタイプには別の対策が必要となります。

共通する対策としては「クリーチャー交換自体を不発にする」というもの。
具体的には「手札にクリーチャーを持たない」、
あるいは「自陣または敵陣を何らかの方法で埋める」ことで不発にできます。
前者は通常のデッキではまず満たせませんが、
後者は「反射トラップ」一発で満たすことができるのを覚えておくと、
実際にクリーチャー交換デッキと対峙した時に役に立つかと思います。


長々と書いてきましたが、「クリーチャー交換」デッキは非常に自由度の高いデッキであり
(今回紹介した「カラーモス」型でも必須なのは「クリーチャー交換」「カラーモス」だけで、
その他は自由に組める。色も青白に限らず、他の色の除去カードを積んでもいい)
骨子は共通しながら細かい部分はまさにデッキビルダーの個性とセンスが問われる
試行錯誤しながら構築しても使っていても楽しいデッキかと思います。


June 26, 2016

マビノギデュエル:『魔女と野獣』気になったカードをピックアップ

5月下旬から6月になって遊んでいるゲームが、
『ドラゴンクエストヒーローズ2』『Sakura Dungeon』
『高円寺女子サッカー3』『Mighty No.9』『シノビナイトメア』
『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』、そしてsteamのサマーセール…と、
なかなかゲームを遊びきれてない状況に陥っているのですが、
それでも続けています、マビノギデュエル。

そしてこのゲームラッシュの時期に、新ブースター『魔女と野獣』が公開されたので、
筆者が気になったカードを挙げていこうかと。


●魔女:インペリア
mabiduel_imperia_trim

本ブースターのタイトルにもなっている種族「魔女」共通の能力である
「毎ターンいずれかのプレイヤーの墓地のカードを1枚手札に戻す」と、
固有能力「敵陣のクリーチャーに自分のHPに等しいダメージを与える」持ち。
HPも非常に高く、場に出た次のターンまでにダメージを与えられなければ、
ほぼ確実に敵陣が焦土になる
という恐ろしい能力です。
しかもこの能力は毎ターン発動するので、このカードを除去できなければ、
相手は「詰み」になってしまう…という制圧力の高さ。
攻撃力は高くありませんが、逆に低攻撃力HP回復持ちの「旅館」との相性が良さげなので、
そのあたりを組み合わせたデッキを試行錯誤しているのが最近です。


●格闘家
mabiduel_ryu_trim

俺より強い奴に会いに行く
コスト2HP6攻撃4という、地味に優秀なスペックを持つバニラクリーチャー。
既にG2ブースターにコスト2HP4攻撃4防御2という、実質相互互換の「傭兵」が居ますが、
あちらは「毎ターンゴールド資源を1失う」というデメリット能力持ちだったため、
ゴールド(赤)を含まないデッキでしか使えませんでした。
しかしこちらはデメリットのないバニラであり、、
赤資源を含んでいるデッキでも初手に使える、
色拘束の薄いクリーチャー候補として十分に採用が検討できます。
Lv2以降のスペックが傭兵に若干劣るため、傭兵の上位互換として使う事は出来ないのですが、
それを考慮しても白が絡むウィニーデッキには個人的に必須だと思うクリーチャーです。


●竜人族の騎士
mabiduel_draknight_trim

「魔術師:39才」「アルビダンジョン・ゴーレム」に代表される、
Lv1でコスト4の高耐久クリーチャーが赤にも登場しました。
先輩たちと同様、大半の除去カードを耐えるHPと防御力を持ち、
さらにこのクリーチャーは「蛮族」同様のHPが減ると攻撃力増強能力持ち。
毎ターン攻撃力が増加することの厄介さは、
「蛮族」「成長のツタ」「オートマタ:エリザ」あたりを使ったor敵に回したことがあればご理解いただけるかと。
レアリティも低いため、入手困難な「アルビダンジョンゴーレム」の
赤ミュータントの代替としても充分な性能かと思います。


●修道者:プンカーディアン
mabiduel_punkardian_trim

白のコスト4のハゲオヤジにライバル襲来。
耐久力はあの「魔術師:39才」と同等で、しかもこちらはメリット能力持ち。
但し、その分攻撃力若干低めで、能力発動時さらに攻撃力が下がってしまいます。
気力や輪廻を持ったクリーチャーは高コストなものが多く、
そういったクリーチャーはこのカードだけではまず止められないことが多いのですが、
今後低コストクリーチャーにも気力・輪廻トークンを持ったものが登場した場合、
このカードが対策となる可能性は十分にあるかと。


●踊り子
mabiduel_dancer_trim

イラストアド要員。おっぱい。
(1コストバニラとしては相当微妙で、どう足掻いても同コストバニラのゴブリンやインプに殴り勝てない…薄い本要因かな?)


●見習い魔女:チチ
mabiduel_titi_trim

mabiduel_chichi2

黒髪ロングメガネっ子魔女とかご褒美じゃないですか悟空さ!
めーがーね!めーがーね!
それはともかく、「毎ターンどちらかのプレイヤーの手札破壊」という能力は、
実際に使ってみると結構カオスなゲーム展開になります(笑)
資源ブースターとしての能力は正直、オマケ程度なのですが
(黒だと「闇の祭壇」「怨念の墓地」とか優秀なカード多いしね…)
使って遊んでみる分には面白いカードだと。


mabiduel_chichi3

「チチ」という名前だけあって、胸大きい?と思いきや、
よく見るとそれは服の裾で、本体は意外と控えめ…(笑)



●魔女:ゼノン・ヨルンダ
mabiduel_yorunda_trim

妖しくも美しい魔女さんで、
「フィールド全体のクリーチャーのHPを吸収する」という、まさに美魔女!な能力を持ってます。
…正直、弱くはないんだけどそんなに強くもないよな、という印象で、
同じ☆4でも、先述のインぺリアさんに比べるとかなり地味…なんですが。


mabiduel_yorunda2

イラスト拡大時の横乳のイラストアドは間違いなく☆4。

June 19, 2016

『高円寺女子サッカー3』純情想定外

皆さん、サッカー戦争してますか? #意味不明な挨拶

それはともかく、買ったんですよ。
『高円寺女子サッカー3』


『高円寺女子サッカー』シリーズは2006年にPS2でシリーズ第1作が発売された、
『スーパーブラックバス』『エルミナージュ』シリーズと並ぶスターフィッシュの看板タイトルです。
(ちなみに、スターフィッシュは以前高円寺にあった)

そしてその3作目が満を持して発売された…訳なんですが、
発売に至るまで紆余曲折ございまして。

公式サイトで声優出演を兼ねたアイドルオーディションを始め
その合格者と電話できる…という、
一部から「テレクラ」と揶揄されるような、想像の斜め上行くプロモーションをやり出したり、
当初は2014年発売予定だったのが発売延期を繰り返し、
一時はお蔵入りになったのか?と思いきや、今年4月に突然発売日が決まったり…と、
とにかく(主に低評価界隈の)一部のゲーマーから熱い注目を浴びた本作。

これは星魚(笑)ファンなら遊ばざるを得ないな…と思い、
筆者もシリーズ未プレイながら、手を出してみました。


女子高の教師として赴任した主人公は、
ひょんなことから問題児だらけの女子サッカー部顧問に就任。
さらに「1年で全国制覇できなければ廃部&主人公解雇」という無理難題を言い渡される中、
メンバーの団結と主人公との絆で全国制覇を目指していく…というアドベンチャーゲーム。

…とは言え、作中にそんな暗い雰囲気はあまりなく、
かと言って努力だ!熱血だ!みたいな昭和のスポ根モノのような雰囲気もない、
割と明るいゲームに仕上がっています。

高円寺女子サッカー3_KGF11

作中でサッカー部員が先述のオーディションで選ばれたアイドルと
同名のアイドルデビューするくらいだし(笑)

サッカー部の面子も正統派サッカー少女から、
ローラースケートを手放さない少女にブラックバス釣りに命を燃やす釣りガール、
ちょっと不良入った姉御系、阿波踊りマニア、
レズビアン気味の地下アイドル、巨乳カンフー娘、はんなり少女、
メガネっ子のブロガーにござる忍者、
そして果てには幽霊まで…と、実に個性豊か。

ストーリーの各章はそれぞれのキャラクターにスポットを当てた構成になっていて、
区切り良くテンポも悪くないです。
もちろんキャラクターとの好感度もあり、
各キャラクターごとのエンディングも用意されてます。

高円寺女子サッカー3_01

いわゆる「即死選択肢」が結構多い(ゲーム開始直後にもある…)のが、
2016年に発売されたゲームとしてはちょっとアレですが、
ゲームオーバーになってもすぐに直前の選択肢に戻れるようにしてあるのは好印象。


高円寺女子サッカー3_INAC

作中のサッカーの試合は、FCの『キャプテン翼』に類似したシミュレーションゲーム方式。
攻撃側なら「ドリブル」「パス」「シュート」を、
対する防御側ならそれらに対応した「タックル」「パスカット」「ブロック」状況に応じて選択。
キャラクターにはそれぞれ得意な能力や、スタミナが設定されており
(さらに、シナリオ進行次第でスタミナ消費は激しいが強力な「必殺技」を使えるようになる)、
それを頭に入れた上で最適な戦略を選び、勝利を目指す…というのがなかなか楽しい。

高円寺女子サッカー3_ローポリ

試合中のグラフィックはローポリで、3DSという環境を考慮しても正直粗さは否めませんが、
かわいらしくちょこまか動くのを、展開にハラハラしつつ眺めている分にはこれもまた楽しいです。
試合に負けてしまうとゲームオーバーですが、
やはり即座にリプレイできる(しかもキャラクターのレベルが上がる)ため、
いわゆる「詰み」が発生しないのも好印象。

ゲームオーバー時のリトライの容易さや、
2周目以降はサッカー部分を省いてプレイできる
(キャラクター性能自体は引継ぎでプレイできるので、
引き継いだキャラクターによる無双プレイや、
あるいは2周目以降限定のHARDモードの敵チームに挑むことも可能)、
また既読スキップ機能もしっかり実装…など、
遊びやすい設計なのもよいです。
この辺りは、「エルミナージュ」シリーズの開発にも携わっている、
本ゲーム開発元の「オペラハウス」の実力なのかな、と。


高円寺女子サッカー3_polygon

このゲームの難点を上げるとすれば、
背景の樹が露骨にポリゴンな表現だったり、

高円寺女子サッカー_優勝

イベント絵の塗りや出来にえらい差があったり…と、
グラフィック面から割と低予算な作品らしいのが伝わってくるのはご愛敬。

高円寺女子サッカー3_三つ子

しかしライバル校の「三つ子のエースストライカー」という設定で、
全く同じ立ち絵を使いまわした3人が出てくるのは笑いました。

また、このゲームの声優をオーディションで集めたこともあってか、
一部のキャラクターの「棒読み」はえらい気になります。(特に「順連」と「ローラ」…)
まあ、そのあたりもこのゲームの個性的な味である、と思えば…(笑)

キャラクター育成要素もあまりない
(必殺技伝授のみ、練習メニューを組んでパラメータを上げて…といった要素はない)ため、
本格的なサッカーシミュレーションゲームとして遊ぶのも難しいですが、
「そういうゲームじゃねえからコレ!」と割り切るのが正しいかと…(笑)



前評判こそ決して高くなかったこのゲームではありますが、
あまり堅苦しくない、肩の力を抜いて楽しめる一種の「バカゲー」としては、
個人的に結構面白いゲームだと思っています。





高円寺女子サッカー3_ブラックバス

高円寺女子サッカー3_星を見る

高円寺女子サッカー3_アメノミハシラ

スーパーブラックバス」だの「星をみる」人だの「雨の御柱」だの、
さらっと星魚製品の自社ネタを仕込んでるあたり、隙がねえ!(笑)

jzunkodj4y at 23:57|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!Memo