【ロンドン=木村正人】 海上自衛隊のインド洋での補給活動が15日で打ち切られたことについて、英王立防衛研究所(RUSI)のジョナサン・イール国際安全保障研究部長は「日本が昔の小切手外交に戻ると表明するつもりなら残念極まりない」と批判的な見解を示した。発言要旨は次の通り。

 民主党の小沢一郎幹事長が言うように、日本の補給活動は決定的に重要なものではなく、米軍の作戦は日本なしでも継続できるが、資金の手当てと、他国が補給艦を出す必要が生じる。

 問題は二つある。第一に、米国が3万人、英国が700人以上のアフガンへの増派を決定し、他の北大西洋条約機構(NATO)の加盟国も増派を検討している時期に、作戦の一角をなす同盟国が艦船を撤収することはいい政治的メッセージにはならない。

 第二に、鳩山政権が日米同盟から離脱することを決意しているような印象を与えることになる。日本に米国を助ける用意がないなら、どうして米国が常に日本を守る必要があるのか。

 インド洋からの撤収で、日本は国際舞台で大きな役割を果たすより、アジアにとどまることに興味があることを証明した。日本が国際社会での存在感を低減させれば、中国が取って代わるのは疑いの余地がない。自衛隊の海外派遣について国連至上主義を主張するのは、国連安全保障理事会で拒否権をもつ中国に、日本の外交・安保戦略を委ねるのと同じだ。

 アフガン国際会議で日本は復興を支援し、資金を援助すると表明するのだろう。鳩山政権は、大金を払ったものの影響力をほとんどもてなかった湾岸戦争時と同じ小切手外交に戻ろうとしている。日本の国民はそれで満足なのだろうか。

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