2013年09月

2013年09月25日

「グレイズ・アナトミー9(12)幻の痛み」

【一日目】
●飛行機事故の賠償金の支払いを保険会社が拒否をした。財政的な痛手を被った病院側はコスト削減のために医療管理アドバイザーを雇うことにする。彼女は経験を積んだ外科医で、手術室まで見て回るという。しかし不思議なことに初日に遅刻をしていた。
●ERの担当になったステファニーは混雑状態にお手上げ、全く現状を理解できていないステファニーを叱ったエイプリルは彼女にERの回し方を叩き込むことにする。そして最初にコンサルを頼まれた息切れを訴える女性のベッドに向かうが、彼女こそが医療管理アドバイザーのアラナ・ケイヒルだった。アラナは「45分も待っていたから、息切れどころではなく事切れていたかも。あなた方のせいでミーティングに遅刻した」と痛烈な言葉を浴びせた。そのことについてオーウェンに説明を求めるアラナ、彼女を見つけたリチャードは優秀な元教え子が医療管理アドバイザーであることに驚きながらもコーヒーに誘うが、断られてしまった。
●その後ERにははしごから転落したブライアン・ターナーが運ばれてくる。ステファニーは彼の容態についての質問でミスしてしまうが、次に交通事故で運ばれてきた患者についてはエイプリルの指導にくらいついた。

●アリゾナは失った脚に痛みを感じるという幻肢症候群に悩まされていて、最初は夜だけだった痛みが日中にも及んでいた。そんな中でアフリカの病気の孤児を連れてきて無料で手術を行うプログラムが復活し、心疾患を持つ少女ナイアが運ばれてきた。重い症例の手術を共に担当するクリスティーナは「予算カットされるなら、このプログラムだろう」と嫌な予言をする。そして手術開始、ナイアにさらに亜熱帯特有の珍しい心疾患があることにクリスティーナは大喜びするが、その間も幻肢の痛みに悩まされるアリゾナは手術室から退室した。
●アリゾナが一人で休んでいるラウンジにオーウェンに連れられたアラナがやってくる。うな垂れているアリゾナの様子に驚くアラナ、オーウェンは彼女に席を外してもらうとアリゾナから事情を聞きだす。あるはずのない足の痛みに苦しむアリゾナは「もうずっと彼女の患者。やっと妻に戻りかけているのに」と整形外科医の妻カリーにも相談できていないと話し、オーウェンは姿見を取り出すと「脳に新しい回路を作る。幻肢の治療にはいろいろな方法がある。温めたりマッサージしたり・・・、それか何かを突き刺す。軍にいた頃、実際にドライバーを刺した人間がいた。彼にはそれしか効果がなかったからだ。俺が力になる。一緒に解決策を見つけよう」と助け舟を出してくれた。
●アフリカの孤児プログラムの存続を願うアレックスは様子がおかしいアリゾナを心配、そして「プログラムの存続のために明日の手術は俺とクリスティーナでやりましょうか」と申し出るが、アリゾナはそれを受け入れることができなかった。しかしその夜、アリゾナは痛みのために自分の足を切断してしまうという悪夢にうなされる。

●妊娠によるホルモンの影響でメレディスは自分の感情を抑えることができず、怒ると涙が出てきてしまう。そして性欲も抑えられずデレクを呼び出すが、シェーンからコンサルの依頼が入り、さらにシェーンが「あなたの手術に入りたいが、あなたの奥さんの下につくことになっている。説得してください」とデレクに呼びかける声を聞いてしまった。さらに激しい腹痛を訴えるが妊婦ブリーの検査をシェーンに頼むが、検査項目の少ない検査を誤ってオーダーされてしまう。ようやくわかったのはブリーが肝不全に陥っていてあと72時間の猶予しかないということ。容態が急変し移植待機リストのトップになったブリーにパートナーのハイジが付き添う。そして検査でのミスを謝罪するシェーンを、メレディスは許すことができなかった。そこでブリーを一緒に担当するベイリーに「シェーンではないインターンが欲しい」と嘆願するが、「私も昔そう思っていた。補助心臓のコードを切った人間がそれを言うな。慈悲の心で接しなさい」と突っぱねられてしまう。
●一方デレクは手術復帰が決定、最初の手術に選ばれたのは墜落事故さえなければとっくに手術を受けていたはずの聴神経腫を患うジミーだった。明るい姉カーラに支えられ病気と闘うジミーはデレクの他にも手術ができる医師を探していたが、デレク以外に執刀できる医師はいないと復帰を待ち望んでいた。ジミーの病室を出たデレクは下についていたジョーに「君はミスをしていないが助手はシェーンと代わってほしい。シェーンは言わなくても必要な検査がわかっていた。今回は君を指導する余裕はない」と言う。その直後アラナが紹介されてきた。彼女は「聴神経腫の手術は明日、いつも手術の前に患者を一泊させているのか。明日の手術は見せてもらう」と言い、デレクは「部外者は入れない」と彼女を不快に思う。
●ジョーはシェーンに助手の交代を告げるが、臓器ネットワークからの連絡待ちでメレディスから目をつけられているシェーンは応じることができなかった。そのことで揉めているうちにブリーに肝臓が見つかったと連絡が入り、シェーンはメレディスと肝臓を取りに出かける。車内でもパニックになると話し続けるタイプのシェーンはメレディスの神経を逆撫で、ついには彼のミスで移植される肝臓もダメになってしまった。「肝臓に問題があって使えなかった」と苦渋の説明をカーラにするメレディス、ブリーには次の肝臓が見つかるまで時間稼ぎをして、場合によっては帝王切開で胎児を取り出さなくてはならない。そんな状況なのにシェーンは「これでも有望だと思われているから、デレクにはミスのことを黙っていてほしい」と言いだし、激怒したメレディスは「あなたには自分を哀れんだりする資格はないし、卑下した言い方で誤魔化さないで。あなたは何も問題のない完璧な肝臓をダメにした」と説教、しかしそこに臓器ネットワークから新たな連絡が入った。
●デレクの患者ジミーの腫瘍が増大していることがわかった。死を伴う合併症のリスクも増大、しかしジミーは「デレクを待っている間にリスクについても考えていたが、何もせずに死ぬのを待つのは嫌だ」と手術を希望する。しかしショックが大きい姉カーラは退室ししてしまった。それでもカーラは「自分でもひどい女だと思うけれど、飛行機事故の話を聞いた時ほっとした。大変な目にあったのに本当にごめんなさい。でもおかげで弟と過ごす時間をもらえた。この何ヶ月は二人で過ごした最高の時間、二人とも覚悟はできています」とジミーの意思を尊重する。姉弟の覚悟を受け止めたデレクは「交代できなかった」と告げるジョーに「観客はいらないから、手術室に部外者を入れるな」と新たな指示を出した。

【二・三日目】
●朝一でアラナは手術のスケジュールをチェック、デレクから指示を受けているジョーは「8時AM」を指で消して「3時PM」に見えるように加工した。その頃アリゾナもオーウェンから幻肢症候群の治療のために、波の映像と音を体験させられていた。「波を静めることができれば、痛みも鎮める」という理論、アリゾナは効果を疑い波に意識を集中させることができなかった。
●その後アリゾナは不安な気持ちを抱えたままでナイアの手術に取り掛かる。アラナが見守る中で手術は進むが、アリゾナはまたも異変を起こしてしまう。「彼女はパニック発作を起こしているのか。手術をできる状態なのか」とまくし立てるアラナと一緒に手術を見守っていたオーウェンは慌てて「デレクの手術は何時間も前からやっているから、見に行ってみたらどうか」と勧めた。
●アラナは慌ててデレクの手術室に入り見逃していた箇所の説明を求めるが、「手術に関係のない人間に入ってきてほしくない。だから僕がインターンに部外者を入れると指示した」と追い出されてしまった。仕方なくアリゾナの手術室の見学に戻ったアラナの目の前で、アリゾナは「交代できないから、私の義足にメスを刺して」とアレックスに叫び、オーウェンも後押しをする。アレックスは迷いながらもメスをアリゾナの義足に突き刺す。それで冷静さを取り戻したアリゾナは手術を乗り切った。
●一方アラナを排除したデレクの手術は途中からジミーの顔に反射が見られなくなる。ジミーは顔の半分を動かせなくなってしまったのかもしれない。不安なままで終えた手術、しかし意識を取り戻したジミーは左右対称に顔を動かすことができた。

●ブリーの肝臓はポートランドで見つかった。墜落事故の後、飛行機に乗ることができないメレディスは「必要な処置は全て向こうでやってくれる」とシェーンだけをポートランドに向かわせることにするが、ベイリーが「自分たちで摘出した方が良いのはわかりきっている。そろそろ飛行機に挑戦してみてはどうか。インターンはミスをするもの。終わったことはさっさと忘れなければ、いつまでも前に進めない」と言い出す。それでもメレディスは拒否、ベイリーとシェーンでポートランドに向かうことになるが、土壇場でメレディスが飛行機に乗り込んだ。
●無事ポートランドに到着、しかしシェーンが摘出された肝臓に腫瘍を見つけてしまった。トラブル続きの肝臓移植、しかし腫瘍は悪性ではなかったと判明、シアトルに戻ったメレディスはすでにブリーから帝王切開で取り出された赤ん坊を見てまた涙を流してしまうのだった。

●忙しくてジャクソンとの時間も取る余裕のないステファニーはようやくERの状態を把握し、エイプリルの引っ掛けにも対応できた。彼女の奮闘を評価するエイプリル、すると救急隊員マシューが現れる。彼は「この二日間、君を見ていたけれどずっと動いているから休んだ方が良い。コーヒーでもどう?・・・やっぱりいきなり君のこと見ていたよは気持ちわるいよね。僕はストーカーではないけれど、君がストーカーとコーヒーを飲むことが好きなら、喜んでストーカーになって張り付く」ととっちらかった誘いをし、昨日から彼のエイプリルへの視線に気付いていたステファニーは笑いが止まらない。

●ハードな勤務が終わり、アラナは外科医たちを呼び出す。アフリカのプログラムが珍しい症例のオンパレードだと気付いたクリスティーナは「アフリカの病気の孤児たちにとってこのプログラムは唯一の希望」とまくしたてるが、アラナはプログラムを削減する気はなかった。アラナが目をつけたのは意外な場所「ERの閉鎖」、アラナは「ERは三日間で見事に混乱を脱し効率化した。でもおかげで利益をもたらさないことが確認できた。患者はやってきているが、その半数が緊急性を伴わない。保険に入っていない患者もおり、一般の開業医が診るべき患者。外科医のインターンがERを回るのは明らかに資源の無駄使い。痛みを伴うのは理解しているが、病院の存続のため」と言うが、「ここはレベル1の外傷センター」と医師たちは反論する。しかしデレクが反論をすると、ベイリーは「病院の存続のため、病院が無くなれば職も失う。数百万ドルの財産もない人間もいる」ときつい言葉を浴びせてきた。
●衝撃的な発表をして帰宅するアラナ、リチャードは「厳しすぎる」と言いに行くが、アラナは「厳しい評価をすることが仕事。私に失望しているかもしれないが、指導医なら部下を評価することも仕事。インターン時代にあなたに「医療は常に変化し続ける。その変化の一部でい続けないと終わりだ」と言われた。私は一部であり続けます。誇りに思ってください。それに先生は先月一般外科医の中で手術時間が一番少ないですね」と言い返した。
●医師たちも帰宅、カリーはアラナへの怒りを抑えることができないが、アリゾナから「ビーチに行きたい?」と言われ、ビーチに一緒に行く空想を楽しむ。メレディスもベイリーの言動に怒りを感じていたが、デレクが23時間の手術を乗り切ったことと自分が飛行機を克服したことを喜ぶことにした。

なんかベイリーが嫌な感じでした。
結果的にメレディスが飛行機を克服できたから良かったけれど、自分だって銃撃事件の後にトラウマを抱えベンと別れてイーライと体だけの関係を求めたりといろいろあったのに。
以前にアレックスが「俺も飛行機に乗ればよかった」と言った時に「それは言っちゃいけない」と思ったけれど、そういうところはリアルなのでしょうか。飛行機事故では死者も出て、生き残った者たちもそれぞれ地獄を見た。その地獄は今でも完全に終わったと言えるものではないし、一生言うことはできないだろう。それなのに影響が少なくなってきたからと言って、金を手にした生存者たちに対する言葉はきつかったですね。なんかいろいろ考えてしまう。同じ苦難にあっても手にする金額が違うこともあるのだし。
ただ唯一の救いはベイリーが飛行機に乗り込むメレディスを本当に心配そうに送り出したことでした。続きを読む

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2013年09月18日

「グレイズ・アナトミー9(11)捨てられない想い出」

●ある朝、デレクは「メレディスの妊娠三ヶ月」を喜ぶが、メレディスはそのことに気付いてもおらず「病院が飛行機事故についての過失を認めるか」が気になっていた。同じ頃、アレックスの家でコップを探していた寝起きのジョーはクリスティーナと間違えられてオーウェンに体を触られる。上司に体を触られるというショッキングな出来事に唖然とするジョーは友達になったアレックスに「ここには家具も食器もない。リビングの床に寝かせられて首が痛い」と抗議するが、アレックスは取り合わなかった。その後もジョーは家具を買うように勧めるが、アレックスは「放っておけばクリスティーナが痺れを切らして買うだろう」と返した。
●病院ではジャクソンが母キャサリンから託されたクッキーとメッセージをリチャードに渡すが、一月前に妻アデルを亡くしたばかりのリチャードの表情は暗かった。「甘いものを控えている」と返されたクッキーを、ジャクソンはラウンジに置くことにするが「リチャードは手術に入っていないし、鬱なのかも」と心配する。
●ジャクソンが置いたクッキーはクリスティーナの手に渡り、その経緯を知ったエイプリルはジャクソンの動向が気になってしまう。いじわるなクリスティーナは「ジャクソンはクッキー。痩せたい人はクッキーを食べてはいけないが、そう思うと頭の中はクッキーでいっぱいになる」と笑う。そしてメレディスが何か言い出そうとしているのではないかと探りを入れるが、メレディスは「言いたいことはない」と言い張った。
●デレクは今日が復帰初日。しかしその心には安全性に問題のある会社と契約したオーウェンへの怒りがあり、それを知ったオーウェンは「そう思っていることは知っていたから、言ってくれて良かった。でも本当に君たちが裁判で勝ってほしいと思っている」と返答する。その後、主治医カリーはインターンのシェーンを呼び出し、デレクの卓球の相手をさせる。そして誰も予期していなかった弁護士からの呼び出し。思っていたよりも早く墜落事故の判決が出るのだ。手術中だったカリーも急いで裁判所に向かうが、事故の被害にあった医師たちの表情は一様に固い。判決は医師たちの勝訴、賠償額は一人につき1,500万ドルだった。弁護士から「賠償金は保険会社が支払う」と聞かされた医師たちは早々に席を立つが、カリーだけは「お祝いは言いすぎだけれど、みんなでディナーをしよう」と提案した。

●ジャクソンはインターンのステファニーとの関係が続いており、二人はこの関係が知られないように他人を装い続ける。そしてマークが担当していたクルーゾン症候群の少年ジェームズ・レゲットを引き継いでいた。病気によって極端に目が離れているジェームズはマークを「救世主」と崇めていた両親を引き合いに、ジャクソンに繰り返し「気負わないで」とからかう。ジャクソンはマークが立てていた計画より一歩進んだ手術プランを提案するが、同じくジェームズを担当していたアリゾナは反対、しかしジャクソンは「マークとだったら喜んで議論するが、あなたは専門外だからプランについて教えるけれど議論はしない」と突っぱねた。
●困ったアリゾナはジェームズの最初の手術の時の執刀医でもあったデレクに相談、デレクも「ジェームズを長年診ていたマークが考えたプランの方が良い。ジャクソンが考えたプランで10%外見はよくなるかもしれないが、リスクがあり回復が長引く。16歳のジェームズには将来のために早く学業に復帰することが大切」とマークのプランを支持した。結局ジャクソンもマークのプランで行くと考え直すことにする。
●その後ジャクソンはジェームズの病室に美女がいることに気付く。得意顔のジェームズは「あんな良い女と交際できた理由を知りたいだろう。マークは僕を「おかしな顔」と呼んだけれど、嫌な言い方ではなかった。でも手術では完全に普通の顔にはならないから、顔以外の「自分に合った方法」を探して女性を落とせと言われた。だから僕は性格の良さで彼女を夢中にさせた。見事に成功したけれど、まともな顔になるに越したことはない」と微笑んだ。
●ジャクソンはジェームズのために自分のプランに戻すことを決意、抗議するアリゾナに「ご両親と話したし、上司である形成外科のアテンディングとも相談した。マークはもういないから、俺が患者のために最善と思えることをします」と言い切る。
●手術は成功、ステファニーは術後の説明をするジャクソンを見つめながら、一緒にジャクソンについていたリアに「ジェームズはもう大きな手術をしなくて良いとジャクソンが言っていた」とつい口をすべらせて「ジャクソン」と呼んでしまう。そしてリアから「私がアレックスと寝たときには軽蔑していたのに、今は自分が上司と寝ている。今わかった」と指摘を受けてしまった。

●一方ERにはレナードとシーラのオルセン夫妻が運び込まれる。シーラは夫の目の前でポールダンスを披露しようとして、夫の上で落ちてしまったのだ。シーラの性器に飾りをつけるなどの行動を理解することができないベイリーはレナードの手術中にも年甲斐のない二人の行動を批判し、軽症だったシーラに「一ヶ月は運転も性的な行為もなし」と説教をする。するとシーラは「あなたはハネムーンに行ったばかり。結婚して45年、子供を三人育てた後なら、そんなことは言えないだろう。「もうどうでもいい」と言いたくなるけれど、私はそうならないように努力している。辛いのは夫が私を見て、恥ずかしそうにしたこと。お尻の痣よりも痛かった。この45年、結婚生活を乗り越えてきた。その記念日をささやかなSEXで祝いたいと思ったことが、そんなにいけないことなのか」と猛反論した。
●カリーはシーラを見て「素敵なご夫婦」と感じるが、なぜそこまでベイリーが拒否反応を起こすのか理解できない。するとベイリーは「ハネムーンの間に初日の一回しかSEXをしなかった。夫はバハマのビーチでSEXをしたがり、砂だらけで感染症になってしまった。現地の医者にまで診せたが、問題は感染症だけでなく砂蚤にお尻を噛まれたことだとわかった。ハネムーンの思い出はお尻の痛みと痒み」とこっそり打ち明け、カリーは笑いを抑えることができなかった。
●レナードの手術を終えたエイプリルはジャクソンから「俺はステファニーと関係を持っている。本当なら君がそのことを知らずに済めば良いと思っていたけれど、たぶんそのうち噂になる。だから他の誰かから聞かなくても良いように、今伝えておく」と告げられる。ショックのあまり「あなたが恋しい」と涙をぬぐうエイプリル、そして「今、私はあなたにキスしたいと考えている。だからまだ友達に戻ることはできない。でも言ってくれてありがとう」と言うとまっすぐにレナードの病室に向かう。そして「奥さんの病室に行って様子を見て来ました。奥さんはもう大丈夫。でも奥さんは切実にSEXしたがっています。ちゃんと機能しているのなら、使ってください。あなたたちは結婚していて、私なら一日中しています」とレナードを叱咤した。

●裁判所から病院に戻ったメレディスはインターンのヘザーから「腹部膨張がある患者がいる。吐き気もあるけれど妊娠はしていないと言っている」と報告を受ける。「みんなそういうけれど、大抵妊娠している」と返すも、ヘザーから「妊娠検査は陰性だった」と追加報告を受けたメレディスはヘザーの診察を見守ることにする。メレディスとヘザーが去った後、クリスティーナはデレクに「確かに本当は妊娠しているのに、していないと言い張られることは面倒」と詰め寄る。クリスティーナがすでに親友の妊娠に気付いていることに驚くデレク、クリスティーナは「当然知っているし、そのことにメレディスも気付いている。素直に妊娠を喜ぶことができるようになったら言い出すだろう。おめでとう」と笑った。
●メレディスの監督の下でヘザーが腹部膨張の大学生テイラー・ランツの診察を始める。彼女は威圧的で怒鳴り散らす母に怯えていて、髪を口に入れる癖があった。なかなか自分の言いたいことを言い出せないテイラーを見かねたメレディスは母親を半ば強引に診察室から追い出し、「母親ではなく、患者と話す。口を挟まれたら止めること。最初からやり直し」とヘザーを指導した。
●その後テイラーの手術が決まり、メレディスは手術に入っていないリチャードを誘いに行く。リチャードは自分が集めた標本や患者から摘出した異物のコレクションの整理をしていて、「大丈夫だが、一人になりたい」と理解を求めた。一人で妻を亡くした悲しみを抱えるリチャード、そこに突然キャサリンが現れた。たまたま近くの病院で仕事があったキャサリンはジャクソンから「リチャードは手術に入っていない」と聞いて様子を見に来てしまったのだ。キャサリンは「ちゃんと食べているか。眠れているか」と心配するが、リチャードはつい「君は妻ではない。妻は僕が他の女性と会っている間に死んだ。君に連絡しなかったのは会いたくなかったからだ」と声を荒げてしまう。
●リチャードはキャサリンを避けるように、断ったはずのテイラーの手術に入る。そしてテイラーの腹部から大きな髪の毛の塊を発見、彼女はストレスから髪の毛を食べていたようだ。本当ならリチャードの新しいコレクションになるはずの髪の毛の塊、しかしリチャードは「今まで摘出した異物を見て思い出すのは、休みを取らずに働いてアデルとの時間を持たなかったことだ。部屋にある「誇り」に思っている全てが自分の失敗を思い出させる」とうな垂れる。そんな自分を振り払うようにメレディスの勝訴を「君は苦しんだのだから」と喜んでくれるが、メレディスは「血塗られたお金。事故で妹は死んだ。私も苦しんだけれど、それはあなたもでしょう」と返す。
●意識を取り戻したテイラーはヘザーから「難しいかもしれないけれど、言いたいことは言えるようにならなくては。あれでは私でも髪の毛を食べたくなってしまう」と諭されてしまう。テイラーは抜毛癖、髪の毛を抜きたくなって、時にはそれを食べてしまう病気だ。テイラーは「セラピーなんて必要ない。ただ止めればいい」とまくしたてる母に「私は病気。セラピストのところに行く」とはっきりと言い返した。

●裁判所から病院に戻ったデレクはシェーンとの卓球を再開、気を使って何度も勝たせてくれるシェーンを挑発して真剣勝負に持ち込むことに成功した。その様子を見ていたジョーはアレックスと「どちらが勝つか」の賭けを提案、ついには1,000ドルの掛けに同意させる。その頃クリスティーナはオーウェンとの会話の中で、デレクが「オーウェンには事故の責任がある」と考えていることを知る。その後クリスティーナは卓球が行われている会議室に向かい、「オーウェンを許してあげて。私たちは裁判に勝ったのだから、前に進まなくては。あなたもかつて外科部長だった。そして手元の情報でいろいろ決めていた。簡単ではないのはわかっているけれど」と声をかけた。

●それぞれが一日の勤務を終えて、カリー主宰のディナーに集まった。カリーはシャンパンで乾杯しようとするが、居心地の悪さを感じている医師たちは同意できない。するとカリーは「今日はアリゾナが5時間、ジェームズの手術を見守っていた。デレクも卓球をして勝つまでやろうとした。それは手が良くなってる証拠。クリスティーナも今、別れた夫にいやらしいメールを送っている。それは良いことだとマークも言うだろう。私たちは努力をして前に進もうとしている。それは進歩、変な感じだし悲しいけれど、同時にワクワクする。マークが恋しい。レクシーが恋しい。今夜ここに二人がいないことは凄く辛い。だけど感謝してもいる。あなたたちがいることに。それをお祝いしたいから乾杯したい」と言った。彼女の言葉に感動した医師たちはグラスを手にするが、メレディスだけはできない。そして「飲んで」とせがむカリーに「無理なの。妊娠しているから」と告げる。歓声を上げるクリスティーナ、喜びに満ちたテーブルでメレディスは「幸せよ。だから乾杯したい」と水の入ったグラスを手にした。
●デレクもオーウェンへのわだかまりが解け、ディナーに合流させようとするが断られてしまう。オーウェンはその時、理事会との会議に臨んでいたのだ。賠償金を支払うはずの保険会社は病院の「飛行機に乗るアテンディングは二名まで」という規則を見つけ、支払いを拒否していた。飛行機に乗っていたアテンディングはデレク・マーク、そしてアレックスの代わりに乗ったアリゾナ。賠償金を支払わなくてはならないシアトルグレイス・マーシーウエスト病院は破産するのだ。

●一方リチャードはキャサリンが予約していた店に行き、一人で淋しそうに食事をするキャサリンに「妻と一緒にいるべきだった。必要なときにいてあげられなかった。僕には悲しむ資格はない。君に会って、その資格を失った」と告げる。キャサリンはリチャードの罪悪感を受け止め「手を握らせてほしい」と懇願、リチャードもようやくキャサリンを受け入れた。
●アレックスはジョーから巻き上げられた掛け金がソファに化けたことを知った。「まるで彼女がやるようなこと」とアレックスは面食らうが、ジョーは「兄貴みたいなもの」と笑い飛ばしす。

ジョーってアレックスと一緒だと地が出るのかがさつに見えます。というかこの二人は今回仕事していないよね・・・。
あと賭けの金額も高すぎる。ソファを最初から狙っているとしても、もし自分が負けたら得意の嘘泣きで切り抜けるつもりだったのだろうか。ジョーにとっては里子たちには感じられなかった兄貴感が今は心地よいのかもしれない。続きを読む

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2013年09月14日

「CSI12(22)カルマ」

●リストン保安官が再選を目指すパーティーにラッセルは妻バーバラを連れて出席する。エクリーとモーガン、ホッジス母子も出席し、エクリーとホッジスの母オリヴィアの仲も順調のよう。しかしエクリーはリストン保安官の再選を後押しする企業家ジャック・ギルモアに渋い顔をしていた。彼はかつてマフィアのスポーツ賭博を仕切っていた男、今はカタギを気取り「所属していたアイスホッケーチームのためにアリーナを建設する」と金庫番デヴィッド・ウィノックを紹介してきた。
●パーティーもお開き、ラッセルは娘と孫が遊びに来ているため早く帰りたかったが「厄介な三重殺人」の通報が入った。現場はパーティー会場に近いモーテル、そこにはモレノ刑事と相棒マイク・クレンショーがおり「潜入捜査中で、麻薬ディーラーのドニー・プライスとここで取引をする予定だった。けれど用心棒アロンゾ・シールと女も一緒に殺されていて、部屋にあったはずの麻薬も消えている」と説明する。よくある麻薬の強奪に見えた事件、しかし「厄介」なのは殺された女性被害者の身元だった。彼女の名はヴェロニカ・ギルモア、ジャック・ギルモアの妻だった。
●すぐに鑑識を開始、絨毯には血染めの靴痕があるが不明瞭で照合はできない。しかも外には続いておらず、犯人は靴カバーをしていたようだ。これは思いつきではなく計画的な犯行、さらに奇妙なことにバスルームに隠れていて殺されたヴェロニカに肝臓は見つからず体温を測ることができない。室内の男性二人は射殺されているのに、彼女だけは手間をかけ殴打されており、彼女が最後に4秒だけ通話したのは夫ジャック・ギルモアだった。
●パーティー会場で妻の死を聞かされたジャックは「離婚協議の時にヴェロニカと出会い、癒された。彼女はその頃から飲みすぎでパーティー三昧。去年はなんとかして救おうとしていたが、四ヶ月前にブライスと住み始めた。彼女と最後に話したのは一週間ほど前」と辛い胸の内を明かすが、駆けつけたフィンは「それは嘘、奥さんは死の直前にあなたと話していたはず。それとも誰かがあなたに「奥さんを始末した」と報告したのかも。令状は必要ない。ここではっきりさせたいから携帯電話を見せて」と詰め寄ってしまう。フィンの無礼な態度にギルモアは不快感をあらわにし、ラッセルは「君はあれから何も学んでいない」と腹を立てた。
●検死の結果、ブライスは膝を撃たれた後に至近距離から頭を撃たれて死亡。ヴェロニカの肝臓が見つからない理由は「何度も腹部を殴打されたことによって、肝臓が潰れてスープのようになってしまったから」と断定される。ヴェロニカを50回以上も殴打した凶器は腹部に付着していた合成繊維から金属バットと判明、フィンは「ジャック・ギルモアが犯人だと確信している」と豪語し、さらにラッセルを怒らせてしまう。それでも「パーティー会場の近くでヴェロニカが殺されたのは偶然ではない」と一歩も引かないフィンはギルモアの通話記録からパーティー会場とモーテルの間で着信履歴があったことを明かす。「リストンのスピーチの後にギルモアと話したが髪も乱れていなかった」と信じられない気持ちのラッセル、フィンはニックを連れて検証することにした。
●目の前で過去の因縁でギスギスしているラッセルとフィンを見たニックは何があったのか知りたがり、フィンは「シアトル時代、大型ベンチャー企業で働いている女性が消え、証拠は毛髪・カーペット繊維・精液だけだった。ベンチャーの社長のクーリーは権力者のお友達がいてDNAを採取できず、ラッセルは「勘ではなく証明が全て」と賢者の助言をしてくれた」と不満を明かす。そして検証の結果、犯行はリストンがスピーチをしている18分以内に可能と断定できたが、返り血を浴びたはずのギルモアがタキシードを着替える時間まではない。ギルモアはタキシードの上に何かを着ていたはず、そして周辺のゴミ箱から血染めのジャージとアイスホッケーのスティックの一部が見つかる。ジャージもスティックにも描かれているロゴはギルモアが所属していたチームのもの、すぐに捜索令状が降りたが、それはホッケーチームの練習場だけだった。オフィスや部屋を捜索できないことにフィンは苛立ち、ギルモアと懇意にしているリストンに失礼な口を利くが、リストンも「以前のことは知っている。フォーマルなパーティーに忍び込んでクーリーのシャンパングラスを勝手に持ち帰った。ここではそんなことはさせない」と応戦した。
●ロッカールームを見て回るニックは外されたブレードを発見、凶器のスティック部分はおそらくこのブレードに取り付けられていたものだろう。このブレードの持ち主はギャンブルの借金があるピーター・ガンエ、しかし事件当時は妻子と食事に行っておりアリバイがあった。ブラスは「犯人はガンエではない。ここの設備管理の責任者はルー・ゲッダの手下だった男ドミニク・ブルーノ。ギルモアが本当にマフィアと手を切ったのなら、なぜドミニクを使っているのか」と口にし、ドミニクを探す。しかしドミニクは「ヴェロニカのことは知っている。でも俺は何もしていない。いつか警察が来ると思って、ある音声を録音した」とギルモアがドミニクにブライス殺害を依頼したが断られている通話の録音を提供する。
●ついに取調べを受けることになったギルモアだが「確かに殺害を依頼したが、何もやっていない。ドミニクと話して、自分も前とは違うと思い直した」と言い張る。しかしジャージの血はヴェロニカと一致し、内側のDNAはギルモアと一致。ジャージについていた黒い繊維もおそらくタキシードのものだろう。追い詰められていくギルモア、そこに突然フィンが乱入し「なぜパーティー会場から外に出たのか」とコーヒーを差し出す。ギルモアは「アリーナ計画に協力してくれているボビー・コナーと会うためだった。いつもアルの店で会うが、その日は来なかった」とアリバイにもならないアリバイを主張した。
●これでギルモアを逮捕できると周囲は考えるが、一番ギルモアを疑っていたはずのフィンの表情は晴れない。そして実験を終えると、スープ状態になるまでスティックで叩いたレバーをラッセルに提出、「私が全力で54回も殴らなければならなかった。確かにギルモアは元ホッケー選手だけれど、今はALS。弁護士が喜んで医療記録を出してくれた。今の彼は上半身の筋力を40%も失っている」と報告する。取調べを受けるギルモアを見ていたフィンは彼が肩より上に腕を上げることができないことに気付き、わざとコーヒーを高めに差し出していたのだ。ジャージに付着していた繊維もタキシードではなくウェットスーツのものであると判明、真犯人はロッカールームからギルモアのジャージとガンエのスティックを盗んだ。そして自分のDNAがつかないようにウェットスーツを着て犯行に及んだのだ。
●ギルモアがはめられたとわかり、ブライスの捜査を指揮していた風紀課のキンブル警部補の協力を仰ぐことになる。キンブルは「ブライスは仲買人で、四ヶ月前から情報提供者を得て捜査をしていた」と話す。四ヶ月前、それはヴェロニカがギルモアを捨ててブライスに走ったのと同じ時期。キンブルも「麻薬所持で取引をした。このことは私と検事しか知らない」と認めるが、「潜入捜査がばれている可能性がある。署から情報がもれたのだ」と不穏なことを口にした。
●その後、捜査は内通者がいることを裏付ける証拠が次々と出てきてしまう。ニックはギルモアの「ボビー・コナーとはいつもアルの店で会っていた」という言葉から防犯カメラを調べ、アルの店でギルモアが会っていた人物がキンブルであることを確認する。さらに犯行に使われた9mmの銃はかつてDVの現場で発砲された警官のものとグレッグが断定、その警官はウォリックを殺害したマッキーンだった。現在服役中のマッキーン、しかしルー・ゲッダの死後、逮捕までの間はゲッダのシマを乗っ取っていて、今も刑務所の中からシマを牛耳っているのかもしれない。キンブルの最初の相棒はマッキーンだったこともわかるが、ラッセルは「キンブルは使い走り。マッキーンに揺さぶりをかけて誰に連絡するか様子を見よう」と方針を決める。
●ベガス署に移送されてきたマッキーン。親友ウォリックを殺害されたニックは憎しみを隠そうともしないが、マッキーンは「俺は終身刑。取引したって何がある。塀の中は快適、俺が警察だったことはみんな知っているが、警官を殺してもいるからヒーローだ」と挑発してくる。ラッセルは「塀の中から指示を出して家族を養っているのだろう。私の電話一本でその家族が車上生活になるぞ」と脅しをかけた。
●その晩、キンブルに高飛びするように指示を出していたのはギルモアの金庫番ウィノックだった。ウィノックは警察に気付き逃走、しかし追い詰められると「俺はマッキーンとは違う。刑務所には行かない」と銃を向け、エクリーに射殺された。有力な関係者を射殺することになってしまいキンブルも逃走したが、ウィノックの検死報告から意外な事実が判明する。ウィノックのDNAはマッキーンの息子であると意味し、息子を殺されたマッキーンは「お前が撃ったことはわかっている」と叫び、「これはカルマ、お前の罪を息子が被った」と言うエクリーに怒りをぶつける。
●署内の何人にマッキーンの息がかかっているのかわからない状態、キンブルも見つからないままでは捜査も進展しない。リストンは地方検事と共にベガス署の腐敗と調査の開始を記者会見し、その光景を見ていたニックはマッキーンに繰り返し挑発された苛立ちから「前と何も変わらない。マッキーンを逮捕して良くなったはずなのに、また変革が必要になった」と嘆いて退職を口にする。その頃フィンはラッセルからの食事の誘いを断ってモレノと飲んでいるが、ラッセルに過去のことを「ややこしい」と言われたことに心がさざなみだち、八つ当たりされたモレノに席を立たれてしまう。その後モレノの相棒クレンショーが席にやってくるが、フィンがトイレに立った隙に「ターゲット確保」と何者かに連絡を入れていた。
●エクリーはオリヴィアとデートに出かけ、毎回付き合わされるモーガンとホッジスは呆れ顔。そして解散した後、モーガンは思い悩むエクリーを散歩に連れ出した。少しずつだが距離が縮まっている父子関係、しかしそこに停車してきた一台の車がエクリーを撃った。
●フィンを自宅での食事に誘ったが断られてしまったラッセルは一人で自宅に帰り、孫娘ケイティを寝かしつけた後、妻との時間を過ごしていた。そこにエクリーが撃たれたと連絡が入り、同時に自宅にも「二階を見ろ」と電話がかかってくる。ケイティが眠っていたはずの二階の寝室は空、そして「KARMA」というメッセージが残されていた。

クリフハンガーですか・・・。
エクリーが撃たれて、ラッセルの孫が誘拐されたという衝撃度から、ニックの退職宣言は有耶無耶になってしまいそうだ。続きを読む

k_k2911 at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) CSI12 

2013年09月11日

「グレイズ・アナトミー9(10)物語のはじまり」

●アデルが病院に運ばれ、ベイリーは手術の準備を始めるが自分の結婚式のことは頭から消えていた。そのことをインターンのリアから指摘され、慌てて新郎ベンへの連絡を頼んだ。
●その後リアから「緊急手術が入った」とだけ連絡を受けたベンは「花嫁に緊急手術が入ったからビュッフェとバーカウンターで待っていて」と参列者たちに伝える。ベイリーと同じ一般外科のメレディスは交代するために病院に戻り、「結婚に不安があるのなら逃げろ」とベイリーに言ってしまったカリーは落ち込む。そしてアリゾナはカリーの言葉から「彼女が結婚生活に不満を持ち、逃げ出したいのでは」と感じ始め、会場のホテルに部屋を取った。大喜びのカリーにアリゾナは「先に義足を取りたいけれど、それはセクシーじゃない。自分だけで外したいからバスルームにいて」と頼み、カリーはデレクに浮かれた電話をかけた後でシャワーまで浴びてしまう。しかし部屋に戻ると、アリゾナの義足はまだついていた。結局アリゾナのふんぎりがつかず「いろいろ大変でひどい態度を取ってきた。でもやっと自分を取り戻しかけている。全てがこの足を中心に回っているわけではないし、気にしたくないけれど今は気になる。でもあなたを失いたくない。だから逃げないで」と謝罪。カリーは穏やかに「自動車事故の時、あなたは一度も私を一人にしなかった。あなたを一人にはしない」と約束する。

●アデルに処置ができないリチャードは「アデルが混乱するから来ないでくれと言われ、施設に任せたのに」と施設管理者を怒鳴りつけるが、「訪問を減らしてほしいと言っただけで、一切来るなとは言っていない」と反論を受け、思わず掴みかかろうとしてしまう。ちょうどそこに到着したメレディスは驚きながらも止めに入り、患者がアデルだと知る。そして手術を見学するリチャードにリアをつけ、リアは「普通なら最初の症状が出た時に患者は病院に行く。ここまで悪化することは珍しい。アデルは認知症だから、誰かがそばにいて気付かなければならなかった」とうな垂れるリチャードに寄り添う。
●ベイリーとメレディスによる懸命な処置が続くが、打てる手は残されていなかった。しかしそれを見守るリチャードが新たな指示を出し、ついに危機を脱し、リチャードは「指示されたから最善とは思わなかったけれど、アデルを施設に任せた。もう同じミスはしない」と心に決める。そして意識を取り戻したアデルはリチャードをはっきりと認識し「もう離れないで」と求めた。そんな二人を見たメレディスはデレクの病室に行き、「私が認知症になっても施設に入れないで」と約束させる。

●クリスティーナがオーウェンに素直に気持ちを話し、二人は再び愛を確認しあう。その後クリスティーナはベイリーの結婚式に向かおうとするが、そこにバイカーたちが救急車を先導してきた。彼らが言うには「チームの半分がボウリングのピンのように倒れた大事故が起きた」、クリスティーナは慌てて仕事に戻ることになる。次々に処置を受けるバイカーたち、そこに真面目そうな重傷患者が運ばれてきた。オーウェンはてっきりバイカーの事故に巻き込まれた男性と考えるが、彼もまたバイカーだった。
●バイカーたちが多数運び込まれたことで、結婚式会場にいる医師たちにも呼び出しが入った。「アレックスの好意を踏みにじった」と気まずさを感じているジョーも病院に戻ろうとするが、アレックスから「飲酒した人間は医療行為は禁止。ホームレス・ジョー」とみんなの前で言われてしまう。屈辱的なアレックスの言葉、しかしいつの間にか二人は悲惨な子供時代を送ったという共通点から意気投合してしまう。その後ジョーの嘘泣きにコロっと騙されたアレックスはその技を教えてもらい、酔いも手伝ってホテルのフロントから適当な部屋の鍵をもらうことに成功、自分の部屋に戻ってきたジョーンダン・シャウスはジョーとアレックスが部屋にいることに驚くがジョーに撃退されてしまった。

●病院に戻った医師たちはすぐに仕事にとりかかり、医師たち全員がアデルが手術を受けたと知る。ERを仕切るオーウェンは治療を拒否しながらバイカーに指示を出す女性リーダーの「ガソリン」と出会い、「一人を怒らせると全員でやり返す」という反抗的な態度を「仲間たちが心配だろうが、我々は治療をしようとしている。他の患者に迷惑をかけなければ、仲間たちが病院内で情報を集めることは認める。だから仕事をさせてくれ」と嗜めた。
●バイカーたちは「ガソリン」「ハンマー」など独自のロードネームで呼び合っているが、一番重傷でバイカーには思えないスチュアートだけは本名で呼ばれていた。彼は「僕はまだ正式メンバーではないけれど、一緒に走らせてくれた時間は最高だった。それなのに僕がぶち壊してしまった。事故の原因を作ったのは僕」と自分を責めてしまう。
●ベイリーの結婚式に行くことは「デート」だと言われて慌てるシェーンは「エイプリルと健全な師弟関係を築きたかったのに、今はプライベートな質問ばかりされている」と嘆くが、さらにバイカーの一人「ハンマー」から「あの赤毛(エイプリル)はお前に惚れている」と言われた上に指導を受ける際の体の密着具合が気になって仕方がない。その頃スチュアートの手術に入ったジャクソンとステファニーはお互いを意識していることを自覚するが、ジャクソンは必死で「自分はアレックスとは違う。インターンとは寝ない」と自分に言い聞かせていた。
●ガソリンに心臓疾患が判明するが、クリスティーナは「スチュアートに会わせてくれれば、治療を受ける」と言われてしまう。そのことを知ったオーウェンは「事故の原因を作ったのはスチュアート、落とし前をつけさせようとするのかも」と慌てて警備を呼び、ガソリンがベッドから姿を消したことを確認する。ガソリンは手術室に向かうエレベーターの前で大声を上げていたが、「スチュアートに会わせてくれないと思っていたら、手術を受けているというじゃないか。あいつに会わなければならない。あいつは仲間、怪我で死んでしまう前に会わなければ」と叫んでいた。しかしその後ガソリンは倒れ、処置を受けることになる。
●ガソリンの処置を待つ副官は「スチュアートはチームの会計士で、健康保険への加入やクリスマスのおもちゃ配達を準備してくれた。おかしな奴だが今は家族同然、だからチームのユニフォームをあげることになっていて、ガソリンは「スチュアートが死んでしまうのなら、せめてユニフォームを見せてあげたい」と思っていた」とオーウェンに説明、そして「あれだけ大怪我をしたのだから、スチュアートはもうバイクにはならないかも」と言われても「お前は金属の箱に囲まれた籠の鳥。だがそこから一歩外に出れば、もうやめられない」とバイクの魅力について語る。その言葉を聞いたオーウェンは自分とクリスティーナの結婚生活について考え始めた。
●オーウェンは意識を取り戻したガソリンにスチュアートを会わせる。ガソリンは「事故の詳細はハンマーが見ていた。お前のせいではない」とチームの正式メンバーに迎え入れ、「ロードラッシュ(傷だらけ)」と名づけられたスチュアートは「筋金入りだ」と喜びの涙を流す。

●リチャードに送り出される形で結婚式に向かおうとドレスを探すベイリー、そしてそこに現れたベンに「結婚式を忘れたわけではない。患者はアデルだった」とまくしたてた後、「本当はアデルが内視鏡検査を受けた20分くらいの間、あなたのことを忘れていた。人に言われて思い出した」と反省する。それを聞いたベンは「目の前で人が死にかけていたら、僕のことは忘れるべき。そもそも君はそんなに結婚式に夢中ではなかった。でも俺には夢中で、結婚することについては迷ってはいない」と納得してくれるが、それでもベイリーの不安は消えない。そして「私は不安なの。あなたが今回納得してくれたのは、患者がアデルだったからじゃないかと思う。それにあなたのことを忘れるのはこれが最後ではない。私にはやりたいことやなりたいものがたくさんある。そういう私の野心で、前の結婚は破綻した。あなたにも同じことをしたくない」と素直な気持ちを話すと、ベンは「俺はロスにいて、外科医を目指している。俺にもやりたいこともなりたいこともたくさんある。俺たちは二ヶ月に五分しか一緒にいられないかもしれない。でも一緒にいる時は一瞬を味わいつくす。俺を愛していて、俺との時間が二ヶ月毎に五分の積み重ねでも残りの人生を一緒に過ごしたいと誓うことができるか」と微笑んでくれた。
●ベイリーの結婚式は無事終了、SEXなしでいちゃいちゃしていたカリーとアリゾナは結婚式に間に合わずベイリーにどやされる。シェーンは思い切ってエイプリルに「必死で勉強して医師のなったのだから、あなたとは寝ない」と宣言、しかし「親切にしていたのに、あなたはセクハラされている気分だったのか」とエイプリルに衝撃を与えてしまった。そしてその頃、「結婚式は終わってしまった」と予定がなくなってしまったジャクソンとステファニーは互いに「上司とは寝ない」「インターンとは寝ない」と言いながらも、病院の駐車場に停めた車中で一線を越えていた。
●ベイリーの結婚式にリチャードも到着、ベイリーの花嫁姿に目を細める。リチャードが来たことに気付いたメレディスは彼の表情からアデルが亡くなったことに気付く。アデルは心臓発作で亡くなり、二人はベイリーの幸せな姿を黙って見つめ、リチャードはその姿に自分とアデルを重ねた。

●病院ではオーウェンが弁護士から届けられた離婚届けを見つめていた。そしてやってきたクリスティーナに「俺たちは結婚するべきではなかった。結婚して俺たちは美しいものを箱の中に閉じ込めた。そしてこの二年、俺たちは箱の中でお互いの心を引き裂いてばかりだった。この書類にサインをすれば、それが終わって外に出られる」と告げる。涙を浮かべるクリスティーナは離婚届けにサイン、そして二人はキスをし、新たな関係を築くことにする。

不意打ちでEd Sheeranが流れたので泣いてしまった。続きを読む

k_k2911 at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) グレイズ・アナトミー9 

2013年09月07日

「CSI12(21)ドリーマー」

●オフロードレースが行われた砂漠でレースカーが激しく炎上した。後続のレーサーのジミー・デルトンが通報したが、あまりに激しい炎上にレースディレクターのボー・マーティンは「ありえない」と絶句する。しかしそれよりも奇妙なのは車内には死亡したレーサーの他にいたはずのナビゲーターの姿が見えなかったことだった。
●レースは中断され、直ちに周辺の捜索が始まる。サラは事故現場の近くに死亡したレーサーが身につけていたものと同じヘルメットを発見、やはりナビゲーターは現場にいたと確信する。タイヤ痕などからジャンプの着地に失敗したことが横転・炎上の原因と見られるが、破損した車体の一部から別のタイヤ痕が見つかった。誰かが炎上する車を通報もせずに通りすぎたことは間違いない。
●ボー・マーティンがレースの参加者リストを持ってきてくれ、事故を起こしたのは「A PHARAOH'S MOTORISTS」というチームのティム・ポール・ダグというホワイト家の人間のようだ。全くの新入りの参加者だったためにボーも覚えがないというチーム、しかもピットからもチームのトレーラーが消えていた。すると唖然とするボーの前にレースの参加者でありスポンサーでもあるキャシー・ヴェックが現れた。彼女はヴェック石油のCEOで「トップだったし、新記録も出していたのに」と憤り、ラッセルたちから事故について聞かれても「見えたとしてもバックミラーにハエ程度の大きさしか映っていなかっただろう。私にはナビゲーターも必要ないから乗っていない」と主張した。
●まもなくホワイト三兄弟は偽名であったことが判明、死亡したレーサーの死因も焼死ではなく衝撃により脊髄を損傷したことだった。さらにこのレーサーは体内にロウのような物質が蓄積するウルバッハ・ビーテ病であり、恐怖を感じなくなっていたとわかる。モーガンは彼が着用していたTシャツのプリントを分析し軍隊のマークを発見、そこからジャック・ブレズリンと身元を確認する。彼は二度の派兵で勲章まで得た英雄、しかし自宅に残された留守電には「感づかれたからやり遂げるのは無理。レースカーには乗るな」という何者かのメッセージが残されていた。
●犯罪捜査学の検定を目指すグレッグは事故現場を検証、そして「ただの爆発でここまで破片は飛び散らない。これは爆薬による爆破。だから考えていたよりも爆発した現場は手前だった。そこに起爆装置があるだろう」という結論に至る。車体からニトログリセリンの痕跡も発見したグレッグはモーガンを連れて砂漠に戻った。そしてリモコンで爆破するタイプの起爆装置を発見、そして車体番号が入った車の部品も同時に見つかった。
●今までに見つかっていたパーツの車体番号は空振りだったが、今回見つかったパーツはまた別の番号だった。アート・ウェバーのトラックのものとわかり、事情を聞かれたウェバーは「先月、癌で妻を亡くし、胸も痛かったが請求書も痛かった。トラックがオイル漏れを起こしていたが修理する金もなく途方に暮れていた時、通りすがりの若者二人が修理をしてくれた。近くの店で新品のオイルパンを買ってきてくれ、まるでおとぎ話のようだった。メガネの青年がエンジンをいじっている間に、もう一人の若者は「俺たちはこの腐った世の中を変えたい。大きなことをしてみんなをあっと言わせたい」と言っていた。彼らは犯罪を犯したのか」と心配そうな表情を見せた。
●起爆装置を分析したホッジスは「受信機はどこでも手に入るもの。でも破片についていたタイヤ痕は発売前で限られたレーシングチームにしか提供されていない。その中にヴェック石油のチームがある」と報告、呼び出されたキャシー・ヴェックは「確かに事故現場を見たが、人は見当たらなかったから通り過ぎた。レースは事故がつきもの。誰も聞いたこともないチームで、部品もガラクタの寄せ集めで眼中にない。彼らよりも私の方がよっぽど狙われている。一日に脅迫メールが百通も来るのだから」と豊かな石油会社CEOならではの危険を告白した。
●偽名を使っていた「A PHARAOH'S MOTORISTS」は確かに何かを実行しようとし失敗したことは、ブレズリンの留守番電話からも明らかだった。この着信は使い捨て携帯電話からだったので追うことはできないが、ヘンリーが声の後ろに入っていた音声がソフト化されていないファンタジー映画のものと断定する。留守番電話が吹き込まれた時間にこの映画をオンデマンドで見ていたのはあるモーテルの一室、そこの宿泊名簿にはダグ・ホワイトの名前、しかし中に入ってみると誰もいなかった。室内にはマルコム・プラットとクライブ・モリスと名前が書かれた荷物にキャシー・ヴェックなどの写真、さらに反社会的な書籍や野戦マニュアルにアメリカの観光ガイドの本もあった。そしてなぜかトイレの窓から侵入してきた者がおり、それがクライブ・モリスだった。
●やけに落ち着かない様子だが「同志は他にもいる。止められない」と言うクライブ・モリスは「俺たちは政府支配と経済的暴力に苦しむ人たちの代表」とも言った。そしてラッセルのメガネに興味をしめし、サラには「俺の頭をのぞいている。スパイに何も話す気はない」と言うと黙秘を始めた。最初に「テロリストによる犯行」を疑ったラッセルだが、クライブと直接話した後には「クライブ自身からも室内からも爆弾の痕跡は出ず、怪我もしていないからナビゲーターでもない。彼は思考回路が違う。テロリストは過激で怒りに満ちているが、彼は正反対」と逆にテロ説に懐疑的になっていた。そしてクライブの身元を洗っていたモーガンが「彼は妄想性人格障害で、入院した病院から姿を消し捜索願いが出されていた。マルコム・プラットも入院患者で、ジャック・ブレズリンも通院患者」と突き止める。
●病院の医師は「三人はグループセラピーで出会い、自分たちを三銃士と呼んでいた。ブレズリンは戦場では重宝がられた恐怖を感じない性質が社会復帰を妨げ、クライブ・モリスはCIAやFBIに追われていると怯えて何度もパトカーとカーチェイスをし、裁判所命令でここに来ていた。マルコム・プラットは統合失調症で主に誇大妄想をしていて、凶暴というより興奮しやすいタイプだった。三人はカーレースに熱中していて、リーダーはマルコム。彼は「使命を果たしてみせる」と母親に連絡していた」と証言してくれた。マルコムはメカオタクで、何度も勝手にスーパーカーを試乗したまま乗り逃げしていた。
●ラッセルは「A PHARAOH'S MOTORISTS」が「ATHOS」「PORTHOS」「ARAMIS」という三銃士の名前のアナグラムであることに気付き、「彼らはやはりテロリストではなくドリーマー。大好きな車でレースに出場して優勝したかったのだ」と感じていた。ラッセルがそう強く感じる理由はいとこの存在。根無し草のような生活を送っていた少年時代に夏の一ヶ月だけはいとこと過ごしていたのだが、いとこは突然向かいの家の鳥の巣箱にカメラが仕掛けられていると言い始め、やがてラッセルのメガネを盗撮道具だと疑うようになっていた。取調室を見回しラッセルのメガネに興味をしめしたクライブにそのいとこの姿が重なったのだ。その話を聞いたサラは「私も心の闇を背負った人を知っている。私の場合は母だった」と同調する。
●キャシー・ヴェックのメールを調べているヘンリーから「ここ数日マルコム・プラットのアカウントから頻繁にメールが送られている。しかしIPアドレスはなぜか何もない砂漠のど真ん中」と報告が入った。そこはレースのコース上で、すぐにキャシーの捜索が始まるがレースは再開されているのに見つからない。そしてヴェック石油のトレーラーから流れる血を発見、中に突入するとレース関係者の死体が転がっており、奥からは血を流すマルコムの姿があった。マルコムは「キャシー・ヴェックがさらわれた」と言うと息を引き取った。
●マルコムを見つけたニックは付近から大量のダイナマイトが入っていた箱も見つけているが、クライブは勾留中だった。フィンは「ラッセルなら「三銃士にはもう一人銃士がいる」と言うだろう」と推理、唯一の手がかりであるクライブを再度聴取することになった。彼を理解するラッセルとサラは慎重にクライブに留守番電話の意味について話しかけ、「キャシーは金の力でどうにでもできるからレースカーに爆弾を仕掛けていない。車に近づくことができる誰かが犯人」と四人目の同志の告白を迫る。そして真心や友情を重んじるクライブは「あのレースカーは四人で組み立てた。どでかいことをしよう、腐った社会をあっと言わせようと誘われた」と語り、その言葉に聞き覚えのあるサラは真犯人がアート・ウェバーだと気付いた。
●ウェバーは採掘会社の元エンジニアでダイナマイトもその会社から盗んだものだった。爆破されたレースカーに取り付けられた爆薬は二本と思われ、ウェバーはまだビルを吹き飛ばせるほどのダイナマイトを所持している。また彼は怒りをぶつける掲示板の常連で、「トップの一言で医療給付金も年金も廃止された。だから妻は死に、俺は一文無し。これは戦争、今に見ていろ」と怒鳴る動画がアップされていた。彼が勤務していた採掘会社はヴェック石油の子会社、これが動機だろう。そして三銃士と出会い、彼らを利用してレース中のキャシーを巻き込んで爆破させようとしたが失敗、すると次はもっと大きなことを計画するだろう。
●ヴェック石油に暴走するレースカーが飛び込んできたとき、すでに警察が到着していた。周囲をとり囲まれたウェバーは起爆スイッチを手に助手席に乗せたキャシーもろとも吹き飛ぶ覚悟を見せるが、ラッセルはクライブを連れてきていた。クライブは「勝とうと約束したのに、これでは勝てない。正しいことをするはずだったのに、こんなのは奥さんも喜ばない。奥さんを愛していたのだろう。でも僕もジャックとマルコムを失った。もうやめてくれ。爆破しても明日の新聞には「いかれた老人が財界の重要人物を殺した」と載るだけ」と説得を始め、ラッセルも「正しいことをしよう。血も涙もない経営者と同類になるな」と諭した結果、ウェバーは起爆装置を置いた。事件は解決、しかしラッセルは混乱の中で出会った親友を失ったクライブを思うのだった。

で、結局ナビゲーターは誰だったの?
クライブもマルコムも事故では怪我をしていなかったから、ウェバーに間違いない。でもどうやってレースに賭けていたブレズリンを説得して停車させたのだろうか。降りるには停車しなくてはならないし、待ち伏せた方が断然爆破計画もやりやすいけれど。続きを読む

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2013年09月04日

「グレイズ・アナトミー9(9)マリッジブルー」

【ベイリーの結婚式前日】
●結婚式と新婚旅行を控えるベイリーはエイプリルを引き継ぎをするが、仕事をインターンのリアに押し付けようとする姿勢が気に入らずにきつく注意をしてしまう。苛立ちは止まらないがブライズメイドを決めていないベイリーは遠まわしにカリー・アリゾナ・メレディスに依頼することにし、そういうことが大好きなカリーは大感激するが、苛立ちをぶちまけられ「結婚に迷いがあるのなら逃げ出せば良い。そうすれば恥をかかされたベンは離れていき、あなたは自由」とその後も「結婚は墓場」のような言葉を並べてしまう。ベイリーの真に受けたような表情に慌てて話を切り上げるが、ベイリーの焦りは誰の目にも明らかだった。
●結婚式を憂鬱に感じているのはベイリーだけではなく、エイプリルもそうだった。さらにいじわるなクリスティーナから「いつもは色気のない姿のあんたもドレス姿になれば、ジャクソンは目をそらせない」とからかわれ、思いつめたエイプリルは結婚式の欠席を目論む。しかしエイプリルのそんな考えはベイリーもお見通し、「私も我慢して行くのだから、あんたも行くの!!」と怒鳴りつけられてしまった。弱ったエイプリルはジャクソンに「相手を探せば私のことが気にならない。フォーマルなドレスは一着しか持っていないし、それはタイトで肩出し」と言い、ちょうどそばにいたインターンのステファニーに声をかけてしまう。エイプリルのドレス姿に気持ちが揺らがない自信がないジャクソンは仕方なくステファニーをエスコートすることにし、ステファニーは訳もわからず了承するはめになる。そこでジャクソンもエイプリルのためにシェーンをあてがうことにした。お互いの相手は決まったが、残ったのはジャクソンと一緒に行くことになっていたアレックス、ジャクソンはステファニーに「一緒に行く友達の相手を連れて来て」と依頼することにする。かっこいいジャクソンにエスコートされることに気が気でなくなっていくステファニー、シェーンもステファニーから「これは親睦を深めるのではなく、デート」と聞かされ驚く。

●デレクに神経を移植するためにシアトルに来てくれたリジーはジャクソンから手術の説明を受けるが、デレクは「手術後は不快なんてものではなく何ヶ月も痛みを感じる。愚痴を聞かされたくない」と後ろ向きな態度を見せてしまう。リジーはいつもように兄を挑発した後で手術の同意書にサイン、その後はゾラに会うために託児所に行きたがるが、メレディスは「勝手に出入りはできない」とリジーを遠ざけてしまうのだった。
●その後メレディスはデレクと共に産婦人科に行く。デレクはドナーになってくれるリジーにメレディスの妊娠を教えたいと考えていたが、メレディスは「また流産するかもしれないから、クリスティーナにもまだ言っていない。私の子宮はまだ不安定で先行きは暗い。現実的にならないと。リジーに知られたら、あなたの家族みんなに知られてしまう」と拒否、そして不安からか子供のエコー画像や鼓動にも心を動かす素振りを見せず、病院に戻ってもクリスティーナに言いたい気持ちをぐっと我慢してしまう。
●リジーの検査の結果、神経の長さが足らず、片足だけでなく両足から神経を取らねばならないとわかった。その結果にショックを受けたデレクは「手術は中止、諦める。リジーに言うまでもない」と席を立ってしまった。メレディスはこの手術をなんとか成功させるためにこっそりリジーに話をつけに行く。リジーはもちろん了承するが、「自分と話したことは黙っていてほしい」と持ちかけるメレディスに「けっこう図々しいのね。私たちは家族だということをわかっているのか。あなたたちは式をせず、女の子を養子にした後も身内の誰も呼んでくれなかった。こちらが招待しても一度も来ず、メールで数枚写真を送ってきただけ。うちの娘はアフリカ系の人に会うたびに「アフリカ系の従妹ができた」と話しているのに、それは私の作り話ということになっている。みんな忙しいけれど、ドナーになってくれの次は口裏を合わせろだなんて遠慮がない。兄妹なら助けあうのは当然のこと、でも家族になりたいのならそれらしい行動を取って」と抱いている不快な気持ちをぶちまける。「あなたたちは私の家族と全く違う」と説明を受けたリジーはさらにメレディスの妹レクシーについて聞こうとするが拒否されてしまった。それでも「あなたには今、ゾラがいる。頼りになるのは家族、味方は多い方が良い」と再考を呼びかけた。
●その後リジーはデレクのところに向かう。そして「私がドナーになると知って、母が三回も「涙が止まらない」と連絡をよこしてきた。あなたは母さんの一番のお気に入りで、他の四人は二番目争い。このことで私が一歩リードするから、両足を切ることになっても構わない」と笑い話にする。しかしデレクの不安は妹の足にメスを入れることだけではなく、手術が失敗して復活できないことだった。それを理解しているリジーは「失敗したとしても努力はした。ありがとうを言って」と微笑む。

●アレックスは少年レフコウィッツの胃にペースメーカーを埋め込むことになり、その助手をジョーが務めることになった。アレックスから「前の手術のせいであの子には癒着があるから、剥離をやらせてやる。俺なら実習室にこもって練習する」と言われたジョーは、その理由を自分の生い立ちを知ったからだと思うが、アレックスに「子供の体を切らせるのは、お前が悲惨な孤児だったことに同情しているというのか」とあしらわれてしまった。ジョーの抜擢に周囲のインターンは「ジョーはアレックスに惚れられたのだ」と勘繰り、実習室にやってきたアリゾナも驚きの表情を見せアドバイスを送る。アリゾナの心配そうな表情を見たインターンたちは「やっぱり腕を見込まれての抜擢ではない」とジョーをからかった。
●ついに手術開始、ジョーの剥離は順調な滑り出しに見えたがすぐに胃に穴が開いてしまった。直ちにアレックスと交代、アレックスはジョーに手伝うように言うが、ジョーの手の震えは止まらない。呆然と立ち尽くすジョーはアレックスに怒鳴りつけられ、手術室から追い出されてしまった。

●夜、アリゾナは「義足ではハイヒールを履くことができない。ハイヒールはスラっと見えて、女性として自信を持つことができるのに。結婚式に出たくない」とため息をつく。それをカリーは「あなたはそのままでキレイ。あなたの横に立つとみんな自己嫌悪に陥ってしまうから、ぺたんこ靴を履くことがマナー。結婚式は花嫁が主役なのだから」と励ますが、アリゾナの心は納得することができなかった。
●同じ頃、メレディスはデレクから「オーウェンとクリスティーナが離婚することになった」と聞かされていた。クリスティーナから何も聞いていなかったメレディスは「なぜ言ってくれなかったのだろう」と面食らうが、デレクは「原告の一人と夫婦であることは利害の衝突になる。だから離婚するのだ。君も妊娠のことを言っていない。昔とは違うということ」と諭されてしまう。

【ベイリーの結婚式当日】
●結婚式の当日なのにベイリーは出勤していた。そこでリチャードは手術に入ることを提案、大喜びのベイリーはそれが夫になるベンの差し金であることを知る。様子を見に来てくれたベンとキスするベイリー、しかし結婚への不安をかき消すことはできなかった。
●心を落ち着かせるために手術に入ろうとしているのに、ベイリーはいよいよソワソワしてしまう。「前の夫の時は不安なんて感じなかったのに。10年後にちゃんと家庭を築いていたら、今日を振り返っても怖気づいただけと思うだろう。でも泥沼離婚をしていたら、「あの時、結婚は間違いと気付いていたのに」と思うだろう」と打ち明けられたリチャードは「最初の結婚はまだ若く、今は世の中は不条理だとわかっている。愛は全てに勝るわけではないこともわかっている。疑念が多ければ問題だか、僅かな疑念なら賢いということ」と言葉を送る。

●今日はデレクとリジーの手術でもあった。カリーはメレディスが見学に来ないことに安心し、デレクとも「何も心配いらない」と言い合って手術が始まった。一方リジーの手術の見学室にメレディスはいら。助手のステファニーも執刀医がジャクソンであることに落ち着かない。そしてジャクソンもメレディスが見学しているという状況に平常心を失っていた。ステファニーはジャクソンに指示され、メレディスの脅迫に怯えながらも追い出した。

●「手術でミスをした自分はクビになる。アレックスはわざと私に難しい処置をやらせた」と焦るジョーはアリゾナに「先生もそう感じていたと思うけれど、私に剥離は無理だった。私は無理難題を押し付けられた」と相談してしまうが、その行動は逆にアリゾナの怒りを買ってしまった。
●しかしアリゾナはジョーの言葉にも一理あると感じ、アレックスを問い詰めると「クビだなんて言っていない。患者も問題はない。誰がやってもリスクはあるし、俺がついていたし引き継いだ。このやり方は先生の真似。先生は俺に実践をさせて自信を持たせてくれた。俺もまぬけをまぬけ扱いせずに教えようとしているのに」と反論されてしまう。それでもアリゾナは「私はあなたにチャンスを与えて、広い心で見守った。いきなり深いプールに突き落とすようなことはしなかった。あなたは指導医、弟子の失敗はあなたの失敗」ときつく注意する。
●ジョーのつげ口に怒ったアレックスは「こんなことでクビになるなんて納得できなかった。虫垂切除でもミスをしたし、何かあった時にスケープゴートにされやすい。被害妄想なのはわかっているけれど、他人の親切を疑ってしまう」と主張するジョーに「クビにするなんて言っていない。力になろうとしていた。怖気づくたびに俺の上司に泣きつくつもりか。手術室では誰でも怖気づくもの。お前はのら犬で、餌をくれる人間に噛み付く。お前の身の上話はどうだって良い。外科医になりたければ、さっさと乗り越えろ。恩を仇で返すのはやめて、大人になれ。指導する気になっているアテンディングの好意を無駄にするな」と怒鳴りつける。

●ERには胸に銃創がある患者が運ばれてきて、クリスティーナはオーウェンと友好的に手術をすることにする。そして手術室に入る直前にメレディスに離婚のことを打ち明けるが、返ってきた言葉は「なぜ離婚は墜落事故の訴訟があるからだと黙っていたのか。デレクが離婚することで有利になると言っていた。書類上は離婚するけれどよりを戻すということだから、良いニュースなのに」という思ってもいないものだった。
●手術、クリスティーナは怒りを鎮めることができず、インターンにもあたる有様だった。手術が終わると、「友好的に行くと言っていたのに」とオーウェンが抗議に来るが、クリスティーナは「離婚は訴訟のためだとなぜ言わなかったのか」と問いただす。オーウェンは「裁判に勝ってほしい。みんなは賠償金を受け取るべきだ。どうせ君に言っても、俺に従うことが嫌ではねつけただろう。君だってミネソタに行ったのは離婚を切り出す度胸がなかったからだ」と言い訳をするが、クリスティーナから「あなたは夫婦関係をどうするかを一方的に結論を出した。本当は結婚生活を投げ出したいのに、墜落事故にかこつけて離婚を持ちかけた」と言われ逆上、「俺に責任がある。俺がチャーター会社を決めた。予算が4%削られて、使ったことがない緊急輸送の項目を安い会社に変えた。死者を出し、君も死ぬところだった。誰かが責任を取らないと。いくつも小さなミスが重なって大惨事が起きたとき、ちょっとした手違いだったと逃げるのは簡単。大勢の人間が何かを怠って問題のある飛行機に君やみんなが乗った。俺は原因を作った一人」とぶちまけてしまう。事の真相とオーウェンの苦悩を知ったクリスティーナは絶句しながらも「事故はあなたのせいではない」と言った。

●それぞれが問題を抱えながら結婚式に向かう準備を進める。メレディスが病院を出る前にデレクの病室に立ち寄ると、デレクも「治るかも」とようやく前向きな笑みを浮かべた。そしてリジーの病室にも向かうと、リジーから「私は強引だった」と謝罪されてしまった。メレディスは「こういうのは苦手だけれど、頑張ってみる。あるものを見せるけれど、家族に言いふらさないと約束して」とエコー画像を手渡し、リジーは「また家族が増える」と心から喜んでくれた。
●アリゾナはやはりぺったんこ靴を前に悩み、その姿に業を煮やしたカリーは「あなたは何も変わっていない。ただ片足を失っただけ。確かに人生の一大事。こんな生活が何ヶ月も続き、私はずっと励まし続けた。でももううんざり。いいかげん愚痴るのはやめて前に進まないと。義足は大変だけれど、みんなベイリーに注目してあなたの足なんて誰も見ていない。今夜だけは私たちも足のことを忘れていいのではないか。今は毎日足のことばかり、5ヶ月SEXしていないのも、足が原因。もうたくさん」とぶちまけた後、言いすぎたと感じるが、アリゾナは素直に靴を履いた。
●ジャクソンはロッカールームにステファニーを迎えに行くと、別人のように美しい姿に思わず見惚れてしまう。そして現れたアレックスにエスコートされる女性はジョー、互いにそれを知らなかった二人は絶句、気まずい雰囲気の中で結婚式に向かうことになった。
●支度を終えたクリスティーナはオーウェンに「離婚の理由は訴訟だけが理由か」ともう一度問う。そして「君はずっと前から見限っていただろう」と口ごもるオーウェンに「言い方を変える。私はやり直したいと思っていた。この前やり直したいと言おうと思っていたのに、あなたは離婚したいと言った」と本心を打ち明けた。その言葉に驚きの表情を浮かべたオーウェンはクリスティーナにキスをした。

●周囲の心配を押し切ってドレス姿で車を運転しようとしていたベイリー、しかしそこにリチャードがリムジンを寄越してくれた。ようやく結婚式に向かうはずだったが、今度はリチャードの携帯に「アデルが吐血をして運ばれてくる」とERの医師バレットから連絡が入る。リムジンはすぐに病院に急行、リチャードは処置をやろうとするが「身内は担当できない」と拒否されてしまう。揉める二人に割って入る形でベイリーが「私が担当する」と進言した。
●なかなか主役が現れない結婚式会場。カリーは「私は不安があるなら逃げ出せと冗談で言ってしまった」と打ち明け、その言葉を心配して控え室にやってきたベンも聞いてしまった。

この回を見て、「私ってクリスティーナ&オーウェンのこと、けっこう応援していたのだな」と自覚した。まぁ本当は「このグダグダを何年も見ているから」というのが真相なのだろうけれど、クリスティーナが本心を打ち明けた時の私の「ィヤッター!!!」感は凄かった。
(基本的にはこのドラマ、クリスティーナとアレックスさえ幸せになれば良いと思っているだけなのであるが)続きを読む

k_k2911 at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) グレイズ・アナトミー9