2017年05月

2017年05月28日

「グレイズ・アナトミー12(2)リーダーの資質」

●ベイリーは外科部長初日、緊張の朝を迎えていた。メレディスは通勤のついでにアレックスとジョーも乗せることになり、二人が住んでいる地域の治安の悪さに閉口する。その後出勤したメレディスはベイリーに子供を三人育てながら担当の仕事をこなす上に譲られた解剖学の授業もしなければならないことの大変さを訴えるが聞き入れてもらえない。その他の医師たちは定例のアテンディングミーティングでベイリーをお祝いする用意をしていた。しかしせっかくメレディスに連れてこられたベイリーは「アテンディングミーティングを廃止するというメールを送ったはず」とさっさと外に出て行ってしまった。
●久しぶりに自宅のベッドで休んだエイプリルは咳をしていた。そして出勤後着替える時、アリゾナから背中の発疹を指摘される。「ただの発疹」、エイプリルはそう主張するが今まで中東におり危険は冒せないと直ちに隔離されることに。エイプリルは冷たいジャクソンの態度に困惑、しかし様子を見に来てくれる医師たちはそれぞれアリゾナ「カリーに女が出来て幸せそう」、リチャード「ベイリーに助言したいのに頼ってもらえない」、オーウェン「キスをしてデートに誘ったのにアメリアは目も合わせてくれない」と個人的な相談ばかりぶつけるのだった。
●一方クリニックには頭痛とかすみ目で転倒し頭を打ったジェイドという女性患者が来ていた。縫合を終えたアイザックとアンドリューの間で見解が分れており、それを知ったベイリーは一目で症状を見極め見落としを指摘するが二人は真相にたどり着けない。ベイリーはジェイドを立たせ、その大きさに二人は目を丸くする。ジェイドは2mを越える長身、ベイリーは下垂体腫瘍だと診断、検査結果もそれを裏付ける。「私は何でもわかる」と浮かれるベイリーは検査結果と転倒時に脊椎を骨折していることをジェイドに説明、「腫瘍のせいで通常の16倍も成長ホルモンで作られており、このまま成長を続けたら体が持たない」と手術を勧める。しかし回復までに一週間かかると聞かされたジェイドは「そんなに待てない。私の仕事はアフリカでのネット環境の整備、このことで大勢の暮らしが代わり少女たちが教育の機会を手に入れ、医療の知識も広く知れ渡る。そのプロジェクト開始まで一週間しかない。手術よりも大切なこと」と拒否、ベイリーはなんとか4時間だけ待ってもらうよう説得する。難しい症例なのにリミットは4時間、その間に一週間以内に収まる治療計画を立てなければならない。集められたカリー・マギー・ジャクソン・アメリアは「不可能だ」と考えるが、ベイリーは「あなたたちは優秀、必ずやり遂げて」と言い渡した。
●4人とベンはジェイドの治療方針について検討を始めるが道は険しい。そしてメレディスもベイリーからどっさり仕事を丸投げされて大忙しだった。そして出てくるのはベイリーの横暴さへの愚痴、医師たちは様子を見にきたオーウェンの部長時代を恋しがる。いたたまれなくなったベンは席を外してしまうが、ベイリーの独裁的なやり方は大昔のあだ名「ナチ」を周囲に思い出させた。
●4時間が経ち、待ちくたびれたジェイドはついに席を立った。しかし病院を出る前にめまいで再び転倒、引き留めていたジョーが下敷きになってしまう。機転をきかせたアンドリューがドアを外して担架にし、ジェイドは緊急手術を受けることになる。不本意な手術、医師たちは誰もベイリーを見ようとはせず手術の書類にもサインしようとしない。やむなくサインすることにしたベイリーは仲間たちに嫌われていると感じ始めていた。そのことはすでにリチャードも気付いており、メレディスもベイリーへの不満を抱えていると聞かされる。大忙しのメレディスはステファニーが検査結果を素早く取ってくることを有難いと感じるが、ジョーはその理由が「部長の患者」という言葉を印籠代わりに使っていることを知って呆れていた。
●ジェイドの手術はやはり無理があり、大量出血を引き起こす。見学していたベイリーは自分の行動の結果にショックを受け離席、ちょうど階段を駆け上がってきたメレディスの報告にも耳を貸すことができない。何も知らないメレディスは思わず「これはあなたの患者。部長になったことは嬉しいけれど、仕事を丸投げされて大忙し。せめて2秒くらいは自分の患者の経過報告くらい聞いてほしい。こんなのあんまり。無礼ですみません、部長」と痛烈に批判、ベイリーはさらに打ちのめされた。
●一人佇むベイリーにリチャードはミーティングで渡そうとしていたプレゼントを差し出す。それは自分が愛用していた聴診器、ベイリーの名と外科部長と刻まれたイヤーチップを見たベイリーは「資格がない。ふさわしいと思ったしそう思っていただいたけれど、初日にしてそうではないと悟った」と言うが、リチャードは「完璧さを求めたのか。それは無理、部長職は一人で背負うものではない。私がやることができたのは前任者の助言に従い、部下に頼ったから。君は将軍になってみんなを怒鳴ったけれど、将軍は部下たち。私ができたのは部下に言うことを聞かせたのではなく、私がみんなを十分理解し才能を信じ何をすべきか指示をしてもらえると信じてもらえたから。君も信じてくれただろう。そういう信頼は一日で得ることはできない。持久走で良い記録を出したければ後ろから煽って逃げさせるのではなく、みんなが駆け込むゴールになれ」とエールを送る。
●その頃、医師たちは苦心しながらもジャクソンの対処でジェイドの出血を止めていた。そしてエイプリルから「緊急」という呼び出し、ジャクソンが慌てて隔離室に走るとエイプリルは重病ではなく話し合いを求めた。結婚の誓いを信じるエイプリルだがジャクソンはこの結婚に希望を見いだせない。「選択肢を与えたのに、君は僕の思いを無視して戦地に続けて二度も行った。一方的なのは君の方、君は変わった。闘う価値があるのかどうかわからない」という言葉に隔離中のエイプリルは何もできなかった。
●疲労困憊の医師たち、意を決して部屋に入ったベイリーはそれぞれから昏睡状態が継続したり後遺症が残る可能性があると報告を受ける。「みんなは本当に素晴らしい。私は今日一日間違ったことばかりをしたのに、みんなは凄い手術を完璧にやり遂げた。だからもし結果が悪くても、それは私の責任。明日はもっと頑張る」と静かに謝罪、医師たちもその気持ちを受け止める。そしてまもなくジェイドは意識を取り戻す。安心したベイリーはメレディスにさらに患者を引き継ぎ、「リチャードもオーウェンも部長職になったら私よりも楽だった。それは私がいたから。私にも必要、あんたならやれる。一般外科のチーフに任命する。頼ったらちゃんと支えてくれたもの。あんたはカオスの真ん中の静けさ、それは出会った時からそう。あんたが必要、もう愚痴らないで」と言葉を贈る。
●その頃ステファニーはジョーの下についたアイザックを手術の助手に引き抜こうとしていた。そしてまたも出た「部長の患者」という言葉にジョーは激怒、しかしそこに割って入ったのはアレックスだった。彼は「部長の仕事なら仕方がない」とステファニーに譲るようジョーに言い、不満顔のジョーに「泣き言は言うな。ステファニーはルールを曲げても目的を達成した。俺も思いついたら使っていた。悔しかったら次は勝て」と励ます。
●ようやくエイプリルの検査結果に問題がないとわかり、ジャクソンがきつい言葉の謝罪も兼ねて隔離室を訪ねる。めげないエイプリルは「私たちには闘う価値がある。必ず勝つ」と宣戦布告、ジャクソンは思わず呆れてしまった。
●シフトが終わり、アリゾナはカリーからガールフレンドの話を聞き後悔、アメリアはオーウェンとエレベーターに乗り合わせてしまった。ぎこちない態度に業を煮やしたオーウェンは問いただし結局キスしてしまうのだった。

ベイリーがいつか外科部長になることはわかっていました。
でもやっぱりすんなりはさせてもらえなかったし、初日は躓くのですね。ベイリーなんてチーフ・レジデントだってすんなりさせてもらえなかったし、毎回何かしらで躓く印象があります。いろいろあっても基本は真面目な人なので気負いすぎてしまうのでしょう。続きを読む

k_k2911 at 19:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) グレイズ・アナトミー12 

「グレイズ・アナトミー12(1)壁をぶち壊せ」

●メレディスは朝、アメリアが壁を壊す衝撃音で飛び起きた。それは昨夜の「壁を取り壊して光を取り込みたい」という話を受けたもの。「まだ考えてみると言っただけなのに」と怒ったメレディスはマギーにアメリアとの暮らしで溜まった鬱憤を愚痴り、アメリアもまたメレディスについてマギーに愚痴るのだった。
●同じ朝、ベイリーは部長指名を得るためにライバルを待ち受けていた。ベイリーを推すリチャードは「新たに始まる解剖学の指導はメレディスに任せておけ。部長になったらそんな暇はない」と微笑むが、キャサリンが推す心臓外科医トレイシー・マコーネルが予定より早く現れ「リチャードに病院の案内をお願いしている」と言われると不安を覚える。そして見学に無理矢理同行したのは良いが、マコーネルの快活で好奇心旺盛、仕事の傍ら自身のNPOでの活動に情熱を注ぐ姿に圧倒される。キャサリンも「ベイリーはここに馴染みすぎていて、付き合いの長いあなたに無理を言わない。でも必要なのは緊張と刺激をもたらし驚きを与えてくれる人。わかっているはず」とリチャードに釘を刺す。
●オーウェンはアメリアをコンサートに誘いたいとカリーに相談、ジャクソンは今日戦地から帰国する予定のエイプリルについて周囲に聞かれることにうんざりしているそれぞれの朝、アレックスと暮らし始めたジョーは人身事故で遅刻した。そしてERには「列車にはねられた女子生徒が二人運ばれてくる」と一報が入る。
●最初に運ばれてきたのは15歳のジェシカ・タナー、意識がある彼女は「近道だから毎日線路を通っていたら、足が線路に挟まって転んでしまった。知らない子が私を押しのけてくれた」と話し、続いて身元不明の少女も運ばれてくる。所持品を調べても身元がわからない少女は意識が混濁した状態で「ママに会いたい」と呟き、カリーは彼女の腕にジェシカと同じハートのマークがあることに気付く。二人はお互いを大切だと思っている、そう感じたカリーは他人のふりを演じ続けるジェシカを問いただし「彼女はアリーヤ。たとえ死んでも一緒にいたかった」と白状させる。
●ジェシカの担当になったカリーは「私はバイセクシャル。それは私にとっては重要なこと」と先を話すように促し、ジェシカも自分がレズビアンでアリーヤを愛していることを認める。そして「死のうとしたわけではないけれど、こうするしか一緒にいる方法はなかった。親が私をゲイ矯正キャンプに連れて行こうとしている。私は変えられ、アリーヤへの気持ちも消されてしまう。こんなことになったのは親のせい、だから連絡しないで」と懇願するが、その頃ジェシカの両親とアリーヤの父ダキール・ハメットが病院に到着していた。話を聞きつけたダキールはジェシカの両親に声をかけるが、ジェシカの母ベサニーは「アリーヤを私の娘に近づけないで。娘は誘惑された」と怒りの表情を浮かべ、何も知らなかったダキールは困惑する。
●その後もジェシカはアリーヤと凝った形に折った手紙の交換をしていると話し、その仲を周囲にからかわれ、手紙を見つけた母に全て燃やされてしまったと話す。カリー・アレックス・マギーのジェシカの主治医たちは両親に怪我について説明、想像以上に深刻な状況にショックを受けたベサニーは「あなたがキャンプのことをばらさなければこんなことにならなかった」と筋違いの怒りを夫スティーブンにぶつけ、それを見たカリーはアレックスたちが止めるのも聞かず「矯正キャンプは最低、ジェシカはそれが怖くて線路に足を踏み入れた。子供を精神的に追い込んで傷つける。虐待と変わらない」と反論、さらに怒りが増したベサニーは「子育てに関する講釈は結構、あなたの仕事は娘を救うことだけ。さっさとその務めを果たさないと外してもらう」と怒鳴った。
●ジェシカの手術、カリーはベサニーにもそんな妻を諫めることもできないスティーブンにも憤りを感じ、アレックスとマギーもジェシカを不憫に思う。そして「これはいじめ」という話になり、アレックス、そして「人と違うから標的になったが、喧嘩を覚えていじめっ子を一人殴り倒せば一気に解決した」と言うカリーは共にいじめっ子タイプ、しかし飛び級をしているマギーはいじめられっ子。マギーは自身のいじめ体験を語るがその酷さに二人は言葉を無くす。
●より状態が深刻なアリーヤの手術、一緒に手術に入ったメレディスとアメリアのギスギスにオーウェンは戸惑う。まもなくアリーヤが心停止寸前に陥るが心臓外科医は出払っていた。するとちょうど見学をしていたマコーネルが的確な指示で半信半疑のメレディスに決断を促し、アリーヤは危機を脱する。「執刀医のお手柄、私は視点を変える手伝いをしただけ」と謙遜までするマコーネルにベイリーはすっかり自信を無くしてしまった。
●手術を終えたカリーは児童保護局に連絡、ゲイへの偏見だけでなく人種差別主義的なベサニーにとばっちりで怒鳴り込まれたマギーは「あなたを見ていると吐き気がする」と言う彼女を思わず殴ってしまう。マギーは手を痛め、手術を終えた医師たちも話を聞きつけて続々と集まってくると落ち込んでいるマギーをよそにハイタッチするのだった。その後アレックスはジェシカの様子について父スティーブンに説明、同時にメレディスも隣の病室でダキールにアリーヤの病状を説明していた。目覚めない可能性もあると聞かされたダキールは「娘が8歳の時に夢を与えたくてこの国に来た。その二年後に妻を亡くし、周囲に無理だと言われたけれど一人で育ててきたがその通りだったのかもしれない」と涙を流し、その様子を見ていたスティーブンは「僕も同じ、女の子を育てるのは大変」と声をかける。そしてダキールは「娘は何も言わなかった。私たちのコミュニティではそういう話をしないが、母親がいたら言ったのかもしれない」と無力感を語り、二人は互いの娘の写真を見せ合って互いの娘への愛情を再確認する。先に手術が終わっていたのにジェシカの術後の説明を待っていたアレックスの粋な計らいにメレディスは感謝した。
●マギーは意を決してベサニーに謝罪、それでもベサニーの怒りは収まらず訴訟を起こすと言う。その声を聞いたスティーブンはついに激怒、「誰も訴えないし、謝るべきなのは君。我が子を失いかけた。キャンプにも行かせない。納得できなければジェシカを連れて出て行き、もう二度と会わせない。あの子がゲイでも構わない。愛されて幸せなら、それでいいではないか。なぜ君は親なのにそう思うことができないのか」と叫び、ちょうど運ばれてきたジェシカは安堵の笑みを浮かべた。その後アリーヤも目を覚ます。ダキールはジェシカの無事を伝え、彼女から預かったハート型に折られた手紙を代読する。
●カリーと別れて家を売ったアリゾナは同居人募集のチラシにつけた自分の連絡先が誰にも破られないことに不安を覚え、一度はサクラでステファニーに破ってもらおうとするも断られたため自分で破いてもその後に続く者はいなかった。そこでどうしても理由について口を割らないステファニーを脅迫してみると「あなたはインターンやレジデントの間ではレジェンド。様々な事故や事件から生還し、高度な専門分野を瞬く間に習得した。何人ものインターンと寝てみんなクビにしたし名前も変。本当は義足でなく、駐車場確保のために嘘をついていると噂されている」と言われてしまった。失意の中、チラシに手を伸ばす人物がいた。それはアンドリュー、「インターン仲間と暮らさないのはなぜか」とすっかり疑り深くなってしまったアリゾナに彼は「わざとアテンディングのふりをしたと思われているから仲間はいない。口もきいてもらえないのに一緒に住むなんて」と打ち明ける。
●ベイリーは延期するはずだった手術の準備に取りかかり、それを知った夫ベンは「プレゼンまで45分なのに、なぜ3時間はかかる手術に入るのか。勝負を投げ出すなんて許さない。俺やタックだったらどう思うか。タックはホルンが下手でやめたがっていたのに、今では首席演奏者ではないか。君の席はどこだ?」と発破をかける。そしてマコーネルの見事なプレゼンを聞き終えた理事会のメンバーはベイリーが入っている手術室に案内された。ベイリーは「マコーネルは外科部長に適任。でも私とはタイプが違う。彼女は輝いていてチャレンジが好き、だからこの病院にやってきたがいずれ次を見つける。でも私にとってはここが私の場所、この病院の力を信じている。このオンボロ病院に不可能なことを成し遂げさせたい。それが私にとってのチャレンジ、この仕事は私の一部。私は首席の座を勝ち取った。それをみんなはわかっているはず」とベンに的確な指導をしながら手術を進め、さらに自信溢れるプレゼンをする、これにはキャサリンも敗北を認めざるを得なかった。
●一日が終わり宿直室で横になるジャクソンは帰国したエイプリルと鉢合わせするが、疲れながらも話し合いを求めるエイプリルの声は届かなかった。帰宅してジョーと夕食をとるアレックスは自身が肥満児だったこと、それによって受けたいじめと克服した経験を話す。アメリアはメレディスの車に乗せてもらえずオーウェンに家まで送ってもらっていた。オーウェンはアメリアにコンサートを誘おうとしキスをするが、待ち構えていたマギーにアメリアをさらわれてしまう。マギーの目的はメレディスとアメリアを仲直りさせること、そして二人はぎこちなく腹を割って話し三人は壁を壊した。

大事件も起こらずに穏やかに始まったシーズン12。
みんなが普通に自分の持ち味を発揮し、ジェシカがアリーヤへの愛を認めた時に奥にいる看護師さんもにっこりするシーンもお気に入りです。
ご存じの通り私は久しぶりに見たのですが、なんかこういうの見たかったのだなと思いました。続きを読む

k_k2911 at 01:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) グレイズ・アナトミー12 

2017年05月21日

「CSI最終章 終わらない街ラスベガス」

●カジノホテル「エクリプス」で自爆事件が起こり、FBIロサンゼルス支局の捜査官キャサリン・ウィロウズは故郷ベガス行きの飛行機に飛び乗る。現場では主任のポストに志願しているサラが中心となり鑑識作業が始まり、「不謹慎だがカジノでの自爆事件にしては規模が小さく死者3名。これはテロ、無差別殺人」と考えられていた。
●キャサリンがベガスに到着、「エクリプス」で警備を担当している元刑事ブラスは「監視カメラ映像を見ると、犯人の近くにいた」と足を吹き飛ばされた従業員仲間ロミーナ・ゴンザレスに引きあわせる。「今日は非番だったのに稼ぎたくて出勤した」というロミーナは犯人が自身に娘がいることを知った上で換金カウンターについてきてほしいと言ったこと、そしてイヤホンで何者かから指示を受けていたことを話した後、娘二人の名前を告げ息を引き取る。やりきれない気持ちのまま鑑識の現場に入ったキャサリンは「利害の対立」と難色をしめすサラに「ここは私が父から引き継いだホテル。オーナーだし傍観してはいられない」と捜査を懇願、捜査の邪魔にならないように犯人の身元の特定に取り組むことした。
●キャサリンの尽力で自爆犯の身元判明、カーミミの妻は「私がイスラム教徒だから、夫をテロリストだと思うのか」と反発するもサラがたしなめると、「夫は私のために改宗してくれ、私は希望を持ってアメリカに来た。私にとっては救い人、彼がしたことは許されないし問題も抱えていたけれどテロリストではない。夫はギャンブル依存症、モスクやセラピーにも通っていた。セラピーで改善していたが、突然オフィスを閉じてしまって元に戻ってしまった」と涙ながらに訴える。
●爆発した瞬間の映像を見ていたモーガンは自爆犯から小さな金属が飛び出たことに気付き確認しに行くと、ベストの内側に布がわざわざ縫い付けられていたことがわかる。意図的に縫い付けられた金属片には刻印があり、復元し検索にかけると「レディ・ヘザー」のロゴだとわかった。「レディ・ヘザー」はグリッソムと親しいセックス・セラピスト、エクリーから「レディ・ヘザーが事件に関わっているかもしれないから、グリッソムの居場所を知りたい」と言われたサラは驚きながらもエクリーの押しに負けて携帯番号を教える。そしてグリッソムがいたのはサンディエゴの港、彼は船に不法侵入した疑いで港湾パトロールに身柄を拘束されていた。
●今では海洋生物の保護に情熱を傾け、フカヒレの密漁をしている船の証拠を押さえようと忍び込むほどになっていたグリッソム、古巣に戻ってきた彼を「今日が初日」だと言うレベル1の新人が見つけ歓迎の言葉をかける。その後、グリッソムは仲間たちと再会しラッセルと挨拶、「レディ・ヘザー」の存在で心をかき乱されているサラが行う家宅捜索に同行することになった。ギクシャクした雰囲気のまま館に到着、するとドアが半開きになっていた。中に入ると荒れた様子で夥しい血が飛び散っており誰もいない。血を分析したヘンリーは自爆犯以外の男性のものだと断定する。
●「レディ・ヘザー」は2000〜2006年の間、自宅で性的ロールプレイを提供、娘ゾーイを殺害された2006年以降はセラピストに転身し顧客は患者となった。そして3ヶ月前に突然診療を中止、それはゾーイの忘れ形見アリソンがひき逃げで死亡した頃だった。地獄を味わった彼女は人を操り復讐を始めたのだろうか。
●ロミーナの体から取り出された金属片、それは鍵の一部で自爆犯の胸に縫い付けられていた金属片と繋がった。それを見たグリッソムは「これはヘザーの地下室の鍵」と呟き向かうと、そこには爆弾製造の作業部屋が広がっていた。グリッソムは爆弾を再現し実験、爆薬C4はまだ1/4しか使われていないと確認する。

●新たな事件発生、学芸会で歌う子供たちに近づいた女性が体に爆弾を巻き付けていたのだ。爆発前に父兄が気付いて避難完了、直ちに爆発物処理班が出動する。新たな自爆犯に近づいた処理班アンソニー・ハーストは彼女を落ち着かせて爆弾を解除しようとするが、彼女は「時間切れ、レディ・ヘザーがそう命じた」と告げ起爆させた。
●彼女が父兄や子供たちを巻き込まなかったのはなぜなのか。レディ・ヘザーが黒幕ではとサラは考えるが、グリッソムは「支配者は従者を危険にさらさないのがルール。罪もない人々を危険にさらすことは彼女の主義に反している」と反論する。その頃キャサリンはロミーナの娘ヘレナとマリアに悲報を伝えていた。シングルマザーのロミーナに育てられていた二人は天涯孤独、悲しみと不安で涙する幼い姉妹に言葉を失ってしまう。
●学校で自爆した女性は過去に精神的な不安から二度休職していた教師、彼女もレディ・ヘザーの患者だった。グリッソムは彼女の机に「悪魔の吐息」との異名を持つ植物ブルンダンガを発見、これは花粉を吸っただけで判断能力を失ってしまうという恐ろしいドラッグだった。最初の自爆犯には花粉が検出されなかったが、ギャンブル依存症で自暴自棄だったから必要がなかったとも考えられる。サラは証拠がレディ・ヘザーを指し示しているのに「彼女ははめられた」と考えるグリッソムに苛立ちを覚えていた。
●サラはレディ・ヘザーの館の鑑識を再開、引き出しにあるセラピーの録音テープが3ヶ月分無くなっていることに気付く。そこに女性の影、サラと外にいたブラスが呼び止めるが、彼女は車に乗り込むと自爆する。火に包まれたブラスはサラの迅速な消火で大事には至らなかったが入院となった。彼女の信じられない行動に愕然とするグリッソムは焼け焦げた遺体の指が何もつけていないのを見ると離席、その後あるダイナーに腰を下ろす。「君の指には必ず指輪が輝いている。疑いを晴らすために出頭してほしい」と説得するグリッソムにレディ・ヘザーは「事件に関わっているのは事実」と告げた。
●生きていたレディ・ヘザーがベガス署にやってきた。彼女はサラの敵意剥き出しの態度を「嫉妬と怒りのあらわれ」と分析、館の血については「帰宅したら侵入者がいて抵抗した。娘と孫の死から私は警察を信用しなくなり通報しなかった」と説明する。自分に成りすまして自爆した女性については知らないと話すレディ・ヘザー、彼女の煙に巻く言動に耐えきれなくなったサラは席を立ち、追いかけたキャサリンはサラの心に今もグリッソムへの愛があることを指摘、冷静になるように呼びかける。部屋に戻ったキャサリンは今度は自分から犯行への関与について質問、レディ・ヘザーは「確かに事件に関わっていると言ったが、黒幕という意味ではない。おそらく犯人は館の元常連客」と答え、金の鍵を持った13人の顧客リストを提供する。
●並べられた13人の写真、そこから屋敷の血痕から女性を除外、さらにすでに死亡している人物も除外された。残ったのは5人の男性、サラは次々にDNAを採取して分析するがどれも血痕とは一致しなかった。するとそこに現れたのはグリッソムを歓迎した新人CSI、彼女は「正面玄関に荷物をお忘れです」とイラストだらけのスーツケースを転がしていた。荷物に身に覚えがないグリッソムは怪訝な顔、これは犯人が仕掛けた爆弾なのだ。直ちに避難が始まり爆発物処理班によってスーツケースの中身が何者かの上半身と判明、遺体の口の中にはマイクロSDが入っていた。記録されていたのはデジタル処理によって顔を隠した犯人の映像、彼は「これを見ている人間は精神的苦痛を味わった後で死ぬ。大勢が犠牲となり、最後はお前のためのグランドフィナーレが待っている」と挑発していた。スーツケースの遺体の身元はヘザーの娘ゾーイを殺害したジェイコブ・ウルフォウィッツ、終身刑だったはずが最近仮出所していたらしい。映像を見たサラは犯人からレディ・ヘザーへの執着だけでなくグリッソムへの敵意を感じていた。
●ラッセルが動画を解析し、耳が判別できるようになった。犯人はおそらく40代の白人男性、レディ・ヘザーは心当たりがないが、証拠を一人で見せに来たサラの本心を尋ねる。サラの心配はグリッソムが標的になっていること、彼への愛を認めたサラは質問返しをするが、レディ・ヘザーの答えは「愛していない」だった。
●捜査の合間に休憩を取っているグリッソムはキャサリンから新人CSIへのアドバイスを求められる。親しげに話しかけてくる彼女に見覚えのないグリッソムは断ろうとするが、キャサリンから「娘のリンゼイ」だと言われ驚いた。そして二人でスーツケースの指紋採取に取り組むと、リンゼイは意図的に貼られたステッカーを発見し剥がしてみると建物のイラストと緯度と経度らしき数字の羅列が出てきた。
●グリッソムは一人で犯人が指示した建物に入る。そこにあったのは精巧な人体模型だった。モルグに運ばれた人体模型、中をあらためていたロビンスは飛び出してきた蜂に刺されてしまうが、グリッソムが捕獲する。手伝うことがないかとグリッソムを気遣いやってくるサラ、蜂の生息地は森林と判明し二人はチャールストン山に向かった。
●実験開始、色分けした瓶に別の蜜を入れチャールストン山の6つに分けたエリアに配置、瓶と同じ色を塗った蜂を放つと同じ色の蜜に向かっていく。その後巣箱に戻ってきた蜂に人間の存在を示す値が出ているか検知するのだ。戻ってきた蜂たちを調べる二人、そして山の北側のルートを辿る山頂付近に人間の痕跡が出た。同じ頃動画の解析を続けるラッセルにも成果が出ていた。顔を隠している渦巻きに指紋が隠されていることに気付き再構築、犯人がレディ・ヘザーの患者の一人ダルトン・ベットンだとわかったのだ。
●ベットンのマンションは無人、しかし駐車場には警報が鳴り響き、音が鳴っている車のトランクから次々に3つの爆弾が見つかる。マンション全てを吹き飛ばすほどの爆弾は5分弱で爆発する設定になっており、処理班も居住者の避難も間に合わない。同時にワイヤーを切らなければ爆発が連鎖するため、キャサリンは自分の合図でコードを一緒に切るようにグレッグとモーガンに呼びかける。一方サラとグリッソムもある山小屋に辿りついていた。そこに現れたのはベットン、サラは「DNAは不一致だったのに」と驚くが、ベットンはリンパ腫で造血幹細胞移植を受けたためにDNAが変わってしまったのだ。二人分の遺伝子情報を持つベットンは自らに爆弾を巻き付け、さらに駐車場の爆弾のスイッチを手に「これで完全な支配者となった」とうそぶく。ベットンの目的はグリッソムへの復讐、グリッソムがレディ・ヘザーの前に現れたことで彼女が変化したことが許せなかったのだ。「お前は彼女がウルフォウィッツを殺すのを止めた。俺は彼女の一番最初の客、あの地下室で彼女と最初に寝た男だ。SMクラブをやめ、セラピーをやめたのも全てお前のせい。お前のせいで捨てられた。わかちあってきた全てを失った」とぶちまけるベットンにグリッソムは「最初からないものをどうやって失うのか。君は彼女と寝ていない。彼女は客や患者とは寝ない主義、君が彼女に執着していただけだ。君はずっと彼女の愛を求めていたが報われなかった。その孤独に君は絶望したのだ。君が完全なる支配者ならコードを引け」と近づく。涙を流すベットンはコードが引けず、グリッソムが代わりに引くと何も起きない。グリッソムはレディ・ヘザーを愛しすぎていたベットンが彼女のいない世界に旅立てるはずはないとわかっていたのだ。また駐車場の爆弾も解除に成功していた。死の恐怖に耐え抜いた三人は抱き合って喜び合う。

●事件解決、ラッセルは新天地に旅立つために荷造りを始め、ギグ・ハーバー事件で殉職したフィンの盾も箱に収める。キャサリンはベガスを去りがたい気持ちを抑えられず、戻ってくる決心をしていた。サラは今回の手腕が認められ主任に昇進、グリッソムは証言をしてくれたレディ・ヘザーに感謝を述べに行く。捜査への協力、そして自分の心の殻を破るように勧めてくれたことへの感謝、そのおかげでグリッソムは人を愛する大切さに気付いた。サラへの愛と友情が生涯続くことを口にしたグリッソムはまた別々の道を歩むことの淋しさを隠すことができない。隣の部屋で全ても見守っていたリンゼイはレディ・ヘザーの証言の録画を届けに新たなボスであるサラのオフィスに向かい、最後まで見るように勧めた。
●グリッソムの本心を知ったサラは彼の船を訪ね、互いの愛情を確認する。そして二人を乗せた船は出航するのだった。

え、これって結局サラは決まった主任のポストを辞退するってこと?
その後任にキャサリンってわけですか。またエクリーは写真撮影しなければならないですね。続きを読む

k_k2911 at 00:05|PermalinkComments(4) CSI15 

2017年05月14日

「CSI15(18)別れの夜」

●サンディエゴのCSIからニックに正式にチーフの打診が来た。ラッセルは「飛躍のチャンス」とニックに検討するよう勧め、ちょうどそこに入室したフィンは業務報告をし退勤する。自宅に到着したフィンは母からの小包を開封、しかしそこに入っていたのは双子の像と何者かの指、驚くフィンを待っていたかのように着信、「脅かすだけじゃ足りない。これは終りの始まり」と言う声の主は逃亡犯ポール・ウィンスロップだった。
●すぐに証拠品を手にCSIに戻ったフィンと話を聞いたラッセルは家族に警護を手配、「ウィンスロップのメッセージは死んだブリスコと一体となりパワーは一層増したということだろう」と言い合う。フィンはエクリーから「ダニエルはウィンスロップの情報と引換えに司法取引を要求している」と聞かされ、意図を探るべく面会へ。するとダニエルは「捜査に協力したいだけ」と司法取引をちらつかせようとする弁護士に激怒し解任していた。ダニエルは「俺はウィンスロップの殺人の共犯ではない。フィンになら話してもいい。女子大生の売春を斡旋していたレベッカ・ローウェルは裏である男と繋がっていて、その男にウィンスロップの会社から大金が流れていた。48時間くれたら落とす自信がある」と仮出所を要求する。
●ウィンスロップの捜査が再開。ニックはオファーについてサラに迷う気持ちを打ち明けると、すでにフィンから聞いていたサラは「グリッソムなら最善を尽くせる場所に行けと言うだろう」と背中を押す。その頃仮出所に成功したダニエルは教会で説教する裏でポン引き業にも精を出すブラザー・ラーソンに接触していた。フィンも姿を現し「ウィンスロップに女子大生を紹介していただろう。共犯者なのか、今なら死刑を免れる」と迫ると、ラーソンは「確かに女子大生を斡旋して金を受け取っていたが、金は兄弟の父コリン・ウィンスロップから出ていた。事件が起きた時コリンを疑ったが、結局は家族ぐるみだったらしい。俺はコリンから献金を受け取っているが、付き合いは切れている」と話した。
●ラボではフィンの家に届いた小包の分析が進んでおり、切断された指は確かにポール・ウィンスロップのものだが赤い液体は血ではなかった。また梱包に使われていたひもはやはり人間の組織から作られたものであり、双子の置物には微量の血痕が付着していたがそれは女性の双子二人の飛沫血痕だった。ウィンスロップは双子を殺害した凶器を送りつけてきたのだ。
●ホッジスはヘンリーから引き継いだ指についた赤い液体を分析、タトゥーに使われるインクと断定する。その色は珍しい朱色でブリスコのタトゥーに使われていたもの、そこから離婚によってシアトルからネバダに引っ越して双子の妹と住んでいるタトゥーアーティストが浮上した。アメリアとマーゴのヴァンス姉妹の部屋に突入開始、そこはすでにウィンスロップによって鑑識が施された事件現場だった。
●再び起きた遺体なき殺人。そこにはブリスコと同じタトゥーを施されたウィンスロップの写真が置かれており、文字通り一心同体になったようだ。しかしサラは現場に違和感を感じていた。鑑識は以前とは違い雑で、緑の糸で作られた双子座も直接的な表現、凶器もかぎ竿ではなく置物、そこで血の色から死亡時刻を割り出す最新装置を使ってみると12時間前と表示される。今までは殺害後数週間は経っているのにと首を傾げるサラは今回も残されていたICレコーダーを手にすると、「犯人の手口は変わった。被害者も女子大生ではなくタトゥーアーティスト、だから選ばれた。特殊な性的嗜好から新たなステージへと犯人の行動心理は形を変えたようだ。ラッセル、お前は他と同じように双子を引き裂こうとする過ちを犯した。災いを起こした張本人への制裁はこれから」と流れてきた。解析の結果、録音に第三者の痕跡はなかったが、怪我をしていたウィンスロップをかくまった人物は確実にいる。
●今回の現場で新しく見つかった縄を分析したホッジスは「人の組織ではなくガーデニング・マニアの影がちらつく。縄は外来種のよくある植物の繊維で編んで作られていたが、付着していた黄色の粉はアルテミスというサボテンの花粉だった。アルテミスはゼウスの娘でアポロンと双子、サボテンのアルテミスは希少価値がある高価なもの。だから育てられるのは温室を持つ裕福な愛好家だけ」と報告、その人物こそがウィンスロップの相棒なのだろう。
●園芸愛好家を調べたところ、兄弟の父コリン・ウィンスロップが浮上、彼は2006年に性的暴行で弁護士秘書に訴えられておりその時は不起訴となったが、他にも複数の被害者が名乗り出、結局メキシコに逃げていた。金銭面での援助はできるが直接的な相棒ではないと落胆するフィンにダニエルは「実は国内にいるのかも。ウィンスロップの金銭面を洗っていた時にある自然保護団体への寄付を見つけた。てっきり隠れ蓑で実態のない団体だと思っていたが納税記録によると希少植物保護のための団体で大金を寄付していた。きっとそれがコリンに流れていたのだろう」と告げる。団体の場所はサンディエゴの管轄、そこでニックの出番となった。
●主任のノーランから「新しくボスになる人物に協力を」と指示を受けていたエリスはニックに丁重に挨拶、団体の敷地を包囲しコリンを監視していると報告する。ウィンスロップの姿はないが裏からすぐに逃げられる離れが怪しいと聞いたニックは手早く分担を決めた。フィンとダニエルはコリンがいる温室に行くと「確かに親子ともども世間には容認されない性的欲求があるかもしれない。でも私は残虐な殺人鬼ではない。私への逮捕状がないなら出て行ってくれ」と言われてしまう。同じ頃ニックはエリスを連れて離れに向かっていた。そこには傷を治療した痕跡があり、奥には鑑識道具が並べられウィンスロップがいたことに間違いない。すでに逃亡したのかウィンスロップの姿はないが冷凍庫にはタトゥーアーティスト姉妹の遺体が入れられていた。ニックからの知らせを受けコリンを逮捕、その直後フィンは再びウィンスロップからの着信を受ける。「似た者親子と思っているのなら大間違い」、その言葉にフィンは注意を促すが一瞬遅くコリンは狙撃される。そしてフィンが狙われていることに気付いて身を投げ出したダニエルも被弾、二人とも死亡してしまった。
●500m離れた場所から狙撃に使われた銃を発見、周辺の捜索が始まったが土地勘のあるウィンスロップには追いつけないだろう。ラッセルとエクリーはフィンの身を案じてすぐに自宅に帰るように指示を出す。その指示に従ったフィンはダニエルの娘エイミーに連絡、悲報を伝えた。
●サンディエゴから送られてきた双子姉妹の遺体の死因はやはり頭部への鈍器損傷で、体中に数え切れないほどの骨折もあったが今までとは違い性行為の痕跡も出た。姉妹は二人ともウィンスロップと相当過激な性行為をしたようだ。コリンの家から押収した証拠を分析しているモーガンは「コリンは高画質の防犯カメラをあちこちに設置していて、そこにブラザー・ラーソンの姿も映り込んでいた」とラッセルに報告、最先端のソフトを使った解析を提案する。それは映像を使って植物の微細な振動を記録して音源を分析するという方法、そこからその場で言われた会話を復元すると「娘の居場所を言え」と怒鳴るコリンからラーソンが金を引き出そうとするものだった。コリンは「ポールがメイとの関係に気付いた。見つけて殺す気でいる」と言っていた。
●自分とコリンの会話が復元されたことに驚くラーソンは「嘘は嫌い。コリンの娘メイは15歳の時に失踪し家出と判断されたが、居場所を知っているのだろう。協力しないと今度こそ刑務所行き」と強硬な態度に出るラッセルに「15歳の少女が妊娠し修道院へ逃げ込んだ。そこで双子を産んだが育てられるはずはない。だが自分の父親には渡したくなかった。それは父親がコリンで近親相姦だったから。メイは息子を隠すためにナンシー・ハーパーと名乗り、ブリスコはすぐに引き取り手が見つかったが病弱なポールはなかなか見つからなかった。だから死んだとみせかけて必死に隠したがコリンは探し出して引き取ってしまった。そしてメイも消えてしまった」と打ち明ける。しかしそれも嘘、すでにウィンスロップとブリスコの父親はラーソン自身と調べはついていて追い詰められたラーソンは「確かに嘘。でもそれはメイを守るため。ウィンスロップは母親の幻を何度も殺してきた。今はブリスコも失い破滅へと向かっている。必ずメイを探し出すだろうから、守ってほしい。メイは修道院からずっと出ていない。フィンが会っているはず、シスター・アリスに」と話す。
●ラッセルはサラに修道院の警護をシアトル警察に依頼するように指示を出し、自身は囮に使うためにシスター・アリスを保護しようと考える。そして連れて行くためにフィンの部屋を訪ねた時、ドアの血痕に気付いた。中に入ると鑑識済みの現場、背後から現れたウィンスロップは「フィンを殺した」と告げる。怒りと絶望に支配されそうなラッセルにウィンスロップは「かけがえのない人を奪われた痛みがわかったか。フィンが苦しんだかプロの目から推理してみろ」と銃を向け、冷静さを取り戻したラッセルは「致死量の血ではない。飛沫血痕もなく糸も余っている。まだ途中だったのに私が現れたのだろう。フィンはどこだ。母親の居場所を知っている。コリンはお前の父親じゃない。お前の父親はポン引き。母親に会いたくないか」と逆に凄んだ。
●シスター・アリスが姿を消したという知らせを受けたモーガンはラッセルに報告しようとするがフィンともども連絡が取れない。そのことを知ったサラはフィンの部屋に急行し、ラッセルの車があることを確認した。そしてフィンの部屋に突入、警官が銃を手に振り返ったウィンスロップを撃った。ラッセルは痛みに苦しむウィンスロップになおもフィンの居場所を尋ねるが果たせず、「砂漠に埋めたと言っていたが、近くにいるはず」と捜索を指示、遅れて到着したグレッグとモーガンが「遺棄には車が必要」と駐車場にある車を一台ずつ照会を始める。そして見つかったカリフォルニアとの州境で盗まれた車、トランクを開けると虫の息のフィンがいた。
●フィンは昏睡状態が続いており、いつ意識が戻るかどうかわからない。しかしウィンスロップは生き延び、裁きを受けることになるだろう。ようやく落ち着きを取り戻しつつあるCSI、ニックはサンディエゴの主任になることを決意、しかしフィン不在で混乱する古巣にしばらく残ろうかと考え始めていた。そのことを知ったラッセルは「フィンの運命は我々にはどうにもできない。だが彼女だったらさっさと行けと言うだろう」とサラと同じように背中を押した。ニックは仲間たちとの写真を見ながら荷物を整理、旅立ちを知った長年の仲間サラとグレッグはニックの成功を喜ぶ。

レギュラー放送最後、ついに双子の事件が解決。
引っ張ったわりにやっぱりあっさりとした終わり方でした。続きを読む

k_k2911 at 16:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0) CSI15 

「CSI15(17)サソリの巣窟」

●モールのトイレで血だらけの男性の遺体が見つかった。男性はまるで吐いていたかのように顔を便器に埋めているが首に深い傷があり、殺した後に便器に押しつけられたのだろう。まだ体は温かく死後一時間以内、スマホから身元はピート・コーデイと判明した。
●現場検証開始、犯人は血が飛び散るのを防ぐために便器の上でピートの首を切り、シンクでナイフを洗い流して清掃中の札を下げた。ピートのスマホには殺される直前に少女と写っている画像が保存されており、彼女が何かを知っているかもしれない。画像に写り込んでいるショップのバッグからカードの履歴が調べられ、サンディエゴのCSI主任ジョン・ノーランのものだとわかった。かつてノーランにチームに誘われたことがあるニックは親戚の結婚式でベガスに来ていたノーランと対面、殺人の参考人としてスマホ画像を見せると「13歳の娘のカーラ」と絶句する。ノーランによると離婚で長女レクシーは母トーリと共にベガス、次女カーラは自分とサンディエゴで離れて暮らしていた。二人とも親族のランチに姿を現しておらず行方不明、携帯の信号を追うことになった。
●ピートの背中に落ちていた物質はサソリの殻だとわかったが、ベガスによくいる種類のものだった。ピートの死因はやはり失血死、犯人は力の強い右利きの人物で男性とみられ、姉妹は目撃者でさらわれたのかもしれない。姉妹がメイク用品を買った店のカメラ映像には、姉妹が男性二人と落ち合う姿が映っていた。男性のうち一人は殺されたピート、もう一人はレクシーと親しげで顔認証システムにより未成年の少女をメキシコに送ろうとした前歴があるアクセル・ヴァーガスと判明、首にサソリのタトゥーがあるアクセルは「ピートを殺していないし、姉妹の行方もわからない。レクシーとは先週出会ったばかりでモールに誘われていちゃついただけ。その後はバーテンダーとして働いていた」と主張した。
●姉妹のスマホの信号を追うグレッグとモーガンはまもなく液晶が割れた二人の携帯を発見するが、姉妹の姿はなかった。そしてスマホからレクシーが車内を撮影した映像が残されていたが、カーラが犯人にナイフを突きつけられていた。顔は映っていない犯人、しかし首にサソリのタトゥーがなくアリバイも証明されたアクセルは容疑者から外される。
●エクリーの依頼で捜査情報をノーランにも共有するニックは彼を恨む人物についての捜査ファイルの提供を求める。彼はレクシーが撮影した動画を見るが見覚えはなく、自身の経験と緊迫した雰囲気から状況を悲観してしまう。レクシーは犯人に携帯を取り上げられて捨てられる前にどこかに動画を送ろうとしていた。その番号を見たノーランは「私の番号だ」と呟き、ニックは「疎遠になってはいても、身の危険を感じた時に心から頼りたかったのはあなた」と声をかけた。
●ノーランが手がけた事件ファイルの確認が進められるが脅迫を受けていた様子はなく、わざわざ復讐するのにベガスに来る必要もないだろう。これはノーランに関係ない突発的な犯罪なのかもしれない。そこに現れたグレッグは「レクシーは熱烈な男性ファンから卑猥な写真を送られていた。警察に見せると嫌がったら「母親そっくり」と罵倒のメールが送られていた。送り主は中古車販売をしているデニス・ヘイズ」と報告した。
●ヘイズの捜索が始まった頃、ベガス署には姉妹の母トーリがやってきていた。レクシーが撮影した映像に涙を流すトーリは「ヘイズは元恋人の友達、数回しか会ったことがないから彼かどうかはわからない。彼とレクシーの接点は一度だけ。自宅で開いたパーティに来て、体調が悪くて寝室で休ませていたレクシーの様子を見に行くと意識を無くした娘の服を脱がそうとしていた。すぐに追いだしたけれど通報はしなかった。私も娘も飲酒とドラッグをしていたから」と話し、それを見ていたノーランは「親権を渡さなければ良かった」と激怒、トーリも「レクシーはあなたを嫌っていた」と応戦し口論に発展、サラは冷静になるよう呼びかける。
●モーガンが動画に映り込んだダッシュボードの形状から車種を犯人の車種を割り出した。中古車販売業のヘイズなら手に入れられるはず、捜査の進展を喜んだニックだがある知らせに顔を強張らせる。リフォーム中の家のゴミ箱から見つかった遺体をニックはレクシーだと確認するも、カーラの姿はない。周辺の住民は22時半頃にゴミ箱の扉がきしむような金属音の後にSUVが走り去るのを目撃していた。モルグではノーランが娘と対面、爪が折れているのを見たノーランは「強く恐れを知らなかったレクシーらしい。似た者同士だから反発したのか。娘がチケットを取るために徹夜で並びたいと言ったが許さず、勝手に行ったので連れ戻したら一週間無視された。事件は私の責任、離婚して親権を取りたかったがレクシーは嫌がり自暴自棄になったのに力になれなかった」と項垂れ、ニックは「あなたのせいではない」と繰り返す。
●レクシーは硬く平らなもので殴られたことが死因、性的暴行は受けてなかったが合意での性行為は確認された。ニックは肩の斑点に目を留め、「サソリではないか」と考える。組織を調べた結果、やはりレクシーはサソリに刺されていたがそのサソリはピートに付着していたありふれたサソリではなく、イスラエルにしかいない猛毒のサソリだった。分析を担当したヘンリーは「レクシーの死因は鈍器損傷だがサソリも関係していると思う。レクシーの足の切り傷から逃げだそうとしたはず。毒のせいで走ることができず犯人に追いつかれたのかもしれない。ヘイズはサソリの愛好家ではなく、アリバイも確認できた」と報告、犯人は危険なサソリをペットとして飼う愛好家のようだ。
●該当のサソリの寿命から2008年以降の購入者を調べ、犯人の車シボレーの所有者で絞り込むとキーラン・クラークが一致、しかし自宅とされた倉庫にはサソリがいるだけでキーランもカーラもいなかった。肩を落とすグレッグとモーガンはキーランがカーラそっくりの女性の隠し撮り写真を大量に貼りだしていることを確認、レクシーの死に打ちのめされているノーランはカーラの死を考え始めてしまうが、ニックは「決して諦めない。このまま屈するわけにはいかない。お願いだから諦めないで。この俺が必ず見つける」と力強く断言する。
●おそろしいことにキーランは普段は学校や子供のパーティーで虫について講義している男だった。彼が執着している女性は元ペットショップ従業員のジェニファー・デマーカス、彼女は初デートでキーランの異常性に気付いたのか交際を断ったがキーランは納得しなかった。ストーキングで通報もされており、今ジェニファーはキーランとの接触を避けるために地元に戻ったという。キーランはモールで彼女とそっくりのカーラを見つけ、邪魔なピートを始末したが、その間にレクシーと落ち合っていたために二人ともさらったのだろう。
●ホッジスがレクシーの頭部の傷から採取した石の欠片を分析し、駐車場などのコンクリートに使われる防水用シーリング剤だと断定する。レクシーの遺棄現場にその痕跡はないため殺害現場で付着したものだろう。サソリに刺されたレクシーは遠くまでは走ることができず、頭部に付着したのも塗られたばかりで乾いていなかったから。数日前に塗り直された駐車スペースで捜索を開始、ニックは有力な場所に先に向かうことにしフィンは「応援を待って」と忠告する。
●現場に着いたニックは家の前にシボレーが停車しているのを確認、そのまま家の中に突入してしまう。カーラにナイフを突きつけ「出て行け」と叫ぶキーランに「彼女はまだ13歳のカーラ・ノーラン。何も関係がない子」と説得を試みるも聞き入れてもらえず射殺した。
●カーラは軽傷で済み、ノーランは決して諦めなかったニックに感謝し娘を支えるために引退を決意する。そしてそれを惜しむニックに後任を打診、「すぐに答えを出さなくても良いが、考えてほしい」という言葉にニックは弱りながらも頷く。

前回から思っていましたが、「本決まりではなかったものの、これで最終回間近?」っていうエピが続きますね。
シーズンフィナーレとしてもわりと通常営業で盛り上がりに欠けるというか。続きを読む

k_k2911 at 16:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0) CSI15 

2017年05月07日

「CSI15(16)光る女」

●登山口で全身がアルミ色に光る女性の遺体が発見される。鈍器損傷が認められ死亡推定時刻は0〜3時、ニックはその奇妙な光景に「富豪のパーティーの花として派遣されたのかも」と考える。
●遺体を覆うシルバーの塗料は丁寧に洗い流されたが、彼女は肺の中もシルバーだった。死因は鈍器損傷ではなく塗料による窒息死、ロビンスは「鼻や気道からドラッグの常習者、パーティーガールなのだろう」と指摘、さらに「窒息死の前に抵抗したようで背中に線状と特徴的な形の打撲痕があり、何かに強く押しつけられたようだ」と報告する。まもなく指紋から窃盗やドラッグの前科が多数ある地元住民のエヴァ・モントローズと判明、連絡を聞いて駆けつけた母親ルースは「娘はドラッグに依存していて、いつかこんな日が来るのではないかと考えていた。最後に会ったのは何ヶ月も前」嘆き、付き添う恋人ダンカン・ライデルも「父親面しているとエヴァに嫌われていた」と話し、現在のエヴァの様子を把握していなかった。
●ホッジスは塗料の分析を開始、硫酸クロムカリウムという環境に優しい車の塗料だとフィンに報告する。肘から採取されたガラスの破片も車のヘッドライトで1939年に製造中止になったクラシックカーだと聞いたフィンはエヴァの背中の打撲痕をエンブレムだと考え調査を開始、見事パッカード社の車で首の傷もオーナメントが刺さったためだと断定する。
●1938年のクラシックカーの所有者は少なく、ベガスでは二台。その一台も火事で焼失したとわかったため、残るは投資銀行の行員カルロ・デローサだった。呼び出しに応じないカルロの職場の駐車場にたどり着いたフィンとサラは忙しそうに電話をしているカルロに半ば無理矢理話を聞かせる。エヴァの写真を見たカルロは「一年前まで交際していた女性。パッカードは保管庫にある」と驚き、案内してくれた。
●「クラシックカーのコレクションが趣味だった父が周囲に披露するために作った」、そう保管庫について説明するカルロは生産中止の車ばかりが並ぶ車の天国に胸を張る。しかしそこにやってきた弟アーロンは「バイヤーを呼ぶな、売るつもりはない」と激怒、兄弟喧嘩が始まった。整備スペースにあるパッカードを見つけたフィンは割れたヘッドライト、容器に貯められたクロムを見つけ、ここが事件現場なのだと確信する。クロムは容器から転々と滴がしたたり落ちた様子で、それを追うと空いた駐車スペースにたどり着き、そこにあったはずの車は76年型キャデラックだった。
●保管庫に出入りできる人間は兄弟の他には二日前からイタリアに行っているベテラン整備士ルビオだけ。事件当夜は兄弟はともに一人でいたためにアリバイにはならなかった。カルロは「ここにはエヴァと何度も来たから、暗証番号を覚えられてしまったのかもしれない。彼女はキャデラックを気に入っていた。当時は二人でドラッグなど無茶をしたけれど僕はやめた」と話し現在の状況に困惑する。無くなったキャデラックは兄弟の父でマフィアのアルフォンス・デローサが愛人ヴェラと共に射殺された場所であり100万ドルの価値があった。母が亡くなった二ヶ月前に他のコレクションと共に兄弟が相続、兄カルロは売却を望んでいたが弟アーロンは大反対、カルロは「弟は才能の無い絵描き、維持費もないのだから諦めるべきだ」と鼻で笑う。
●ベガスのマフィアに詳しく本を出したこともあるグレッグは現場に到着するとアルフォンスの写真の前に立つ。そしてシアトル出身のフィンに「アルフォンスはシカゴの高利貸しピート・バモンテと縄張り争いをしていて、ドライブデート中に射殺された。受刑者のタレ込みによってバモンテの部下がヒットマンだったと判明、そのヒットマンは服役中に死んだ」と説明した後、現場検証を始めた。
●現場検証で車の下からエヴァのものと思われる折れたヒールを発見、周辺からは男性もののローファーの靴跡も見つかる。犯人はおそらくエヴァをクロムの容器に沈めて殺害した後、遺体を包んでキャデラックに乗せ遺棄するために走り去ったのだろう。そしてグレッグは付近のピザ店で配布されている販促用のマグネットを拾い、そこにシルバーの塗料が付着していることに気付いた。
●ラボでは分析が進み、保管庫の暗証番号のキーパッドのDNAはエヴァと一致したと確認されていた。やはり保管庫はエヴァ自らが入ったと思われ、ホッジスも「販促用のマグネットを配布していたピザ店のカードの履歴を調べると、車の査定士ケン・ビクスラーがいた」と報告する。マグネットは車のパーツが純正品が修理済みかを確認するために使用されるのだ。
●呼び出されたビクスラーは「デローサ夫人が亡くなった後、遺族から査定の依頼を受けた」と二ヶ月前に保管庫に入ったこととピザのマグネットを査定に使用したことを認める。以降は保管庫に行っていないと主張する彼に「現場に落ちていたマグネットは今週のセールのために配られたもの」とサラが詰め寄ると、「カルロからキャデラックの再査定を依頼され三日前に行った。もしかしたら買い手が見つかったのかもしれないが、アーロンは知らなかった」と打ち明け、マフィアの車を売る恐怖をのぞかせる。
●その頃モーガンはエヴァの折れたヒールを分析、コンクリートと酸化チタンの付着を確認する。これは環境に良いと評判の舗装材で、工業地帯の道路に採用されていた。そのことで近くにエヴァが借りた倉庫の存在が明らかとなり、車を隠すのにちょうど良いサイズの倉庫に向かったニックとクロフォード刑事は鍵が壊されていることに気付く。そして慎重に中に進むと、キャデラックのそばにアーロンがいた。
●車を売却から守るためにエヴァを雇ったのか、そう疑われるアーロンは「エヴァは問題を抱えていたが心は美しく愛していた。エヴァを利用して車を盗ませたのはカルロの方、俺はエヴァ名義のカードを作っていたから請求明細を見て倉庫の存在を知った。だから車を取り返すために行っただけ。あの車は俺の全て。子供の頃、夜中まで絵を描いていると父が二人だけのドライブに連れ出してくれた。父が殺された夜もそうで、父はダイナーで俺を下ろして一時間で戻ると言った。清廉潔白な人ではなかったが俺には優しかった。カルロとは似すぎていて折り合いは悪かった」と弁明する。
●オークションサイトにはすでにカルロによってキャデラックが売りに出されていた。買い手もつき手付け金も支払い済で、アーロンによって売買は阻止されたのに手付け金は返されていなかった。憧れの車を入手する直前で台無しにされた第三者が犯人なのか、手付け金を支払った人物は海外の口座で名義は不明だった。
●押収されたキャデラックの鑑識が始まり、座席から茶色の繊維やシルバーの欠片も見つかる。トランクには塗料と血が付着した防水シートがあり、遺体の運搬が行われたに違いない。そして同じ場所からビクスラーが作成した査定書のコピーが見つかった。
●オークションサイトから印刷された査定書、そこに付着していたDNAはなぜかエヴァの血縁にある女性と断定された。呼び出された悲劇の母ルースは車を盗むためにエヴァを利用したことを認め、「少し前に知り合ったドバイの富豪がマフィア関連の品を集めていると聞き、オークションサイトを教えた。査定額の倍の200万ドル出すと言われ、高利貸しから借金をして手付け金を支払った。でも私は娘を殺していないし、保管庫にも行っていない。エヴァは車を盗むのに悪い人間に声をかけ、トラブルになったのだと思う」と犯行を否定する。
●アルフォンス・デローサの死について調べるグレッグは殺害の黒幕ピート・バモンテに息子がいると知る。成長した息子は母方ライデルの姓を名乗っており今はルースの恋人になっていた。複雑な人間模様に頭を悩ませるグレッグ、そこにフィンから「キャデラックから見つかった繊維は麻でクラシックカーには使われない。塗料もクロムではなかった」と意外な報告を受ける。キャデラックは手が加えられている、そこで助手席のヘッドレストを外してみると塗料が剥がれていた。麻も現在なら詰め物に使われており、グレッグはルミノールを吹きかけヘッドレストに反応がないことを確認、「これはアルフォンスが殺された時のものではない」と断言する。なぜ犯人は助手席のヘッドレストだけを持ち去ったのか。ヒットマンは物的証拠がなくタレ込みだけで逮捕されたため、他に真犯人がいてヘッドレストに決定的証拠があったのかもしれない。
●第一容疑者は当時18歳のライデル、しかし交換されたヘッドレストの分析の結果は意外な人物を指し示していた。最後に呼び出されたのはビクスラー、すでに査定事務所の裏のゴミ箱からビクスラーの指紋が付着した本当のヘッドレストも見つかっている。事件当時は鑑定できなかった銃弾も今ではビクスラーが昨年窃盗被害にあった時に発砲した銃と一致したと確認された。アルフォンスとヴェラは二発の銃弾で命を落としたと考えられていたが本当は三発で、一発だけヘッドレストに埋まってしまったのだ。ビクスラーは「狙いはヴェラの方、私の婚約者だった。あの二人は死んで当然、売人の資金洗浄を手伝ったことがありエヴァのことは昔から知っていた。査定の時に証拠が残っていることに気付き、その後彼女からキャデラックの窃盗の手伝いを頼まれた。だからエヴァを追い払ってヘッドレストの交換作業をしたが、戻ってきて異変に気づかれたから殺した」と全面自供する。
●事件は解決し、ビクスラーの自供によって証拠品から外されたキャデラックはカルロが取りに来ることになる。兄弟は歩み寄り、車はマフィア博物館に寄贈されることになった。

最後に満面の笑みでキャデラックに乗り込むフィンとグレッグ。あの車で二人が死に、一人の遺体が運搬されたのですがね。
やっぱり感覚が麻痺しちゃうのでしょうか。私ならどんな高級車でもちょっと遠慮したいです。続きを読む

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2017年05月06日

「CSI15(15)スーパーヒーローの死」

●路地でゴミにまみれた男性の遺体が発見され、駆けつけたニックとサラは彼の格好に目を丸くする。被害者はマントのようなコスプレ姿で近くからマスクも見つかり、ヒーローを気取っていたよう。付近の路上はべたついていて靴跡から複数から暴力を受け、被害者自身も応戦したと考えられる。そして近くから見つかったリュックサックの中のスケッチブックにはヒーローがギャングを倒すイラストが描かれていた。付近はギャングが幅をきかせているエリア、強盗や暴力行為を繰り返すギャングがついに殺人にまで手を染めてしまったのだろうか。
●鑑識作業でさらにスタンガンと催涙スプレーが見つかり、死亡推定時刻は昨夜0〜3時とみられた。複数の靴跡の中に一人だけ裸足のものもあり、サラは規制線の外にいるホームレスが裸足であることに気付く。ホームレスのロジャーを署に連れて帰り、食事と落とし物の靴を与えたサラは彼から「捜し物をしていたら顔を隠した複数の悪党に小突かれた。その時に光から現れたバッドマンみたいな人が僕を助けてくれた。僕は逃げたけれど、近くで赤いピックアップトラックを見た」と重要な証言を得る。
●靴跡は広く使われている作業用ブーツだったが、ほぼ全員の靴跡に小さい粒が付着していた。そして近くの質店の防犯カメラにギャングが無人の店を襲う様子が映されており、それは死亡推定時刻の一時間前だった。質店の鑑識も開始され、同様の被害が集中していることからギャングは地元の人間と思われた。フィンは割られたガラスに血痕が付着しているのを発見、そこから強盗犯を服役囚マーティン・プリーチの血縁者だと断定する。プリーチには軽犯罪で逮捕歴がある19歳の息子トレイがおり、彼の紫のモヒカンを見たサラはイラストのギャングとそっくりと声をあげた。
●呼び出されたトレイは自分に殺人の疑いがかけられていることに驚き、被害者の写真を見ると「何度かみかけたことがあるオタク。でも殺していないし触れてもいない」と完全否認、確かに路地の靴跡とも一致しなかった。彼は強盗犯なだけ、でもイラストに描かれたのはトレイのことと思われた。
●もう一度唯一の目撃者と話をするためにグレッグとモーガンが路地に戻るがロジャーの姿はない。そこに現れたのは被害者と同じようなコスチュームに身を包んだ男女、二人はヒーローを気取った自警団で仲間が殺されたと聞くと素直にマスクを外し「彼はドミニオン、最後に見たのは昨夜で今夜も来なかったから探していた。ドミニオンの本名はブラッド・ジェフリーズ」と話してくれる。
●ブラッドの母は「息子は人助けをしたかっただけ。10歳の時に父親を亡くしてから正義に取り憑かれるようになり、コミックやゲームにはまった。心配だったけれど生きがいと言われたら反論できなかった」と涙を流し、その恋人セスは「見回り活動を始めたのは10ヶ月ほど前から。ブラッドには現実はコミックと違うとやめるように言っていた。こういうことになるのを危惧していた」と話す。ブラッドの親友でヒーロー仲間ティナとスコットはいつもブラッドの家の地下でトレーニングを積み、衣装もそこに保管されていた。ティナは17歳の時にあった被害、スコットは過去の悪行の償いとして活動にのめり込んでおり、二人にイラストを見せてみると「最近近所で暴れているティサイプルズ。イラストはブラッドの空想」と答えた。ニックはブラッドが描いた他のイラストを見、赤いピックアップトラックを発見、二人から「前に出くわした悪党、男が売春婦を突き飛ばしたから割って入った。男は逃げようとし、ブラッドがフェンダーを叩いた」と聞き出す。
●検死の結果、ブラッドにつけられた多数の痣や傷はどれも致命傷ではなく頭蓋底への一撃による即死と断定された。そしてブラッドの遺体の痣には生活反応があり、致命傷を負ったのは暴力行為から少なくとも60分後のこと、おそらくブラッドは最初の暴行により意識を失い、60分後に何者かに殺害されたのだろう。凶器は棍棒のようなもの、ブラッドの首には縞模様のような痣がありイラストでブラッドが手にしていた武器と同じだった。
●ギャングの靴跡に付着していた黒い粉は念入りに焼かれたクルミの殻だった。詳細な分析をしたホッジスは最近火事を起こした企業の現場から採取したサンプルとの一致を確認、立ち入り禁止の火災現場に入ったサラもクルミの殻が散乱しているのを見つける。今そこに出入りしているのは解体業者だけ、そして現場監督トニー・アグレロの車は赤いピックアップトラックだった。
●アグレロの行方を追うニックたちは傷のついた赤いピックアップトラックを発見、続いてキーがささったままの赤い作業車を見つける。状況からさっきまでここにいたはず、しかしあたりを見回したフィンは血だまりを発見し顔を曇らせる。まもなくアグレロの遺体が見つかり、滑車に工具痕があった。何者かが修理のために隙間に入ったアグレロを殺害したに違いない。顔にも痣があり、ついたと思われる時間は路地の事件とほぼ同じ、やはりブラッドを暴行したのはアグレロで仲間を部下として雇っていたのだろう。検視をしていたデヴィッドは車体にある不思議なこすり傷を発見、それは鋲でこすられたような形状だった。アグレロの死亡推定時刻は昨夜0時頃、それはニックがティナとスコットに赤いピックアップトラックの話をした直後のことだった。
●サラはブラッドの家の地下室でトレーニングをしているティナを詰問、ティナは確かに赤いピックアップトラックの持ち主がアグレロであることを黙っていたことを認めるが、「殺人は主義に反するし、その時間はブラッドのお母さんと話をしていた」と疑惑を否定する。しかしサラはスコットのコスチュームに血が付着しているのを発見、スコットに疑いの目を向ける。
●芋づる式に逮捕されたギャングたちはボスの命令でブラッドに暴力を振ったことを認めた。アグレロは車を傷つけたブラッドを恨み、彼が徒歩で帰宅することや自警団をしていることを知り、わざとホームレスにいちゃもんをつけブラッドをおびき寄せたのだ。それでは誰が60分後に現場に戻ったのか、ギャングたちは暴行の途中でアグレロの覆面がはずれてしまったことを思い出し、身元がわかってしまったと感じたアグレロが現場に舞い戻った可能性が高まる。しかしその仮説はアグレロのアリバイが証明されたことで覆されてしまった。
●身柄を拘束されたスコットはニックに問い詰められ「アグレロを探しに行ってエンジン音がしたから近づいたら、すでにアグレロは死んでいただけ」と主張、しかしニックが遺体を見つけた時エンジンは停止していた。ニックにそのことを告げられたスコットは弁護士を要求する。
●スコットは間違った人物に報復してしまったのか。するとそこに警官が見つかっていなかった棍棒を手にやってきた。それは観光客を脅していた男が持っていたもの、その男はロジャーだった。サラは混乱しているロジャーに辛抱強く語りかけ、「棍棒はゴミ箱で見つけた。金のお星様」と僅かばかり聞き出すことに成功する。
●ロビンスの検死でアグレロの死亡推定時刻に修正が加えられる。その差18時間、時間がずれた理由はトラックのエンジンのせい。スコットが話した通りエンジンがかかっていたため肝臓温度が下がらなかったのだ。スコットのアリバイは証明され、アグレロはブラッドの死のすぐ後に殺害されていたとわかる。ロジャーが持っていた棍棒を分析したホッジスは「エチオピア料理の材料が付着している。路地のすぐ近くにエチオピア料理店がある」と報告、その店の裏には星の看板があり、防犯カメラにはセスが映っていた。
●通話記録でもブラッドの死の前後にアグレロと何度も連絡を取っていることも判明、ついにセスは「ブラッドには反省してほしかった。23歳にもなっても実家暮らしでコスプレに熱中、だから少し脅かしてやめさせようと考えた。近所のバーでブラッドのことを愚痴っていたら、偶然店内にいたアグレロに聞かれてしまい修理代を請求された。始めは冗談でブラッドを襲ってくれたら支払うと言ったが、だんだん名案だと思うようになった。そしてブラッドが怯えた姿で帰ってくるのを持ったが、なかなか帰ってこず心配で探しにいった。路地で倒れていたブラッドは私の不用意な言葉で企みに気付き、全てを妻に話すと言われた。これははずみ、実の子ではないが大切に思っていた。人殺しではない」と自供、ラッセルとフィンの優しい言葉を聞きアグレロ殺害についても話し出す。アグレロはブラッドの死を知りセスを脅迫、そのためセスはアグレロを殺害した。全面自供を引き出した二人は「最初ははずみだが、二回目は金で揉めたから。これでも自分は人殺しではないと言うつもりか」と断罪する。
●事件は解決し、ラッセルはコミックに全く興味がない人生を歩んでいたサラに自分が選び抜いた傑作コミックをプレゼントする。「誰にでも空想は必要」と微笑むラッセルの優しさにサラは感謝する。

自主的にヒーローをやっている人って聞いたことがあるけれど、相当危険ですよね。あんな格好していたら逆に絡まれそうだし。いくら鍛えてはいたとしても多勢に無勢ってこともある。続きを読む

k_k2911 at 15:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0) CSI15