最近は、結納品として鯛のオスとメスを持って彼女のお宅へという人も少なくなりましたが、それでもたまに「結納品に使いたいので○月○日に鯛のオスとメスを用意してください」 という注文があります。 しかし、はっきり言って私は鯛のオスとメスを見分けるのは苦手なのです。

一般的にはメスの方が優しい丸みのある顔つきをしているとか、オスの方が色が黒いなどといかにも慣れれば簡単に見分けられそうな事が言われていますが、それほど簡単ではありません。

タイのオスとメス1月

上の写真のタイは、性別の確認のためにウロコを取って腹を開けた状態です。 色は確かにオスの方が黒っぽいのですが、顔の違いなんて判りますか?
色の違いも見慣れていない人にはわかりにくいレベルではないのでしょうか?
この写真のようにオス、メスと書いて並べていれば違いに気づくかもしれませんが、1尾だけ見て判るにはそれなりの経験が必要でしょう。
そして、タイを含めて魚は日焼けをするのです。
特に養殖ダイは養殖場の管理が悪いと日焼けして、みんな黒っぽくなりますから、どれもオスの様に見えます。
顔の形で判断する場合は、私の個人的な意見ですが、人間を顔で見分けるのと似ていると思います。 人間でも男っぽい顔の女性や女っぽい顔の男性がいて、顔だけでは判別が難しい場合がありますが、ヘアスタイルなどの無い魚の顔となるとなおさらです。
上がオス1月

この写真でオス/メスがわかるでしょうか?
上がオスで下がメスです。(私は両方メスだと思って捌いたのですが…(笑))

結納用にオスとメスのタイを頼まれた場合は、このように魚の腹を合わせて飾りますが、この写真に使ったタイのように腹を開けて確認するわけにもいきませんから、大きめのタイと小さめのタイを1匹ずつ用意して、上(向こう側)に大き目のタイ、下(手前側)に小さ目のタイを置きます。 小さい方のタイをメスに見立てるわけです。(実際にはタイのメスの方がオスよりも小さいわけではありません)

腹を捌いた時に真子が入っている方がメス、白子が入っている方がオスです。
この写真は1月に撮ったもので、まだ真子(まこ=魚卵)と白子が小さいのですが、このように真子や白子が小さい時期には特にオスとメスの見分けは難しいです。
タイの真子1月
(写真上:1月頃のタイの、まだ小さい真子)

タイの白子1月
(写真上:1月頃のタイの、まだ小さい白子)

オスとメスを見分ける練習として、タイを捌く前に『これはオス、こっちはメス』 などと分類してみると、当たることもありますがオスだと思ったのに腹から真子が出てくることもよくあるので、人に尋ねられた時に私は「これはメスです!」 と自信を持っては言えないです。 

メスだと確信して捌いてみると、下の写真のように真子と白子が一緒に入っていることもよくあることなので、これでは余計に見分けが難しくなります。
マコと白子

春先のタイは桜鯛といって、産卵の時期を迎え大きな真子や白子を持っていますが、その頃になると特に天然ダイは婚姻色になり、メスは赤く、オスは黒っぽくなりますからオスとメスの違いが判りやすくなります。