6月中旬に撮影した天然鮎と養殖鮎の写真です。
同じ環境下で一緒に育つ養殖鮎の色はほぼ均一であるのに対して、色々な場所を自由に泳ぎ回る天然鮎の色には個体差があるように見えます。 住む川の環境にもよるのでしょうが、天然の方が養殖よりも緑がかって色が薄いです。
しかし、色の違い以上に目立つのは大きさの違いです。
大きさの比較のためにボールペンを置いてみましたが、大きさに二倍程の差があることが判りますか? 二つの写真は同じ大きさの箱に入れて撮影したと言った方が魚体の大きさの違いが判りやすいでしょうか?

鮎は冬に生まれてだんだんと大きくなるので6月頃にはまだあまり大きくないのですが、狭い生け簀の中で大した運動もせず栄養豊富な餌を与えられる養殖鮎は、川の流れの中で餌を探して泳ぎ回る天然鮎よりも早く大きく育ちます。
養殖鮎天然鮎
さて、この天然鮎と養殖鮎には色の違いと大きさの違いの他にもう一つ違いがあります。
それは匂いです。
アユと漢字で書く場合には『鮎』の他に『香魚』と書くのですが、これは鮎の独特な香りを表しています。
天然の鮎の匂いを嗅いでみると、西瓜(スイカ)とそっくりな、ほのかな甘い香りがしますがこの写真の大きな養殖鮎からはスイカの香りがしませんでした。水中の苔を食べて育つうちにその身にスイカのような香りが染み付く天然鮎に対して、人が与える餌を多く食べる養殖鮎には同じ香りは身に付かないのです。
ですから、以前は鮎の臭いを嗅げば天然か養殖かがすぐにわかるなんて言われていました。

ところが、近年は養殖の技術がよくなったのか? それとも養殖を長年しているうちに生け簀に苔が沢山生えるようになったのか? そこは判りませんが、養殖鮎でもスイカの香りのするものがあります。 今回の写真の大きな養殖鮎からは甘い香りはしませんでしたが、別の小さめの養殖鮎の匂いを嗅いでみるとほのかに甘い香りがしていました。 小さめの養殖鮎の方が、人工の餌を食べ過ぎていないために天然のような香りが付くのかもしれません。
生の鮎を買って帰ることがあったら、焼く前に香りを楽しんでみることをお勧めします。