ヤサラとヤドカリ
この貝は魚介類の図鑑に『キサゴ』や『イボキサゴ』としていくつかの種類に分類されていますが、私の住む地域ではまとめて『ヤサラ』と呼んでいます。
この貝を買うとヤドカリが多数紛れ込んでいますが、茹でると上の写真のようにヤドカリだけが赤くなって見つけやすくなります。
私が子供の頃には茹でたヤサラの入ったビニール袋とまち針を持ってヤサラをおやつに食べながら外で遊んでいましたから、子供のおやつと言うイメージがあるのですが、ほとんどのお客様は酒のツマミに買っているようです。
貝殻が小さい割りに身は大きくて、食べると磯の香りにほんの少しの甘さと旨味があり、酒の肴にすると一つ一つ貝をほじくりながら食べるので酒が長持ちすると言う利点があります。(笑)
ヤサラの身

【砂抜き】
ヤサラは砂の中で生活していますから、貝殻の中には小さな砂が入っています。 貝殻の中は筒状になっているので、アサリなどの二枚貝の砂抜きをするように海水に浸して放置しておいても貝殻の口が上を向いていては砂は出ていきませんから、ヤサラをざるに入れて、そのざるのまま水(長時間放置するわけでは無いので、普通の水道水で良いです)の入ったボウルに浸してゆっくりかき混ぜるとボウルの底にみるみる砂が落ちて溜まってゆきます。
水を変えて何度か繰り返して砂があまり落ちなくなったら砂抜き完了です。
貝が小さいので、貝の身の中に砂粒が入っていると言うことはほとんどありません。貝の身に、ものすごく粒子の細かい砂が付着していたりしますが、食べるときにはあまり気になりません。
※どうしても気になる方は、上記の方法で砂粒を落とした後で海水と同じ塩分濃度の塩水を作って2~3時間浸けてから貝をかき混ぜると、もう少しだけ砂が抜けます。

【ゆで方】
海水と同じくらいか、やや薄めの塩水を鍋の中で作ります。(舐めてみて少し塩辛いくらいの塩水を作れば良いです) その中に砂抜きしたヤサラを入れて、鍋をコンロの上に置いて10分間くらい放置してから加熱を開始します。 10分ほど放置している間にヤサラが油断して力を抜いたり目?を出したりしますから、その頃に加熱を開始すると食べるときに身が抜きやすくなるのです。
鍋が沸騰したらすぐに火を止めて余熱で1分間蒸らしたら出来上がり。 茹ですぎると貝の身が縮んでしまいます。

【名前の由来について】
この貝の標準名『キサゴ』は貝の模様が木目のように見えることから、木目を表す昔の呼び方キサが語源になっていると、なにかで読んだ記憶がありますが、地方名の『ヤサラ』についてはネットで検索してもヒットしませんでした。 そこで、私が密かに(例によって勝手に)想像しているだけの仮説を書きます。
なんの根拠も無く、それっぽい事を書いているだけだと言うことをご了承ください。(笑)
細かい分類だとイボキサゴになるのだと思うのですが、ヤサラの殻には小さな丸い突起があります。
下の写真の黄色い矢印で指している部分です。 これを小さな皿に見立てたのではないかと仮定しました。
ヤサラ2
ヤサラ3
そして日本語の特徴として数が多いときには7か8か9の語呂の良い数で呼びますから、ナナサラやキュウサラでは語呂が悪くてヤサラになった、というのが私の仮説です。
どうですか?、正解っぽいでしょ?(笑)