魚屋の店頭で見かける魚の中で特に紛らわしいというか、お客様は同じ魚だと思っているだろうな~っていうのがホウボウとカナガシラです。
ホウボウ
カナガシラ
ホウボウとカナガシラはよく似ていますが、はっきりとした違いがあるので覚えてしまえば以外と判別は簡単です。

【胸ビレ】
特に大きな違いはなんと言っても胸ビレの大きさと模様です。
ホウボウの方がカナガシラよりも胸ビレが大きくてまるで昆虫の蛾のような綺麗な模様があります。
ヒレの大きさの違いについては、ホウボウやカナガシラを単体で見た場合には見慣れていない人には大きいのか小さいのか判らないと思われますが、羽のような大きなヒレを広げた時の模様は一目でホウボウだと判別できるはずです。
ホウボウの羽根2
(上の写真はホウボウ、下はカナガシラの胸ビレを広げたところ)
カナガシラ羽根

【体色】
胸ビレを広げなくても魚体の色の違いでも判別できます。なれないうちは、どちらも同じような赤い色をしているように見えますが、見慣れてくるとホウボウは細かな青い模様の入った赤ですが、カナガシラの方はオレンジ色っぽい赤です。

【鱗(ウロコ)】
胸ビレの次に判別しやすいのが鱗です。
ホウボウの鱗はとても小さくて一見すると鱗のない魚のように見えます。 これに対してカナガシラは鱗の模様が体表に網目のように見てとれますから、鱗が見えればカナガシラだと思って良いです。
ホウボウ アップ
(上の写真はホウボウ、下はカナガシラの魚体の拡大です。 ホウボウは鱗がわかりませんがカナガシラは判別できます)
カナガシラ アップ

【その他の違い】
他にも尾ビレの模様や頭の形や背鰭の形等、細かな違いがいくつもありますが、最初にあげた胸ビレと体色と鱗の違いだけで簡単に判別できるはずです。

【一番わかりやすい判別方法】
私がおお薦めする一番わかりやすい判別方法は逆撫ですることです。
指で魚体に触れて尻尾側から頭の方に向かって軽く撫でてみると、ホウボウはするりと撫でることが出来ますがカナガシラは見た目以上にゴツゴツとしたウロコに引っかかって全く指が滑らないので逆撫ですることが出来ません。


【名前の由来に関係する特徴(足?)について】
ホウボウには胸ビレの付け根に足?(のようなもの)があり、これを使って海底を這うように歩き回ることから、這う這う(ハウバウ)→ホウボウ になったとか、方々歩き回るから方々=ホウボウ と呼ばれる等、この足が名前の由来になっているという説があるのですが、実はカナガシラにもこの足があります。
ホウボウの足
(上の写真はホウボウ、下はカナガシラ)
カナガシラの足

【名前の由来に関係する特徴(頭の固さ)について】
金属のように硬い頭から金頭=カナガシラと呼ばれるようになったという説があるように、カナガシラの頭はとても固いのですが、ホウボウの頭の固さも負けてはいませんから、頭の固さでの判別は難しいです。(笑)

【おいしさと価格】
どちらも同じように、煮付け、唐揚げ、お吸い物、鍋物、刺身など何の料理にしても癖もなく美味しいです。
地域にもよるでしょうが、味はホウボウの方が上とされていてホウボウの方が高価です。
なので、以前の私はホウボウの方が上等な魚で、低価格のカナガシラは庶民向けだと思っていたのですが、皇室の愛子さまが誕生したときにお食い初めの魚にカナガシラを使っているのを見てからは、皇室の行事に使われるくらいおいしい魚ですよと安心してカナガシラを薦めることが出来るようになりました。