私が家に帰ると、待ち構えていた妻がレジ袋とレシートを差し出して「これ、溶けてたからちょっと行ってきて」と言う。
スーパーで買った商品が不良品だったから苦情を言って商品を交換してもらってという事なのだが、手渡された商品を見ると、湯通しされたワカメが溶けかかっていた・・・。

湯通しされたワカメは私の店でも売っていて、メーカーの処理の問題か?気温が関係しているのか?原因はよく判らないが、たまに賞味期限よりも早く溶けたようになることがあるので販売するときには賞味期限が残っていても毎日状態をチェックしておかないと苦情の対象になりやすい。
だから魚屋の経営者としては「あー、これかあ、仕方ないなあ」と思ってしまう。
それに仕入れした時点では傷んでいないものを小分けして販売していて溶けてしまうと、仕入れた時の箱や袋等は捨ててしまっているので卸し業者やメーカーには返品しづらくて販売店(魚屋)だけが客に怒られた上に謝罪して損をすることも判っている。

レシートを見ると、スーパーの取扱商品ではなくてテナントの魚屋が販売している商品だと判る。
この魚屋の店員とはほとんど面識がないが、市内の魚屋は毎朝市場に集まるのでお互い顔ぐらいは知っている。

妻に促されて、商品とレシートを持って家を出ようとしたのだが気が進まない。
普段市場で仲良くしている魚屋であれば笑いながら「コレ溶けてたよ、他のもチェックした方が良いよ」と笑顔で交換してもらうし、全く知らない相手なら普通に交換してもらうのだが、ビミョーに顔見知りだと何だか変に意識してしまって魚屋の商品を交換には行きづらかったりする。

ワカメの値段は100円。
「やっぱり何だか魚屋には苦情言いづらいから、100円あげるから許して」と、なぜか私が妻に謝って勘弁してもらった。