技能者の確保のため様々な補助事業が行われると業界新聞に出ていました。しかし現場を見るとなかなかそんな気持ちにはなれませんね。特に北国では冬から初夏に掛けて民間工事が動きづらい環境にあります。季節的要因や品質の問題、企業の決算期や事業の年度計画も3月末が多いせいでしょうか。それでいて7月頃から公共工事も民間工事も集中して発注され、農業は忙しくなるわ観光サービス業も繁忙期を迎えるわで一気に人手不足が顕著になります。しかし人間一人は一人分しか働けません。無理をすればどこかに歪みが来てしまいます。繁忙期に応じた人材を育成しようにも2月から6月末までの暇な時期を考えると雇用し続ける自信が持てません。知り合いの会社でも20年間通年雇用を守ってきたけどさすがに今年はどうにもならなくて解雇したという社長がおりました。技能者を安定的に確保するには何よりこの「雇用を継続する」という事が不可欠です。北国ではこれが一番の問題でしょう。頑張って働き、家族を持ち、子どもをもうけ、家を建て、地域の担い手として安心して生活する。そういった将来設計が展望できなくては魅力ある業界にはなりません。

公共工事はインフラの整備という目的もありますが、地域経済の活性化のためという側面もあります。同じ税金を使うのならば地域にとってもっとも効果的な使い方をするべきでしょう。4月計画5月発注6月議会7月施工、職人さんが働けるのは7月という同じ事を何十年もやってきました。そして年度末に近い2月末頃までにほとんどやっつけまた暇になります。その結果が現在の状況です。30年前から行政に対する要望は「早期発注」でした。でも解決していません。北国にもっとも効果的なのは年度を跨いだ発注でしょうね。仮に品質の問題から1~3月を不施工期間としても冬は除排雪需要がありますし4月から職人さんが動けます。夏場は民間工事も活発になるので施工高も上がります。

公共工事を上手に使うとおそらく今の職人さんの数でもかなりの施工高になると思います。将来の社会環境を考えるとむやみに増やせばいいという問題でもありません。ただ高齢化が極端に進み団塊の世代の引退する時期にあるため、やはり若手技能者の育成は緊急を要します。増やすのではなくうまく継承して行くことが大事です。そのためには税金である公共投資を賢く使って「雇用の継続」をなんとしても実現してほしいものです。