当社も遅ればせながら平成26年から全員社会保険に加入(再加入)した。以前、25年ほど前に私の父が組合長をやっていた頃もやはり社会保険未加入が問題になったことがある。当時父は「これからはこの業界も職人の将来設計と地位向上のために社会保険等の整備が必要だろう」という事で先陣を切って加入し、組合関係者や業界の仲間に加入を勧めた。しかし残念ながら当時は「費用負担が増えるだけ」という事で何の強制力もなく、当然その経費が工事単価に反映されるはずもなく、加入した会社だけが費用負担に厳しい経営を余儀なくされ、競争にならない事態になる。それでも4年くらいは続けたが経営難で断念、仕方なく全員解雇、社保から脱退(当時は可能だった)という厳しい状況だった。それから25年ほどが過ぎ、職人さんも年金をもらう世代が増えてきた。基礎年金の国民年金だけでは本当に微々たるものだが「4年だけでもやっぱり掛けた分もらえて良かった」と喜んでくれた。本当ならばもっとキチンともらう事が出来たはずだが・・・・。
デフレ経済と言われ夢も希望も仕事も縮んできた建設業界であったため人を減らし続けてきた。ピーク時には組合加入会社だけで800名以上いた型枠大工さんが昨年調べたら171名になっていた。しかも60歳以上が40%と超高齢化。団塊の世代も引退する時期になり事態は深刻だ。今後の事を考えれば生産年齢人口減少、経済縮小、公共投資減少と決して希望に満ちているわけではないので職人の数はさほど増やす必要もないと思う。しかしベテランが現役のうちに技能の継承をしなくてはならないし減少する分だけ若手を育てて行く必要がある。世代のローテーションをしっかりやって行かなくてはならない。これ以上職人を減らしてしまっては取り返しがつかなくなる。そのために必要な事は何か。「一生懸命働き、家庭を持ち、子を儲け、家を建て、安心して生活する」という将来設計が想像できなくては話にならない。そのためにやらなければならない事は大きくは3つある。1,通年雇用の確立、2,福利厚生の充実、3,職人としてふさわしい年収の確保、これがかなって初めて職人としてプライドを持った継続した業界になるのだと思う。北国は独特の季節的要因もあるが地域に応じた施策でクリヤして行かなくてはならない。