お久しぶりです。まずみ光輝です。
久々のブログです。
でも思いの丈を綴るので、長くなるかもしれませんw
それでもよいという方は引き続きどうぞw

2011/8/31笹本祐一原作の小説「妖精作戦」が17年ぶりに復刊されました。
しかも、1994年の復刊バージョンではなく、1984年のオリジナルバージョンでです。
『妖精作戦』の大ファンを自称する私がこれを喜ばなくてどうするんだ!ということで、再びblogに思いのたけをぶつけることになりましたw

妖精作戦 (創元SF文庫)
妖精作戦 (創元SF文庫)
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さて、この作品ですが先にも書きましたが、もともとは1984年にソノラマ文庫から初版が発行されました。
今から27年も前の話です。もちろん当時ライトノベルというものはなく、しかもSFといえば宇宙や異世界だったりとにかく現実世界から遠い世界のお話でした。
しかし、この「妖精作戦」は遠い世界のお話を身近な世界に縮めてくれました。なぜなら舞台は現在の東京。そして、登場人物たちは決して勇者だったり超能力者だったりしない、普通の高校生だったからです。

物語のあらすじは先のブログでも書きましたが「高校生榊裕がオールナイトの映画はしごから戻った朝、新宿駅の切符売り場で迷っていた少女、小牧ノブと出会う。機械音痴の彼女だったが、実は彼女は世界的秘密組織SCFからねらわれている超能力者だった。SCFにさらわれたノブを助けるため榊は親友の沖田玲郎、真田佐助と共に原子力潜水艦に乗り込む。そして、脱走のドサクサにまぎれて合流した学友の鳴海つばさ、私立探偵”レッドバグ”平沢千明とともに南海の孤島、衛星軌道上の基地、月の裏側で大暴れする。はたして、彼らの運命は?そして無事ノブを助けられるのか?」というものですが、今風に言うなら厨二病満載なアクションノベルといえるでしょう。

しかし、妖精作戦が27年という長い間において支持されてきたのは、主人公たちに自分を投影できる物語だったからだと思います。
巻末解説の有川浩も書いていますが「主人公榊裕は等身大の高校生。かれは特殊な能力もなければ、何の特技もない。ただただ状況に流されるままの主人公」であると。
今のラノベに出てくるような、何もなさそうで実は隠された能力があったり、過去があったりとかそういうことは全くない。あえていうなら映画が好きで、映画に対する情熱は人よりあるけど、沖田のようにバイクを修理したり運転できたり英語がしゃべれたりしないし、真田のように自称忍者の末裔だったりしない。本当にどこにでもいる男子高校生である。でも、惚れた女の子のためにわが身を省みず危険に飛び込んだり、誰よりもその子の事を理解したりする。そして、彼の無茶に対して迷いも泣く同じように飛び込んでくれる親友がいる。そこに憧れない男の子がいないはずがない!
そう、榊は恐らくラノベ史上もっとも力のない主人公だけど、もっとも自分を投影できる主人公といえると思う。
「ハレーションゴースト」では主人公の座を沖田に譲ったように見える。でも、よく読んでみたらわかるのだが、事件の陰に榊ありなのだ。そう、彼なくして妖精作戦を語ることは出来ない!それほど重要なキャラクターなのです!

時々ですが国立の傍を通ることがあります。そしてその度に「ああ、ここで榊や沖田たちは他愛もない会話をして、時に大暴れし、時には幻想から逃げ惑ったりしてたんだな・・・」と思ったり、首都高で通ったときは「ああ、ここで平沢はGPZでF-14相手に大立ち回りしてたんだな」と思ったりもしていました。

27年と言う長い間指示されてきたこの作品ですが、「妖精作戦」を読んで小説家になった作家さんは多数いると聞いています。
今のラノベは妖精作戦が培った土壌の上で育ってきてはいると思いますし、それっぽい作品を見かけることはあります。でも未だに妖精作戦ほど熱く激しくそれでいて自身を投影できるような作品には出会っていません。
確かに物語的にも表現的にも今の風潮では受けないのかもしれない。でも、それでも、是非、今のラノベ読みの人には読んで欲しい。スラップスティックSFとはこういうものなんだ!ってのを感じて欲しいと思っています。

さて、長くなりましたが、再び私の胸に燃え上がった妖精作戦熱はまだまだ消えそうにありません。なので、もしかしたら「ハレーションゴースト」が出たらまた筆をとるかもしれません。そのときはよろしくお願いします。

「でも、榊がいないと何も始まっていないんだよね」(解説より抜粋)

その通りだと思います^^