2005年04月24日

藍色大門

557b04b1.JPG藍色大門 Blue Gate Crossing(2002年、台湾)

二人の女子高生、Meng KerouとLin Yuezhenが体育の授業の合間に休みながら「どんな男の子がいいか」などと話し合っています。その後日Lin Yuezhenは自分が好きなのはZhang ShihaoだとMeng Kerouに告白します。彼女は彼の持ち物ーーバスケット・ボール、シューズ、ウオーター・ボトルを盗み?集めるほど彼にあこがれています。Meng Kerouはそんな彼女を見守り助けます。

ある夜、Lin Yuezhenは彼はプールで泳いでいるから、そこで彼にガールフレンドがいるかどうか聞いてほしいとMeng Kerouに頼み、一緒に行きます。静かで暗いプールの外で、彼に聞こえるようにMeng Kerouは「ガールフレンドがいるかどうかあなたのことを知りたがっている女の子がいる」と何回か叫びます。そして、一人で出て行って、彼に質問します。彼はもちろん誰が知りたがっているのか聞きます。Meng KerouはLin Yuezhenを呼びますが、彼女はいなかったので、彼はMeng Kerou自身が彼に興味があるのだろうと勝手に想像し、彼女に関心を持つようになります・・・

この映画には取り立てて面白いあらすじも大きな事件もありません。筋は単純ですが、性的指向を問題にすることなく、暖かい「情」を感じ、信頼関係を育てていく主演の二人に好感が持て、彼らの好演に惹きつけられること請け合いです。

Zhang ShihaoのMeng Kerouに対する恋がほほえましく、また相手を思いやる態度がさわやかで理想的で、映画の話ですが、これが友情として実ることを祈らずにはいられないような感じでした。また、Meng Kerouの困惑も描かれています。これはティーンが成長の過程で行き当たる初恋の悩みと「友情」をこうあればいいなという感じで扱っているので、ストレート、ゲイを問わず中学生、高校生、学校の先生に見てほしい映画です。同性に限らず異性、違うジェンダー、違う年齢の人と性愛抜きで真の友情を築くのもお互い学べるところもあって人間的成長を助けるし、悪くありませんよというのも私の言いたいことの一つです。  続きを読む
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2005年03月26日

17歳的天空 Formula 17

(2004年 台湾)

これはゲイの男の子の初恋が実る話です。登場人物はほとんどゲイなのですが、純真で、友情も描いたコミカルな映画で、おすすめです。

周小天は時々夢を見ます。その夢は自分とボーイフレンドが一緒にプールで泳いでいる夢ですが、そのボーイフレンドが誰かは定かではありません。彼はメールを交わしている男の子と会うために田舎から台北市に出てきます。そこで会った相手はセックスをしようと誘うのですが、「セックスは恋愛をした上でするもの」と信じている周小天は、簡単に相手について行きません。

それから彼は昔の知り合い、小字が働いているゲイクラブに彼をたずねて行きます。そこで周小天はプレーボーイだとうわさされているハンサムでかっこい
い、ビジネスマンの白鐵男に会います。小字にいろいろ質問されて、周小天がバージンであることが暴露され、そこにいるみんなが注目し拍手をします。白鐵男も周小天を見ます。そのクラブで二人はお互いを意識します。小天は、白鐵男は昔恋をして捨てられた経験があるために、今度は付き合った男の子をみんなふっているのだと言います。
17歳

これは若いゲイの一つの理想的な恋愛を描いたすてきな映画です。若くてもきちんと自分の考えを持ち、周りに流されることなく、自分の考えを実行する周小天の態度は、ゲイ、ストレートを問わず、若い人たちに突きつけられている課題の一つではないでしょうか  続きを読む
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2005年02月11日

Beautiful Thing

Beautiful Thing(1996年、イギリス映画)

これは最近の映画というわけではありませんが、日本に置き換えると内容が合わないというわけでもなさそうなので、紹介します。ロンドンに住んでいる高校生の初恋、カムアウトの物語です。アメリカ英語に慣れると、イギリス英語というのはわかりにくくて、これはサイトも参考にしました。
http://
www.aboutgaymovies.info/films/beautiful%20thing.htm
日本人にはアメリカ英語より、イギリス英語のほうが基本的にはわかりやすいんじゃないかと感じるのですが、「慣れ」というのはこわいですね。

ジェイミーは学校でフットボールなどのスポーツに興味が持てず、ほかの男の子たちにからかわれ、家に帰ったりします。それをなんとなく心配そうに見ているのがステです。実はジェイミーとステは同じアパートの隣に住んでいます。ジェイミーは母親(サンドラ)と、ステは父親と兄と一緒に住んでいるのですが、ステは彼らに暴力を受けていて体にあざがたえません。サンドラは夜パブで働いていて、ちょっとヒッピーなボーイフレンド(トニー)も家にいたりしますが、ジェイミーを愛し、彼の生活を気にかけています。隣には酒とドラッグにおぼれ、いつも歌を歌ったり、大きな音で音楽を鳴らし近所迷惑な黒人のリアと母親も住んでいます。

Beautiful Thing
ジェイミーは小さな本屋でゲイ雑誌を見つけ、レジの人がいなくなった隙に取って持って帰ります。ある日暴力を受けたステをサンドラがかわいそうに思い、自分のアパートに入れてやります。ステはジェイミーの部屋に泊まり、そこで二人はお互いを意識しはじめ、行き来するうちに関係をもちます。ジェイミーはステにもゲイ雑誌を見せ、ベッドの下に隠します。しかし、朝ステがこっそりジェイミーの家から帰るところを見た(多分)リアが不審に思い、サンドラに電話をし、サンドラはジェイミーのゲイ雑誌を見つけます。サンドラはジェイミーのカムアウトに苦しみながらも受け容れます。事実を知ったトニーもジェイミーがゲイであることは気にしません。トニーは正気でないリアを助けたりするのですが、サンドラは自分のパブを持ちたいためにトニーと別れます。

ゲイ雑誌からの情報をもとに、ジェイミーはステを誘ってゲイバーに行ったり、積極的になります。ステがそうでないのは、父や兄を恐れているせいもあるでしょう。最後はアパートの広場でジェイミーが誘いステと抱き合ってダンスをする場面で終わりますが、みんなが見ている中で、サンドラもそれに加わり、リアと踊ります。ジェイミーとステの将来は簡単でなくとも、このお母さんがいる限り守られて何とかなるんじゃないかという希望がもてる最後でした。初恋が実ったスイートな映画です。  
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2005年01月25日

Kinsey

キンゼイ(英語ではキンジーと発音します。キンゼイと言うとわかってもらえません)という映画を友人と見ました。とても面白かったです。

kinsey

恋愛、性愛、結婚、パートナーシップ、父子関係、個人の感情、ゲイ、ストレート、モラル、時代、宗教、社会など、いろいろな方面から考えても、その中の一つから考えても、愛と性と人間関係には「正しい答え」が出ないところへ行き着くと思いました。つまり自分で考えて選び決定していくしかないという答えです。

キンゼイは多様性を示し、悩んでいる人を助けるために調査を続けようとしますが、最後の方で資金援助をことわられ、悩みます。そういう時に、一人のレズビアンの中年女性がキンゼイの調査によって「助けられた」とやってきます。キンゼイの仕事の一面はそういう肯定的な生き方の選択や決定ができるための情報源だったとも言えますが、それで助けられたレズビアンもいれば、人間関係をこわしたキンゼイの研究協力者もいます。

どんな情報にしても「自分で考え選び判断し決定していく」という能力を備えることが大事だということ。情報が非科学的であればあるほど、情報が氾濫すればするほど、それは必須になってくる能力です。しかしその能力は個人が育った環境、社会、文化によって大きく左右されます。

この情報が氾濫している時代に、情報を選択し自己決定するというのは特に若い人たちには難しいかもしれません。それには、自分がこうありたいというモデルを見つけること、それを見つけたらそういう生き方をしてみることが「ことはじめ」かもしれません。おとながしなくてはいけないことは人間として「いいモデル」を示すことですね。

私はキンゼイの本、まだ読んでいません。これも読んでみないと・・・。

Posted by Keiko Ofuji (1-25-'05)
  
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The Truth About Jane(ジェーンの真実)

この映画をテレビでたまたま見ました。

高校生のジェーンが同級生の女の子に魅かれてレズビアンであることを自認するのですが、(いつもけんかして不満を持っているらしい)弟がそれをあばいたため学校で知られ、両親にも言うことになります。父親は比較的受け入れようとしますが、家族ぐるみでつきあっているゲイの友人がいるにもかかわらず、自分の責任ではないかと感じた母親がJaneを受け入れず、親子関係が変になります。

ジェーンは相手の女の子にも「初めてだからそう思っているだけだ」と言われてしかたなく別れ、それは親のせいだと思ってゲイ・ディスコに一人で行って飲んだりして、両親に叱られます。

学校では蔑称 derogatory words を言われたりします。が、先生の一人がレズビアンであることをジェーンに告白し、助けます。プライドパレード(というより外での集会)も最後にあります。最後は、ジェーンに関心を持っていた男の子とも友達になったり、親子関係はめでたしで終わります。日本とは状況は違うと思いますが、悩んでいる若い人たち、GLBTの子どもをもつ親にはいい映画だと思います。

この映画はマシュー・シェパードに捧げられています。

アマゾンで買えます。
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/B000062Y1E?v=glance

Posted by Keiko Ofuji (1-25-'05)
  
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Scout's Honor(スカウトの名誉)

監督:Thomas Shepard(トーマス・シェパード)
受賞:2001年サンダンス映画祭 ベスト・ドキュメンタリー&表現の自由賞

このドキュメンタリーは12歳(から高校生ぐらいまで)のスカウト・メンバーのスティーブン・コーザと70歳のスカウト・マスターのデイビッド・ライス (どちらもゲイではない)がスカウトの反ゲイ政策打倒のために「Scouting for All(スカウトをすべての人々に)」という運動を起こした動機、その活動、いろいろな人々のインタビューを主に記録したものです。

コーザとライスは、ボーイスカウト74分隊が存在するカリフォルニア州のペタルマという小さい町に住んでいます。そこは創設者の日パレード、教会のキャ ンプ、家族でいっぱいの夏、献身的なスカウトといった「小さい町の伝統」に固執する地域柄です。

70代のライスはスカウトのメンバーとして、またリーダーとして多くの心温まる思い出をもっています。しかし、スカウトがゲイを締め出すなどそのゴール と矛盾したことを宣言したとき、彼は自身の良心と闘い始めます。彼の道徳的な不安は、12歳のコーザの「Scouting for All」という運動に参加することで、活動に変わります。
このドキュメンタリーはスティーブン・コーザについての感動するストーリーで注目に値し、また題が示す通りスカウトの名誉とは何かも問われています。

scouts

教会のキャンプでのコーザの尊敬するカウンセラーがゲイのため解雇されたことは、人間性の次元の問題で、コーザの心底からの正義感を侵すものでした。『皮肉なことに、彼が学んだスカウトでの教義は、すべての人々の権利を掲示し、偏見を持たず、人間関係において正直でオープンであるようにという彼が感動するものでした。若い人たちがアメリカの構造に不満を持っている時代に、これはすばらしい理想をかかげ、動議の範囲を活動に結びつけ進展させたた、次代をになう若者の一つの例で、それはボーイスカウトからきたものとも言えます。』(監督のシェパードのコメント)

コーザの家族はアシスタント・スカウト・マスターをしている(2年で解雇されるが)父と、母、妹で、両親はみんなにフェアにと子どもに教えて育て、家族はみんな彼を支援します。スティーブンは1998年7年生(中一)で署名運動をしたのをはじめ、サンフランシスコのゲイ・フリーダム・デイでは「Scouting for All」というプラカードを持って行進します。(ライスもそこに参加しています。)またペタルマの街でのマーチでもこのプラカードを持って歩きます。そ の後ニューヨーク市でも街頭に立ち、署名運動をします。

彼はラジオのトークショーで「4〜6年生のとき、どうしてゲイがリーダーになれないのか想像できなかった。ショックだった。それで闘うことにした。」と言っていますし、「ゲイであることはノーマルだ。ノーマルでないのはゲイに対する差別だ」「追放をおそれてゲイは沈黙を守っている。それはまちがっている」とも言っています。
家にも脅かしの電話がかかってきて、警察は彼と家族に忠告をしますが、彼は活動をやめることはありませんでした。彼を支持し協力してくれる友人もいました。彼は2001年ゲイの権利集会(Gay Rights Rally)でも短い演説をしています。彼はイーグル・スカウトをもらった時、両親などが用意したと思われる非伝統的な式で、友人や知り合いが彼におくる賛辞と感謝のコメントにほろりとします。

その後、彼は妹の協力も得て、自分の高校にGSA(gay straight alliance)を設置しました。本当に彼の正義感、勇気、活動、行動は心温まり、感動するもので、ゲイ、ストレートを問わず若い人たちのロールモデルになると思います。そして、大人にももちろん自分の姿勢を問うてほしいと言えます。

ほかにこのドキュメンタリーには、ティム・カラン、ジェームズ・デイルというスカウトを追われて訴訟を起こした二人のゲイのインタビューもあります。カランはスカウトのゲイに対する政策に反対して訴え、1981年に敗訴しました。(カランは03年にベイツ大学に来ましたが、映画を見た後の質疑応答だけだったし、残念ながら何を話したか覚えていません。ビデオの感じそのままでした。)

また、デイルは1991年8月ニュージャージー州の最高裁では勝訴し たにもかかわらず、その後2000年6月合衆国最高裁の判決で5対4で敗訴しました。(注:合衆国最高裁の判事は空きができたとき、その時の大統領に任命されるので、誰が大統領になるかで大きな波紋を呼ぶ。今は特にブッシュ大統領が「異性間の結婚」を合衆国憲法に盛り込もうとしているため、ゲイにとっては注目される点。任官期間の制限はない。)
ボーイスカウトがカムアウトしているゲイのメンバーを締め出す権利があるというアメリカ合衆国最高裁の判決は、多くの人に支持されていますが、一方では、人々は、スカウトの伝統に長くかかわってきたり、尊敬を受けている人たちが締め出されるのを嘆いています。

ちなみに、70代のデイビッド・ライスはテキサスのスカウトの本隊から解雇の手紙を受け取ります。理由はもちろん「Scouting for All」の運動のためです。彼は「その時初めて、本当にティムの気持ちが理解できた」と言っています。カランは「自分が敗訴した影響だろう。この影響はスティーブンにも影響するだろう。」とコメントしています。これは、デイルのニュージャージーでの勝訴の前で、デイルの勝訴の後、カランは「デイルは自分のヒーローだ。」とコメントしています。

最後に「Scouting for All」の運動のため、デイビッド・ライスも、スティーブン・コーザも彼の家族も「つけを払わなくてはならなかった」と言えますが、それでも彼らは自分が正しいと信じる生き方を貫いていく勇気を示しています。あなたはそういう勇気が出せるでしょうか。この映画を見てそういう勇気をもらってください。

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*参考:http://www.newday.com/reviews/ScoutsHonorREV.html
*英単語の日本語訳が簡単に出るサイト
*このドキュメンタリーのビデオが買えるところ。
Scout's Honor
1679 Church Street
San Francisco, CA 94131
U.S.A.
www.scouts-honor.com

Posted by Keiko Ofuji (1-25-'05)
  
Posted by k_ofuji at 11:04TrackBack(0)