大谷計介野生の世界 虎・ライオンからパンダ迄

野生動物観察から世界をのぞき見る 僕が出合った世界中の動物たちを紹介

Africa

脱マンネリ ポジの写真からボツアナ中心のネタです。

日本に一時帰国し、慌ただしく、先ほどバンコクの自宅に無事戻りましたがあっという間の1週間で、急な用事を済ませ、娘や会いたい友人に会い、時間は夢の間に過ぎて行きました。
最近の自身の行動記録であるブログを見直し、訪問者数も、マニヤックな内容にも関わらず。どうにか20000人の人に見て頂き、感謝あるのみです。いろいろな方から激励を頂きながら、最近のものは、マンネリ化して、書いている本人が嫌になる程の出来栄えです。
そこで、帰国中秘かに昔の記録を紐解き、ブログで紹介していない地域や写真を選び出し、マンネリから脱出すべく、南部アフリカの野生象を中心に、ボツアナやジンバブエ等の画像を紹介いたします。中には以前に使った写真も数枚あるかもしれませんが、そこはご容赦願いたいと思います。

1 IMG0036チョベの象

ここはボツアナの東北部ジンバブエやザンビア、ナミビア等の国境近くのザンベジ河の大支流 チョベ河沿いにある『チョベ国立公園』です。季節により多くの象の群れが集結する場として有名です。
2 IMG0037 チョベの象
親子連れや家族単位の象が集まり、その数は多い時には数千頭が一望のもとに見られます。
3 チョベ河は野生象の天国
象が河を渡る様は粛々として、幻想的な雰囲気があふれますが、ラベル右の象は危険極まりなく、危うい場面でもありましたが、流石に迫力です。エンジンを切った小さなモーターボートですから逃げるのに精一杯で、それでも、『エンジン オフ!』 と繰り返す自分が時に怖くなります。
4 チョベ河の象ボツアナ
背後や手前には数えきれない程の象の群れですが、数の多さを写真で表すのは困難で、殊に望遠に頼るとこの様なものは撮れず、絶対、広角が必要です。
5 IMG0020 チョベの象
ここでの撮影の大半はモーター付きの小舟に頼り、岸辺の動物を狙いますが、時には一体となって撮影することもあります。
6 チョベの謎 象の河渡り
ラベルの河渡りは、小舟で象を追いましたが、深い所で、象は泳いでいる事が分かりました。渡り付いた対岸はナミビアですが、毎日象たちは河を渡り、往復しており、その理由ははっきりして居らず、10日程観察する間に、対岸の草を食むこと以外に、その岸辺に穴を掘り、マッドバスにしていることが分りました。
7 ナムビア側の岸辺で泥遊び
上下の写真は身体に付いた虫等を退治する為と思われますが、対岸の泥濘にはなにか特別なミネラルや塩分などがあるのかも知れません。
8 ナムビア側での泥遊びに秘密か?
黒光りした象たちは目を細めて気持ち良さそうな表情です。
9 チョベの幻想 河を渡る象たち
ナミビアに沈む太陽を背景に象の群れが大河を渡る様は格別な眺めで、幻想的な気持ちになります。
10 チョベの象
この象たちは遙か、1000キロの道程に横たわるカラハリ砂漠を死に物狂いで超えて、毎年ある時期にチョベの河にやって来るものらしく、砂漠は乾燥して、水はなく、ここにたどり着いたなら、まるで天国に違いなく、しかし、草がなくなれば再び、死の砂漠を横切ると考えられます。
11 チョベのワニ
河には凶暴なワニやカバもいて、危険に満ちていますが、私が最初に行った際には、酔ったアメリカ人がここで泳げるか、で、ビールを賭けて、川に飛び込み、直後に数等のワニに襲われて、死亡して、大騒ぎだった事を覚えています。河に落ちたら、即、死を意味すると考えるべきです。
12 象を襲うチョベのライオン
10数年前から、ここはライオンが象を襲う場として知られ、その為、ライオンはチームプレイで、群れの象を引き離し、その為に数を頼み、チームワークも必要で、必然として多数のライオンがプライド(集団)を形成し、キングと呼ばれるオスライオンもその様な群れには3頭とかいるのが普通だと言われています。
13 カラハリ砂漠の厳しい自然
ラベルはボツアナの南部に草や水が乏しくなると1000キロと言われるカラハリの死の砂漠を横切り、チョベや西北部のオカバンゴデルタに草と水を求めて、数千頭単位の象がやって来ます。ラベル左上の中心の木陰に群れからはぐれた、母子象が見えますが、カラハリ砂漠を空から見ると、無数の象の獣道が見られます。
14 象眠るボツアナ
この時は象が倒れていて、死んだものと思いましたが、よく聞くと大イビキで、昼寝をしていて、象は立ったまま寝るとのさる専門家の意見は間違えである事が分かりました。
15 オカバンゴデルタの風景
オカバンゴはナムビアの更に北側のアンゴラの山地で、雨期の1月頃に降り始めた雨が地に潜り、4か月後にボツアナのオカバンゴに流れてデルタを洪水状態にさせて、水のパラダイスを形成し、4月から8月頃までは、一大湿地帯と化すのです。この写真は9月から10月にかけての渇水が始まる頃のもので、それでも、多くの恵みをデルタにもたらします。
16 オカバンゴの風景
シマウマや羚羊類は湿地と化した池や草原で、水中の柔らかな草の根を美味しそうに食べています。
17ボツアナで見たクドゥとクラハシコウ
ボツアナには、他のアフリカ地域では珍しいアンテロップ類(羚羊)も多く、上はクドゥのオスメスです。
18  ジンバブエの自然
この地域に行く為には必ず寄るのがジンバブエのビクトリアフォールズとザンベジ河で、この周辺にも多くの象や動物がいます。ザンベジ河のディナークルーは、野生象を見ながら中型の船舶でビクトリア滝の上流の夕日と象の水浴びを売りにしたもので、多くのツーリストを魅惑しています。今日はここまでです。

アフリカの野鳥と珍しい動物たち

タイの田舎を車で走り、体調を崩し、しばし、バンコクで充電して、その間、マンネリ状態の記事は自分でも嫌気がさし、撮影を少し控えて、新たな気分で臨みたいと考え、未投稿のアフリカのバードライフと、今まであまり公開しなかった、珍しい動物を紹介して、気分を一新したいと思います。
野鳥はこの数年撮り始めて、いまだ勉強中で、アフリカで鳥を撮ろうと考えたのは、ごく僅かな対象だけでした。
その前に報告しなければならない事実が判明、前々回の8月23日付 『シン小父さんのハイド』内で正体不明だった写真下の小動物が分りました。マメジカに負けない程の価値があります。
IMG_3387 リスではなさそう
図鑑3冊を駆使して分かったのは、考えた通り、げっ歯類ではなく、日本ではあまり縁のない食虫目トガリネズミ科の中のNorthern Tree Shrew だと判明しましたので、8月23日付のその該当記事に加筆してご報告いたしましたので、詳細を見て頂きたいと考えますが やはり、疑問は大切な前進に繋がります。
一方アフリカは、古い記録を探し、撮ったものから、お見せできるものを選んで紹介いたしましたが、四足が基本的な撮影対象でしたから、珍しいものだけを選びました。ご笑覧ください。、

1GP0G1671コフラミンゴ ナクル

アフリカで野鳥と言えば、ケニアの大地溝帯・グレートリフトの谷底にある、ナイバシャ湖やナクル湖などに集まる水鳥やフラミンゴなどは有名で、ナクルには赤道北のサンブルー等からの帰路やマサイマラへの途上に癒しを求めて立ち寄る機会は多くありました。まずはそのフラミンゴです。40年前には湖面を埋め尽くす、数百万羽のフラミンゴが見られましたが、近隣の工業化に伴い公害が生じ、その数は激減、最近また環境を厳しくしたお蔭で、心持ち数を戻しつつあります。
1African Flamingoes
一部ではこの様な密度で見られ、私はフラミンゴのお花畑と表現してきました。見えているのは殆んどがLesser Flamingo  コフラミンゴの様ですが、中にはGreater Flamingo も混じっているようです。
3GP0G1720 great white pelicanモモイロペリカン
これもゴージャスな Great White Pelican の大群です。和名は何故かモモイロペリカンですが、モモイロに見える部分は少なく、何故、英語と共通の名前を付けないのか不思議です。
5IMG_2525White-bellied Go-away-bird
この鳥は大好きなケニア北部サンブルーのウアッソニーロ河畔のサファリロッジで撮ったもので、シロハラハイイロエボシドリが和名で、英名は White Bellied Go-away-bird という理解不能の名前が付けられています。
2アフリカのサイチョウ Red Billed Hornbill
サイチョウと言えばアジアの熱帯のものと考えがちですが、実はアフリカが一番亜種の数が多く、50種程いるそうです。これもサンブルーで撮りましたが、最近、アフリカコサイチョウだと判明しました。
4GP0G3130Grey Crowned-Crane ホオジロカンムリヅル
Grey Crowned Crane 和名カンムリツルは美しい鳥で、つがいはいつも仲が良く、一生添い遂げるそうです。この鳥はいつも見つけると必ずカメラを向けます。日本人のサファリを楽しむ人が増えて、ガイドは和名を覚えている程人気のトリです。Synonym;White cheeked Crowned Crane ホホジロカンムリツルとも呼ばれます。
6Secretary-bird ヘビクイワシ
Secretary Bird の名前は、その姿が、中世ヨーロッパの書記官=secretary の服装に見立て、帽子の羽根やニッカー・ボッカーのスタイルに似ていてこの名が付いたそうですが、和名は、習性そのままのヘビクイワシです。美しいですが、クチバシは猛禽のものです。
7IMG_2542Kori Bustard アフリカオオノガン
kori Bustard のbustard は、鳥類の名前で野雁の意味で、Bastard 私生児とか、侮蔑の言葉で嫌な奴、厄介なものとかの意味ではなく、Kori の意味は分かりませんが、和名はアフリカオオノガンです。
8アカハシウシツツキラベル
このサイや野牛によく たかっている小鳥はRed Billed Ox-pecker アカハシウシツツキだそうです。互いにメリットのある関係の様です。
9クラハシコウ オカバンゴボツアナSaddle Billed Stork
Saddle Billed Stork は英語そのまま、クラハシコウで、奇妙なトリですが、コウノトリの仲間です。ボツアナのオカバンゴデルタで撮りましたが、ケニアでも撮影しています。
10サバンナの巨大鳥 ダチョウとハゲワシ
地上では最大のトリ、Ostrich ダチョウのオス・メスと、ハゲワシ類で、チータやライオンの食べ残した獲物に群がり、すべてを食べ尽くす草原の掃除屋として、ハイエナやジャッカルと同一視されますが、ハイエナもジャッカルも自分たちだけの狩りを行うのを何度か撮影しています。マラブーストークはその姿が牧師の様で、草原の葬儀屋と呼ばれます。
12IMG_4801 チータ狩 マラケニア
Cheetah's on kill. Just got a Gazelle's Baby チータのハンティングで、ガゼルの赤ちゃんを獲った瞬間でした。
11IMG_8547 ツァボオスライオン
This is a special adult male lion from Thuabo NP in Kenya, Called  No Maned Lion.
 このライオンはアフリカでもサボとアンボセリの一部にしかいないタテガミのないオスライオンで体色も黒くお腹や脚には、幼体だけが持つ豹紋が残り、mane タテガミは背の上部にほんの少し見られますが、オスのシンボルは成獣そのものです。極めて珍しい個体でもあります。
14オオミミキツネ
最近マラの辺りではよく見る小動物ですが、運とか、ガイドが巣穴を知っているとかで出会いのチャンスが決まります。ペアで見たのは初めてでした。
15大移動するヌーと留まるヌー
ヌーの渡りやマイグレーションは沢山のシーンを撮りました。興味のある方はカテゴリー別でアフリカシリーズをアーカイブしてください。 http://blog.livedoor.jp/k_otaniwwps/archives/cat_10042635.html
13サンブルー
サンブルーは大好きな場所で、東アフリカの中では、特殊な動物が多く見られ、上記4種に加えて、ライオンや象なども多く、姿も少し違います。ライオンはやや小型で、色が少し濃い茶色です。またディクディクの様な小型の羚羊対も多く、ヒョウも見るチャンスは多いです。アフリカの猛獣は殆んど撮っていて、アフリカシリーズを是非見て下さい。休養もとれたので、なにか新たなチャレンジを考えます。
このブログは9月6日に予約投稿いたしますのでよろしくお願いいたします。
予約の前日、現在、タイ北部のチェンマイに来ていて、ドイインタノン山頂まで来ましたが、前回は台風で流れ、今回盆地は天気は良かったのですが、流石にタイの最高峰いつも霧がでていて冷たい雨でした。
これと言った動物や鳥も撮れず、また、大きな顔をお見せしてご挨拶に替えます。
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次号の予約投稿は9月14日午前6時です。インドの虎の情報に誤りがあり、新たに記事を書きました。そしてあと1時間ほどでこの記事がアップされる筈で、次号に昨日行ったチェンマイの人気スポットを紹介して野生虎と飼い虎のズーストック種との写真での違いを書き終えて投稿を済ませました。14日以降に見て頂ければ幸いです。

サバンナ四方山話

1週間ほど前から体調を崩し、カワセミもお休みで、雪景色も逃してしまったが、アフリカやインドの写真を希望する人が多く、未発表の写真をアップしてサバンナのあれこれを書くことにしました。

アフリカで最も好きな場所はケニアの大自然, アフリカも10か国以上の国へ訪れたが、やはりサファリにはケニアが良い。 それは政策的にもlまた、サファリを国是としての観光立国のt体制が整っていて安心感があるからだ。
ボツアナの奥地ややコンゴとか中央部アフリカの保護区等は設備も悪いのに、やたら宿泊費やサファリのアクティビティが高い。 予約せずに個人で行けば1泊1200ドルとか、信じられない料金を取られる。
2週間もいたら、宿泊とサファリだけで150万円は軽く超えてしまい、その点ケニアは1日400ドルほどでサファリ用の車に、一流のロッジで3食付きだから安心できる。
写真をクリックして最大化して見てください

アフリカの珍商売 のコピー


色々な場所を訪れると面白いことも体験できるが、上に紹介したのはその中でも基本的な珍商売だ。
先ず、ケニアもアバディアとか、メルー(エルザの故郷)やサンブルーなどに行く時にはどうしてもナンユキかニアフルルの滝(旧トムソンフォール)の辺で赤道点を通過するのだが、大抵の旅行者はそこで止まり、赤道の標識で記念撮影とか、赤道を飛び越えて、子供の様にはしゃいだりするものだ。
そこに目を付けた商売が、上記の様な実験で、赤道を隔てた20メートルほどの距離で行う赤道の南北での水流がどのようなものかを見せてくれるのだが、確かに北半球では、漏斗に注いだ水は、時計回りに渦を作り、そこから南に20メートル戻り、同じ実験をするとホントに南半球では、反時計回りに渦が出来るのだ。
何か仕掛けがあるに違いないと思い、それを口にすると、何回でも試してくれるが、結果はいつも同じである。
それを商売にしている相手は、決してボロを出さずに、毎回20ドルをとられるのだ。
ニアフルルの滝は赤道点で止まらず、滝の近くのロッジで食事をしたりするが、滝を撮っていると、目の前のカメレオンが出てくる。 これも現地人の商売なのだ。

サンブルーでは、サンブルー族のママたちがコーラスを聞かせたり、踊りを見せてくれるが、これもチップをはずまなければならない。それでも彼らは現金収入が欲しいので、あの手この手で迫ってきて、結局根負けしてチップを支払う事になる。

必ず寄るマサイマラでは、ティムの始めたバルーンに大抵乗る羽目になり、空からのサファリは捨てがたい感動があったりする。


ケニア山 のコピー

赤道のすぐ北側には、アフリカ第2の高峰『ケニア山』が5199メートルの高さで聳え、氷河も見えるが、年々温暖化の影響で、雪は減っている。 アフリカでもその山容がアルプス的であり、今も多くの登山家が頂上を目指すが、キリマンジャロよりは本格的なテクニックを要求される山でもある。

サファリロッジで見る小さな野生 のコピー

サンブルーには美しい固有の動物が棲み、キリンは網目キリンだしシマウマも縞が美しいグレービーだったりするし、最小の羚羊のディクディクや立ってアカシアの葉を食べるゲルヌックや角の長いアンテロップのオリックス等が見られ、豹に出会うチャンスも豊富だったりする。
乾燥した地域なのに、中央を流れる、ウアッソニーロの豊かな水がもたらす緑の森で、救われた気分に浸れる。

オリックス授乳 のコピー 2

オリックス母子の授乳風景(同じ位の子をライオンが守り、3週間を過ごした)
ここは10年ほど前、メスライオンがオリックスの子供を育てたとされる場所でもあり、BBCがその様をニュースで流したせいで、多くの旅行客を惹きつけ、一躍有名になったが、真相は、次の通りで、あるメスライオンがオリックスの赤ちゃんを見つけて、それを身を持って守ったのだが、授乳は出来ず、そのオリックスは近くに居た母オリックスから乳を貰い、身を守るライオンと過ごしたが、ライオンも狩りをせずに一緒に3週間程育てたが、空腹で耐えられず、獲物を獲りに行くと、その間に他のライオンにその子オリックスは食べられてしまい、話だけが独り歩きして、BBCは美談ドキュメントとして放送し、サンブルーには、『ライオンがオリックスを育てた場所』としての看板が掲げられ、今でもそれは残っている。

アフリカライオンの地域での違い のコピー

サンブルーのライオンも他の地域に比べ、サイズが小さく、色もダークだったりするが、一番の驚きは南のツァボの雄ライオンだろう。 写真をクリックして最大化して見ると理解が出来るが、オスライオンにタテガミがほとんどなく、色も黒いし、成獣なのに体に幼少期のみ見られる豹紋が残り不思議としか言えない。
虎もライオンもチータさえも学名にパントラが付くので、ヒョウのパンサーから来ている様で、先祖は豹だったのかも知れない。
ライオン・チータ追う1 のコピー

これも珍しい光景であり、チータもライオンも容易に観察が可能な動物だが、この様に同じ写真に写る事はレアであり、この時は、チータがライオンの縄張りでシマウマを倒し、それを食べていたのをオスライオンが見つけてチータは一目散で逃げ出したが、その時の一枚だった。

IMG_4103 チータベービー

生後1か月弱のチータの赤ちゃんだが、身体の産毛が抜けず、まことに愛くるしい姿である・
GP0G1908 トピ のコピー
中型のアンティロップ トピの姿だが、ハーテビーストに似ているが下の写真と見比べれば違いが歴然である。

GP0G2035 ハーテビースト のコピー

このハーテビーストは別名 コンゴニ と呼ばれ、一時見かけなくなったが、最近数を増やした様に見える。(昔日本語名を馬鹿面と呼んでいた時代がある)ハーテに対し、ヌーはワイルドビースト(野獣)と呼ばれている。

GP0G2040 イランド のコピー

イランドは、最大のアンテロップで、捻じれ角が特徴であり、オスの大きい個体は1トン近くまで成長する。

GP0G2301 カバ のコピー

カバは一日中水中にいて、時としてこの様に岸辺に上がり、体温の調整をして、夜にはサバンナに出て草を食む習性がある。見た目より獰猛で、日本のテレビクルーが水中撮影をしている時に足を食いちぎられたこともあり、草食だからと油断は大敵だ。
30数年前タンザニアで標識を付けた個体がその場所から10年前から3500キロを移動した記録も残っている。

GP0G2198 イランドと比較 のコピー

一番奥に見える7頭がイランドでその手前にグラントシマウマ7頭がいて手前の4頭はウオーターバックのメスだ。彼等は特殊な汗腺を持ち、そこから悪臭を放ち、ライオンすらも避けて通るらしく、言われて見れば、ライオンやチータがウォーターバックを倒したのを見た事がない。

大耳キツネペア のコピー
これは大耳キツネであり、バットイヤードフォックスと呼ばれている。右がメスで左がオスだ。
IMG_3834 ガゼルの違い のコピー
2種類のガゼル『トムソン』と『グラント』だが、この様に大きさだけでは判断しかねる事があり、また、脇の黒い縞がトムソンガゼルの特徴ではあっても、グラントにも縞があり、一番の違いはお尻の白さにある。奥のガゼルは尻尾とその周りが真っ白でグラントで、手前のお尻は尾の付け根が違い、トムソンと判断が出来るのだ。因みにトムソンの名前は19世紀の英人探検家ジョセフ・トムソンからつけられ、ニアフルル滝もトムソンフォールとよばtれていたが、独立の象徴(アフリカナイゼーション)として、地名は現地名がつけられた。
GP0G2390 バブーン感じる? のコピー
人間に最も近い行動をすると言われるバブーンだが、実にこれは人間との共通項が分かる写真だ。 『頑張れば大きくなるよ』とメスが言い『オレ恥ずかしい』とオスが言ってるようだ。

辰年のご挨拶 ウソップ風 & 世界の野鳥

写真をクリックして最大化してください。

龍虎の挨拶


明けましておめでとうございます。凍てつく河原に連日出かけて、暮れも正月もありませんでしたが、少し体調を崩し、今日は撮影をやめて、ブログに専念します。
以前のインドやアフリカで撮った写真の中から、野鳥を抜きだし、紹介したいと思います。最初の写真はウソップ物語風に動物たちのご挨拶です。 辰年は、そもそも散在しない動物ですから、少しでも関係のある動物を探し、後は動物に『立つ』ことを頼みました?


みんなたつ年 

虎も象も子供はわりと素直に『立つ』事をしてくれましたが、サンブルーの子象は、大人の真似をして、わけもわからず、疑似交尾をしているようです。 真ん中のガゼルは、他の羚羊類と違い、アカシアの葉を食べる為に立つ行為を日常的にしていて、キリンに食性が似ていることから、キリンガゼルの別名があります。
生後6か月程の子虎は、この様に戦いのスキルを身に着けます。


アフリカサバンナの鳥たち のコピー

アフリカのサバンナにも鳥はたくさんいますが、小鳥は目に入らず、この様に大きな鳥・コウノトリや猛禽の仲間が多いようですが、トリに気をとられると、本来の撮影が出来なくなるため、殆ど無視して、ただスナップを数枚撮るだけですから気合が入りません。ライオンやチータが獲物の草食獣を追っている時にも野鳥ファンはそれに目もくれず、撮りまくるのですから、我々もその気持ちが分かるような気がします。


サンブルーにて2 のコピー

そんな状況で、ロッジの庭にこの様な珍しいトリが来ても、何の鳥か理解せず、『黒い冠に腹が白い珍しいトリ』で終わってしまうのです。日本でこれを調べるのは大変です。 お分かりの方は教えてチョー(鳥)!

冠鶴が行く のコピー

これは美しいトリで、カンムリツルですが、前がオスで後がメスの様です。いつもつがいでいて、一夫一妻を守っていて、自分もかくありたいと願うのは、それが出来なかったからに違いありません。

ナクルフラミンゴ大群 のコピー

サンブルーやマラに行くときは、必ずこのナクルのソーダ湖に立ち寄り泊まります。 40年ほど前に最初行った時は、湖水をピンクに染めたフラミンゴの300万羽の群れが見られましたが、今はかっての姿はないもののこの様な光景は見られます。 私はこれを『フラミンゴのお花畑』と呼んでます。

ナクルペリカン飛ぶ4 のコピー

ペリカンの数も豊富で、大群が飛び立つ様は壮観です。


インドの代表的な鳥 のコピー

私が虎の撮影に行くインドの森にはどこに行っても鳥は豊富で、野鳥ファンにはたまらない所ですが。クジャクが余程美しいダンスをするか、飛ばない限りは、レンズを向けることは少なく、インドローラーが、カワセミの様な配色で時に素晴らしいホバーリングを見せたりするので、虎を待つ折りなどに、観察をします。


IMG_2085 のコピー

これはインドサイチョウの仲間で、ホーンビルと呼ばれ、アフリカに40種類、アジアに15種ほどの亜種がいるそうで、貴重な求愛行為の最中でした。


IMG_1288 ホーンビル

これは昨年の今頃ネパールでサイの撮影中に見た、サイチョウで、その名はサイの角の様なくちばしからホーンビル(角の様なクチバシの意味)この木の下にサイが居ました。
ビッグホーンビル

これはインドネシアのセレウシュ島の熱帯雨林で見たサイチョウで、色も形も大きく、面白いホンビルでしたが、ジャングルで飛翔シーンが見られたのは幸運だったようです。
よく、タイのカオヤイ国立公園で観察しましたが、撮影が非常に困難な鳥でした。


ホーンビル12bmp のコピー

タイのプーケット島南部の衛星島にホーンビルが集まる所があり、小舟をチャーターしてその小島で撮影した覚えがあり、バナナで餌付けが可能で、この様な至近距離で撮影が出来ました。

これも名前を聞くと、『インディアングレータービッグホーンビル』と言われ、どれがホンモノなのか理解不能です。
カササギサイチョウとはこの種類なのか?と思ったりします。


ホーンビル13bmp のコピー


それにしても大きなクチバシに頭のサイの角の様なものは、どのような役割を果たすのか判りません。徹夜で写真を探して、書き上げたら朝の10時過ぎです。
少し休みます、今年もよろしくお願いいたします。 次回はまたカワセミをアップします。

アフリカの巨人・佐藤芳之さんの話

震災のニュースが毎日伝わる中、4月終わりころか、アフリカの友人佐藤芳之さんから電話を貰い、話が盛り上がった。その後原発事故に話が及び、彼の実家が南三陸町であり、津波に流された話も聞いた。
親族も何人かを亡くし、当然ながら気が重いに違いないと考え、放射能被害の話になった時、ついつい癖でジョークが飛び出してしまった。 
何しろ数年前心筋梗塞で救急車で病院に運ばれて、担当の女医さんが、手を握り『大丈夫ですか?』と気遣い 『心電図! 心電図!』と周りに指示している時、覆いかぶさるように元気づけて下さったその女医さんを見上げながら、『センセイ 生きてるのにシンデンズですか?』と、真顔で冗談を言った私だから、放射能の話が出れば 『佐藤さん、互いにもう年ですから放射能は心配ありませんよ、二人とも、もう放射せん だし、つまり放射NOってわけでしょ?』 とやったら、人の好い彼は大笑いしてくれました。

佐藤さんはアフリカ在住47年に及ぶ豪傑で、単にアフリカに長いだけでなく、ケニアで世界的なビジネスを展開させた成功者なのだ。
私もアフリカに行くと、よく彼の豪邸に呼ばれて奥様の心のこもったお料理のもてなしを受けたりしました。
かっては多くの友人がアフリカに住み、それぞれ皆さんユニークな方々ばかり、サバンナクラブを一緒に立ち上げた小倉寛太郎さんはもう故人になられたが、RCCⅡの同人として50年前からの知り合いで、1965年ユーラシア往復自動車旅行の際、カラチで偶然再会し、その後半年後にカラチに戻った時印パ戦争となり、彼の家に1か月程寄宿して、その数年後、香港からインド行飛行機の隣の席に彼が偶然座り、虎を撮っている話をしたらアフリカに誘われ、サバンナクラブの創立会員となった。
彼は山崎豊子さんの小説『沈まぬ太陽』の主人公であり、JALの社員で、その労働裁判も傍聴したが、その時の原告側証人が私と親しい一ツ橋大学経済研究所所長を務めていた富沢賢治先生だった。
他にも、ウガンダでアパレルを国家的産業として成功させた柏田さんや、アフリカで最初の日本料理店『赤坂』を開いた平井さん、シネセルから北斗映画に移った梶浦甚三郎さんなど全て偶然の出会いで、他にも獣医で活躍中の神部君や、ハンターとして名を馳せた田島君など皆ユニークだったが、この佐藤さんは、ずば抜けた人物である。


キリマンジャロ


上の写真はキリマンジャロのケニア側だが、ケニアでナッツの栽培に成功した佐藤さんは、かってこの山の裏側のタンザニアに四国と同じ位の面積の農場を買ったそうだ。
そこで、マカデミアナッツの栽培を試みて苗を植えたが、動物保護区に隣接しており、象の大群がやって来てすべての苗をダメにしてしまい、この地の先住民である象に敬意を表し、この開発を諦めたという、正に象の王者に匹敵する豪傑であり、彼の企業は人口4000万のケニアで、従業員数こそ4000人だが契約農家で10万人の雇用を生み出している一大企業としてケニアで知らぬ人がいない人物となったのだ。

ケニアの田園風景 アカシア

上は7000キロにわたりアフリカを縦断するグレートリフトバレー、つまりアフリカ大地溝帯の底にあるサバンナを切り開いた小麦畑であり、佐藤さんはこの辺りに多くの農場を持ち、また契約農家を増やし、その人々から信頼を得た開拓者であり、成功者なのだ。 彼の経営哲学は私の知る限りでは、採算や営利だけを追い求めていないのみならず、儲けの代わりに現地の人を喜ばせる事に生き甲斐を見出していて、私がかって経営していた飲食店事業の経営理念と相通じるものがあったのだ。
そんなせいか、長いこと彼が東京に来たときとか、私がアフリカに行く際には極力会うようにしていた。
アフリカの大地に根ざし、大自然を慈しみ、事業を単なる金儲けにせず現地の人の幸福を願う、日本の企業人や経済界などは彼の哲学に学ぶべきと考えたし、やはり、彼の中に流れる東北人の精神を見る事が出来る。

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ルワンダ・キガリ郊外の学校にトイレの消臭殺菌剤の売り込みに行った佐藤芳之さん、笑顔からビジネス成功が見えてくる。

実は昨日、久しぶりに電話を頂き、彼のテレビ番組の再放送が昨夜あることを控えめに知らせてくれたのだった。 番組はテレビ東京の『カンブリア宮殿』という村上龍と小池栄子の司会でのインタビュー番組であり、佐藤さんのこれまでの生き様やポリシー等が伝わってくるもので、知ってはいたが、ここまでやって来たのかとの感動が伝わった1時間だった。
殊に感動したのはアフリカを知り抜いた彼ならではの新規ビジネスへの参入だった。 日本人でもそうだが世界でも多くの人達が事業に参入と言えば先ず採算性と言うより、どれほどの利益があるかを考えて、それを至上主義にする。
我々は同じころに生まれ、同じころに戦後の貧しさを経験して育ち、成長すると同時に経済至上の正しく世界から恐れられた『エコノミックアニマル』に変貌し 『カミカゼ』から、企業戦士が生まれ、わが同世代の友人たちも『ジャパンアズNO1』等と世界から持ち上げられ、バブルを生み出し、それが弾けて、長いデフレスパイラルから競争社会は熾烈になり、現在、派遣と正社員、に代表される社会的格差を産み、格差を作り出した企業人からその格差の底辺にいる人たちや中小・零細企業を置き去りにする姿勢が日本を駄目にしたことの反省がなく、競争原理のみがより良い社会を作ると信じている馬鹿者どもが社会を動かしていては良い社会は生まれるわけが無い。
この事から私は昨夜の佐藤さんの番組を見て、共感を持ったし、日本の経済界の指導者たちが彼の爪の垢でも煎じて飲めばよいとまで考えたのだ。
介護や環境はこれからの大きなビジネスチャンス等と、単に拝金主義で言ってのける経営者がいるのは、泥棒が一番の儲かる仕事と言うのと同じことだ。
アフリカで成功を収めた佐藤さんの挑戦は今もなお続いていて、彼が目指すのはある意味では環境ビジネスでもあり、子供の死亡率が最も高い地域での医療ビジネスでもあるのだ。
しかし、佐藤さんは、我々は医者ではないから病気を治す事は出来ないが、病気にさせない事のビジネスを広げる事により、地域の安全な環境を守り、また、その国の経済活性化に貢献できると考えて、特種な枯れた植物から培養した枯葉菌の抽出と加工で雇用を生み、その産物はトイレの消臭剤で殺菌剤の効果を持つ液体で、化学薬剤を使用せず環境に優しく、正によくぞ考えたというべきプロジェクトなのだ。
枯葉(コヨウ)が雇用(コヨウ)を産むとは偶然にしては出来過ぎで、これも佐藤さんらしい。
彼は成功させたケニアナッツの株式を安値で売り、15~6年前に恐怖の虐殺で恐れられた『ホテルルワンダ』の舞台であるキガリにこの事業を展開させた。 ツチとフツ族の対立で多くの国民を失ったルワンダでの問題点は、トイレの環境問題で、大半の家庭のトイレは穴を掘って吸い込み式であり、そこにはハエが湧き、赤痢やコレラ等を媒介する。
これらのハエが媒介する病気による子供の死亡率は先進国に比べ極端に高く、水洗には出来ない為、佐藤さんが開発した枯葉菌の栽培・加工・販売を行う事で、ハエを撲滅し、病気を予防、雇用の促進という画期的なアイディアで、今その効果が実証されルワンダでの期待をされた事業になりつつあり、これが佐藤芳之と言う人の真骨頂なのである。

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先月津波の40日後故郷の南三陸町を訪れた佐藤さん。瓦礫と化したのは彼の生家である。(テレビ番組より)

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大地溝帯に立つ筆者(右)、ナクル湖のオブザベーションヒルにて

象チョベボートから


佐藤さんを動物に例えれば、まさしくアフリカの王者、象である。

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ケニアナッツで製造中のナッツやコーヒー・ワイン等はナイロビのスーパーや空港の免税店などの売れ筋商品であり、飛ぶように売れている。 ケニアナッツを知らない人でも アウト オブ アフリカの名は知っている。

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佐藤さんを支えた素敵な奥様 武子さん

ナイロビの自宅は佐藤さん夫妻の自慢のお家で、広い庭にはプールや森があり、毎日庭でジョギングを楽しむ佐藤さんだが、自慢の最大の理由はハーバードで建築を学んだお嬢さんが設計し、建築の監督もしたものでアメリカや日本にも別宅を構えている。

佐藤さんはアフリカに来たのは東京外語大を卒業後、ガーナの大学に留学をした時で、当時アフリカの父と言われたエンクルマがいたからだそうで、ケニアにはケニアッタがいて、アフリカの独立が始まった直後であり、多くの苦難を乗り越えただろうが、その様な愚痴を一度も佐藤さんから聞いた事がなく、やはりこの奥さんがいてこそ、佐藤さんの今があると思われる。
奥さんは佐藤さんを能天気だと言うが、奥様はもっと天然な能天気であり、それが魅力でお料理も上手だし、奥様の世界はどうもナイロビの素敵な広い、お屋敷内にあるらしく、毎日赤道直下の庭には大きな花が咲き乱れ、それを一年中たくさんあるお部屋に飾るだけで毎日が過ぎていきそうで、現代日本人から見れば 『不思議の国のアリス』 なのかも知れず、それが佐藤さんを大きな人間に育てたのかも知れない。

シマウマとヌーの共存・共生(アフリカ5) サバンナ秘話


ワニとヌートリ のコピー


ヌー危機一髪 目の前に恐ろしいワニが・・・


GP0G2778 ワニがヌー襲うのコピー


直後に襲われ、ワニの餌食となる


IMG_4404渡りを促すシマウマ


ヌーとシマウマの共存関係

ヌーはマイグレーション(大移動)の際、河渡りという大きな危険を伴うが、時として、渡りを躊躇するヌーをシマウマが誘導して渡る場面を何度も目撃している。
ヌーは一頭が渡れば後は群集心理で、一気に河を渡ることが多く、上の写真をクリックして最大化すると理解できるが、シマウマが集団で、ヌーの渡りを促しているのがわかる。


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促されて一頭が渡ると後が続くさまが理解できるが、ヌーは小心であり、半狂乱で川を渡る。


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ここでもシマウマがヌーをアシストして川を渡っている

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シマウマは大胆だし、勇気もあり、力もある。強いシマウマがヌーをアシストして危険な河渡りをするには、それなりの理由があるのだろう。


4914シマウマワニに襲われる


そんなシマウマがワニに襲わ、水中に引き込まれ、水中に没したが、泡の先がシマウマの頭で、後ろの大きな泡はワニの尻尾である。 足を噛まれて、水中に引き込まれた場面だ。


IMG_4490シマウマ襲われる2


死闘の末、シマウマが大暴れして、ワニを振り払っていて必死の様である。



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ワニを蹴飛ばし、ようやく振り払って岸にたどり着き、この後振り向きざま、首を大きく振り、歯を剥いていなないたあの勇姿は忘れられない。(写真は残念、シャッターが切れなかった)


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シマウマは強く、時にはレアだが、ライオンですら、逆に殺すこともあるのだ。


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マラ河のこの地点の上流には、3か所程のヌーの渡渉ポイントがあるが、5キロほど下流の湾曲したこの場所に多くのヌーの死骸が打ち寄せられ、大半が渡りの最中に、溺れたもので、ここにシマウマの死骸が流れ着くことは滅多になく、ワニに食われなかったものは、ここに打ち寄せられ、ハゲワシ・マラブー・オオミズトカゲ等の餌食とされ、サバンナで動物の死は無駄にされない。


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気球から見たヌーのマイグレーション

35年前には一望300万頭と言われたヌー達の大移動は、タンザニアのセレンゲティ大草原からケニアのマサイマラの間を、大昔から、1年掛かりで2つの草原に草を求め、3000キロ移動すると言われ、その道のりは、雨期の関連や、草の状態で、毎年多少のずれはあっても、同じで何度かマラ河を渡り、移動中に同時に子を設けて、ライオンや他の捕食獣の攻撃に対しては数で対抗すると考えられていて、シマウマとは密接な関係にあるようだ。
現在は、その数を激減させ、この地区のヌー(尾黒白ひげヌー)は100~150万頭と考えられている。


IMG_3555シマウマとヌーの関係


シマウマとヌーの共生は、基本的にはその食性の違いにあるらしく、ヌーが大きな群れで通過したサバンナは見る見る間に芝を刈られた様に変わって行き、写真の様に、その後を続くシマウマが下の部分か、そこにある草を食べるらしい。


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このシマウマはボツアナ・オカバンゴ湿地帯のグラントシマウマだが、水を飲んでいるのではなく、短い草の根本を食べている。シマウマが好物にしているヌーが食べた根本の辺りで、ここは季節的な湿地だが、水中の物は柔らかで、食べやすいのだろうと考えられる。

因みにこのシマウマは臀部に大きな傷を負っているが、直前に付近で、ライオンに襲われて、逆にライオンに噛みつき、相手の同じ場所に傷を負わせ、逃げ伸びた強者で、その場面を目撃して、下にその手負いのライオンの写真を紹介する。

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シマウマを襲い、臀部を噛まれたメスライオン


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移動しながら草を食むヌーたち 背後にシマウマが混じる。



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シマウマたちもヌーに合わせ出産をして、互いに子育てを行う事が多く、それも共生の理由かも知れない。

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サバンナに沈む太陽 闇は被捕食獣たちに安らぎを与えてくれない、何故なら捕食獣の大半は夜行性であり、夜は最も危険な時だからだ。

アフリカの大自然 4 愛らしい草食獣他

ここでは主に、東アフリカなどで見られるポピュラーなアンテロップスを中心に小型の動物や美しい動物を紹介します。 サファリに行く人も、行かない人も、テレビなどに見かけるものも多いですから是非その特徴を知ってください。動物通になる事間違いなしです!

ディクディク 3頭


アフリカ最小のアンテロップ ディクディク 体長は30~40センチ これは親子連れだが、生涯一夫一妻の愛らしい動物で、相手が死んだらその後は交尾しないと言われている。

ゲルヌクスタンド

ゲルヌック 別名キリンガゼルとも言われ、食性がキリンの様にアカーシャ等の葉を食べるのでこう呼ばれる。 二本足で立つ姿はケニア北部のサンブルーの名物動物だ。

オリックス授乳

これはオリックスの母子で、授乳中だが、90年代ここサンブルーで親とはぐれたオリックスの子がメスのライオンに一緒にいるところを目撃され、BBCがドキュメントで放送して、一躍世界に知れ渡り、オリックスを育てたライオンがいたとして記念碑がたてられている。
ライオンは乳を与えたわけでなく、赤ちゃんオリックスは母親から乳を貰っていたらしく、その後19日間一緒に過ごし、母親とメスライオンの間を行ったり来たりしていたがメスライオンが狩りをしている間にその子供は他のライオンに食い殺されてしまったという。
現代版イソップ(ウソップ)物語の様だが、日本でも放送されていて実話である。

ケリースプリング

ケニア南部のキリマンジャロ山の溶岩流が流れた跡に棲むケリースプリンガーという愛らしい羚羊で、スプリンガーとは、飛び跳ねるものの意味で、他にもクリップスプリンガー等の亜種がいて、やはり岩地に棲む特徴があるようだ。

インパラオス

これはインパラで中型のアンテロップで角があるのがオスである。時として流線型の見事なジャンプを見せてくれる。 強いオスが多くのメスを引き連れ(時に50頭)ハーレムを作る事で知られている。

インパラ抱擁

これはインパラのメスで母子の情愛シーンだ。

ウォーターバックメス

大型のアンテロップ ウォーターバック だが、ライオンなどの捕食獣も決して襲わない草食獣として有名だ。理由はその肉の臭さにあるという。 そういえば、この動物がライオンなどに襲われたのを見た事もなく、動物が身を守る方法は多様性に富んでいる。

グランドガゼルのお尻

小型アンテロップスの中でも有名なグランドガゼルだが、このガゼルのトムソンとの違いはお腹の黒い縞の有無と体の大きさ以外にお尻の白さにあるらしい。
時として、グランドガゼルにも黒い縞があったり、トムソンガゼルと見分けが付かない場合には、この尻尾の周りの白さで、見分けることが出来る。

グランドガゼル

角も小さく一見トムソンガゼルの様だが尾の付け根が真っ白であり、これはグランガゼルだ。
ガゼル狙うライオン

このガゼルはライオンに狙われているが、尻尾の特徴でトムソンガゼルであることがわかるが、複数のライオンに追われて命がけのレースを強いられている。
(写真をクリックしてください)

ガゼル・ トムソン走る

ここではトムソンとグランドが混じっているが、尾の付け根で判断する以外に見分けが付かない。 マサイマラなどでは数多く見る小型のアンテロップだ。
尾ひれが付いた面白い(尾も白い?)話ですよね?

クラハシコウ

数多いコウノトリの仲間でクラハシコウが名前で派手な顔つきだ。

冠鶴が行く

アフリカでもっとも美しい鳥、カンムリツル(クラウンドクレーン)

冠鶴

昭和20年代中ごろ、子供の頃に見た初めての天然色映画 火の鳥 を思わされる美しさで、いつもつがいでいることが多く、仲の良さはオシドリ並みである。

大耳キツネペア

大耳キツネは バットイヤードフォックス(コウモリ耳キツネ)と呼ばれ、夜行性であり、オス(左)とメスが一緒に見られるのはレアなケースだ。

ジャッカルの日

セグロジャッカルがトムソンガゼルの首を咥えているが自分で狩りをしたものだ。

バブーン親子2

バブーンは日本語ではヒヒとか猩々等と呼ばれ、岩見重太郎のヒヒ退治等の昔話があるが日本にいた筈がなく、ヒヒおやじなどあまりよく言われてないが、サルの仲間でも人間に近い団体生活をする動物として有名で、数種の亜種がいる。

白黒コロバスナクル

ケニアのアバディア山地などに棲む白黒コロバスモンキーで、毛皮の美しさ故に多くが密猟の犠牲になり、数を減らしている。 これはナクル湖で撮影した。

アフリカの大自然 2

バルーンでサバンナを行く


















アフリカの夜明け バルーンからサバンナを見る


バルーンのティム


















バルーンパイロットはティム 彼とのラストフライト

ティムは30年以上マラで気球を飛ばせていたアフリカのバルーンの先駆者だったが先年心筋梗塞で倒れ、亡くなった。 
同じころ私も日本で同じ病気で入院し、手当が良かったため、助かった。
これが、ティムとの最後のフライトになってしまい、心からの弔意を表したい。

バルーンでライオン の上を飛ぶ2


















ハネムーンのライオンカップルもびっくり

いたずら好きなティムは、サバンナで交尾中のカップルを見つけると急降下して、ライオンの頭すれすれに飛んだ。




バルーンサファリ3



















バルーンから見た ヌーのマイグレーション


ヌーファイトアンボ2



















珍しいヌーの角突き

ヌーのオスが時々見せる角突きは、メスをめぐる力比べであり、互いに傷つけることはない。


ヌー渡り正面から3


















マラ河のヌーの川渡り 

異常気象でマラ河の水位が下がり、年毎に迫力が失せていく。

ヌー渡り正面から4




























ヌー(ワイルドビースト)の跳躍

ヌー渡り13ワニ襲う



















渡る度、弱いヌーはワニの襲撃や溺死で淘汰されていく


ヌー駆け上がる2



















対岸から登って来たヌーは、必死の形相で迫力がある


ヌー渡り6



















背後からヌーの渡りを見る。

大群が渡るさまは、その光景や、鳴き声というか、狂乱の唸り声が混じり、迫力だが、岸辺に集結したヌーが渡るまでは辛抱が必要だ。
一日がかりで待って1万以上の群れが渡った時は、感激だが、その気まぐれさは経験者のみ知るさまで、誰がリーダーで渡りを始めるのか、何度も引き返しては、その度、群れは先頭について動くので、引き返せば崖をUターンして又、駆け上る繰り返しだが、一頭が渡れば、全てがそれに続いていく。

何かの利害が一致するらしく、シマウマは事も無げに渡りを始めるが、ヌーが渡らない時は、対岸から、ヌーに渡りを促し、時には流れをエスコートすることもある。(ヌーが食べた後の草を食べるらしい)長い年月観察を続けると、いろいろなシーンを見ることがあるのだ。

ワニとシマウマ のコピー
















シマウマが渡りの前にワニを脅した

後にはシマウマの群れ(100頭ほど)がスタンバイする中、リーダーと見られるシマウマが岸辺で待機するナイルワニに近づき、脚で地面を叩き、歯を剥いていななき、ワニをけん制した。
シマウマは見かけによらず、好戦的で、水中で襲われても、蹴散らす力は持っているのだ。


シマウマ転落 2



























シマウマ転落の瞬間

あれほど勇敢で、数頭のワニに水中に引き込まれても、それを蹴散らして岸辺に上がり、歯を剥いて勝ち誇る強いシマウマが、偶然だが崖から転落する様を目撃し、無論無事に岸に登ったが、なにか、弘法も筆のあやまりの様な出来事を見て、ほっとする気分になったものだった。

ボツアナでは、シマウマがライオンのお尻に噛みつき、大きな傷を負わせる場面も観察したことがある。

シマウマグレービーファイト

















赤道北に棲息するグレービーシマウマ

シマウマもいろいろな種類がいて、これは毛皮が美しいグレービーで、サンブルーのバッファロースプリングに棲む群れは有名だが、種類が違っても、彼らは、オス同士よくこの様に争う姿を目撃する。

今回はここまでですが、次回はアフリカの別な珍しい動物や、象、サイ、アンテロップス等を紹介したいと考えています。

アフリカの大自然 1

キリマンジャロ
温暖化で頂の雪が消えつつあるキリマンジャロ(ケニア・アンボセリ)
40年ほど前には中腹の雲の上まで雪があったが、冬の終わりでもほとんどの雪が消えていき、天国のヘミングウエイは、今頃 『ア・ア・アノ~ヨ~』 と、嘆いて居るかも知れない。 天国だけにね!

ビクトリアフォールズ
























ビクトリアフォールズ(ジンバブエ・ザンビア)
この滝は現地語では『煙たなびく轟音』と呼ばれ、西洋人として初めてここを探検したリビングストンははるか20キロも離れたサバンナから、この滝の水煙と轟音を聞いたという。
ザンベジの大河が、突然大地の裂け目の直角に吸い込まれていくさまは圧巻で、この写真は西岸のデビルアイズ(悪魔の瞳)と呼ばれる部分の横から、正面が下流で、そこに水流があり、ここから大地の割れ目に2キロの幅の滝が始まる地点からの物です。
右側の崖上が滝の正面にあたり、2キロの遊歩道があるが、狭い割れ目に滝が吸い込まれるので、びしょ濡れになることもある。

シマウマ夕日2
















アフリカの大地に沈む太陽(サバンナの落日)
大好きなマサイマラの夕日だ。 きれいな夕日が見られそうな時はまだ、日の高い時から、草原を移動しつつ動物の群れの動きを観察しながら、ホライゾンに差しかかるタイミングを見ながら撮影場所を選び、タイミングを計る。
ゆったりした気分で撮影が出来る、至福の時間でもある。

ライオン3頭が行く再 
















3頭のライオンが行く
この写真はタイミングが絶妙だった。 恐らく、同じ写真は2度と撮れないと考えている。
プライドの6頭のメスが狩りに行く際、横からジープで追い続け数十枚切ったシーンの1枚であり、連続シャッターで10枚程のうち、コンマ数秒前後の写真はすべてダメであり、この1枚が最高の場面となった。
動画では決して撮れないシーンだった。 
(もしサムネールが見苦しいときは画面をクリックすると写真がクリアーになります、他の写真も同様です)

ライオンとヌーの大群

獲物を求めてプライドが移動中で3頭が行く様はこの時撮ったもの
(この写真をクリックして画面サイズを100%にしていただくと迫力が増します)
ライオネス(メスライオン)達の狙いは、彼方の大きなヌーの群れで、この時の狩りはチームワークの勝利、ライオンは各自がポジションを守り、追い立てるもの、待ち伏せるもの、などの協力で狩りを成功させるのだ。 
そこで、プライドと呼ばれる群れが必要になり、効率よい生き方を選ぶのである。 プライドもボツアナ等の乾燥地帯に棲むライオンは獲物の草食獣が少ないことから、象を襲う習慣があり、それだけプライドの規模も大きくなり、30頭程の集団もいる。

ライオン一家が行く















ライオン一家がサバンナを行く
ライオンは通常プライドと呼ばれるメス中心の集団に、キングと呼ばれるオスが1頭、時として2頭以上のオスが用心棒としてプライドに加わるが、子供のオス(レオ)は成長すればプライドを離れる。
これは、近親婚を避ける意味で群れを出ると考えられるが、やhり、本能がなせる業なのか?
この親子は、この日メスが初めて、離れた草むらで産んだ子供を、父親のキングに紹介した日で、キングと言えど、ライオンは母系社会であり、ドミナントはメスであると考えられている。

ライオンファイト再
















キングに挑む若い挑戦者
これは運の良いシーンで2頭の若い雄ライオンが、キングを待ち伏せして、2対1の争いになった時のものであり
一部始終を撮影できた。 鬣(タテガミ)を見れば一目瞭然だが、この後、キングは2頭を蹴散らし、瞬時に戦いは終わったが、最後に2頭の挑戦者がとった行動は、キングの前にひれ伏し、頭を地面につけて、恭順の姿勢をとり、謝罪をしたが、キングはそれ以上は何もせず、ひと声、大きな唸り声を発して、メスの待つサバンナの彼方へと消えて行った。

ライオンファイト6
















2頭の若い挑戦者をものともせず王者の戦いは終始落ち着いていた。

ライオンファイト2歳
















戦い終わって、負けた若い挑戦者2頭はキングにひれ伏した。
一部始終を目撃、撮影に成功したが、夢の出来事の様だった。 この若い雄たちは、また、サバンナのバチュラー軍団に戻るのだろうか?
(バチュラー軍団とは、若い雄や戦いに敗れた雄が作る、オスの軍団だその中でも熾烈な争いがあり、切磋琢磨しつつ、プライドのキングを目指す)

チータ3頭岩の上

















チータ オン ザ ロック
チータは、子供を3頭ほど産むが、成獣になるまでは、母親と過ごし、狩りの勉強をする。
この時期は、ちょうど動物が移動して来て、出産シーズン、成獣寸前の子供たちに狩りを覚えさせるよい時期であり、そのタイミングを見ながらチータも子を産むと信じられていて、真ん中に母親で、両端がオスの子供である。

チータ狩4

















チータの狩り
若いチータが、草食獣の出産期で、狩りの訓練にはうってつけであり、正に弱肉強食であり、弱い草食獣は同時に出産して、数で生き残りを増やす、正に天の配剤と呼ぶべきか?

チータ走る4















しなやかなチータの走り
チータは最速のスプリンターで、1キロ程の短距離は時速100キロで走ると言われる。
ガゼルやインパラなどの小型動物が主な獲物だが、時に、シマウマやヌーなどの大型獣も狩りをする。

ヒョウ5
















樹上の忍者 ヒョウ
ネコ科の動物では、ヒョウは木登りが得意で、素早く狩りをして、素早く木の上に獲物を運ぶ。
隠密行動で狩りの成功率が高いことから、ライオンが目の敵にする動物であり、時として樹上のヒョウをプライドの雄ライオンが見張り、木から降りられない様に数日張り付くこともある。
3日間同じ木の上下で双方がにらみ合っているのを見た事がある。 これは、オスは狩りに加わらないことから、その間に、メスが獲物をチームで狙う習性で、邪魔なヒョウを動けなくする為なのだろう。

ヒョウ親子トリ のコピー














サンブルーのヒョウ親子(ピンが甘く画面をクリックしてください)
サンブルーは樹林が多いことから、多くのヒョウが棲息していることで有名だ。
昼は樹上で休み、暗くなるころから獲物を探すノクターナル(夜行性)の典型で、自分とも共通項だ。
子連れの母親だったようで、ぶれているが、子連れは珍しく、ここに紹介した。
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