昨日、母校 麻布大学の恩師の名誉教授にお会いした。
やはり話題は、口蹄疫のこと。我々獣医師は、今のところ集まれば、この話になります。獣医師はみんな、口蹄疫の怖さや伝搬力の強さ、畜産業に与える影響の大きさなどについてよく知っているからです。
先生が一番心配されていたのが、殺したウシやブタの死体を同じ牧場の敷地などにそのまま埋却処理していること。
「いくら厚手のビニルシートで覆っても、死体は腐敗していくわけですからね。いくら消毒剤を入れたからと言っても、大量の汁と一緒にウイルスも出るでしょ。これから梅雨が本格化して、掘り込んだ部分の地盤が緩めば、シートの密閉だってずれたり、雨水がたまって、この先どうなるかわからない。そうなれば、地下に汁が染み出して、土壌汚染と水質汚染が一気に広まっていく可能性もあるでしょ」
確かに、そう考えると、現場では、みんなが必死で作業しているわけだけれども、青色ビニルシートで妥当な処理ができているのか素朴な疑問も湧き上がります。
かつて、イギリスで大流行した時には、全頭焼却処分にして早期解決が可能となりました。
今回なぜ、それをしないのか?
処分にかかる予算が少なすぎることと、大量の死体を一度に焼却処分する施設が無いからにほかなりません。
財政の限られている地方自治体では、多少のリスクはあっても埋却処理しか方法がないのです。
「だから、佐草君が出るんだろ。アメリカには伝染病の家畜焼却システムがある。まずはあれを国家予算で運んできて、燃やさないと。それより、もしかしたら、日本のゴミ焼却技術はもっとすごいかもしれない。辺野古に滑走路を作る暇があったら、すぐにでも家畜焼却炉を設置すべきですよ。国政に参加したら、そうした具体的なことをしてくれるんだろ?」
と、叱咤激励していただきました。
そう、舛添代表が望んでいるのは、そうした現場エキスパートの声をどんどん国政に反映していくことです。だから、知名度のあるタレントやスポーツ選手を擁立しなかったわけです。
地味だけれども、しっかりと国民の為になる政治家を生み出そうとしているのです。私も、その一人として指名を受けたからには、もっともっと勉強して、諸先輩のご指導、ご鞭撻をいただいて、頑張らなければと思いました。
「それにしても 死体からはガスがどんどん出るだろ。これから夏だよ!?あんなにビニルシートで密閉したら、ガスが貯まって爆発するよね。そしたら、ウイルス汚染物質が飛散することにならないかなあ」
恩師の最後の言葉が、ザックリと胸に刺さりました。
口蹄疫騒動。もはや、パンデミックです・・・!
獣医師 佐草一優