ついに迎えたリーグ最終節。川崎Fにとって今シーズンは苦しい時期が多かった。主力である三笘、田中碧の海外移籍。CBに相次いで怪我人が続出。更にACLと並行しながらの過密日程に加え選手たちは隔離生活も余儀なくされていた。

 8月以降にはリーグ戦でも不調に喘ぐ時期が続くも、アウェイ札幌戦でエース小林悠のゴール。その試合のヒーローインタビューで放たれた「フロンターレはまだ死んでいない」という言葉によって、チームはもう一度立ち上がることが出来た。

 その後ルヴァンカップとACLの敗退が決まったものの、韓国から帰国後してからの5連戦を全て勝利。知念、宮城など出場機会に恵まれなかった選手たちが次々に結果を残し、他クラブの追随を許さなかった。

 そんな中で掴んだリーグタイトル。今季の王者としての威厳を保つためにも、最終節を勝利で終えたいところだ。

 そして今節対戦するのが、川崎Fと最後まで優勝を争った横浜F・マリノスとの神奈川ダービーである。

 前節は、3位神戸とのACL出場圏内をかけた直接対決を見事に制し、ストレートでのACL出場が確定。そんな中で迎えるホーム最終戦は、"ライバル"川崎Fである。今季の優勝を奪われた相手でもあるため、負けたく無いという思いが強いだろう。

 この両チームは、攻撃にストロングポイントを置いているのが特徴である。川崎Fはリーグ80得点。対する横浜FMは81点を記録している。また、レアンドロ・ダミアンと前田大然が共に22ゴールをマーク。彼らの得点王争いにも期待したいところだ。

 果たして、最後の最後でど派手な打ち合いになるのか。


 前回対戦は、リーグの開幕戦。この時は、川崎Fが2-0で勝利を収めている。




前節の横浜FM

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 2位横浜FMと3位神戸の上位直接対決。勝てばACLへのストレート出場が決まる横浜FMは、ハイプレスでは無くブロック守備を採用。ビルドアップ隊に対して枚数を合わせながら対応することで、神戸の攻撃を封じていた。

 そんな中迎えた前半23分。レオセアラの触れたボールが神戸のDFとGKの間に落下。この隙を見逃さなかった前田が押し込み先制に成功する。前半の終了間際には、コーナキックから山口にゴールを脅かされるもクロスバーに救われ前半を1-0で折り返す。

 後半はイニエスタを中心に右サイドを攻略される時間帯が増えるもDF陣が奮起。何とか耐え抜きながら時間を溶かすことに成功。すると後半37分に、途中出場の仲川が見事なコントロールショットを沈め追加点を獲得。その後も神戸の猛攻を許さず2-0で勝利し、ACL出場権を手にした。
 

横浜FMの注目選手

DF 25小池龍太

 横浜FMが誇る超攻撃的なSB。攻守に渡ってフルスプリントを繰り返すことの出来る選手だ。

 持ち前のスピードを活かし、大外を駆け上がったり、インナーラップで相手の懐に潜り込むなど攻撃での存在感を発揮。マスカット体制以降は松原がスタメンの座を奪取し、多くの試合に先発出場を果たした。

 直近のFC東京戦では2ゴール1アシストの活躍でチームのゴールラッシュに大きく貢献。オープンスペースで勝負させたくない選手の1人だ。


FW 23仲川輝人 

 昨年は怪我に泣かされた2019年のJリーグMVP。再起を胸に迎えた今シーズンもなかなか調子の上がらない時期が続いていた。そんな中、夏に神戸移籍の話が浮上。それでもチームに残留する道を選び「仲間とタイトルを獲る」と宣言した。

 スピードに乗らせたら手の付けられない選手なのは変わり無い。また前節の神戸戦では、利き足とは逆の左足で見事なコントロールショットを沈めた。

 川崎Fはユース時代に所属。古巣との対戦に燃えているだろう。


FW 38前田大然

 今シーズンの活躍は言わずもがな。他を寄せ付けない圧倒的なスピードと人間離れしたスプリント回数で今シーズンの横浜FMを牽引した。

 彼の持ち味はその速さ。攻撃では相手のDFラインの背後を狙い、守備ではハイプレスのスイッチ役として相手のビルドアップ隊に恐怖を与えていた。

 現在、レアンドロ・ダミアンと並んで得点ランキングトップタイの22得点をマーク。得点王争いにも注目だ。

両チームの予想スタメン

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【横浜FM】
・GKの田川知樹が左第5中足骨骨折で離脱中
・DFの畠中槙之輔が左ハムストリング付着部損傷で離脱中


【川崎F】
・ジェジエウが怪我の影響で帰国


試合展望

 さて、最終節。この両チームを簡単に説明すると「最強の矛」vs「最強の矛」である。

 そんな「攻撃で相手に怖さを与えるぜ!」というチームに対して、守備時にどう振る舞うべきなのか。今回はその辺をメインに話を進めて行く。

 直近の横浜FMは、ハイプレスを慣行してきたFC東京に対して、高いラインを背後を突いての攻撃でチャンスを作り続けた。

 一方で敗れたG大阪戦は、引きこもる442のブロックの攻略にかかるも決めきれず。また、浦和戦では451で帰陣した浦和のブロックを崩すことが出来ず、カウンターを受ける場面が多く見られた。

 この部分を考えた上で、川崎Fがどう振る舞うかである。まぁ間違い無くいつも通りダミアンをスイッチ役としてプレッシングに出るだろう。

 ただ、そこで相手に蹴らせない程の圧を掛けられないと、ハイラインの裏を前田、エウベル、仲川のスピード三銃士に寄ってひっくり返される可能性が高い。また、ハイライン裏の掃除をしてくれるジェジエウが不在。そのため分の悪いマッチアップになるだろう。

 マリノスとしても「スピードが乗った状態で刺しきりたい」というスタンスっぽい感じ。そのため、正面からぶつかれば、間違い無く殴り合いは避けられない。その対策として、ブロックのラインをいつもより低く設定する必要があると考える。

 横浜FMは、遅攻を余儀なくされると、両SBが高い位置まで進出し攻撃に厚みをかけようとして来る。その際は、WGが内側には入りCHとで三角形を作る形だ。ここにマルコスが+1として絡んできて、サイドをコンビネーションで崩すシーンが見られる。

 それだけでなく、シンプルに幅を取った選手からクロスを入れるシーンも多め。マスカットの戦術が「クロスゲー」と言われる所以は密集アタックの部分に有ると思うし、横浜FMも「引きこもった相手からゴールを奪う方法」を模索している。

 ただ、SBとCHが高い位置をとれば後ろは手薄になる。その割には、ネガトラの設計が曖昧な印象を受ける。浦和戦では、この作用を逆手に取られ、チアゴ、岩田と実質2CBで守る部分をカウンターで突かれていた。

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 だとしたら、川崎Fでもこうやるのが手っ取り早い気はするが、こうなると陣地回復の手段がダミアンだけになってしまう。浦和の場合だと、両WGの田中と大久保が横浜FMのSBに着いて行き対応。同サイドのトライアングルに対して、WGーIHーSBで対応をしていた。しかし、川崎Fでこれをやると家長を守備に回さざる負えなくなる。

 本来なら家長、ダミアンで陣地回復する出口を2つ用意するのがセオリーなのだが、これだとダミアンしかターゲットが居なくなるため、ここは考え物である。

 ダミアンがチアゴを寄せ付け無いくらいボールキープし、ポジトラで駆け上がってくる選手を活かせれば話は別。というかそれが出来たらベストである。また他の手段としては、逆サイドのWGは残って陣地回復のための駒となることだろう。対角で揺さぶりをかけて、そこを出口にするのは1つ手なのかもしれない。

 一方で横浜FMはどう出てくるか。前節はこれまでのようなイケイケハイプレスでは無く、442っぽく守りつつSH化したWGが、相手にビルドアップ隊に合わせて出て行き枚数を合わせる仕様だった。神戸の飯倉+2CBで守る場合は、前田、マルコス、CFの選手を並べて3vs3を作る形である。

 これまでポステコグルー体制の時はアンカー番を付けてCB1人がボールを持てる状態にしてきた。




 今回、マスカット体制になって初の対戦になるため、前から牽制する際は出方は見ていきたい所だが、恐らくカバーシャドウで消して、ビルドアップ隊に枚数を合わせる守り方を採用してくるはずだ。

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 仮にカバーシャドウで来た場合、橘田が肝になる。まずは、彼のポジショニングの良さで最初の防波堤を突破したいところ。もし、前の防波堤を突破された場合、今度はCHの担当が守備の担当になるのだが、彼らは広い範囲の守備を任されているが故に別の場所にスペースを作り易い傾向がある。

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 そのためアンカー+IHの3人で、横浜FMの2CHを大きく動かすことは重要になるはず。橘田は次の手を読んでボールを逃がすのが得意な選手。そして脇坂は自分がスペースへ逃げるのが上手い選手だ。この2人なら3vs2という局所的な優位を突破出来るはず。

 横浜FMとしては、そこを使わせないために前線のメンバーがプレスバックを頑張る仕様になっていると思う。それでも、今の川崎Fはスペースを見つければスピードアップ出来るチームになっている。そのため、どこかで縦に速く押し込む流れを生み出したいところだ。
  

 



 
 

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