FC東京2-3川崎F

得点者(川崎F)
19' 14脇坂泰斗
61' 23マルシーニョ
75' オウンゴール

得点者(FC東京)
47' 15アダイウトン
74' 15アダイウトン


フォーメーション
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 2022シーズン最終戦となったこの試合。ホーム3連戦を全て勝利で飾り、首位を走る横浜FMに追随する川崎Fは、FC東京のホームに乗り込んでの試合となった。

 川崎Fは前節から1人スタメンを変更。GKはソンリョン。DFラインは山根、ジェジエウ、谷口、登里。アンカーにシミッチで、IHに脇坂と橘田。スリートップは家長、小林、マルシーニョという布陣になった。

 対するFC東京は、GKにスウォビィク。DFラインは中村、木本、森重、長友。アンカーに東で、IHに塚川と松木。スリートップは渡邊、フェリッピ、アダイウトンという布陣となった。

ポジトラでポジる

 FC東京との対戦は開幕戦以来となる。そんな前回対戦は、相手のハイプレスに苦戦するシーンが多め。川崎Fもボールを握り倒すというよりかは、縦に速く攻めこんだ結果、所々でトランジション合戦が行われる内容だったと記憶している。

 本来の両チームのスタンスで言えば、もう少しボールを保持してゆっくり攻めたいはず。それにより、試合の主導権を握りたいのが本筋なのだろう。

 そのためにはまずはボールを奪うところから始まる。なので、両チーム共にハイプレスをかけてボールを奪いに行っていた。

 川崎Fの保持で言えば、丁寧に繋いでた前節とは打って替わり、この試合は大きく蹴るシーンが多め。古巣対戦となる塚川がGKまでプレスに出て来るなど、FC東京サイドが積極的にボールを奪いに来るなかで、長いボールを多用しながら敵陣に押し込もうとしていた。

 このハイプレス合戦で優位に立てていたのは川崎F側と見て良いだろう。FC東京は長いボールを多用するというよりも、自陣から下で繋ぐことにトライしていた。それに対し川崎Fが高い位置からボールを奪う感じであった。

 ここで気になったのはFC東京の狭さ。両WGが幅を取るのではなく、一つ内側のハーフレーンに立つことが多め。大外はSB専用という感じであった。特に右WGの渡邊は自由自在に動く。真ん中に行ったり下がったりとフラフラ動き回ってボールを受けようとしていた。

 ただこれだと全体的に狭いし、中央に密集していて外へのパスルートも用意できないため川崎Fの選手たちも捕まえやすいように見えた。

 そこからのトランジションでも上回っていたのは川崎Fの方。奪ったあとに飛び込んでくる東さえ外せれば、広いスペースが多くあるため、そこに飛び込んでボールを受けつつカウンター気味に押し込でいった。

 6分のシーンで言えば、プレスをかけて蹴らせたボールをシミッチが回収し、そこから少ないタッチ数でオープンスペースに潜り込んだ脇坂を経由してチャンスを産み出していた。

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 7分の場面は、FC東京にDFラインの背後を着かれて一度押し込まれるも、登里のボールカットからカウンター。東がマルシーニョへ対応に出てきた際に中央に出来たスペースに脇坂が入ってボールを受け、家長→山根と繋いでクロスまで持って行っている。

 そういった面ではポジトラに切り替わった際の脇坂はかなり効いていた。元々、空いたスペースを見つけてそこでボールを受ける上手さがある選手である。この試合でも、FC東京の中盤3枚が動くことによって、カバーしきれない場所を見つけてボールを受けていた。

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 9分も似たような構図。SBのところでボールカットし、東が家長に出てくることで空いたスペースで小林が落とし、シミッチが経由してボールを受けた橘田が加速していた。この、「東が出てきたスペースでボールを受ける」形を何度も再現性を持って前半の序盤から何度も見せていた。

 その後何度もチャンスを作り出した川崎Fは迎えた19分。プレスからのショートカウンターで得点を奪う。家長の外切りプレスにより、森重が中央にボールを付けるとそこを狙っていた橘田がボール奪取。

 そこからサイドに展開し、ボールを受けたマルシーニョとサポートに来た橘田で相手を4人ほど引き付けれ、マルシーニョがカットインから中央にラストパス。最後はフリーになっていた脇坂がエリアの外から素晴らしいミドルシュートを決めた。

突然の退場劇

 幸先良く先制した川崎F。それに対しこの日のFC東京は長いボールを前線に送り込んでチャンスを作っていた。この際、川崎Fのプレスの出口になるのはSB。そこがフリーかつ高い位置で受けられた場面はチャンスシーンが多かったように思える。

 11分のシーンのように、スリーセンターの脇で中村がスウォビィクからボールを受けられればスムーズに背後へボールが出せる。今シーズン川崎Fがやられて嫌だったことはピッチを広く使われての攻撃。そう考えると、中央で密集を作られるよりも、シンプルにワイドを使われた方が嫌である。

 それでも基本的には川崎F優位で試合が進む。だが、迎えた29分。ボールを奪った塚川がDFラインの背後に抜け出したアダイウトンに素早くボールを届けると、飛び出してきたソンリョンがエリアの外で倒してしまう。これがDOGSOの判定により一発退場となってしまう。

 この日勝っていたトランジションのところで躓いての退場劇である。これにより試合の流れはFC東京に片寄っていった。

 川崎Fとしては4ー4ー1の布陣に変更。直前のプレーで足に違和感を覚えた登里に代わって丹野が投入。橘田が左SBに入って、CHは脇坂とシミッチが入った。

 基本的には自分たちの陣地にベッタリ引いて守るような形。そこで網をかけ、マルシーニョを走らせてのカウンターで一発を狙う形になった。というよりも、そうせざる負えない状況だったというのが正しい表現だろう。

 一番前を1トップで守るため、両CBのどちらかにボールを運ばれるシーンがあったが、そこは致し方ない。その先で中央を使われ無い方が大切である。なので、中央を固めてサイドにボールを逃がすのは、セオリー通りと見てとれるだろう。

 そうなると、右SBの中村が高い位置まで進出し何度もクロスをあげる。本来はクロスをあげる前に止めて欲しい所だが、橘田も決して得意としているとは言いづらいポジションであるため、中村への対応は手を焼いてしまっていた。

 それでも橘田に加勢して中村に食らいついていたマルシーニョは本当に頼もしかったし、エリア内でハイボールを処理するDF陣やGKの丹野は心強かった。

 FC東京もサイドチェンジを使って揺さぶりをかけながらクロスまでの形を作ろうとするが、川崎Fがなんとか死守。前半を1点リードで折り返す。

ギャンブルプレスの行方

 前半を1点リードで終えた川崎Fは、脇坂を下げて車屋を投入。右サイドからクロスを入れる中村のケアと、橘田をCHに置くことで中盤の強度を取り戻す策だったはず。

 しかし、後半開始早々にセットプレー崩れから押し込まれ、右サイドの高い位置に進出していた木本のクロスからアダイウトンに決められ振り出しに戻される。

 ここからは後半一方的に押し込まれる展開となる。川崎Fの攻撃がマルシーニョを用いたカウンターアタックしかないため、リスクを冒しつつFC東京のCB陣が攻撃参加。これによって、攻撃の厚みは増していた。

 53分には、川崎Fの4バックの間に人を配置。インナーラップして来た中村に谷口が釣れると、CB間でボールを受けたフェリッピにシュートを打たれるがクロスバーに救われる。

 それでも後半始まってからの10分間はずっと押し込まれている状態。前半のように、マルシーニョの単騎突破に託せる局面も少なかった。

 そこで、鬼木監督は知念と大島を投入。2トップを知念とマルシーニョにし、中盤を家長、橘田、大島にした4ー3ー2に布陣を変える。それだけで無く、ボールの奪い所を自陣では無く相手陣地に設定。ローラインを辞めて、ハイプレスに出た。

 このギャンブル的なプレッシングが功を奏すことになる。60分に、長友のところを大島で蓋。横パスが塚川に入ると、橘田が猛追をかける。そこでボールを拾った森重に二度追いするとゴールライン付近でボールを奪い切り、最後は折り返しをマルシーニョが決めて逆転に成功する。

 プレッシングに出た直後のシーンではレイオフから剥がされ、スルーパスに抜け出したフェリッピに肝を冷やす場面も見られた。ただそれでも怖じけずに、ロングカウンターがダメならショートカウンターや!という感じでゴールを決めきった。

 対するFC東京は三田と紺野を投入し、右WGの渡邊は左SBにポジションを移した。ここからは右サイドに入った紺野や三田が利き足である左に持ち替えて逆サイドにボールを送るようになる。このサイドチェンジでの揺さぶりはかなり厄介だったし、ファーサイドで飛び込んでくる渡邊もなかなか捕まえられなかった。

 2失点目もこの狙いから崩される。74分に紺野のクロスにファーサイドで構えていた渡邊に折り返され、最後はアダイウトンに再びネットを揺らされてしまう。

 しかし、そのわずか1分後。キックオフの流れからもう一度攻めに出た流れから車屋が鋭いクロスを入れると、中央で潰れた知念の裏にいた渡邊に当たったボールは、スウォビィクの手をすり抜けてゴールラインを割った。これで再びリードする展開に。

 その後は山村を投入し5バックにシフト。知念をスリーセンターの左に入り家長が1トップで陣地回復役を務めた。5分間あったアディショナルタイムを上手くやり過ごし、試合は3ー2で勝利を収めた。

雑感

 最終節に勝利したものの、首位を走る横浜FMも勝利したため3連覇の夢はあと一歩のところで届かなかった。

 それでも半分以上の時間を一人少ない中がしっかり戦い勝利を収めたこのクラブを心の底から誇りに思うと感じた試合だった。

 この試合のキーは間違いなく鬼さんの手腕が光った部分だろう。同点にされた中で、選手交代を合図にプレッシングに出たこと。それに選手が答えて勝ち越しゴールに繋がったのは良かった点である。受け身になっているだけじゃダメなんだ、攻めに出るんだ!という大切さを学んだ。これは人生の教訓にしようと思う。

 そして終盤も家長を前に残し、山村を入れての凌ぎも鬼さんの経験が活かされいるはず。1人少ない状況での勝ち方を知っている指揮官は流石である。

 それだけではなく、味スタのアウェイスタンドを青色で染めた川崎Fのサポーターの声援がもたらした力も大きかったはず。選手の背中を押す最後の一押しにはサポーターの力も間違いなくあったはずだ。

 3連覇を目指す冒険はまた横浜FMの手によって阻まれ、またもや振り出しに戻ってしまったが、今シーズン得た経験と、この試合で見せた底力は次に繋がってくるはずだ。

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 今回はおやすみ!






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