史上5クラブ目となるJ1連覇を達成した川崎フロンターレ。終わってみればリーグ最多得点。そして最少失点も記録。まさしく「完全優勝」とも言えるシーズンだった。
 今まで「シルバーコレクター」や「無冠ターレ」と揶揄されてきた彼らの姿はそこには無い。これまで、鹿島アントラーズしか達成できていない「3連覇」を大きな目標として掲げる。それだけでは無く、今まで一度も手にしたことが無いカップ戦のタイトル獲得。これも大きな目標とも言える。

 これらの目標を達成すべく、冬の移籍にはかなりの熱が入っていた。まさしく「補強」と言える即戦力の獲得に「タイトル奪取」を本気で目指しているのを感じる。

 新たな選手が加わったことでポジション争いも読めない状況だ。そこで、ポジションごとの展望を筆者が独断で語っていく。


ゴールキーパー

 ゴールキーパーには1人の入れ替えがあった。大分トリニータへ武者修行しに行ったポープ・ウィリアムの代役として、レノファ山口の正守護神、藤嶋栄介を期限付き移籍で獲得。誰からも愛されるムードメイカーの加入はとても大きく、さっそくSNSを通じて選手と打ち解け合っている様子を公開。見ているコチラからしてみれば、とても有り難いのでもっと更新して欲しいところだ。
 だが、彼の魅力はそれだけではない。一流のシュートストッパーとして、数多くのセービングで山口のピンチを救ってきた。
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 昨年、Jリーグベストイレブンに輝いたチョンソンリョンに加え、第2GKに据えるのは勿体無いほどの安定感とキックの精度を誇る新井章太がいる。そして、ロンドン五輪代表の安藤駿介も在籍しているなど、Jの中でトップクラスに厚いGK層だと感じる。

 スタメンを張るのは恐らくソンリョンだと思うが、新井の成長も著しく割って入る可能性も十分に考えられる。お互いをリスペクトし切磋琢磨しながら成長するGK陣。ピッチに立てるのはたった1人だが、全員で川崎の最後の砦として、ゴールマウスを守って欲しい。


右サイドバック

 補強急務となったこのポジション。2年連続J1ベストイレブンとなったエウシ-ニョが清水エスパルスに移籍。それだけではなく武岡優斗、田坂祐介の契約満了もあって右サイドバックでプレーできる選手が相次いでチームを去った。そんな中で、2人の新参者がチャンピオンチームのスタメン確保に名乗りを挙げた。

 1人目はブラジル2部のヴィラ・ノヴァから完全移籍で獲得したマギーニョだ。
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掲載元:ドメサカブログ
URL:http://blog.domesoccer.jp/archives/60118487.html
 身長175㎝と小柄なサイドバックだが、スピードに乗ったドリブルと高いクロスの精度が武器。相手の背中を取りマークを外すといった攻撃的な本質が魅力で有り、あり得ない角度からシュートをねじ込む力を持つ。守備面で言えばまだ不安要素はあるが、スタメン第一候補として名乗りを挙げそうだ。

 そして、筆者待望であった馬渡和彰も獲得。昨年、徳島ヴォルティスからサンフレッチェ広島に移籍したばかりだったため、「流石に来てくれないだろう」と思い12月に書いた「移籍の予想記事」から外していた。だが、まさかの完全移籍で獲得。これ以上の胸熱な展開は無い。
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 利き足である右サイドは勿論、左サイドでもプレーが可能。徳島時代は、左サイドの方で多くプレーをしていたが、ポジションの枚数的に右サイドで使われるだろう。サイドハーフの選手がハーフスペースまで絞り、アウトサイドレーンを空けてプレーする川崎のサッカーの中では「水を得た魚」のように動き回るに違いない。広島時代には活かしきれなかったチャンスに絡む力を川崎では思う存分に発揮して欲しいところだ。


左サイドバック

 タビナス・ジェファーソンが岐阜へと期限付き移籍となり、車屋と登里の2枚だけになった。だが、昨年の2人のパフォーマンスを見る限り問題は一切無さそうだ。特に登里の進化が止まらない。筆者的にはベストイレブンに選出された車屋よりも高いパフォーマンスを見せつけていたと感じる。細かい怪我が無くなれば、スタメン奪取も夢では無い。
 どちらかがシーズンの半分以上を怪我で過ごすという緊急事態が起きなければこのポジションは安泰と言えそうだ。もしそうなった場合は、馬渡か鈴木雄斗を左サイドバックに置けば問題は解決されそうだが、基本的には車屋と登里がこのポジションを務めることになりそうだ。


センターバック

 Jリーグ屈指とも言える谷口彰悟と奈良竜樹のセンターバックは、高い安定感を見せJリーグ最少失点に大きく貢献した。第27節では昨年の得点王であるジョーを完封。奈良がアタックに行き、谷口がカバーに入る。このコンビネーションは「お見事」以外の言葉が出なかった。そんな名コンビに割って入ってきそうなブラジル人DFが川崎に加入した。

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掲載元:超ワールドサッカー
URL:http://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=341021

 昨年、ブラジル一部でプレーしたジェジエウは186㎝の上背に加え、高い足元の能力を備える。時には奈良のように対人の強さを発揮するファイターのような一面もあれば、谷口のようにボランチを飛ばして2列目にボールを付けられるパスセンスを合わせ持つ。まさに川崎が欲しがっていたタイプの選手だ。これに舞行龍がと車屋、そして山村が加わり最大6人でセンターバックを回せるようになった。ACLの国際大会では、ジェジエウのようなプレーヤーは光るだろうし、4番という背番号も期待の表れだ。


ボランチ

 エドゥアルド・ネットが昨年の途中に移籍。不安視されたボランチ起用だが、守田英正というスーパールーキーの活躍によって解決された。それだけではなく、下田北斗もその力を発揮しつつあれば、ユースから昇格した田中碧も昨シーズンの終盤にそのポテンシャルの高さを発揮した。大島僚太という説明不要の天才もいるため、ボランチの層はどんどん厚くなってきている。
 そんな中、大島僚太2世と呼び声が高い原田虹輝が、埼玉県の名門昌平高校から加入。
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 また、シーズン途中に加入したカイオ・セザールもチームに残留。190㎝ある高身長だが、テクニシャンのように繊細なボール捌きを合わせも持つ。ここから序々に川崎にフィットしてくるだろう。


サイドアタッカー

 昨年MVPに輝いた家長昭博に、サッカーIQが高く両足から強烈なミドルシュートを放つ阿部浩之。元日本代表の齋藤学や、小柄ながらも相手DFを嘲笑うかのように交わす華麗なるドリブラー長谷川竜也。90分感衰えることの無い馬力を持つ鈴木雄斗などがいるこの場所は、Jリーグで1番ポジション争いが激しいと言っても過言では無い。正直言えば、戦力過多でもある。だが、4つのコンペティションを戦うならこのくらいの層が必要だ。個性的な選手が揃っているため、誰をどのタイミングでどう活かすかは、鬼木監督の手腕にかかっている。


トップ下

 我らがバンディエラ中村憲剛さん万歳。今年もよろしくお願いします!

 これだけで締めようと思ったのだが、彼の存在を忘れてはいけない。かつて2度の誘いを断られ、3度目のプロポーズがようやく実った。
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 セレッソ大阪でプレーをしていた山村和也の加入はとても大きい。本職であるセンターバックとボランチは勿論。ユンジョンファンの下で開花したトップ下でのプレーは、川崎に必要としていた新たなタスクをもたらすだろう。
 中村憲剛のような圧倒的なパスセンスは無いが、ボールを収めてから少ないタッチ数でボールを叩き周りを活かす能力や、2列目からも積極的にゴールを狙う力を持つ。
 そして、守備的なポジションで培ったアプローチと球際の強さで前線から守備のスイッチを入れる役割を果たしてくれるはずだ。後方でボールを保持した際に、正面から山村が突っ込んでくると考えれば恐怖そのものである。

 正直トップ下で使われるかは分からない。だが、センターラインの層を見てみると一番枯渇しているのはトップ下である。昨年は、中村、家長、脇坂泰斗の3枚で回していたが、脇坂はACLと天皇杯での出場。リーグ戦は実質2枚で戦っていたとなる上に、家長の本職がサイドだとするとトップ下は中村憲剛だけとなる。そう考えるとトップ下が妥当だと筆者は考えるが、こればっかしは鬼木監督に聞いてみないと分からない。


センターフォワード

 一昨年シーズンは、71得点を挙げた攻撃陣だが、昨年は57得点と減少。その問題を解決すべく、元セレソンのプレーヤーがチームに加入した。
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 ロンドン五輪でかの有名なネイマールと共にプレーをし、同大会得点王に輝いたレアンドロ・ダミアンだ。これまで川崎に無かった高さを持った長身FWで有り、ボックスの中でなら確実に仕事ができる。それだけでは無くポストプレーヤーとしての役割や、下がってボールを受ける偽9番も務められる万能型プレーヤーだ。
 赤﨑秀平が名古屋グランパスに移籍。チームキャプテンを務める小林悠や、昨年公式戦で二桁ゴールを挙げた知念慶。そして15歳ながら飛び級でU-18でのプレーをしていた経歴を持ち、久保建英と共に世代別の代表でもプレーをする宮代大聖もいる。恐らく1トップになるであろうこのポジションも熾烈な争いとなりそうだ。


~これからの課題~

 各ポジションに即戦力を獲得。2017年に初タイトルを獲った際、フロントは「2チーム分の戦力を保持する」と宣言。しかし、昨年は声をかけた選手に殆どに断れたらしく、2年越しの有言実行となった。
 課題であった高さとパワーを合わせ持つ選手も獲得し、改めて「ACL」のタイトル奪取を狙いに行っているのが伺える。

 課題があるとすれば、この新加入選手たちがどのタイミングでフィットするかだ。昨年のメンバーをベースにして戦えば問題無いのだが、右サイドバックに関しては急務だ。パス&ゴー。相手を剥がす動き。ゴール前に顔を出すプレー。守備の約束事。求められるタスクが多いため、マギーニョと馬渡は序盤苦労を強いられる可能性がある。このキャンプ期間でどこまで落とし込めるかが大きな課題となりそうだ。
 前線のメンバーもそうだ。小林悠が評価されるのは、得点を奪うだけでは無く、ネガティブ・トランジションの速さだ。レアンドロ・ダミアンにもこの切り替えの速さが求められる。そこをクリアしない限り、試合に絡んでくるのは難しくなるだろう。

 二つ目は、選手のモチベーション維持だ。これだけ層が厚いと自ずと試合に絡めないメンバーが出てくる。だが、コンディションの高い選手は使うべきだと筆者は考える。昨年のルヴァン杯で、下田を起用せず、谷口をボランチで使うが鹿島に敗れたゲームを見ると、もっと色々な選手を試してみても良いと感じた。
 怪我人が出た際や練習試合などで好調を維持する選手の起用方針など、監督のマネジメントからなる選手のモチベーション維持もタイトルを狙うためには必要となるはずだ。


 最初の試合であるゼロックススーパーカップまで残り一ヶ月。これに向けて、どのようなメンバーを選考するのか今から楽しみで有る。








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